アサヒグループも被害に ―製造業を揺るがすランサムウェア攻撃

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製造業を揺るがすサイバー攻撃アイキャッチ画像

2025年9月末、アサヒグループホールディングスがランサムウェア攻撃を受け、出荷停止により一部商品が市場から姿を消しました。本事件は、サイバー攻撃が単なる情報漏洩にとどまらず、社会生活や経済活動にまで大きく影響を及ぼす時代を象徴しています。本記事では、近年の事例をもとに、製造業が今取り組むべきセキュリティ対策を考えていきます。

国内組織を狙うサイバー攻撃の脅威

2025年9月末、アサヒグループがランサムウェア攻撃を受け、複数拠点で受注・出荷システムが停止しました。一部の工場では生産ラインの稼働停止を余儀なくされ、復旧には時間を要し、決算処理にも影響が生じています。本事件は、サイバー攻撃が組織内部にとどまらず、流通・販売・消費の現場にまで波及することを社会に強く印象づけました。

多くのサイバー攻撃は依然として情報流出や業務データの暗号化など、社内で完結する被害が中心です。ところが今回の事案では、生産と出荷が止まったことで、店頭から商品が一時的に姿を消すという形で消費者の目にも影響が見えるようになりました。 サイバー攻撃が経済活動だけでなく、日常生活の不便という形で現れることを実感させた象徴的な出来事だったといえます。

製造業が狙われる主な理由

経済的インパクトが大きい

生産ラインの停止は即座に損失を生み、納期遅延や契約不履行にも直結します。攻撃者にとっては「止めれば払う」確率が高く、身代金要求の成功率が高いと見込める業種です。

技術的な脆弱性が残りやすい

製造設備は長寿命で、古いOSやサポート終了機器が残っている場合が多く、パッチ適用や更新が困難です。攻撃者はこうした「更新できない装置」を標的にします。

サプライチェーン構造による攻撃のしやすさ

製造業は多くの委託先やサプライヤーとネットワークを共有しており、外部接続が多い構造です。攻撃者は、セキュリティが弱い取引先を突破口にして本体へ侵入します。

ITとOTの融合による弊害

近年、工場システム(OT)と情報システム(IT)の連携が進んでいます。このことにより、どの部分をどのように防御すべきかが把握しにくくなっており、セキュリティ対策の難易度は増しています。

これらの要因が重なることで、製造業は「狙いやすいターゲット」として攻撃者から認識されている可能性があります。このように、製造業を取り巻くサイバー脅威は、単なる情報漏洩リスクにとどまらず、事業停止や混乱に伴う社会的責任を負う可能性に繋がります。次項では、こうした脅威で、国内で発生したランサムウェア攻撃の事例を取り上げ、その実態を見ていきます。

ランサムウェア攻撃の事例

ここでは、国内で実際に発生したランサムウェア攻撃の事例を紹介します。いずれも公式発表に基づく事実であり、攻撃が一組織の問題にとどまらず、取引先や社会全体へ影響を及ぼしたことを示すものです。

時期被害組織概要
2025年9月アサヒグループホールディングス出荷停止が発生し流通に影響
2024年6月KADOKAWAグループ社内システム障害で業務に影響
2024年5月岡山県精神科医療センター電子カルテが暗号化され業務に影響
2022年2月小島プレス工業部品供給停止で全工場が稼働停止
相次ぐランサムウェア被害の実例

アサヒグループホールディングス(2025年9月)

2025年9月末、アサヒグループがランサムウェア攻撃を受け、グループ各社で受注・出荷システムが停止しました*1 。この攻撃により複数の国内工場が一時的に生産停止となり、復旧には時間を要することになりました。また情報漏洩も確認されており、被害の影響範囲は大きなものとなりました。さらに酒類の生産・出荷・物流にまで影響が及び、有名銘柄の商品が一時的に市場から姿を消すという形で消費者にも影響が及びました。この事件により、組織の被害が供給網を介して社会的混乱へ発展することを多くの人が強く意識することになったといえます。

KADOKAWAグループ(2024年6月)

2024年6月KADOKAWAグループがランサムウェア攻撃を受け、社内システムの一部が暗号化されました(公式発表に基づく*2 )。業務の一部が停止し、コンテンツ制作といった事業基盤への影響も懸念されました。

岡山県精神科医療センター(2024年5月)

2024年5月、岡山県精神科医療センターは、電子カルテなどを含む院内システムがランサムウェア攻撃により暗号化され、診療や検査業務に支障をきたしたことを発表しました*3 。復旧までに数週間を要し、医療分野のサイバーリスクの高さを示す事例となりました。

小島プレス工業(2022年2月)

2022年2月末、トヨタ自動車の主要部品サプライヤーである小島プレス工業がランサムウェア攻撃を受けました*4。この影響で、国内で複数の工場やラインが一時停止する事態となりました。攻撃は子会社ネットワーク経由で発生し、リモート接続機器の脆弱性が悪用された可能性が指摘されています。このケースは、1社の停止が供給網全体の生産停止に波及した典型例であり、サプライチェーンリスクの深刻さを示しています。

上記の事例から以下のような点が読み取れます。つまり、ランサムウェア攻撃は単なるITトラブルではなく、経済活動全体を揺るがすリスク要因になっているといえるでしょう。

①侵入経路の多様化

フィッシング、VPN機器の脆弱性、リモート接続など、攻撃者が複数の経路を用いている。

②被害が社会に波及する構造

生産・出版・医療・自動車といった分野で、組織活動が止まると消費・生活・流通に影響が現れる。

③サプライチェーンの連鎖性

サプライチェーンの上流や下流に、被害が波及しています。特に自動車業界の事例は、関連会社一社の停止が系列全体の操業に影響するという顕著な例だと考えられます。

製造業が抱えるセキュリティリスク

前述のとおり、ランサムウェア攻撃は一組織の被害にとどまらず、サプライチェーン全体へ連鎖的に影響を及ぼす事例が増えています。ここでは、製造業特有のリスクを整理します。

制御システム(OT)への攻撃

製造業では、生産ラインを制御するOT(Operational Technology)システムが稼働の中心を担っています。近年、業務効率化のためにITネットワークやクラウドと接続するケースが増え、外部からの侵入経路が拡大しています。IPAは、OTを含む生産システムのサイバーリスクとして、ネットワーク分離や境界対策の重要性を指摘しています。ITとOTが連携する環境では、設計段階から防御を考慮しなければ、組織全体の稼働に影響を及ぼすおそれがあります。

生産データ・設計情報の漏洩

設計図面、加工条件、検査データなどの機密性の高い情報が外部に流出した場合、模倣や不正利用といった経営上の損失につながるおそれがあります。IPAの実践プラクティスでも、製造データの漏洩が組織活動に重大な影響を及ぼす点が指摘されています。また、キーエンスの解説では、クラウド連携や外部システム活用の増加により、情報流出経路が多様化しているとしています。

