DoS攻撃とDDoS攻撃の違いとは?仕組み・被害・対策を比較解説

Share

Security NEWS TOPに戻る
バックナンバー TOPに戻る

DoS攻撃とDDoS攻撃の違いとは?アイキャッチ画像

DoS攻撃とDDoS攻撃は、Webサイトやサーバーに大量の通信を送り付け、サービスを利用しにくくしたり、停止させたりするサイバー攻撃です。

どちらもサービス妨害を目的とする攻撃ですが、攻撃元の数や規模、検知・防御の難しさには大きな違いがあります。特にDDoS攻撃は、多数の端末から同時に通信が送られるため、正規のアクセスとの見分けが難しく、企業のWebサービスや業務システムに大きな影響を及ぼすおそれがあります。

本記事では、DoS攻撃とDDoS攻撃の仕組みや違い、企業に及ぼす被害、対策のポイントについて比較しながら解説します。

DDoS攻撃の基本的な仕組みや種類について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。「DDoS攻撃とは?仕組み・種類・被害・対策を企業向けに解説

DoS攻撃とは

DoS攻撃とは、「Denial of Service attack」の略称で、サーバーやネットワーク機器に過剰な負荷をかけ、サービスを利用できない状態にするサイバー攻撃です。

攻撃者は、特定のWebサイトやサーバに対して大量のリクエストやデータを送り付けます。処理能力や通信容量を超える負荷が発生すると、システムの応答が遅くなったり、サービスが停止したりする可能性があります。

一方で、単純に大量の通信を送るだけでなく、Webアプリケーションやネットワーク機器の脆弱性、設定不備を悪用して、少ない通信でシステムを停止させる攻撃もあります。

例えば、次のような問題がDoS攻撃に悪用される可能性があります。

  • 極端に長い文字列を処理してしまう
  • アップロードできるファイル容量に上限がない
  • 短時間に送信されるリクエスト数を制限していない
  • ネットワーク機器やソフトウェアに脆弱性が残っている
  • 不要なサービスやポートが外部に公開されている

このような脆弱性や設定不備に起因するDoS攻撃については、システムの修正や設定の見直しによって、発生リスクを抑えることが可能です。

DDoS攻撃とは

DDoS攻撃とは、「Distributed Denial of Service attack」の略称で、複数の端末から一斉にDoS攻撃を行う手法です。

Distributedは”分散された”という意味であり、攻撃者は多数の端末を利用して、対象となるWebサイトやサーバーに大量の通信を送り付けます。

DDoS攻撃では、マルウェアに感染したパソコンやサーバー、ルーター、ネットワークカメラ、IoT機器などが攻撃に利用されることがあります。攻撃者の指示によって遠隔操作される端末の集まりは、ボットネットと呼ばれます。

端末の所有者が、自分の機器が攻撃に利用されていることに気づいていないケースも少なくありません。攻撃者は、こうした多数の端末から同時に通信を発生させることで、大規模な攻撃を実行します。

DDoS攻撃では、攻撃元となるIPアドレスが多数存在するため、特定の通信だけを遮断することが困難です。また、一般の利用者による正規のアクセスと攻撃通信が混在することもあり、単純なアクセス制限では対応できない場合があります。

そのため、DDoS攻撃への対応には、通信量の監視やアクセス制御だけでなく、CDN、WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)、DDoS対策サービス、クラウド側の防御機能などを組み合わせた対策が必要です。

DoS攻撃とDDoS攻撃の違い

Dos攻撃/DDos攻撃とはのサムネ
DoS攻撃/DDoS攻撃の概要図

DoS攻撃とDDoS攻撃は、どちらもサービスの停止や遅延を引き起こす攻撃です。大きな違いは、攻撃元の数と攻撃規模にあります。

DoS攻撃では、攻撃元が限られている場合、特定のIPアドレスを遮断することで対応できる可能性があります。

一方、DDoS攻撃では、数多くの端末から通信が送られるため、攻撃元を一括して遮断することが難しくなります。正常な利用者の通信まで遮断してしまうと、自らサービスを停止させる結果にもなりかねません。

また、DDoS攻撃は、大量の通信を送り付けるだけでなく、Webサーバーやアプリケーションに負荷の高い処理を繰り返させる形で実行されることもあります。

そのため、通信量だけを監視するのではなく、アクセスパターンやリクエスト内容、処理負荷なども含めて異常を検知する必要があります。

なぜDDoS攻撃が脅威なのか

DDoS攻撃が企業にとって大きな脅威となる理由は、攻撃規模が大きいことだけではありません。攻撃元が分散しており、正規のアクセスとの見分けが難しい点にあります。

多数の端末から同時に攻撃される

DDoS攻撃では、ボットネットに組み込まれた多数の端末が利用されます。

攻撃元が世界中に分散している場合、個別のIPアドレスを遮断しても、別の端末から攻撃が続く可能性があります。

また、攻撃元となる端末の多くは、一般の企業や個人が利用しているパソコン、サーバー、IoT機器などです。そのため、単純に特定の国や地域からの通信を遮断するだけでは、攻撃を防げないことがあります。

