今すぐ対応を!Citrix Bleed2(CVE-2025-5777)の脆弱性情報まとめ

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米サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(以下CISA)は2025年7月10日、Known Exploited Vulnerability(KEV)カタログ*1(悪用が確認された脆弱性のカタログ)にCitrix NetScaler ADCおよびNetScaler Gatewayの脆弱性であるCVE-2025-5777を追加、更新しました。本脆弱性は本年6月17日に公開されたメモリ境界外読み取りの脆弱性となり、Webセッションのトークンの奪取が可能となる脆弱性となります。

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NetScaler ADC/NetScaler Gatewayの脆弱性

NetScaler ADCはアプリケーションベースでの配信パフォーマンスの最適化やWAFの役割を果たすアプライアンスです。NetScaler Gatewayは社内および社内で使用しているSaaSなどへの単一のゲートウェイとして機能し、シングルサインオン(SSO)などの機能を持つものとなっています。いずれもDMZ上に存在することから外部からのアクセスが可能なアセットの代表格であり、過去にも脆弱性が悪用されてきたものとなります。このため特に悪用への対応が急がれるアセットといえます。

CVE-2025-5777の対象バージョン

CVE-2025-5777の対象となるバージョンは以下の通りです。いずれも更新バージョンへのアップデートが推奨されています。いずれも更新バージョンへのアップデートが推奨されています。

製品バージョン対象のビルド
NetScaler ADCおよびNetScaler Gateway14.114.1-43.56未満
13.113.1.58.32未満
NetScaler ADC13.1-FIPSおよびNDcPP13.1-37.235未満
NetScaler ADC12.1-FIPS12.1-55.328未満

詳細については以下をご確認ください。

https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX693420

CVE-2025-6543の対象バージョン

なお、CVE-2025-5777の後に公開された、同じくKEVカタログに掲載されている脆弱性CVE-2025-6543の対象バージョンは以下の通りです。こちらも併せて対応されることをおすすめします。

製品バージョン対象のビルド
NetScaler ADCおよびNetScaler Gateway14.114.1-47.46未満
13.113.1.58.32未満
NetScaler ADC13.1-FIPSおよびNDcPP13.1-37.236未満

詳細については以下をご確認ください。

https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694788
※CVE-2025-6543はNetScaler ADC 12.1-FIPSの対象外となっています。
※NetScaler ADCおよびNetScaler Gatewayの12.1と13.0はEOL(End of Life、サポート終了)となっており、アプライアンスをサポートされたバージョンにアップグレードすることが推奨されています。

なお、NetScalerを14.1 47.46または13.1 59.19にアップグレードした際に認証関連で問題が発生する可能性があることが公開されています。以下のナレッジベースの記事を参考までに掲載します。このほかにも冗長構成でのアップデートについては注意が必要となります。詳しくはご購入された販売代理店のサポート窓口やCitrixまでご相談ください。

https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694826

SQAT.jpではKEV Catalogについて以下の記事でも取り上げています。ぜひあわせてご参照ください。
2024年のサイバーセキュリティ振り返り-KEVカタログが示す脆弱性の実態- | SQAT®.jp
2025年Q1のKEVカタログ掲載CVEの統計と分析 | SQAT®.jp

CVE-2025-5777(Citrix Bleed2)の脆弱性の概要とリスク

  • リモートから認証なしで悪用可能
  • 2023年に公開され、のちに悪用が確認された同様の脆弱性・Citrix Bleed(CVE-2023-4966)と同様にメモリ境界外読み取りの脆弱性であり、Citrix Bleed2と名付けられている
  • 複数のセキュリティ企業から脆弱性公開後、脆弱性の再現などを含む分析や侵害に関する情報が公開されている
    ただしCitrixは公に侵害事例や攻撃兆候について認めていない(日本時間2025年7月11日正午時点)

脆弱性公開からKEVカタログ掲載までの時系列まとめ

日付経緯
2025年6月17日CitrixによるCVE-2025-5777の公開
2025年6月20日Reliaquestによる侵害事例の公開
2025年6月24日セキュリティ研究者によるCVE-2023-4966との類似性の指摘を含む注意喚起
2025年6月25日CitrixによるCVE-2025-6543とCVE-2025-6543の悪用兆候の公開
2025年6月26日CitrixによるCVE-2023-4966との類似性の指摘の否定・CVE-2025-5777の悪用の否定
2025年7月4日Watchtowrによる再現と原因分析、注意喚起を含む情報の公開
2025年7月7日Horizon3.aiによる、同時に修正・公開された脆弱性を含む分析、注意喚起を含む情報の公開
2025年7月9日Health-ISACが公開PoCの存在を根拠とする脅威情報の注意喚起を公開
2025年7月10日CISAがKEVカタログにCVE-2025-5777を追加