サプライチェーンを介した被害拡大

製造業は、部品の調達や設計、加工、物流などを多くの委託先と連携して行う業種です。 自社が堅牢でも、取引先のセキュリティが十分でなければ、そこがリスクの入口となる可能性があります。こうした複雑で多岐にわたるサプライチェーン構造では、一つの組織の障害が全体の生産活動に波及するおそれがあります。

事業継続への影響

サイバー攻撃によるシステム停止は、生産遅延・品質問題・納期トラブルなどを引き起こし、取引先との信頼関係や市場供給に直接影響します。2025年のアサヒグループの攻撃事案では、受注・出荷システムが止まり、一時的に有名銘柄の商品が店頭から消えるという事態が発生しました。また、2022年の小島プレス工業での工場停止では、部品供給の途絶が主因となり、最終組立ラインまで稼働が止まりました。

両社に共通するのは、「一部の停止が連鎖的に拡大し、経営活動そのものを揺るがす」点です。被害が長期化すれば、納期遅延や契約不履行から損害賠償・ブランド毀損にも発展しかねません。こうした攻撃は今や、情報システムの問題ではなく、経営継続(BCP)全体を試す脅威となっています。いずれも、単一部門で解決できるものではなく、経営・現場・サプライヤーが一体で取り組むべき経営課題です。

セキュリティ対策の進め方

サイバー攻撃は生産現場の稼働や事業継続に直結する問題となっています。特に製造業では、IT/OTの境界を越えて被害が拡大する傾向があり、どこから手をつければよいのかが分かりにくいのも現実です。ここでは、経営層と現場が一体となって取り組むための基本方針を4つの段階で整理します。

情報資産の整理とリスクの可視化

まず、自社のシステム・設備・データなど、守るべき資産を明確に把握することが出発点です。特にOT環境では、稼働中の機器や通信経路が属人的に管理されているケースも多く、資産の洗い出しが不十分なことがあります。可視化によって、どこに脆弱性や依存関係があるかを明確にし、優先度を付けた対策計画を立てることが重要です。

従業員教育とセキュリティ意識の向上

システム面の強化だけではなく、人の意識と行動が対策の成否を左右します。メール添付やUSBメモリを経路とする感染事例はいまだ多く、日常的な警戒心の欠如が被害拡大につながります。定期的な研修や演習を通じて、「自分たちの作業が会社全体の防御につながる」という認識を浸透させることが求められます。

ポリシー策定と体制整備

経営層が主導し、セキュリティポリシーを策定して明文化することも不可欠です。製造業におけるセキュリティは「安全」「品質」「納期」と並ぶ重要事項です。インシデント対応手順や通報ルートを明確化し、現場が即応できる体制を整えることで、被害の長期化を防ぎます。

専門家との連携と継続的な改善

すべてを自社内で完結させるのは困難です。特に制御系ネットワークや脆弱性診断など、専門知識を要する分野はセキュリティベンダーとの連携が効果的です。また、定期的な点検・アセスメントを通じて、対策の有効性を確認し、改善のサイクルを回すことが重要です。

SQAT.jpでは関連記事を公開しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。
産業制御システムセキュリティのいまとこれからを考えるhttps://www.sqat.jp/information/5099/

まとめ:禍を転じて福と為す

今回取り上げたような事例は、いずれも深刻な被害をもたらしましたが、その一方で、社会全体がセキュリティの重要性を再認識する契機ともなりました。サイバー攻撃の脅威は避けられない現実ですが、それをきっかけとして自社の体制を見直し、他社との連携を強化することで、より強靭なサプライチェーンを築く機会にもなります。「禍を転じて福と為す」——すなわち、被害を教訓として組織の成熟へと変えていく姿勢こそ、これからのセキュリティ経営に求められる考え方となりえるのです。

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ペネトレーションテストでは、自組織において防御や検知ができていない領域を把握するため、多様なシナリオによる疑似攻撃を実行してシステムへの不正侵入の可否を検証します。ペネトレーションテストの結果は、今後対策を打つべき領域の特定や優先順位付け、対策を実施する前の回避策などの検討に役立てることが出来ます。

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    【2025年最新】日本国内で急増するランサムウェア被害-無印良品・アスクル・アサヒグループの企業の被害事例まとめ-

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    日本国内で急増するランサムウェア被害事例まとめアイキャッチ画像

    2025年、日本国内でランサムウェア被害がかつてない勢いで拡大しています。無印良品、アスクル、アサヒグループなど名だたる企業でシステム障害や物流停止が発生し、社会インフラにも影響が波及。中小企業を狙う攻撃も急増し、もはやどの組織も例外ではありません。本記事では、最新の統計と主要な被害事例をもとに、日本で深刻化する脅威の実態と求められる対策を解説します。

    日本国内で深刻化するランサムウェア被害の現状

    2025年に入り、日本ではランサムウェアによるサイバー攻撃が過去にないペースで増加しています。警察庁「令和7年上半期における サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」の統計データによると、2025年上半期だけで116件もの法人・団体被害が確認され、3期連続で100件を超える高水準が続いています。特に、製造業や物流、医療機関、教育関連といった社会インフラを支える業界が標的にされる傾向が顕著です。

    Cisco Talosの分析「2025年上半期における日本でのランサムウェア被害の状況」によれば、被害数は前年同期比1.4倍と急増し、約7割が資本金10億円未満の中小企業だったことから、攻撃者が「防御の甘い組織」を狙っている実態が浮き彫りとなっています。加えて、感染経路の多くでVPN機器やリモートデスクトップ経由の侵入が確認され、テレワーク環境に潜む脆弱性が依然として主要なリスク要因となっています。

    無印良品のネットストア停止、物流依存の脆弱性が露呈

    10月19日夜、良品計画が運営する「無印良品ネットストア」が突如として受注・出荷停止に追い込まれ、多くの利用者がアクセス不能となりました*5。原因は、配送委託先であるアスクル株式会社のシステムがランサムウェアに感染し、物流中枢が一時的にまひしたことにあります。復旧作業は続いているものの、再開時期は未定であり、公式アプリ「MUJIアプリ」にも障害が波及。店舗販売は継続しているものの、サプライチェーン全体の連動性が高い現代における、小売業の脆弱さを象徴する事例といえます。この一件を受けて、他企業でも外注先のセキュリティ体制見直しが急務となっています。