正規のアクセスと区別しにくい

DDoS攻撃には、ネットワーク回線を大量の通信で埋め尽くす攻撃だけでなく、通常のWebアクセスとよく似たリクエストを繰り返す攻撃もあります。

例えば、検索機能やログイン画面、商品一覧、APIなど、サーバー側で比較的大きな処理が必要となる機能にアクセスを集中させる手法です。

通信そのものは通常のアクセスと似ているため、攻撃だけを正確に遮断することが難しくなります。

短時間でも大きな損失につながる

Webサイトやオンラインサービスが停止すると、企業にはさまざまな影響が生じます。

  • 商品やサービスの販売機会を失う
  • 顧客がサービスを利用できなくなる
  • コールセンターや問い合わせ窓口への連絡が増える
  • 復旧対応や原因調査に人的コストがかかる
  • 顧客や取引先からの信用が低下する
  • SLA違反や契約上の問題が発生する

ECサイトや予約サービス、金融サービス、オンラインゲーム、SaaSなど、インターネット上でサービスを提供する企業では、短時間の停止でも売上や顧客満足度に大きな影響を与える可能性があります。

別の攻撃と同時に行われることがある

DDoS攻撃は、単独で実行されるとは限りません。

大量のアラートや障害対応によって企業の担当者を混乱させ、その間に別のシステムへの不正アクセスを試みるなど、陽動目的で利用される可能性もあります。

DDoS攻撃が発生した場合には、サービス復旧だけに集中するのではなく、不審なログインや設定変更、マルウェア感染、情報漏えいなど、別の異常が発生していないかも確認することが重要です。

企業が取るべき対策

DoS攻撃やDDoS攻撃を完全に防ぐことは容易ではありません。特に大規模なDDoS攻撃では、自社のサーバーやネットワーク機器だけで防御することは難しく、通信が自社環境に到達する前の段階で対処する必要があります。重要なのは、単一の製品や設定だけに依存せず、複数の対策を組み合わせることです。

  1. 必要のないサービス・プロセス・ポートは停止する
  2. OSや機器、ソフトウェアを更新する
  3. リクエスト数やデータ容量を制限する
  4. CDNやDDoS対策サービスを利用する
  5. 脆弱性対策が施されたパッチを適用する
  6. WAFを導入する
  7. システムを冗長化する
  8. 通信状況を監視する
  9. 脆弱性診断を実施する
  10. DoS攻撃/DDoS攻撃の端緒になりうる各種の不備を見つけて直す

自組織のセキュリティ状況を見直し、リスク状況を把握することにより、攻撃に備えることが大切です。どの対策のほうがより効果があるということではなく、それぞれ防御するレイヤーが異なるので複数組み合わせていく、「多層防御」がより効果的です。

WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール

WAFでは大量に不正に送信される大量のパケットのブロックや、一時的にアクセスが集中した際にはサーバが停止する前にアクセスの制限をかけるなどができます。また、適切なシグネチャ(Webアプリケーションへのアクセスパターンの定義ファイル)を設定しておくことで、攻撃コードの送信を検知して攻撃コードがアプリケーションに届く前に不正なコードの送信としてWAFで止めることが可能になります。

Webアプリケーション脆弱性診断

脆弱性診断を行うことで予め管理しているWebアプリケーションの脆弱性状況を把握し、脆弱性の修正を行うことによってスキャンされた際に脆弱性情報としてハッカーの目に留まることを防げます。脆弱性を悪用した攻撃についても同様でそもそも悪用できそうな脆弱性がない、という状態を維持することができます。

Webアプリケーション脆弱性診断のサービスバナー

脆弱性や設定不備に起因するDoS攻撃は予防できる

DoS攻撃/DDoS攻撃は攻撃の発生に気づくのが難しいという話を記事内で述べましたが、一方で、防ぐことができるタイプの攻撃も存在します。

一部のWebサイトでは、「長大な文字列を受け入れてしまう」「ファイルの容量を制限しない」など、DoS攻撃につけ込まれてしまう問題が存在することがあります。また、ネットワーク関連の設定の不備によってDoS攻撃を受ける可能性も存在します。しかし、こうした脆弱性は、修正による回避が可能です。

また、あなたの企業が直接DoS攻撃の攻撃対象とならなくても、上述のような脆弱性を放置しておくとDDoS攻撃の踏み台にされることもあります。その対策としては、各種機器・OS・ソフトウェアの脆弱性管理を適切に行うことや、脆弱性診断等のセキュリティ診断を定期的に実施して未知のリスクを把握し、対処することが重要です。


ここで余談ではありますが、診断実施に伴う「あるある」エピソードを。
セキュリティ診断を行う際には、必ず、実施の年月日や時間帯を関連する部署に周知しなくてはなりません。実は、診断実施に伴って事業部門等が「DoS攻撃が発生した!」と勘違いすることが、しばしばあるのです。もちろん、一般にインターネット上に公開しているシステムの場合には業務に差し支えるような検査の仕方をしないというのが大前提ですが、それでも、大量の問合せ等が発生すると何も知らされていない担当部署はサイバー攻撃と勘違いすることがあります。ついでにこの際に抜き打ちで社内のサイバー訓練を・・・と目論みたい気持ちが出たとしても、それを実行に移すのは大変危険です。訓練は訓練させる側にきちんとした検証シナリオがあってこそ効果を発揮します。まずは関係各所との連携を徹底するところから始めましょう。


DDoS攻撃では、サービス復旧だけでなく、不正アクセスや情報漏えいの有無も確認することが重要です。初動対応の流れや確認すべきポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
DDoS攻撃を受けたらどうする?―初動対応から復旧までの流れを解説―

