サプライチェーン攻撃で委託先が原因の情報漏えい時に企業が取るべき初動対応とFAQ

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委託先や外注先が原因で情報漏えいが起きた場合、「自社は何をすべきか」「どこまで責任を負うのか」といった判断に迷う企業は多くあります。本記事では、サプライチェーン攻撃が疑われる際の初動対応の考え方や、公表判断、委託先との連携のポイントを整理します。あわせて、企業担当者が抱きやすい疑問をFAQ形式でまとめ、実務で迷わないための視点を提供します。

委託先や外注先を起点としたサプライチェーン攻撃の全体像や、なぜこのような事故が起きるのかについては、以下の記事で整理しています。
サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

「原因は委託先です」で終わらない現実

情報漏えいが発覚したとき調査の結果として、「原因は委託先・外注先でした」と判明するケースは、近年珍しくありません。しかし実務の現場では、その事実が分かった瞬間に新たな問題が生じます。それは、「では自社は何をすべきなのか」「どこまで責任を負うのか」という判断です。委託先が原因であっても、情報の管理主体が自社である以上、初動対応を誤れば被害は拡大し、企業の信用は大きく損なわれます。サプライチェーン攻撃が増えている今、外部起因の情報漏えいを前提とした初動対応を理解しておくことは、企業にとって不可欠になっています。

初動対応で最も重要なのは「切り分けを急がない」こと

情報漏えいの疑いが出た直後、多くの現場で起きがちなのが、原因の切り分けを急ぎすぎることです。「本当に漏えいしているのか」「どこから漏れたのか」「委託先の責任なのか」といった点を早く確定させたくなるのは自然な反応です。しかしこの段階で重要なのは、責任の所在を断定することではありません。まず優先すべきなのは、被害が現在も拡大している可能性があるかどうかを見極め、必要に応じて影響範囲を止める判断をすることです。委託先が関係している場合でも、自社システムとの接点や連携は一時的に見直す必要があります。この判断が遅れると、被害が広がり続けるリスクがあります。

サプライチェーン攻撃は経営リスクでもあります。経営視点で整理した記事はこちら。
サプライチェーン攻撃と経営責任 ―委託先が原因でも問われる企業の判断とは ―

またそもそも、なぜ取引先や委託先を経由した攻撃は発見が遅れやすいのか、その背景を理解しておくことも重要です。
なぜ取引先経由で情報漏えいが起きるのか ―国内で相次ぐサプライチェーン攻撃の実態―

委託先との連携は「確認」ではなく「事実の共有」から始める

初動対応において、委託先への連絡は避けて通れません。ただしここで重要なのは、相手を問い詰めることではなく、事実を正確に共有することです。どの情報に異常が見られたのか、いつ頃から兆候があったのか、現時点で分かっていることと分かっていないことを整理し、共通認識を作ることが先決です。感情的なやり取りや責任追及は、この段階では状況を悪化させるだけになりがちです。委託先が保有しているログや調査状況を早期に把握できるかどうかは、その後の対応スピードを大きく左右します。

社内では「技術対応」と「説明責任」を同時に考える

外部起因の情報漏えいが疑われる場合、社内では複数の視点で同時に動く必要があります。システム部門やセキュリティ担当は技術的な影響範囲の確認を進める一方で、法務や広報、経営層は対外的な説明の準備を始めなければなりません。このとき、「原因が委託先だから自社は関係ない」という認識で対応が遅れると、結果的に説明責任を果たせなくなります。実際には、顧客や取引先から見れば、委託先かどうかは本質的な問題ではなく、「自分の情報がどうなったのか」が最も重要だからです。

公表判断は“事実が揃うまで待つ”ほど危険になる

情報漏えいの公表タイミングは非常に難しい判断です。しかし、すべての事実が揃うまで何も発信しない、という判断はリスクを高めることがあります。特に外部起因の場合、委託先側の調査に時間がかかり、自社で状況を完全に把握できない期間が発生しがちです。その間に情報が外部に漏れたり、第三者から指摘されたりすると、「隠していた」という印象を与えてしまいます。現時点で分かっている事実と、調査中であることを切り分けて伝える姿勢が、結果的に企業の信頼を守ることにつながります。