    アスクル全システム停止、全国的な影響が拡大

    事件の中心にあるアスクルでは、自社のWebサイト、FAX注文、会員登録、返品受付など主要サービスがすべて停止に追い込まれ、企業間取引にも連鎖的な影響が出ました*2 。特に、医薬品関連業務を扱う「ロハコドラッグ」でも受注と問い合わせがストップし、医療・小売業双方への波及が確認されている。物流プラットフォームとして無数の企業を支える同社の被害は、単一企業の障害にとどまらず、全国で商品供給遅延が発生する深刻な社会問題へと発展しています。専門家は、これを「日本版Colonia Pipeline事件」と形容し、サプライチェーン全体の“単一障害点(SPOF)”対策の必要性を強調しています。

    アサヒグループでも感染、製造・出荷に支障

    2025年9月末、アサヒグループホールディングスでランサムウェア感染による重大なシステム障害が発生しました。同社の調査報告によると、外部からの不正アクセスによるサーバ感染により、社内通信システムや受発注処理の一部が機能停止、復旧までには数週間を要したということです。また、現在は個人情報を含むデータ流出の可能性についても調査を継続中としています*3 。この事件を受け、世界的企業においても情報セキュリティ体制が問われ、飲料・食品メーカー各社が内部サーバ・VPN運用方針を見直す契機となりました。

    埼玉県商工会連合会への攻撃、地方組織にも波及

    10月中旬には、埼玉県商工会連合会がサイバー攻撃によるシステム障害を公表しました*4 。調査の結果、外部からの攻撃によってサーバが停止したことが確認され、業務システムの利用不能状態が続いています。現時点で個人情報の流出は確認されていないものの、復旧には時間を要しています。全国の商工団体や自治体は同様のシステム構成を採用しているケースが多く、今後同種の攻撃が波及する可能性も指摘されています。こうした事例は、地方行政や中小組織におけるセキュリティ対策の遅れを改めて浮かび上がらせました。

    被害の拡大要因と今後の対策

    各事例に共通していえるのは、ランサムウェア攻撃が単一の企業問題にとどまらず、社会的インフラとしての供給網全体に深刻な影響を与えている点です。警察庁の報告では、感染経路の6割がVPN機器経由であり、初期侵入を防ぐ「ゼロトラスト構成」や「多要素認証」が依然として導入不足であることが問題とされています*5 。加えて、国際的犯罪グループによる「日本語対応型ランサムウェア」も台頭しており、警告文を日本語化することで金銭要求の成功率を上げる手口も増えています。企業や団体においては、セキュリティパッチの即時適用、オフラインバックアップの準備、サプライチェーン全体でのセキュリティ協定の明文化といった具体的施策が今後不可欠となります。加えて、個人ユーザーも取引先の障害や情報流出の影響を受ける可能性があり、パスワードの管理や多要素認証の徹底も求められることになります。

    2025年の日本はランサムウェア攻撃が“社会的リスク”として定着する段階に入りつつあります。今後は、企業の危機対応力とサプライチェーン全体の連携体制こそが、経済活動の信頼を支える鍵となるでしょう。

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    セキュリティインシデントの基礎から対応・再発防止まで
    第3回:セキュリティインシデントの再発防止と体制強化

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    セキュリティインシデントの再発防止と体制強化_アイキャッチ画像

    セキュリティインシデントの対応を終えた後に重要なのは、同じような被害を再び起こさないための再発防止と組織全体の体制強化です。インシデントは一度発生すると、企業の信頼や経済的損失に直結します。したがって、単なる原因修正だけでなく、システムや運用、組織文化まで含めた包括的な改善策が求められます。本記事では、再発防止策の具体的手法や、セキュリティ体制強化のポイント、従業員教育や定期的な訓練の重要性について解説します。

    インシデントは「発生して終わり」ではない

    セキュリティインシデントは発生して終わりではなく、組織にとって重要な学習の機会でもあります。再発防止策の基本は、まず原因を正確に特定し、その根本的な要因を排除することです。技術的な脆弱性の修正だけでなく、運用ルールや業務プロセス、アクセス管理、ログ監視体制の見直しなど、組織全体の改善が求められます。特に、多くのインシデントは単一の要因ではなく、複数の小さな問題が重なって発生するため、広い視野での分析と対応が不可欠です。また、再発防止策は一度実施して終わりではなく、定期的な評価と改善サイクルを回すことで、組織のセキュリティ体制を継続的に強化できます。これにより、同じ種類の被害が繰り返されるリスクを大幅に低減できるのです。

    再発防止こそが最重要課題

    再発防止を確実にするためには、組織全体のセキュリティ体制を明確に整備することが不可欠です。具体的には、インシデント対応チーム(CSIRT)を設置し、平常時から役割分担を明文化しておくことで、発生時の混乱を最小限に抑えられます。例えば、技術担当者は原因調査や封じ込めを、法務担当者は法的リスクの確認や外部報告を、広報担当者は顧客や取引先への情報発信を、それぞれ責任範囲を明確にして迅速に対応します。また、経営層も意思決定や資源配分の役割を担い、全社的な支援体制を構築することが重要です。このような体制を事前に整えておくことで、インシデント発生後の対応スピードが向上し、被害の拡大や二次的な損失を防ぐことができます。

    再発防止のためのアプローチ

    従業員教育と意識向上

    セキュリティインシデントの再発防止には、従業員一人ひとりの意識向上が欠かせません。技術的対策や体制整備だけでは、人的ミスや不注意による情報漏洩、誤操作を完全に防ぐことはできません。そのため、定期的なセキュリティ教育や訓練を通じて、最新の脅威や攻撃手法、社内ルールの理解を深めることが重要です。例えば、フィッシングメールの疑似演習やパスワード管理の強化、情報取り扱いに関するケーススタディを行うことで、従業員の行動が組織全体のセキュリティ強化につながります。さらに、教育や訓練の効果は一度きりではなく、継続的に評価し改善していくことが求められます。このように、人的要因への対応を組み込むことで、組織全体の防御力が大きく向上します。

    セキュリティポリシーの定期的な見直し

    再発防止策を有効に機能させるためには、定期的な監査と評価が不可欠です。導入したセキュリティ対策や運用ルールが実際に遵守されているか、効果があるかを定期的に確認することで、弱点や改善点を早期に発見できます。例えば、アクセス権限やログ管理の運用状況をチェックする内部監査、脆弱性診断やペネトレーションテストなどの技術的評価を組み合わせることで、組織全体の安全性を客観的に評価できます。また、監査や評価の結果をもとに改善策を実行し、PDCAサイクルを回すことで、インシデント再発のリスクを継続的に低減することが可能です。このプロセスをルーチン化することで、組織はインシデントに強い体制を築くことができるようになります。