まとめ

DoS攻撃とDDoS攻撃は、どちらもサーバーやネットワークに負荷をかけ、サービスの遅延や停止を引き起こす攻撃です。

DoS攻撃は1台または少数の端末から行われることが多いのに対し、DDoS攻撃は多数の端末から同時に実行されます。

DDoS攻撃は、攻撃元が分散しているため特定や遮断が難しく、正規のアクセスと攻撃通信を見分けにくい点が特徴です。

企業は、CDNやWAF、DDoS対策サービス、システムの冗長化、通信監視などを組み合わせて、被害を抑える必要があります。

また、脆弱性や設定不備を悪用するDoS攻撃については、OSやソフトウェアの更新、不要なサービスの停止、アクセス制御の見直し、脆弱性診断などによってリスクを低減できます。

攻撃を完全に防ぐことだけを目指すのではなく、異常を早期に検知し、サービスへの影響を最小限に抑え、迅速に復旧できる体制を整えておくことが重要です。

公開日:2022年8月3日
更新日:2026年8月5日

編集責任:木下


資料ダウンロードボタン
年二回発行されるセキュリティトレンドの詳細レポート。BBSecで行われた診断の統計データも掲載。
お問い合わせボタン
サービスに関する疑問や質問はこちらからお気軽にお問合せください。

Security Serviceへのリンクバナー画像
BBsecコーポレートサイトへのリンクバナー画像
セキュリティ緊急対応のバナー画像

Security NEWS TOPに戻る
バックナンバー TOPに戻る

DDoS攻撃とは?仕組み・種類・被害・対策を企業向けに解説

Share

Security NEWS TOPに戻る
バックナンバー TOPに戻る

DDoS攻撃とは?仕組み・種類・被害・対策を企業向けに解説アイキャッチ画像

DDoS攻撃は、大量の通信を送り付けて、Webサイトやサーバーを利用しにくくするサイバー攻撃です。サービス停止や業務の停滞を招くおそれがあるため、企業は仕組みと対策を理解しておく必要があります。本記事では、DDoS攻撃の種類や被害、基本的な対策を解説します。

DoS攻撃との違いを詳しく知りたい方、実際にDDoS攻撃を受けた場合の初動対応や復旧の流れについて知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
DoS攻撃とDDoS攻撃の違いとは
DDoS攻撃を受けたらどうする?

DDoS攻撃とは

DDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)は、Webサイトやサーバー、ネットワーク機器などに大量の通信やリクエストを送り付け、正常なサービス提供を妨害するサイバー攻撃です。攻撃を受けると、Webサイトの表示遅延やサービス停止、ネットワークの応答遅延などが発生し、正規の利用者がサービスを利用できなくなることがあります。

DDoS攻撃の特徴は、攻撃者が多数の端末やネットワークを利用する点にあります。攻撃者は、マルウェアなどに感染した機器で構成される「ボットネット」を悪用します。

世界中の端末から一斉に通信を送るため、単一の送信元を遮断するだけでは防ぎにくい攻撃です。近年では、ECサイトや金融機関、自治体、医療機関など、幅広い組織が標的となっています。企業規模を問わず対策が求められています。

また、DDoS攻撃は、サービス停止だけを目的とするものではありません。攻撃による混乱に乗じて、不正アクセスや情報窃取など、別の攻撃を試みる「陽動」として利用されるケースもあります。

DDoS攻撃を理解するためには、まずDoS攻撃との違いや、どのような目的で実行されるのかを知ることが重要です。

DoS攻撃との違い

DoS攻撃は、単一または少数の端末からサービスを妨害する攻撃です。DDoS攻撃は、多数の端末から分散して通信を送るため、攻撃元の特定や遮断が難しくなります。

DoS攻撃とDDoS攻撃の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。「DoS攻撃とDDoS攻撃の違いとは

なぜDDoS攻撃が行われるのか

DDoS攻撃の目的は、単にWebサイトやサービスを停止させることだけではありません。企業活動を妨害したり、金銭を要求したり、別のサイバー攻撃を成功させるための陽動として利用されたりするなど、さまざまな目的で実行されます。

例えば、ECサイトや予約システムを停止させることで売上機会の損失を狙うケースや、競合他社への業務妨害を目的とした攻撃が報告されています。

また、サービス停止による混乱の中で、不正アクセスや情報窃取を試みることもあります。このような「陽動攻撃」として、DDoS攻撃が利用されるケースもあります。

近年では、IoT機器の普及やボットネットの大規模化が進んでいます。その結果、専門的な知識がなくても、攻撃サービスを利用して大規模なDDoS攻撃を実行できる環境が問題視されています。

こうしたサービスは、DDoS-for-Hire、すなわちDDoS請負サービスなどと呼ばれます。そのため、企業規模を問わず、DDoS攻撃を想定した備えが重要になっています。

DDoS攻撃の仕組み

DDoS攻撃は、多数の端末やサーバから、標的へ一斉に大量の通信を送る攻撃です。サーバやネットワーク機器に過剰な負荷をかけ、正常なサービス提供を妨げます。

攻撃対象は、Webサイトだけではありません。DNSサーバやVPN、API、クラウドサービスなど、多岐にわたります。

攻撃者は、自ら大量の通信を送るのではありません。マルウェアに感染したIoT機器やパソコン、サーバーなどを遠隔操作します。そして、ボットネットを構築して攻撃を実行するのが一般的です。