契約内容は「事後」ではなく「初動」で効いてくる

委託先が原因の情報漏えいでは、契約内容が初動対応に大きく影響します。インシデント発生時の報告義務や対応範囲が明確であれば、調査や情報共有をスムーズに進めることができます。一方で、契約にそうした取り決めがなく、対応が委託先任せになってしまうと、自社として判断すべき情報が集まらず、対応が後手に回ります。このとき初めて「契約を見直しておけばよかった」と気づく企業も少なくありません。

初動対応をスムーズに行うためには、平時から委託先・外注先のセキュリティをどこまで確認しておくべきかを整理しておく必要があります。
委託先・外注先のセキュリティはどこまで確認すべきか ―サプライチェーン攻撃を防ぐ実務判断―

まとめ:初動対応で問われるのは“原因”より“姿勢”

委託先が原因で情報漏えいが起きた場合、企業が最初に問われるのは、誰が悪いかではありません。どれだけ早く状況を把握し、被害拡大を防ぎ、関係者に誠実に向き合ったかという姿勢です。外部起因のインシデントは、今後さらに増えていくと考えられます。だからこそ、「委託先が原因だったらどうするか」を平時から想定しておくことが、最大の初動対策になります。

サプライチェーン攻撃は、予防・管理・初動対応のいずれか一つだけでは防ぎきれません。全体像を理解し、実態を知り、現実的な確認と備えを重ねていくことが重要です。
サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

FAQ

▼サプライチェーン攻撃とは何ですか?
▼サプライチェーン攻撃は大企業だけの問題ですか?
▼委託先が原因で情報漏えいが起きた場合、自社に責任はありますか?
▼委託先のセキュリティはどこまで確認すべきですか?
▼セキュリティチェックシートを回収すれば十分ですか?
▼委託先が多すぎて管理しきれない場合はどうすればいいですか?
▼情報漏えいが疑われたとき、最初にやるべきことは何ですか?
▼委託先への連絡はどのタイミングですべきですか?
▼事実がすべて分かるまで公表しない方が良いですか?
▼契約書でセキュリティ対策はどこまで決めるべきですか?
▼サプライチェーン攻撃は完全に防げますか?
▼サプライチェーンリスク対策で最も重要な考え方は何ですか?
▼サプライチェーン全体を考えた対策を進めるには

BBSecでは

委託先が関係する情報漏えいでは、自社だけで完結する対応はほとんどありません。複数の関係者が絡むからこそ、事前の整理や体制づくりが結果を大きく左右します。ブロードバンドセキュリティ(BBSec)では、サプライチェーン全体を前提としたインシデント対応体制の整理や、外部起因の事故を想定した初動対応の支援を行っています。「起きてから考える」のではなく、「起きる前提で備える」ことが、これからの企業に求められる姿勢です。もし、委託先を含めた情報管理やインシデント対応に不安を感じている場合は、一度立ち止まって体制を見直すことが、将来のリスクを減らす確かな一歩になるでしょう。

【参考情報】

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武蔵小杉病院へのランサムウェア攻撃 ―第2報から読み解くランサムウェア侵入経路と影響範囲―

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2026年2月、日本医科大学武蔵小杉病院は「院内の医療情報システムの一部がランサムウェア攻撃を受け、障害が発生した」こと、そしてそれに伴い患者の個人情報漏洩が確認されたことを公表しました*1。病院の発表は「第2報」という位置づけで、被害範囲、時系列、侵入経路、当面の診療体制、相談窓口までが具体的に示されています。まず強調したいのは、憶測で語られがちな“病院のサイバー攻撃”を、ここでは病院自身が明言した事実ベースで解説する点です。本記事では今回の公表内容(第2報)を中心に、医療機関サイバーセキュリティの観点で「何が起きたのか」「なぜ起きやすいのか」「利用者は何に気を付けるべきか」をわかりやすくまとめます。