    セキュリティ対策の継続的強化

    再発防止には、組織全体の運用や体制強化だけでなく、セキュリティ対策の継続的な見直しも重要です。脆弱性の発見やパッチ適用、アクセス制御の見直し、ファイアウォールやIDS/IPSなどのセキュリティ機器の設定確認は、常に最新の脅威に対応するために欠かせません。また、クラウドサービスやモバイル端末など、新たなIT資産を導入する際も、初期設定のセキュリティ強化や監視体制の整備を行う必要があります。さらに、ログ監視やアラート機能の精度向上、異常検知の自動化など、セキュリティ対策を継続的に見直すことで、インシデントの早期発見と被害拡大防止が可能となります。技術面の強化は、組織の防御力を底上げし、再発リスクを大幅に低減する基盤となります。

    インシデント発生後の振り返り(ポストモーテム)

    インシデント対応が一段落した後は、必ず振り返り(ポストモーテム)を行い、再発防止策の精度を高めることが重要です。具体的には、発生原因、対応のスピードや手順の適切さ、情報共有の精度、関係者間の連携状況などを詳細に分析します。この振り返りによって、改善すべき運用上の課題や技術的な弱点が明確になり、次回以降の対応力向上につながります。また、振り返りの結果は、社内マニュアルや教育資料に反映させることで、組織全体の知見として蓄積されます。さらに、経営層への報告を通じて資源や方針の見直しにも活用することで、組織全体のセキュリティ文化を強化し、インシデント再発リスクを大幅に低減できます。

    まとめ

    セキュリティインシデントは発生して終わりではなく、発生後の対応や改善こそが組織の安全性を左右します。本記事では、再発防止策の基本、組織体制の強化、従業員教育、定期的な監査、技術的対策の継続的強化、そしてポストモーテムによる振り返りまで、包括的な対策のポイントを解説しました。これらを継続的に実施することで、インシデントの再発リスクを大幅に低減し、企業の信頼性と業務継続性を確保できます。次回以降も、組織全体でセキュリティ力を高める取り組みが重要です。

    BBSecでは

    セキュリティインシデントの再発防止と体制強化は、組織の安全性を高めるために不可欠です。BBSECでは、インシデント発生時に迅速かつ効果的に対応できる体制構築を支援する「インシデント初動対応準備支援サービス」を提供しています。このサービスでは、実際のインシデント発生時に参照可能な対応フローやチェックリストの作成をサポートし、組織の対応力を強化します。さらに、インシデント対応訓練を通じて、実践的な対応力を養うことも可能です。詳細については、以下のリンクをご覧ください。

    https://www.bbsec.co.jp/service/evaluation_consulting/incident_initial_response.html
    ※外部サイトにリンクします。

    【参考情報】


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    【連載一覧】

    第1回:セキュリティインシデントとは何か?基礎知識と代表的な事例
    第2回:セキュリティインシデント発生時の対応 ─ 初動から復旧まで

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    【続報】Qilinランサムウェア攻撃の実態と対策 -2025年の情勢と企業・個人が取るべき行動-

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    【続報】Qilinランサムウェア攻撃の実態と対策 アイキャッチ画像

    本記事は「Qilinランサムウェア攻撃の実態と対策:Fortinet脆弱性の悪用を解説」の続報となります。前回記事とあわせてぜひご覧ください。

    2025年10月8日、アサヒグループホールディングス株式会社を襲ったサイバー攻撃でランサムウェア攻撃グループ「Qilin(キリン)」から犯行声明が出されました。現在もなお、攻撃の手を緩めておらず、警戒が高まっています。

    アサヒグループホールディングスのサイバー攻撃に関する記事はこちら
    アサヒグループを襲ったランサムウェア攻撃

    本記事では、ランサムウェア攻撃の実態を踏まえ、企業がとるべき対策・行動について解説いたします。

    サイバー攻撃の現場では、年々脅威が高度化し被害規模も拡大しています。なかでも「Qilin(キリン)」と呼ばれるランサムウェアは、ここ数年で著しい存在感を示し、2025年も企業や社会インフラを揺るがす脅威の一つとなっています。

    Qilinとは何か—巧妙さを増した“身代金ウイルス”

    Qilinは、2022年ごろからサイバー犯罪の地下で「Agenda」として登場し、独自の犯罪ビジネスモデル(RaaS: Ransomware as a Service )を展開。WindowsやLinuxだけでなく、ESXiなど企業利用の仮想基盤まで標的とする、高度なマルチプラットフォーム型が特徴です。実装にはRustとC言語を用い、検知回避・高速暗号化など最新技術を積極的に採用している点でも業界の注目を集めています。

    MITRE ATT&CKで示されるように、Qilinは標的型メール(LockBit, Cl0p, BlackBasta 等)との主な違いは、攻撃の多様性・速度、そしてビジネスモデル(報酬率の高さ、サポート体制)にあります。

    何が問題なのか—現場で考えるインパクト

    例えば、大規模病院が攻撃を受ければ、診察や手術、ITシステムだけでなく命にもかかわる混乱が起こります。製造業でもプラント停止や供給網の寸断、金融機関であれば社会的信用の失墜につながります。実際にQilinの被害を受けた組織の多くでは、サイバー保険の範囲を超える損失や、事業継続そのものが難しくなるケースも報告されています。

    具体的な対策—被害を防ぐ/最小化するために

    システムの最新化と脆弱性管理

    まずはWindows、Linux、仮想化基盤などのシステム全てに最新のセキュリティパッチを適用。ベンダーが公開する脆弱性情報を定期的に確認し、重大度が高い場合は即時対処を徹底しましょう。

    バックアップルールの運用

    業務データは“3-2-1-1ルール”(3種類・2媒体・1コピーをオフライン・1つはイミュータブル)を参考に複数箇所へ分散。月1回以上の復旧テストも有効です。

    異常の早期検知と対応訓練

    エンドポイント保護や監視(EDR)、SIEMMFAによる多要素認証を導入し、万が一の場合は、従業員ごとに具体的なエスカレーション手順・初動マニュアルの整備が必要です

    従業員へのサイバーセキュリティ教育

    フィッシングメールや不審な操作に気付けるよう、月1回程度の模擬訓練や意識向上セミナーも推奨されます。

    まとめ:自ら考え動く対応力が肝要

    Qilinに限らず、ビジネスの現場とリアル社会双方に大きなインパクトを及ぼすサイバー攻撃が続く時代、一人一人がサイバー脅威を自分ごととして捉え、アップデート・バックアップ・初動訓練 の3本柱を習慣化することが、サイバー攻撃の被害を最小化するための基本戦略といえるでしょう

    【参考情報】

    本記事は2025年10月時点の公式発表・主要レポートをもとに作成しています。今後も技術進化や脅威情勢の変化に応じて、定期的に情報収集をされることをおすすめします。


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    セキュリティインシデントの基礎から対応・再発防止まで
    第2回:セキュリティインシデント発生時の対応 ─初動から復旧まで