また、DDoS攻撃は、大量の通信によって回線帯域を圧迫するものだけではありません。ネットワーク機器に負荷をかける攻撃や、Webアプリケーションへ大量のリクエストを送る攻撃など、複数の手法があります。

そのため、自社サービスを守るためには、攻撃の仕組みを理解し、それぞれの手法に応じた対策を講じることが重要です。

ボットネットによる分散攻撃

DDoS攻撃では、多くの場合「ボットネット(Botnet)」と呼ばれるネットワークが悪用されます。ボットネットとは、マルウェアに感染したパソコンやサーバ、IoT機器などが攻撃者の遠隔操作下に置かれた状態のネットワークです。攻撃者はこれらの端末へ一斉に指示を送り、標的に大量の通信を発生させます。

近年では、監視カメラやルーター、ネットワーク機器など、十分なセキュリティ対策が施されていないIoT機器がボットネットに組み込まれる事例も確認されています。機器の所有者が気付かないまま攻撃に加担しているケースも少なくありません。

ボットネットを利用したDDoS攻撃では、世界中に分散した多数の端末から同時に通信が送られるため、単一の送信元を遮断するだけでは十分な対策が難しくなります。

攻撃の流れ

DDoS攻撃は、一般的に次のような流れで実行されます。

  1. ボットネットの構築
    攻撃者は、マルウェアに感染したパソコンやサーバー、IoT機器などを遠隔操作できる状態にし、ボットネットを構築します。
  2. 攻撃対象の選定
    WebサイトやECサイト、VPN、DNSサーバー、APIなど、攻撃対象となるシステムを選定します。
  3. 攻撃命令の送信
    攻撃者がボットネットへ攻撃命令を送ると、多数の端末が一斉に標的へ通信やリクエストを送信します。
  4. サービスへの影響
    大量の通信によってネットワーク回線やサーバー、ネットワーク機器、Webアプリケーションに負荷がかかり、応答遅延やサービス停止などが発生します。

攻撃の種類によっては、ネットワーク帯域を圧迫するだけでなく、ファイアウォールやロードバランサーなどのネットワーク機器に負荷をかけるものや、Webアプリケーションへ大量のリクエストを送るものもあります。そのため、攻撃の種類に応じた対策を講じることが重要です。

DDoS攻撃の主な種類

DDoS攻撃にはさまざまな手法がありますが、大きく分けると「ボリューム攻撃」「プロトコル攻撃」「アプリケーション層攻撃」の3種類に分類できます。

攻撃対象や攻撃方法が異なるため、サービスへの影響や有効な対策もそれぞれ異なります。攻撃の種類を理解することは、自社サービスがどのようなリスクにさらされているのかを把握し、適切な対策を講じるための第一歩です。

ここでは、代表的な3つの攻撃手法について解説します。

ボリューム攻撃

ボリューム攻撃は、大量の通信を送り付けてネットワーク回線の帯域を圧迫し、正規の利用者がサービスへアクセスできない状態にする攻撃です。DDoS攻撃の中でも代表的な手法であり、回線容量を超える通信が発生すると、サーバーが正常に稼働していてもサービスを利用できなくなることがあります。

代表的な手法として、UDP FloodDNS Amplification(DNSリフレクション攻撃)NTP Amplificationなどがあります。特にDNSやNTPなどの公開サーバーを悪用する反射・増幅型攻撃では、小さなリクエストを利用して何倍もの通信量を発生させるため、攻撃者は比較的少ない通信量でも大きな負荷を与えることができます。

プロトコル攻撃

プロトコル攻撃は、TCP/IPなどの通信プロトコルの仕組みを悪用し、サーバーやファイアウォール、ロードバランサーなどのネットワーク機器に負荷をかける攻撃です。通信回線そのものを埋め尽くすボリューム攻撃とは異なり、ネットワーク機器やサーバーの処理能力を消費させることで、正常な通信を妨害します。

代表的な手法としては、SYN Floodがあります。TCP通信の接続要求(SYNパケット)を大量に送り付けることで、サーバは接続待ちの状態を維持し続けることになり、新たな正規ユーザからの接続を受け付けられなくなる場合があります。このほか、Ping FloodSmurf攻撃などもプロトコル攻撃の一種として知られています。

アプリケーション層攻撃

アプリケーション層攻撃は、WebサイトやWebアプリケーション、APIなどを標的とするDDoS攻撃です。利用者が直接アクセスするサービスが狙われます。

通信量そのものはそれほど多くなくても、サーバーが処理に時間を要するリクエストを大量に送ることで、CPUやメモリなどのリソースを消費させ、サービスの応答遅延や停止を引き起こします。

代表的な手法としてHTTP Floodがあります。通常のWeb閲覧と同じHTTPリクエストを大量に送信するため、正規のアクセスと見分けにくく、単純な通信量の監視だけでは検知が難しい場合があります。また、検索機能やログイン画面、APIなど、サーバー負荷の高い処理を集中的に狙う攻撃も確認されています。

DDoS攻撃による被害

DDoS攻撃による影響は、単にWebサイトが一時的に閲覧できなくなるだけではありません。サービス停止による売上機会の損失や業務の停滞、顧客対応の負荷増加など、企業活動全体へ影響が及ぶ可能性があります。