侵入経路は“医療機器保守用VPN装置”

病院の第2報で明記された「攻撃を受けたシステム」は、ナースコールシステムのサーバー3台です。ナースコールは入院患者が看護師を呼ぶための仕組みとして広く知られていますが、その裏側では端末やサーバーが稼働し、運用上の都合から患者情報と結び付いているケースも珍しくありません。今回、病院は当該サーバーがランサムウェア攻撃を受けたことを認め、さらに調査の結果として「侵入経路は医療機器保守用VPN装置であった」ことが確認されたとしています。

ここでいうVPN装置は、医療機器メーカーなどが遠隔で保守作業を行う目的で用いられることが多い仕組みです。便利な一方で、通常のIT統制の枠外に置かれやすいのが現実です。たとえば、病院の標準的なIT統制から外れた管理になっていたり、資産管理やパッチ適用、アクセス制御、多要素認証などの基本対策が後回しになっていたりします。厚生労働省も注意喚起の中で、VPN装置を含むゲートウェイ機器の脆弱性対策、管理インターフェースのアクセス制限、認証強化などを重要ポイントとして挙げています。今回の発表内容は、まさにその“急所”が突かれ得ることを示す事例として受け止めるべきでしょう。

漏洩した個人情報

病院は、漏洩が確認された個人情報の項目として、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日、患者IDを挙げています。また、漏洩が確認された人数は「約1万人」で、これは2026年2月14日11時時点の確認値だとされています。一方で、患者が特に気にすると考えられる医療内容そのものについて、病院は「カルテ情報」の漏洩は現時点で確認されていないと明記しています。さらに、クレジットカード情報、マイナンバーカード情報についても、現時点では漏洩確認がないとしています。ここは不安を抱く利用者にとって重要なポイントです。ただし、ここでの注意点は「現時点では確認されていない」という表現が示す通り、調査が進む過程で情報が更新される可能性がゼロではないことです。病院も、仮に漏洩拡大が判明した場合はホームページで速やかに報告するとしています。

いつ気づき、どう動いたのか

第2報には、攻撃を認識した日時と経緯が日付単位で整理されています。最初の兆候は2026年2月9日午前1時50分頃、病棟のナースコール端末が動作不良となり障害を把握したことでした。その後、ナースコールシステムのベンダー調査により、サーバーがランサムウェア攻撃を受けたことが判明したとされています。病院は当該システムと関連ネットワークを遮断し、同日に文部科学省、厚生労働省、所轄警察へ報告したと公表しています。

続く2月10日には、厚生労働省の初動対応チームの派遣要請を行い、外部接続ネットワークを遮断してサーバー保全を開始。2月11日には初動対応チームの調査により、当該サーバーが院外と不正通信を行い、患者の個人情報を窃取していたことを確認したとされています。さらに、電子カルテを含む他の医療情報システムへの影響調査、外部接続ネットワーク機器の脆弱性や設定の調査も開始した、と時系列で説明されています。2月12日に個人情報保護委員会へ報告し、2月13日には漏洩した患者へ郵送でのお詫び連絡を開始した、と続きます。

この流れを見ると、ポイントは二つあります。ひとつは「障害として最初に見えた」こと、もうひとつは「通信ログ等の調査で情報窃取の事実確認に至った」ことです。ランサムウェアは“暗号化して身代金要求”のイメージが強い一方で、近年は暗号化だけでなく情報窃取を組み合わせ、二重三重の脅迫に発展するケースが問題視されてきました。今回の発表でも「不正通信」と「窃取」が明確に言及されており、病院がそこを重要事実として公表している点は見落とせません。