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    セキュリティインシデントは、発生した瞬間から組織に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、どれほど迅速かつ的確に対応できるかが被害の拡大を防ぐ鍵となります。特に初動対応の遅れは、情報漏洩の範囲拡大やシステム停止の長期化といった二次被害を招きかねません。本記事では、セキュリティインシデントが発生した際に組織が取るべき対応を、初動から原因調査、復旧、そして報告体制まで段階的に解説します。

    インシデント対応が遅れると被害が拡大する―「初動対応」の重要性

    セキュリティインシデントが発生した際、最初に求められるのは「被害の拡大を防ぐこと」です。具体的には、該当システムのネットワーク接続を遮断する、影響範囲を限定する、ログを確保して証拠を保存するといった行動が挙げられます。ここで重要なのは、焦ってシステムを完全に停止させたり証拠を消去したりしてしまわないことです。例えば、感染が疑われるPCを慌てて初期化すると、攻撃経路やマルウェアの痕跡といった重要な調査情報を失うことになり、後続の対応が困難になります。そのため、インシデント発生時には「まず拡大防止と証拠保全を優先する」という基本原則を徹底する必要があります。初動段階での判断ミスが、被害規模や復旧にかかる時間を大きく左右するのです。

    セキュリティインシデント対応の基本フロー

    社内連携と報告体制

    セキュリティインシデントが発生した際、技術的な対応と同じくらい重要なのが「社内連携と報告体制」です。現場担当者が異常を検知した場合、直属の上司や情報システム部門への迅速な報告はもちろん、経営層へのエスカレーションルートを明確にしておくことが不可欠です。さらに、インシデント対応を一部門だけに任せるのではなく、法務・広報・総務など関連部門との連携が欠かせません。例えば、法務部門は法的リスクの確認や外部機関への届出判断を担い、広報部門は顧客や取引先への適切な情報発信を行います。これらが連携できていないと、組織全体としての対応が後手に回り、混乱や信頼失墜を招く恐れがあります。そのため、平常時から「誰が・どのタイミングで・誰に報告するか」を明文化したインシデント対応計画を整備しておくことが重要です。

    被害範囲の特定

    セキュリティインシデントが発生した際に、初動対応で重要なのが「被害範囲の特定」です。単なる障害や一時的な不具合と、外部からの不正アクセスやマルウェア感染といったインシデントを明確に区別する必要があります。具体的には、ログの解析やネットワーク監視、ユーザ報告などを通じて、侵入経路や影響を受けたシステム、漏洩が疑われる情報を洗い出します。この段階で誤った判断を下すと、被害を過小評価して対応が遅れたり、逆に過大評価して不要な混乱を招いたりするリスクがあります。そのため、迅速かつ客観的に状況を評価できる仕組みを整えておくことが欠かせません。

    被害の封じ込め・拡大防止

    被害範囲を特定した後は、被害の「封じ込め」が必要です。これは、インシデントの拡大を防ぎ、さらなる被害を最小限に抑えるための重要なプロセスです。例えば、侵害を受けたサーバをネットワークから切り離す、攻撃者が利用したアカウントを即座に無効化する、通信を一時的に遮断するなどの対応が考えられます。ただし、封じ込めの方法を誤ると、証拠が失われたり、攻撃者に異変を察知されて活動を隠蔽されたりする恐れもあります。そのため、封じ込めの対応はセキュリティチーム内で役割を明確にし、優先順位を付けて慎重に進めることが求められます。

    原因調査・ログ解析・フォレンジック調査

    封じ込めが完了した後は、インシデントの原因を突き止める「原因調査」が不可欠です。攻撃者がどのように侵入したのか、どの脆弱性を悪用したのか、内部関係者の過失や不正が関与していないかなど、多角的な視点から調査を進める必要があります。ログ解析やフォレンジック調査を通じて、攻撃経路や被害状況を正確に把握することが求められます。この段階で調査が不十分だと、再発防止策が不完全となり、再び同様の被害を招く可能性が高まります。そのため、外部のセキュリティ専門家の協力を得るケースも少なくありません。

    復旧対応

    原因が特定された後は、システムやサービスの復旧作業に移ります。ただ単に停止したサービスを再開させるのではなく、原因を取り除き、安全性を確認したうえで再稼働することが重要です。例えば、脆弱性が悪用されていた場合はセキュリティパッチを適用し、不正アクセスで改竄されたデータがあればバックアップから復旧します。また、復旧の際には「段階的な再開」を意識することが推奨されます。いきなり全システムを戻すのではなく、優先度の高いシステムから順に稼働させ、監視を強化しながら正常性を確認することで、再度の障害発生や攻撃再開のリスクを軽減できます。

    関係者への報告・情報共有

    復旧作業と並行して、関係者への適切な報告や情報共有も欠かせません。セキュリティインシデントは自社だけの問題ではなく、取引先や顧客、さらには規制当局にまで影響が及ぶ可能性があります。そのため、影響範囲を正確に把握したうえで、必要な関係者に迅速かつ誠実に情報を提供することが求められます。特に個人情報漏洩が発生した場合、法令やガイドラインに従った報告が義務付けられているケースも多く、対応を怠れば法的リスクや企業の信頼失墜につながります。また、社内向けの情報共有も重要であり、従業員が不安や誤情報に惑わされないよう、明確なメッセージを発信する体制を整えることが望まれます。

    再発防止策の検討

    インシデント対応の最終段階は、再発を防ぐための改善策を講じることです。単に原因を修正するだけでなく、組織全体のセキュリティ体制を見直す機会として活用することが重要です。例えば、脆弱性管理の仕組みを強化する、アクセス制御のルールを見直す、ログ監視やアラートの精度を高めるなど、技術的な改善が挙げられます。また、従業員へのセキュリティ教育や定期的な訓練を実施し、人為的なミスや不注意を減らす取り組みも効果的です。さらに、インシデント対応の流れを記録し、振り返り(ポストモーテム)を行うことで、今後同様の事態が発生した際に迅速かつ適切に対処できる体制を構築できます。

    BBSecでは

    セキュリティインシデントの再発防止や体制強化を確実に行うには、専門家の支援を受けることも有効です。BBSecでは緊急対応支援サービスも提供しています。突然の大規模攻撃や情報漏洩の懸念等、緊急事態もしくはその可能性が発生した場合は、BBSecにご相談ください。セキュリティのスペシャリストが、御社システムの状況把握、防御、そして事後対策をトータルにサポートさせていただきます。

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    まとめ

    本記事では、セキュリティインシデントが発生した際に組織が取るべき対応を、初動から原因調査、復旧、関係者への報告、そして再発防止まで段階的に解説しました。インシデント対応は単なる技術的作業ではなく、社内連携や外部機関との調整、法令遵守、そして企業全体の信頼維持といった広範な要素が関わります。特に初動対応の速さや正確さは被害の拡大を防ぐ鍵となるため、日頃からの対応体制の整備や訓練が欠かせません。次回第3回では、インシデントの発生を未然に防ぐ取り組みや、組織全体でのセキュリティ強化策について詳しく解説し、実践的な予防策のポイントを紹介します。


