セキュリティ業界で働こうと考える若手のみなさんへ

奈良先端科学技術大学院大学
サイバーレジリエンス構成学研究室 
教授 門林 雄基


国内外でサイバーセキュリティの標準化に取り組む。日欧国際共同研究NECOMAプロジェクトの日本研究代表、WIDEプロジェクトボードメンバーなどを歴任

 

奈良先端大 門林です。早いものでインターネットが発明されてから約半世紀がたち、セキュリティが「業界」と呼べるほどの規模になってしまいました。セキュリティ業界はおカネになりそうだから、成長分野だから、という理由でこの業界を目指す人もいることでしょう。もちろんウェルカムです。

しかし、「セキュリティ業界」という括りでこれからも仕事していけるとは、誰も保証していません。「セキュリティ専門家」だとみなさんが思っている人々も、当人に話を聞いてみるとインターネットビジネスの黎明期から、何から何まで自分でやっていた人々ばかりです(ちなみに私もそうです)。そんな業界とか肩書きはどうでもよく、人のために役に立とう、と考え、地道に技術的研鑽を続け、ひとさまに信用される結果を出し続ければ、あとから評価はついてくると思います。

急速に発展するデジタル経済の中で、日本のビジネスが成功をおさめ、その鍵となる差別化要素がセキュリティだったとしたら、うれしいではありませんか。そのために、ともに切磋琢磨し、技術者としての底力を蓄え続けたいと思います。