また、長時間にわたってサービスが利用できない状態が続くと、企業の信頼低下やブランドイメージの毀損につながるおそれもあります。

近年では、DDoS攻撃を単独で行うだけでなく、その混乱に乗じて不正アクセスや情報窃取など別の攻撃を試みるケースも報告されています。そのため、DDoS攻撃は単なる通信障害ではなく、企業の事業継続に関わるセキュリティリスクとして捉えることが重要です。

ここでは、企業が受ける代表的な被害について解説します。

サービス停止

DDoS攻撃による代表的な被害は、Webサイトやオンラインサービスの停止です。

大量の通信やリクエストが送られると、サーバーやネットワーク機器に過剰な負荷がかかります。その結果、Webページの表示遅延やタイムアウト、エラーが発生し、正規の利用者がサービスを利用できなくなることがあります。

特に、ECサイトや予約システム、会員向けサービス、決済サービスなど、インターネットを通じて提供されるサービスでは、短時間の停止であっても売上機会の損失や顧客満足度の低下につながる可能性があります。

さらに、DDoS攻撃ではサーバー自体に障害が発生していなくても、回線帯域の逼迫やネットワーク機器への負荷によってサービスが利用できなくなる場合があります。そのため、システムが正常に稼働しているように見えても、利用者からは「サービスが停止している」と認識されるケースも少なくありません。

業務への影響

DDoS攻撃の影響は、Webサイトの停止だけにとどまりません。公開サービスと社内システムが同じネットワークや認証基盤を利用している場合には、VPNや業務システム、クラウドサービスなどへ影響が及び、日常業務に支障をきたすことがあります。

また、サービス停止に伴い、顧客や取引先からの問い合わせが急増し、カスタマーサポートや営業部門の対応負荷が高まることもあります。

ECサイトでは注文処理や決済が滞り、BtoBサービスでは取引先の業務に影響を与えるなど、事業継続にも大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに、障害対応のために情報システム部門やセキュリティ担当者が長時間の対応を余儀なくされ、本来予定していた業務が停滞するケースも少なくありません。

企業の信頼低下

DDoS攻撃によるサービス停止が長時間続いたり、繰り返し発生したりすると、企業に対する信頼の低下につながるおそれがあります。利用者は「サービスが安定して利用できない企業」という印象を持つ可能性があり、顧客離れや新規顧客の獲得機会の損失につながることもあります。

さらに、DDoS攻撃をきっかけに、自社のセキュリティ対策やインシデント対応体制が十分であるかを取引先や顧客から問われることもあります。そのため、平時から適切な対策を講じるとともに、攻撃発生時には迅速かつ適切な対応を行うことが、企業の信頼維持につながります。

企業が実施すべきDDoS攻撃対策

DDoS攻撃は、完全に防ぐことが難しいサイバー攻撃の一つです。そのため、攻撃を受けることを前提に、被害を最小限に抑えるための対策を講じることが重要です。ここでは、企業が押さえておきたい代表的なDDoS攻撃対策を紹介します。

通信の監視と異常検知

DDoS攻撃による被害を最小限に抑えるためには、通信状況を継続的に監視し、通常とは異なるアクセスを早期に検知できる体制を整えることが重要です。

アクセス数や通信量、リクエスト数などの推移を日頃から把握しておくことで、異常な増加が発生した際に迅速な対応につなげることができます。

近年では、SIEM(Security Information and Event Management)やネットワーク監視ツールを活用し、異常な通信を自動で検知・通知する仕組みを導入する企業も増えています。

DDoS攻撃は短時間で通信量が急増するケースが多いため、異常を検知してから対応を開始するまでの時間が重要です。

CDN・WAF・DDoS対策サービスの活用

DDoS攻撃は、攻撃元が世界中の多数の端末に分散しているため、自社設備だけで防ぎきることは難しく、外部サービスとの連携が対策の基本方針になります。特に、大量の通信が発生するボリューム攻撃では、自社ネットワークに到達する前に不要な通信を分散・遮断する仕組みが重要になります。

  • CDN(Content Delivery Network):コンテンツを複数のサーバーに分散して配信することで、通信負荷を分散し、サービスの継続性向上に役立ちます。
  • WAF(Web Application Firewall):Webアプリケーションへの不正なアクセスや不審なリクエストを検知・制御する機能を備えており、特にアプリケーション層を狙った攻撃への対策として有効です。
  • DDoS対策サービス:専用の設備で攻撃トラフィックを検知・吸収・フィルタリングし、正常な通信のみを自社環境へ転送する仕組みを提供しています。

攻撃の規模やサービスの重要度に応じて、ISPやクラウド事業者が提供する対策サービスも含め、自社に適した構成を検討するとよいでしょう。

自社の対策状況に不安がある場合

「どのサービスを、どこまで導入すべきか」の判断が難しい場合は、専門会社によるDDoS耐性評価・セキュリティ診断を活用するのも一つの方法です。現状のリスクを可視化したうえで、優先度をつけて対策を進めることができます。

インシデント対応体制の整備

DDoS攻撃は、技術的な対策だけで完全に防ぐことは困難です。そのため、攻撃を受けた際に迅速かつ適切に対応できる体制をあらかじめ整備しておくことが重要です。

具体的には、攻撃発生時の連絡体制や対応手順を文書化し、情報システム部門だけでなく、経営層や広報部門、カスタマーサポート部門など、関係者の役割を明確にしておくことが求められます。