    ―第3回へ続く―

    【参考情報】


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    セキュリティインシデントの基礎から対応・再発防止まで
    第1回:セキュリティインシデントとは何か?基礎知識と代表的な事例

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    セキュリティインシデントとは何か?基礎知識と代表的な事例アイキャッチ画像

    近年、企業や組織を取り巻くサイバー攻撃はますます巧妙化しており、「セキュリティインシデント」が発生した場合、情報漏洩や不正アクセスなどによって、金銭的損失だけでなく企業の信用失墜にも直結します。本記事では、セキュリティインシデントの定義や種類、実際に発生した事例を取り上げ、その影響とリスクを理解するための基礎知識を解説します。

    セキュリティインシデントの定義

    セキュリティインシデントとは、情報システムやネットワークにおいて、情報のセキュリティの3要素、「機密性」「完全性」「可用性」を脅かす事象の総称です。具体的には、不正アクセスや情報漏洩、マルウェア感染、サービス運用妨害(DoS)攻撃などが含まれます。近年はクラウドやリモートワークの普及により、攻撃対象や被害の範囲が広がり、セキュリティインシデントの発生リスクは増大しています。国内外で大規模な事件が相次いで報道されるなか、インシデントの発生はもはや大企業に限られた問題ではなく、中小企業や自治体、教育機関に至るまで幅広い組織が直面しています。そのため、経営層から現場担当者に至るまで、セキュリティインシデントへの理解と備えが求められているのです。

    セキュリティインシデントの種類(例)

    一口にセキュリティインシデントといっても、その内容は多岐にわたります。代表的なものとしては、まず「不正アクセス」が挙げられます。攻撃者が外部からシステムに侵入し、機密情報を窃取したり改竄したりするケースです。次に「マルウェア感染」があります。ウイルスやランサムウェアなどの悪意あるソフトウェアにより、データが暗号化され業務が停止する被害が増えています。また、従業員による「内部不正」も見逃せません。権限を持つ社員が意図的に情報を持ち出すケースや、誤操作による情報流出が問題化しています。さらに「情報漏洩」や「サービス停止(DoS/DDoS攻撃など)」も、企業活動を直撃する深刻なインシデントです。このようにセキュリティインシデントは外部攻撃だけでなく、内部要因やシステム障害など多面的に発生し得るため、幅広い視点での備えが不可欠です。

    実際に発生した主なセキュリティインシデント事例

    セキュリティインシデントは国内外で日々多発しています。この表は2025年8月から9月にかけて発生した主要な国内インシデント事例をまとめたものです。ランサムウェア攻撃や不正アクセスによる被害が多く、特に製造業や重要インフラへの影響が深刻化している傾向が見られます。

    被害報告日 被害企業 概要 主な原因 影響範囲
    2025年9月 国内ガス・電力会社 人為的ミス LPガス検針端末の紛失 顧客情報6,303件の漏洩等のおそれ*6
    2025年9月 国内デジタルサービス運営委託事業者 個人情報漏洩 受講状況管理ツールへの登録作業ミス リスキリングプログラム受講者1名の個人情報が他の受講者1名に閲覧可能に*2
    2025年9月 国内食料品小売業 個人情報漏洩 サーバへの第三者からの不正アクセス 企業情報及び個人情報が流出した可能性*3
    2025年9月 委託事業者 操作・管理ミス オペレーターの利用者情報取り違い 高齢者の見守り・安否確認が行われず*4
    2025年9月 国内オフィス機器販売会社 個人情報漏洩 第三者による不正アクセス カード支払い顧客の情報漏洩の可能性*5
    2025年8月 ハウステンボス株式会社 システム障害 第三者による不正アクセス 一部サービスが利用できない状況に*6
    2025年8月 国内電力関連会社 不正ログイン リスト型攻撃(複数IPアドレスから大量ログイン試行) ポイント不正利用444件*7
    2025年8月 国内機器メーカー企業 不正アクセス 海外グループ会社を経由した第三者の不正アクセス 一部サービス提供停止(8月16日復旧)*8
    2025年8月 医療用メーカー企業 マルウェア感染 システムのランサムウェア感染 2日間出荷停止、その後再開*9
    2025年8月 国内建設事業者 マルウェア感染 システムのランサムウェア感染 海外グループ会社の一部サーバが暗号化*10
    2025年8月 国内外郭団体 乗っ取り 第三者による一部メールアドレスの乗っ取り 迷惑メール送信元として悪用*11
    2025年8月 暗号資産交換事業者 クラウド設定ミス 顧客データ移転作業中のクラウド設定ミス 海外メディアの報道で発覚、アクセス制限不備*12
    2025年8月 国内銀行 元従業員による情報の不正取得 出向職員による電子計算機使用詐欺 アコムから出向の元行員が逮捕・懲戒解雇*13
    2025年8月 国内病院 個人情報不正利用 委託職員が診療申込書から電話番号を不正入手 LINEで患者に私的メッセージを送付*14
    2024年12月 国内総合印刷事業者 マルウェア感染 VPNからの不正アクセス(パスワード漏洩または脆弱性悪用) 複数のサーバが暗号化される被害*15

    これらの事例は「セキュリティインシデントは特定の大企業だけの問題ではない」という現実を示しており、規模や業種にかかわらず備えが不可欠であることを強調しています。

    セキュリティインシデントが企業に与える影響

    セキュリティインシデントが発生すると、企業は多方面に深刻な影響を受けます。最もわかりやすいのは、システム停止や情報漏洩に伴う金銭的損失です。業務が一時的に止まることで売上が減少し、復旧作業や調査にかかる費用も膨大になります。さらに、顧客情報や取引先情報が流出すれば、企業の信頼性が大きく揺らぎ、契約解除や取引停止に直結する可能性があります。また、個人情報保護法や業界ごとのセキュリティ基準に違反すれば、法的責任や行政処分を受けるリスクも高まります。株式市場に上場している企業であれば、セキュリティインシデントの公表によって株価が急落するケースも少なくありません。このように、単なるシステム障害にとどまらず、企業経営全体に打撃を与える点がセキュリティインシデントの恐ろしさといえます。

    まとめ

    本記事では、セキュリティインシデントの定義や種類、実際に発生した事例、そして企業に及ぼす影響について解説しました。改めて強調すべきは、セキュリティインシデントは大企業だけでなく、中小企業や自治体、教育機関などあらゆる組織にとって現実的な脅威であるという点です。しかも一度発生すると、金銭的損失だけでなく、顧客や取引先からの信頼低下、法的リスク、社会的信用の失墜といった連鎖的な被害を引き起こします。こうした背景から、セキュリティインシデントを「発生してから考える」姿勢ではなく、「発生する前提で備える」姿勢が求められています。次回は、実際にインシデントが発生した際にどのような対応が必要なのか、初動から復旧までの流れを詳しく解説します。