【参考情報】

Citrixからの情報

  • CVE-2025-5777関連:https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX693420
  • CVE-2025-6543関連:https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694788
  • アップデート時の認証関連の問題:https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694826
  • ブログ

  • https://www.netscaler.com/blog/news/critical-security-updates-for-netscaler-netscaler-gateway-and-netscaler-console/
  • https://www.netscaler.com/blog/news/critical-severity-update-announced-for-netscaler-gateway-and-netscaler/
  • https://www.netscaler.com/blog/news/netscaler-critical-security-updates-for-cve-2025-6543-and-cve-2025-5777/
  • セキュリティ各社・研究者による分析および侵害事例報告

  • https://reliaquest.com/blog/threat-spotlight-citrix-bleed-2-vulnerability-in-netscaler-adc-gateway-devices/
  • https://doublepulsar.com/citrixbleed-2-electric-boogaloo-cve-2025-5777-c7f5e349d206
  • https://labs.watchtowr.com/how-much-more-must-we-bleed-citrix-netscaler-memory-disclosure-citrixbleed-2-cve-2025-5777/
  • https://horizon3.ai/attack-research/attack-blogs/cve-2025-5777-citrixbleed-2-write-up-maybe/
  • Health-ISACの注意喚起(American Hospital Associationから配信されたもの)

  • https://www.aha.org/system/files/media/file/2025/07/h-isac-tlp-white-threat-bulletin-poc-exploits-available-for-citrix-netscaler-adc-and-netscaler-gateway-flaw-cve-2025-5777-7-9-2025.pdf
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    SQLインジェクションの脆弱性
    -Webアプリケーションの脆弱性入門 2-

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    SQLインジェクション攻撃は多くの企業やシステムにとって大きな課題となっています。本記事では、SQLインジェクションの基本的な仕組みから、その主な原因とリスクについて解説します。また、企業での対策方法についても紹介します。SQLインジェクションの脆弱性のリスクを認識し、その対策方法を学びましょう。

    前回までの内容

    クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、動的にHTMLを生成するWebアプリケーションで、ユーザの操作を介して不正なスクリプトを実行させる(できる)事象を指します。このクロスサイトスクリプティングの脆弱性を悪用した攻撃手法をクロスサイトスクリプティング攻撃と呼び、これは、ユーザのブラウザ上で不正なスクリプトを実行させ、個人情報等を漏えいさせるという仕組みです。XSSには「反射型」「蓄積型」「DOMベース」の3種類があり、それぞれ異なる方法で攻撃が行われます。XSSの主な原因は、出力の検証や処理が不十分であることです。攻撃者は、例えば、コメント欄や検索ボックスなどユーザからの入力を受け付ける部分にスクリプトを挿入することで、他のユーザのCookie情報等を搾取することが可能となります。対策としては、スクリプト言語における特別な意味を持つ文字や記号を置き換える「エスケープ処理」の実施や、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の活用等があります。また、セキュリティ診断を定期的に行い、リスクを可視化して適切なセキュリティ対策を実施することが重要です。

    前回記事「クロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性 -Webアプリケーションの脆弱性入門 1-」より

    SQLインジェクションとは

    SQLインジェクションは、Webアプリケーションの脆弱性の一つであり、多くの企業や中小企業がこの攻撃の影響を受ける可能性があります。具体的には、攻撃者が不正なSQL文を挿入することで、データベースを不正に操作することを指します。例えば、攻撃者は不正な文字列や記号を入力値として使用し、データベースの内容を改竄したり、顧客の情報を不正に取得したりすることができます。

    SQLインジェクション攻撃の基本的な仕組み

    SQLインジェクション攻撃は、不正な文字列や特殊文字を入力値として使用し、データベースの処理や検索を操作する脅威の一つで、悪意のある第三者が、通常の入力欄に異常な構文や文字を注入することで、情報の取得や変更が可能です。

    SQLインジェクションの脆弱性が発生する主な原因とリスク

    SQLインジェクションの脆弱性(南京錠のアイコンマーク)イメージ

    SQLインジェクションは、WebアプリケーションでのSQL文の組み立て方法に問題がある場合に、攻撃者が挿入した不正なSQL文を誤った命令文として認識してしまうことで発生します。SQLインジェクション攻撃により、インシデントが発生した場合、企業の顧客情報や決済履歴などの機密情報が第三者に漏えいする恐れがあります。その結果、企業のセキュリティ対策姿勢が疑われ、インシデントによる直接的な被害だけでは済まない、信用の失墜やブランドイメージの低下といった大きな痛手を受ける恐れがあります。