また、ISPやクラウド事業者、セキュリティベンダーなどの連絡先や支援体制を事前に確認しておくことで、緊急時の対応を円滑に進められます。

まとめ

DDoS攻撃は、大量の通信によってWebサイトやネットワークサービスを利用できない状態にするサイバー攻撃です。攻撃手法にはボリューム攻撃、プロトコル攻撃、アプリケーション層攻撃などがあり、それぞれ特徴や有効な対策が異なります。

企業は、通信の監視や異常検知、CDN・WAF・DDoS対策サービスの活用に加え、インシデント対応体制の整備など、多層的な対策を講じることが重要です。また、攻撃を完全に防ぐことは難しいため、被害を最小限に抑えるための備えも欠かせません。

攻撃発生時の具体的な対応手順や、復旧までの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
DDoS攻撃を受けたらどうする?初動対応から復旧までの流れを解説

【関連記事】

DDos攻撃について、SQAT.jpでは以下の記事でも解説しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。

【参考情報】


DDoS対策や公開システムのセキュリティに不安はありませんか?

DDoS攻撃への備えには、ネットワークやWebアプリケーションのリスクを把握することが重要です。BBSecでは、脆弱性診断をはじめ、お客様の環境に応じたセキュリティ評価をご提供しています。

Webアプリケーション脆弱性診断バナー

アクセス急増の原因が複雑で判断が難しい場合や、継続的な運用に不安がある場合は、第三者の視点を取り入れることも有効です。定期的なセキュリティ診断や評価を通じて、自社では気づきにくいリスクを把握することができます。


公開日:2021年6月23日
更新日:2026年7月29日

編集責任:木下


資料ダウンロードボタン
年二回発行されるセキュリティトレンドの詳細レポート。BBSecで行われた診断の統計データも掲載。
お問い合わせボタン
サービスに関する疑問や質問はこちらからお気軽にお問合せください。

Security Serviceへのリンクバナー画像
BBsecコーポレートサイトへのリンクバナー画像
セキュリティ緊急対応のバナー画像

Security NEWS TOPに戻る
バックナンバー TOPに戻る

連載記事:企業の「攻め」と「守り」を支えるIoT活用とIoTセキュリティ
第2回 身近に潜むIoTセキュリティの脅威とは?─リスクと被害事例から学ぶ必要性

Share

Security NEWS TOPに戻る
バックナンバー TOPに戻る

IoT活用とIoTセキュリティアイキャッチ画像(IoTセキュリティの脅威)

IoTの普及は企業活動を大きく変革する一方で、新たなセキュリティリスクを急速に拡大させています。スマートカメラや複合機といった身近な機器が攻撃の標的となり、情報漏洩や業務停止といった深刻な被害につながる事例も増加中です。本記事では、IoTセキュリティ特有の脅威や実際の被害事例を取り上げ、そのリスクを正しく理解することで、経営層やIT担当者が取るべき対策の必要性を明らかにします。

IoTセキュリティの特殊性

PCやサーバであればOSベンダーが月例パッチを配布し、管理者もGUIで容易に適用できます。ところが、IoTデバイスは制御用の軽量OSを採用しており、そもそも自動更新機能が実装されていない機種が少なくありません。屋外や高所に長期設置される機器の場合、物理的にアクセスしてUSB経由でアップデートする手間が大きく、結果として脆弱性が放置される確率が跳ね上がります。NIST SP 800-213は「設置場所と更新手段の乖離がIoT固有のリスクを増幅させる」と分析しています。

攻撃者がIoT機器を狙う3つの合理性

まず第1に台数の多さです。SonicWall社が公開している「2023 SonicWall Cyber Threat Report」によると、「世界のマルウェア感染端末の40%以上がIoT由来である」と指摘されています。第2に防御の甘さが挙げられます。JPCERT/CCが2024年に国内8,000台を調査*1したところ、Telnetや SSHのデフォルト認証情報がそのままのIoTデバイスが12%存在しました。第3は“隠密性”です。プリンタや監視カメラがマルウェアのC&C通信に使われても、ユーザは映像も印刷も通常どおり動くため気づきにくいという状況があります。

代表的な被害事例

2016年のMiraiボットネットはコンシューマー向けルーターとネットワークカメラに感染し、最大620GbpsのDDoSトラフィックを発生させ、米DNSプロバイダーDynを一時機能停止に追い込みました。2021年3月に表面化した Verkada社のスマートカメラ大量侵入事件では、管理者アカウント情報がGitHubに誤って公開され、テスラ工場や病院を含む15万台超の映像が外部から閲覧可能となりました。直近ではRapid7が2024年12月に公表したBrother製複合機の脆弱性(CVE-2024-22475ほか)も、認証バイパスによる遠隔コード実行が可能だったため、印刷ジョブを改ざんできるリスクが指摘されました*2

主要IoTセキュリティ事件年表(2016-2025年)