    【参考情報】


    ―第2回へ続く―

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    APIとは何か(2)~APIの脅威とリスク~

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    APIセキュリティは、現代のビジネスにおいて不可欠な課題です。シリーズ第2回の今回は、APIを悪用した攻撃手法や、OWASP(Open Web Application Security Project)よりリリースされている「OWASP API Security Top 10」で取り上げられるリスクの詳細を解説します。インジェクション攻撃やDDoS攻撃、APIキーの悪用、アクセス制御に関する脆弱性など、主要な脅威を紹介しながら、APIが悪用された場合の影響について解説します。

    前回記事(シリーズ第1回)「APIとは何か~基本概念とセキュリティの重要性~」はこちら。

    APIとは~前回からの振り返り

    日頃からインターネットなどのネットワークを使用することが多い今日、現代における多くの企業はAPIに大きく依存しており、今やAPIは不可欠なものとなっています。Akamai社のレポート「The API Security Disconnect」によると、調査対象となった企業の約8割以上が2023年に行った調査において、「過去12か月以内にAPIセキュリティをより重視した」と回答しています。しかし、2022年~2024年で調査した回答者のうち、半数以上が、APIのセキュリティインシデントの影響により顧客の信頼を失い、さらにそこからほぼ半数は生産性の低下や従業員の信頼の低下にもつながったといいます。

    また、SNS事業者が提供するAndroid版アプリに存在した脆弱性が悪用された結果、膨大な量のアカウント情報が漏洩した事例*16も報告されています。これは攻撃者が大量の偽アカウントを使用し、様々な場所から大量のリクエストを送信し、個人情報(ユーザ名・電話番号)を照合するというものでした。

    APIが悪用されるとどうなるか

    APIが悪用された場合、多岐にわたる深刻な影響が生じます。特に、認証や認可の不備は深刻なセキュリティホールとなり得ます。攻撃者はこれらの脆弱性を悪用して不正アクセスを行い、機密データや個人情報を盗み出す恐れがあります。また、認可が適切に設定されていないと、本来は外部からアクセスできないはずのデータにまで侵入され、第三者からデータの改ざんや不正操作が可能となってしまいます。さらに、APIを標的にしたDDoS攻撃によりサービスがダウンし、正規ユーザが利用できなくなることで、企業の信用失墜や業務の中断といったダメージを引き起こします。これらの影響は、経済的損失だけでなく、法的問題やブランドイメージの毀損など、長期的な悪影響をもたらすため、APIのセキュリティ強化が不可欠です。

    APIを悪用した攻撃の事例はいくつか報告されていますが、いずれの攻撃も、「OWASP API Security Top 10」で挙げられている問題と関連性があります。

    OWASP API Security Top 10

    APIセキュリティについて、Webアプリケーションセキュリティに関する国際的コミュニティであるOWASPが、2023年6月に「OWASP API Security Top 10 2023」をリリースしています。APIセキュリティにおける10大リスクをピックアップして解説したものです。

    「OWASP API Security Top 10」上位のリスク

    特に上位5つの項目については、以下のような重大なリスクにつながるため、リリース前に十分な対策が施されていることを確認すべきです。

    • 不正アクセス
    • なりすまし
    • 情報漏洩
    • サービス運用妨害(DoS)

    主なセキュリティ脅威

    インジェクション攻撃

    インジェクション攻撃は、悪意のあるコードをAPIに挿入し、不正な操作を行う攻撃です。APIの入力データを検証せずに処理している場合、攻撃者にデータベースへのアクセスを許すリスクが生じます。特にSQLインジェクションやコマンドインジェクション攻撃が多く、攻撃を受けてしまった場合、データベースの情報漏洩やシステムの制御不備などの被害があります。

    認証およびセッション管理の不備の脆弱性を悪用

    APIの認証とセッション管理の不備を悪用することで、攻撃者は不正アクセスやなりすましを行います。パスワード強度が不十分な場合やトークンの管理が適切に行われていない場合、セッションハイジャックや不正に重要な情報を閲覧されることによってデータの漏洩が発生するリスクがあります。適切な認証管理およびセッション管理を行うことが重要です。

    DDoS攻撃

    DDoS攻撃は、複数のPCからアクセスされることによる膨大な量のリクエストをAPIに一斉に送り込むことで、システムのリソースを枯渇させ、サービスの提供を妨害する攻撃です。APIの特性上、処理を高速に行うために外部からのリクエストを許容する必要がありますが、その柔軟性が悪用されます。攻撃者はボットネットを利用し、大量のトラフィックを発生させてサーバのリソースを消費させます。これにより、顧客はサービスが利用できず、自組織においても業務に多大な影響を及ぼします。APIを保護するためには、トラフィックの監視やレート制限、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)などのセキュリティ対策が重要です。

    APIキーの悪用

    APIキーは、APIへのアクセスを制御するために利用されますが、攻撃者に奪われると不正利用のリスクが生じます。盗まれたAPIキーは無制限のアクセスやサービスの悪用に使われる恐れがあります。安全な管理や無制限にアクセスができないように適切なアクセス制御を実施すること等が重要です。

    アクセス制御の不備による影響

    APIのアクセス制御の不備の脆弱性を悪用することで、攻撃者は許可されていないデータや機能にアクセスできます。適切な権限設定がされていない場合、データの漏洩や不正な操作の実行のリスクがあります。権限の設定など適切なアクセス制御が求められます。

    思わぬデータの公開や改ざん

    APIの設計や実装の不備により、データが意図せず公開・改ざんされるリスクがあります。適切な認証・認可がないと、攻撃者が内部の機密情報にアクセスすることが可能になります。例えば、本来ならシステム管理者のみがアクセスできる設定画面または顧客情報やシステムに関する情報などの重要情報が格納されている場所に攻撃者がアクセスできてしまった場合、システムの設定を変更されたり重要情報が奪取されたりする恐れがあります。また、過剰に情報を提供するAPIレスポンスや暗号化されていないデータ転送も、情報漏洩や改ざんの危険性を高めます。データ保護には、適切なアクセス制御と暗号化の実装が不可欠です。

    アカウント乗っ取り

    不正アクセスによってユーザアカウントが乗っ取られ、APIを悪用される可能性があります。一度アカウントが乗っ取られると、攻撃者は個人情報の閲覧や不正操作、さらには他のシステムへの攻撃拡大を図る可能性があります。多要素認証(MFA)の導入やAPIキーの適切な管理、ログイン試行の監視など、セキュリティ対策の強化が必要です。