病院業務は止まったのか

医療機関へのサイバー攻撃で最も懸念されるのは、診療の停止や救急の受け入れ停止など、医療提供体制への影響です。今回、病院は2026年2月14日時点で、外来、入院、救急受け入れはいずれも通常通り実施していると説明しています。また「他の医療情報システムへの影響は現時点では確認されていない」とし、病院業務は通常通りと明記しています。

ここで大事なのは、“通常通り”という言葉の解釈を膨らませすぎないことです。病院が示したのは、その時点で確認できている範囲の診療体制であり、現場では臨時対応や負荷増が起きている可能性はあります。ただ、少なくとも公表文の事実としては、全面停止や救急停止を示す記述はなく、「止めずに継続している」という説明が中心です。

病院がとった封じ込めと復旧対応

第2報の中で、病院は「当該システム及び外部との通信を一切遮断し、専門家や電子カルテベンダーと共に、他のシステムへの影響について詳細な現況調査を継続して実施しております。」とし、原因となったランサムウェアの特定を完了し、「ウイルス対策ソフト会社より提供された最新のパターンファイルを用いて、現在、院内全域でのウイルス駆除作業を実施しております。」と説明しています。

サイバーインシデント対応として見ると、ここには典型的な優先順位が現れています。まず“広げない”ための遮断、次に“証拠を残す”ための保全、その上で“横展開の確認”として他システム影響調査、そして“回復”のための駆除作業です。特に医療機関では、電子カルテだけ守っても安全とは言い切れません。ナースコールのような周辺系、委託業者や医療機器ベンダーの保守経路、ネットワーク機器設定など、境界にある仕組みが狙われると、想定外の入口になります。私たちが特に注目すべきと考えるのは、医療機器保守用VPN装置が侵入経路として公表された点です。これは医療機関のセキュリティ対策が“例外管理”に弱いことを改めて突き付けています。

詐欺・なりすましへの警戒

今回漏洩が確認された情報には、氏名、住所、電話番号、生年月日が含まれます。これは、金融情報そのものではない一方で、なりすまし、勧誘、フィッシング、特殊詐欺の“材料”として悪用されやすい属性情報です。病院は、漏洩した患者に対して「直接連絡する」とし、実際に2月13日から郵送によるお詫び連絡を開始したと公表しています。したがって利用者側の現実的な対策は、まず「病院から届く郵送物や案内」を冷静に確認し、連絡先や手続きが公表内容と整合するかを見極めることです。そして電話やSMS、メールで“病院を名乗る連絡”が来た場合、いきなり個人情報を追加で伝えたり、リンクを開いて入力したりせず、病院が設置した問い合わせ窓口など、公式に案内された経路へ折り返し確認するのが安全です。病院は本件の相談・問い合わせ専用窓口(専用ダイヤルの複数回線やフリーダイヤル運用開始予定)を案内していますので、確認の際はそうした公式窓口を使うのが基本になります。

よくある疑問:電子カルテは大丈夫なのか、身代金は払ったのか

「電子カルテは大丈夫なのか」という疑問に対しては、病院の公表では、「他の医療情報システムへの影響は現時点では確認されていない」とされています。つまり、“影響なし”と断定しているというより、調査継続の前提で“少なくとも現時点の確認では影響が見つかっていない”という説明です。ここは言葉通りに受け止め、今後の更新を注視するのが適切です。

「身代金を払ったのか」という点については、第2報の本文からは読み取れません。少なくとも病院は、侵入経路、漏洩項目、診療状況、当局報告、遮断・調査・駆除といった事実を中心に説明しており、金銭要求や支払いに関する記載は確認できません。ここで外部の憶測を混ぜると正確性が落ちるため、本記事では触れません。

なぜ医療機関は狙われるのか:つながる医療機器

医療機関のサイバー攻撃を考えるとき、電子カルテだけを守ればよいという発想は危険です。病院には、医療機器、保守用回線、委託業者のネットワーク接続、建物設備、ナースコールのような周辺システムまで、多様な“つながる仕組み”があります。しかも医療の現場は24時間止められず、更新・停止・入れ替えが難しい機器も少なくありません。結果として、VPN装置のような境界機器が古い設定のまま残りやすかったり、管理者が限定されて全体の統制が効きにくかったりします。