事件概要影響・被害
2016Miraiボットネットが家庭用ルーターやネットワークカメラを大量感染させ、620Gbps超のDDoS攻撃で米DNS大手Dynを一時停止*3 大規模サービス停止・インターネット障害
2017国内外で小規模監視カメラへの不正ログインが相次ぎ、ライブ映像がストリーミングサイトに無断公開*4 プライバシー侵害・二次被害拡大
2018スマート冷蔵庫を含む家電の脆弱性が複数報告され、メーカーが初のOTAアップデートを緊急配布*5 家電乗っ取りリスク・アップデート体制の課題顕在化
2019スマートロックなど家庭IoT機器でデフォルト認証情報が放置され、遠隔でドア解錠される事例が報道*6 個人宅への侵入・安全確保への不安
2020新型Mirai派生マルウェアが出現、IoT機器を踏み台にしたDDoS攻撃件数が前年比2倍に*7 ネットサービス障害・帯域逼迫
2021Verkada社クラウド連携カメラの管理認証情報が流出し、15万台超の映像が外部閲覧可能に*8 大規模映像漏洩・企業ブランド毀損
2022国内調査で初期パスワードのまま運用されるIoTデバイスが12%見つかり、ボット化被害が多発ネットワーク踏み台化・社内横展開
2023複数メーカーのスマート照明とセンサーでAPI認証不備が発覚し、遠隔操作や情報流出の恐れ*9 遠隔操作リスク・業務影響
2024Brother製複合機に遠隔コード実行脆弱性(CVE-2024-22475など)が公表、修正ファーム未適用機が残存*10 印刷ジョブ改ざん・情報漏えい
2025ランサムウェアが産業用IoT機器を暗号化し、生産ラインを停止させる事例が欧州で初報告*11 業務停止・身代金要求

※上記事例ソースはすべて一次ソース/一次レポートへの直接リンクもしくは、当該数値・事件を初報として扱った公式発表・専門調査記事です。

放置すると何が起こるのか

攻撃によってネットワーク経由で制御を奪われた生産ラインは、最悪の場合でシャットダウンや誤動作を招きます。IPAの試算では、主要部品メーカーが72時間停止した際のサプライチェーン損失は300億円規模に及ぶとされています。さらに監視カメラ映像の流出は顧客や従業員のプライバシー侵害となり、個人情報保護法やGDPRの制裁金が発生する可能性も否定できません。攻撃が社会的信用の喪失に直結する点で、IoTセキュリティは経営課題と捉える必要があります。

国際・国内動向が示す「対策の必然性」

ETSI EN 303 645(欧州電気通信標準化機構)は「サイバーセキュリティを前提にIoTを設計せよ」という“セキュリティ・バイ・デザイン”指針を2020年に発効しました。日本でも総務省が2022年に『IoT セキュリティアクション』を改定し、企業規模を問わず「現状把握・リスク分析・対策実装・監視運用」というPDCAを回すことを推奨しています。こうした規制・ガイドラインは今後さらに強化されると見込まれ、早期に準拠体制を整えた企業ほど市場競争力を高める構図になりつつあります。


―第3回へ続く―

【連載一覧】

―第1回「今さら聞けないIoTとは?─IoTデバイスの仕組みと活用例で学ぶ基礎知識」―
―第2回「身近に潜むIoTセキュリティの脅威とは?─リスクと被害事例から学ぶ必要性」―
―第3回「企業が取り組むべき IoT セキュリティ対策とは?─実践例に学ぶ安全確保のポイント」―


Security NEWS TOPに戻る
バックナンバー TOPに戻る

ウェビナー開催のお知らせ

  • 2025年9月10日(水)14:00~15:00
    フィッシング攻撃の最新脅威と被害事例〜企業を守る多層防御策〜
  • 2025年9月17日(水)14:00~15:00
    サイバーリスクから企業を守る ─脆弱性診断サービスの比較ポイントとサイバー保険の活用法─
  • 最新情報はこちら


    資料ダウンロードボタン
    年二回発行されるセキュリティトレンドの詳細レポート。BBSecで行われた診断の統計データも掲載。
    お問い合わせボタン
    サービスに関する疑問や質問はこちらからお気軽にお問合せください。

    Security Serviceへのリンクバナー画像
    BBsecコーポレートサイトへのリンクバナー画像
    セキュリティ緊急対応のバナー画像

    記録破りのDDoS攻撃!サイバー脅威の拡大と企業が取るべき対策とは?

    Share

    Security NEWS TOPに戻る
    バックナンバー TOPに戻る

    近年、DDoS攻撃の規模と頻度が急激に増加しており、企業や組織にとって無視できない脅威となっています。特に、2024年第4四半期には、過去最大規模となる5.6テラビット毎秒(Tbps)のDDoS攻撃が確認され、サイバー攻撃の新たな段階へと突入したことがわかりました。この攻撃は、わずか80秒間で1万3,000台以上のIoTデバイスを利用して実行され、Cloudflare社のDDoS防御システムによって自動的に検出・ブロックされました。

    お問い合わせ

    お問い合わせはこちらからお願いします。後ほど、担当者よりご連絡いたします。

    DDos攻撃の事例として、SQAT.jpでは日本航空へのサイバー攻撃の実態についても解説しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。
    【徹底解説】 日本航空のDDoS攻撃被害の実態と復旧プロセス
    Dos攻撃とは?DDos攻撃との違い、すぐにできる3つの基本的な対策

    DDoS攻撃の増加と進化する手口

    2024年第4四半期には、Cloudflare社が軽減したDDoS攻撃の件数が690万件にのぼり、前四半期比16%、前年比83%の増加を記録しました。さらに、1Tbpsを超える大規模攻撃の件数は前四半期比で1,885%も増加し、これまで以上に大規模な攻撃が常態化しつつあります。

    HTTP DDoS攻撃では、既知のボットネットによる攻撃が全体の73%を占め、11%は正規のブラウザを装った攻撃、10%は疑わしいHTTPリクエストによる攻撃でした。ネットワーク層(L3/L4)攻撃では、SYNフラッド(38%)、DNSフラッド(16%)、UDPフラッド(14%)が主要な手法として確認されています。また、Miraiボットネットの亜種による攻撃が特に顕著であり、2024年第4四半期には、この攻撃手法の使用頻度が131%も増加しました。

    企業が直面するDDoS攻撃のリスクとは?