    SQLインジェクション攻撃の事例

    2022年に報告されたSQLインジェクションによる情報漏えい事例を紹介します。

    国内オンラインショッピングサイトではSQLインジェクションによる攻撃を受け、サービス登録ユーザの氏名、生年月日、メールアドレス、住所などの詳細な個人情報等、275万件以上の情報が漏えいしました*1。その結果、被害の対象となった顧客へのお詫び状の送付、専用のお問い合わせ窓口の設置、個人情報保護委員会や警察への報告、再発防止策の検討を含めたセキュリティ強化、事故に関する継続的な調査対応等に追われました。

    データベースの不正操作を許せば、事業活動に必要なデータをすべて消去されるといった最悪の事態も発生しうるため、SQLインジェクションの脆弱性を放置することは非常に危険です。

    効果的なSQLインジェクション対策とその実践方法

    SQLインジェクションの対策

    重要な情報が集まるデータベースは、守るべき優先度がきわめて高く、SQLインジェクション対策としてさまざまな取り組みが行われています。

    基本的な対策

    • プレースホルダを使用したSQL文の構成:プレースホルダは、SQL文における変数の位置を示すために使用され、実際の値は後から安全にバインドされます。特に、バインド処理を実装するライブラリの実装状況によってSQL構文が変化する「動的プレースホルダ」ではなく、SQLの準備段階からSQL構文が変化しない「静的プレースホルダ」の方が、より有効性の高い対策を実現できます。
    • 特殊文字に対するエスケープ処理:運用上の制約等によりプレースホルダを使用したバインド処理が使用できない場合は、特殊文字に対するエスケープ処理を実施することで対策が可能です。なお、エスケープ処理では対策漏れが生じる可能性もあるため、可能な限りプレースホルダを使用することが推奨されます。

    保険的な対策

    • SQLエラー情報の非表示化:エラーメッセージの内容にエラーを起こしたSQL文の情報、使用データベース、テーブル名、カラム名等が含まれる場合、攻撃者に対してSQLインジェクション攻撃を実行するための有益な情報を与えることになります。そのため、エラー情報はクライアントへ出力せずログファイル等で管理することが推奨されます。
    • アカウントへの適切な権限付与:アプリケーションがデータベースにアクセスする際には、命令文の実行に必要な必要最小限の権限を付与します。これにより、万が一SQLインジェクションが発生しても、被害を最小限に抑えることができます。

    SQL文の組み立ては、データベースのセキュリティを維持する上で非常に重要です。セキュアなプラクティスを適用することで、データベースへの攻撃を防ぎつつ、アプリケーションのデータ操作を効率的かつ安全に行うことができます。

    SQLインジェクションのテスト方法

    SQLインジェクションの脆弱性(マルとバツのアイコンマーク)イメージ

    システムにSQLインジェクションの脆弱性があるかどうかを調べる方法としては、入力フィールドに本来許可してはいけない文字列を設定した場合にWebアプリケーションがどう反応するか、といったことを観察し、SQLインジェクションの脆弱性の有無を診断するというやり方があります。この文字列を「診断文字列」と呼ぶことがあります。

    企業のセキュリティ担当者をはじめ、SQLインジェクションの脆弱性に対する問題を理解し、社内で情報を共有し、適切な対策とることで、自組織がSQLインジェクション攻撃を受ける前に被害を未然に防ぐことが可能になるでしょう。

    開発やリリース時点では脆弱性が存在しなかったとしても、Webサイトの機能追加や新しい攻撃手法の発見等によって、脆弱性は日々新たに生み出されていきます。こうした実情に対して有効なのは、Webアプリケーションの定期的なセキュリティ診断です。SQLインジェクションによるリスクを考えると、Webサイト運営者はぜひとも実施すべき対策といえるでしょう。

    まとめ

    SQLインジェクション攻撃は多くの企業やシステムのセキュリティ上の課題として存在しています。SQLインジェクションは、Webアプリケーションの脆弱性を突いて、不正なSQL文を挿入しデータベースを操作する技術です。主にSQL文の組み立て方法に問題があることで、情報の漏えいやデータの改ざんが可能となります。実際に、国内企業でも情報漏えい事例が発生しており、その影響は甚大です。対策として、プレースホルダの使用、エスケープ処理などが推奨されています。またSQLインジェクションの脆弱性を検出する方法として、定期的にセキュリティ診断を実施し、適切な対策を実施することで、Webアプリケーションのセキュリティを向上できます。

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