厚生労働省の注意喚起でも、VPN装置を含むゲートウェイ機器の脆弱性対策を迅速に行うこと、管理インターフェースのアクセス制限を行うこと、多要素認証などで認証を強化すること、資産(IoT機器を含む)の把握を行うことが示されています。武蔵小杉病院の件で侵入経路が医療機器保守用VPN装置である、と公表されたことは、これらが“机上の理想”ではなく、現実の被害と直結する論点であることを、改めて裏付ける材料になっています。

企業・組織側が学ぶべき教訓:VPNと保守経路の統制はセキュリティの“盲点”

今回の公表内容から読み取れる最大の教訓は、保守のための例外的な経路を放置しないことです。医療機関に限らず、製造業、ビル管理、自治体、教育機関などでも、ベンダー保守用VPNは現場の利便性を理由に残りやすく、監査や更新の網から漏れがちです。だからこそ、ネットワーク図に載っていない接続点、ベンダーしか触れない装置、管理台帳にない機器といった“影の資産”を可視化し、アクセス制御、ログ監視、脆弱性対応、認証強化、契約と運用ルールの整備まで含めて統制する必要があります。また、今回病院が行ったように、初動で外部接続を遮断し、当局に報告し、初動対応チームや専門家と連携しながら調査と封じ込めを進めることは、医療機関のインシデントレスポンスとして重要です。平時から、遮断判断の基準、連絡系統、証拠保全の手順、ベンダー連携の契約条項、代替運用を準備しておかなければ、同じ判断を迅速に実行するのは難しくなります。

まとめ

日本医科大学武蔵小杉病院の公表によれば、今回のサイバー攻撃はナースコールシステムがランサムウェア攻撃を受けたことに端を発し、医療機器保守用VPN装置が侵入経路として確認され、患者の個人情報が窃取されたとされています。漏洩は約1万人、項目は氏名や住所、電話番号、生年月日、患者IDであり、カルテ情報やクレジットカード情報、マイナンバーカード情報の漏洩は現時点で確認されていない、というのが病院の説明です。

“病院のサイバー攻撃”という言葉は刺激的ですが、重要なのは、どのシステムが攻撃され、どの経路が弱点になり、どんな情報が漏洩し、利用者と組織が何に備えるべきかを、事実に即して理解することです。今回の事例は、電子カルテ以外の周辺システムも含めた医療機関サイバーセキュリティの必要性、そしてVPN装置や保守経路を例外扱いしない統制の重要性を、強く示しています。今後も病院の続報で情報が更新される可能性があるため、一次情報の確認を前提に、過度な憶測ではなく、現実的な警戒と備えにつなげることが肝要です。

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    サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

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    近年、企業の情報漏えい事故の原因として増えているのが、委託先や取引先、外部サービスを経由したサプライチェーン攻撃です。自社のシステムが直接攻撃されていなくても、外部との連携を足がかりに被害が発生するケースは珍しくありません。本記事では、サプライチェーン攻撃とは何かという基本的な考え方から、なぜ企業規模を問わずリスクが高まっているのか、全体像を整理します。まず全体を理解することで、断片的な対策に終わらない判断の土台をつくります。

    サプライチェーン攻撃がどのように起きているのか、攻撃の特徴や背景を知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
    なぜ取引先経由で情報漏えいが起きるのか ―国内で増えるサプライチェーン攻撃の実態―

    情報漏えいは「自社の外」から起きる時代へ

    近年、企業の情報漏えい事故を調査すると、必ずしも自社システムが直接攻撃されているわけではないケースが増えています。原因として多く挙げられるのが、委託先や外注先、外部サービスを経由した不正アクセスです。こうした攻撃はサプライチェーン攻撃と呼ばれ、いまや企業規模や業種を問わず直面する可能性のある現実的なリスクになっています。クラウドサービスSaaSの利用、業務委託の拡大によって、企業のセキュリティ境界は大きく広がりました。その結果、自社だけを守っていれば安全、という考え方は通用しなくなっています。