    DDoS攻撃がもたらす影響は多岐にわたります。最も直接的な被害は、システムのダウンによる業務停止であり、企業の信用低下や顧客離れにつながる可能性があります。また、近年増加している「ランサムDDoS攻撃(Ransom DDoS)」では、攻撃を受けた企業が身代金の支払いを要求されるケースが増えています。2024年第4四半期には、Cloudflare社の顧客でDDoS攻撃を受けた顧客のうち、12%が身代金の支払いを求められ、前年同期比で78%の増加を記録しました。

    業界別にみると、通信業界が最も多くの攻撃を受け、次いでインターネット関連業界、マーケティング・広告業界が標的となっています。特に、金融業界は依然としてサイバー犯罪者にとって魅力的なターゲットとなっており、資金詐取を目的とした攻撃が増加しています。

    DDoS攻撃から企業を守るための対策

    DDoS攻撃の脅威が拡大するなか、企業は効果的な防御策を講じる必要があります。特に、以下のような対策が推奨されます。

    1. 常時オンのDDoS防御システムの導入
      DDoS攻撃の多くは短時間で発生するため、人間の対応では間に合わないケースが多いです。自動検知・防御機能を備えたDDoS対策ソリューションを導入することで、攻撃を迅速に無力化できます。
    1. ネットワーク層とアプリケーション層の両方を保護
      DDoS攻撃には、L3/L4(ネットワーク層)攻撃とL7(アプリケーション層)攻撃があります。両方の層に対する防御対策を講じ、ファイアウォールやWAF(Web Application Firewall)を活用することが重要です。
    1. ゼロトラストアーキテクチャの採用
      攻撃者の侵入を最小限に抑えるために、ゼロトラストモデルを導入することも有効です。認証・認可プロセスを強化し、アクセス制御を厳格化することで、不正なトラフィックを遮断できます。
    1. クラウドベースのDDoS対策の活用
      オンプレミスのDDoS対策はコストが高く、攻撃の規模が拡大するにつれて対応が難しくなります。クラウドベースのDDoS防御サービスを活用することで、スケーラブルなセキュリティ対策を実現できます。
    1. 定期的な脆弱性診断とインシデント対応計画の策定
      攻撃のリスクを最小限に抑えるために、定期的なセキュリティ監査を実施し、DDoS攻撃を想定したインシデント対応計画を策定することが不可欠です。特に、SLA(サービスレベルアグリーメント)を明確にし、攻撃発生時の対応フローを事前に決めておくことが重要です。

    今後のDDoS攻撃トレンドと企業が取るべきアクション

    DDoS攻撃は今後さらに巧妙化し、大規模化すると予想されています。特に、AIを活用したボットネット攻撃や、IoTデバイスを悪用した攻撃が増加する見込みです。さらに、特定の企業や業界を標的とした「高度な標的型攻撃(APT)」の手法がDDoS攻撃にも応用される可能性があります。

    企業は、単に防御するだけでなく、プロアクティブなセキュリティ戦略を採用し、攻撃を未然に防ぐ体制を構築する必要があります。DDoS攻撃はもはや一部の企業だけの問題ではなく、あらゆる業界にとって喫緊の課題となっています。

    常に最新の脅威情報を把握し、効果的な防御策を講じることで、企業のシステムとデータを守ることができます。DDoS攻撃のリスクを最小限に抑えるためには、今すぐ適切な対策を実施することが求められるでしょう。


    Security NEWS TOPに戻る
    バックナンバー TOPに戻る

    サイバーインシデント緊急対応

    サイバーセキュリティ緊急対応電話受付ボタン
    SQAT緊急対応バナー

    ウェビナー開催のお知らせ

  • 2025年2月19日(水)14:00~15:00
    Web担当者に求められる役割とは?Webサイトのガバナンス強化とセキュリティ対策を解説
  • 2025年2月26日(水)13:00~14:00
    AWS/Azure/GCPユーザー必見!企業が直面するクラウドセキュリティリスク
  • 2025年3月5日(水)13:00~14:00
    ランサムウェア対策の要!ペネトレーションテストとは?-ペネトレーションテストの効果、脆弱性診断との違い-
  • 2025年3月12日(水)14:00~15:00
    サイバー攻撃に備えるために定期的な脆弱性診断の実施を!-ツール診断と手動診断の比較-
  • 最新情報はこちら


    資料ダウンロードボタン
    年二回発行されるセキュリティトレンドの詳細レポート。BBSecで行われた診断の統計データも掲載。
    お問い合わせボタン
    サービスに関する疑問や質問はこちらからお気軽にお問合せください。

    Security Serviceへのリンクバナー画像
    BBsecコーポレートサイトへのリンクバナー画像
    セキュリティ緊急対応のバナー画像