    サプライチェーン攻撃とは何か

    サプライチェーン攻撃とは、標的企業そのものではなく、その周囲に存在する取引先や委託先、連携サービスを足がかりに侵入する攻撃手法です。攻撃者は、比較的対策が弱い外部事業者を狙い、正規の権限や接続経路を利用して本来の標的へと近づきます。この攻撃の特徴は、正規の仕組みが悪用される点にあります。そのため、不正侵入として検知されにくく、被害が表面化したときにはすでに多くの情報が流出しているケースも少なくありません。

    なぜサプライチェーンリスクの管理は難しいのか

    サプライチェーンリスクの管理が難しい最大の理由は、管理対象が自社のコントロール外にある点です。委託先や外注先ごとにセキュリティ対策の成熟度は異なり、すべてを同じ基準で把握することは簡単ではありません。また、契約内容や運用ルールが曖昧なまま業務が進んでいることも多く、インシデントが起きて初めて問題に気づくケースもあります。こうした背景から、「何をどこまで確認すべきか分からない」という声が現場で多く聞かれます。

    委託先・外注先のセキュリティはどこまで確認すべきか

    サプライチェーンリスクを考えるうえで重要なのは、すべてを完璧に監査しようとしないことです。まずは、委託先がどの情報にアクセスできるのか、どの業務を担っているのかを整理することが出発点になります。扱う情報の重要度が高いほど、確認すべき範囲も広がります。技術的な対策の有無だけでなく、運用体制やインシデント時の対応ルールが整っているかどうかを見ることが、現実的なセキュリティ確認につながります。

    委託先が原因で情報漏えいが起きた場合の初動対応

    どれだけ対策を講じていても、サプライチェーン攻撃のリスクを完全にゼロにすることはできません。そのため重要なのは起きない前提ではなく、起きたときにどう対応するかを想定しておくことです。委託先が原因で情報漏えいが疑われる場合でも、企業としての説明責任は免れません。初動対応では、原因の切り分けよりも被害拡大の防止と事実整理を優先し、社内外への対応を並行して進める必要があります。

    サプライチェーンリスク対策で本当に重要な視点

    サプライチェーン攻撃への対策は、単なるセキュリティ技術の問題ではありません。委託先との関係性、契約内容、社内体制、インシデント対応の準備といった、組織全体のリスク管理の問題です。「自社の中は守ることができている」という安心感が、かえってリスクを見えにくくしてしまうこともあります。だからこそ、自社を取り巻く外部環境も含めて全体を把握し、どこにリスクが集中しているのかを整理する視点が欠かせません。

    サプライチェーン攻撃は経営リスクでもあります。経営視点で整理した記事はこちら。
    サプライチェーン攻撃と経営責任 ―委託先が原因でも問われる企業の判断とは ―

    まとめ:まず“全体像”を理解することが最大の対策

    サプライチェーン攻撃は、今後も増えていくと考えられます。委託先や外注先を活用する限り、すべての企業が無関係ではいられません。重要なのは、断片的な対策に終始するのではなく、サプライチェーン全体を一つのシステムとして捉えることです。全体像を理解したうえで、確認・対応・改善を積み重ねていくことが、結果的に最も効果的なリスク対策になります。

    BBSecでは

    サプライチェーンリスクは、属人的な判断や部分的な対応では管理しきれなくなっています。委託先の数が増えるほど、リスクの把握と対応は複雑になります。株式会社ブロードバンドセキュリティ(BBSec)では、サプライチェーン全体を視野に入れたセキュリティリスクの整理や、委託先管理、インシデント対応体制の支援を行っています。「どこにリスクがあるのか分からない」という段階からでも、現状に合わせた整理と改善を進めることが可能です。サプライチェーンを含めた情報管理に不安を感じている場合は、まず全体を俯瞰するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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