    まとめ

    現代の企業にとってAPIによるアプリケーション連携は不可欠ですが、その悪用によるセキュリティリスクも増加しています。APIを悪用した攻撃の事例は、「OWASP API Security Top 10」に関連しています。主なセキュリティ脅威には、インジェクション攻撃、認証やセッション管理の不備、DDoS攻撃、APIキーの悪用、アクセス制御の脆弱性、不適切なデータ公開や改ざん、アカウント乗っ取りなどがあります。これらは重大なリスクを孕んでいるため不正アクセス、なりすまし、機密データの盗難を含む情報漏洩、データ改ざん、サービスのダウンによるサービス低下や業務への影響、ひいては企業の信用失墜といった深刻な結果を招きます。こうした被害を防ぐため、APIの設計段階から適切なセキュリティ対策を行い、監視やアクセス制御の強化が不可欠です。

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    備えあれば憂いなし!サイバー保険の利活用

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    瓦版アイキャッチ(リスクとお金(コインをもっている手)のイメージ)

    サイバー攻撃による被害は増加の一途をたどっています。一般社団法人日本損害保険協会の調査によると、国内企業の約4割以上がサイバー攻撃被害に対する不安を抱えています。そのような不安に備える「サイバー保険」をご存じでしょうか。本記事ではサイバー攻撃を受けた場合に発生するコスト・損失に触れつつ、サイバー保険について解説し、セキュリティ対策の見直し方法についてご紹介いたします。

    他人事ではない!増加するサイバー攻撃による被害

    サイバー攻撃による被害は増加の一途を辿っており、昨今は企業規模・業界問わず被害に遭う可能性があります。

    国内では特にパソコンに保存したファイルやハードディスクを暗号化して、身代金を要求する不正プログラムである「ランサムウェア」による感染被害が多発しています。企業・団体等におけるランサムウェア被害として、令和4年上半期に都道府県警察から警察庁に報告のあった件数は114件であり、令和2年下半期以降、右肩上がりで増加しています。

    【企業・団体におけるランサムウェア被害の報告件数の推移】

    実際、一般社団法人日本損害保険協会の調査*2によると、国内企業の多くはコロナ渦でテレワークの導入が進んでおり、サイバー攻撃を受ける可能性について約4割の企業が「高まった」と回答しています。しかし同時に4割以上の企業がサイバーリスク対策における課題について「現在行っている対策が十分なのかわからない」と回答しており、リスクの高まりを認識しながらもセキュリティ対策への自信のなさがうかがえます。

    特に中小企業の場合は、セキュリティに対する知識や対策に必要な資源が限られているため、原因の特定や対策の実施が困難なケースも少なくありません。こういった背景からサプライチェーン上の脆弱な企業を狙われ、サプライチェーン全体が被害を受ける事案も見受けられます。

    サイバー攻撃の被害を受けてしまうと、個人情報の漏えい、機密データの改竄、サーバ停止やシステムの破壊などが発生する可能性があり、事業継続に影響を与えかねない脅威となります。

    国内で発生したサイバーインシデント事例

    2022年に国内で起こったサイバー攻撃の事例は以下の通りです。

    【国内サイバーインシデント事例】
    年月 被害概要 原因
    2022/1 県の災害情報管理システムから津波に関する緊急速報メール大量送信*2 プログラム設定ミス
    2022/3 アニメ製作会社が不正アクセスを受け複数の人気番組の放映スケジュールに影響*3 システム障害
    2022/3 代行申請企業の従業員がEmotetに感染し、情報漏洩となりすまし被害*4 マルウェア感染
    2022/3 国内メーカーホームページへの不正アクセスによりメールアドレス流出(約1万件)*5 SQLインジェクション
    2022/5 比較情報サイト運営等を行う企業がクラウドサービスの設定ミスにより最長6年間個人情報を不用意に公開(約5,000件)*6 クラウド設定ミス
    2022/5 国内人材情報企業の資格検定申込サイトに対する海外からの攻撃でメールアドレス流出(約29万件)*7 SQLインジェクション
    2022/8 組合直売店のネットショップ専用パソコンがEmotetに感染して顧客氏名やメールアドレス等流出(約50,000件)*8 マルウェア感染

    【サプライチェーンの脆弱性を悪用した攻撃の事例】

    2022年3月1日に国内大手自動車メーカーの部品仕入先企業が同社の外部取引先企業との専用通信に利用していたリモート接続機器の脆弱性をきっかけとして不正アクセスを受け、この影響により自動車メーカーが国内全14工場28ラインを停止させる事態となった
    このサイバー攻撃は大手企業を狙ったサプライチェーン攻撃とみられる*9

    データ侵害発生時にかかるコスト

    機密情報等の漏洩が発生すると、その復旧作業に莫大なコストがかかります。復旧コスト自体も年々増加傾向にあるほか、データ侵害により信用失墜につながることで、深刻なビジネス上の被害を引き起こします。実際にデータ侵害による平均総コストの内、システム復旧や顧客の再獲得などにかかった割合は38%にものぼるとのことです。

    【4つのカテゴリ別データ侵害の平均総コスト(単位:100万米ドル)】

    サイバー攻撃を受けた場合に生じる費用・金銭的損失

    サイバー事故が発生した際に生じる費用は大きく分けて3つあります。

    損害賠償責任に伴う費用のサムネ
    インシデント対応に必要となる事故対応費用のサムネ
    事故発生により事業継続上被った金銭的損害のサムネ

    企業の経営者はこういったサイバー攻撃により発生する費用を未然に防ぐため、以下のようなガイドラインなども参考にしつつ、企業の追うべき責任について理解しておくことが重要です。

    【参考情報:ガイドライン】
    ・一般社団法人 日本経済団体連合会
     「サイバーリスクハンドブック 取締役向けハンドブック 日本版
    ・内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)
     「サイバーセキュリティ関係法令Q&A ハンドブック Ver1.0

    サイバー保険とは

    前述のような費用を包括的に補償する役割を果たすのが「サイバー保険」です。
    保険に加入することで、最悪の事態が起きた場合でも幅広い補償とサポートがうけられることで事業活動継続の命綱となります。(※補償の内容はサービスによって異なります。)

    サイバー保険の加入率は海外では増加傾向にあり、米国の企業で5割近く、英国では約4割に上る*10とのことです。これに対して、日本国内では大企業・中小企業共に加入率は1割以下との報告*11がありますが、サイバーセキュリティを取り巻く状況を鑑みると、今後国内でも認知・普及が広まっていくことが考えられます。

    サイバー保険の有効性

    これまで見てきたようにサイバー攻撃によるリスクは、金銭的損害、機会損失、信用失墜などがあります。事業活動継続のためには、こういったリスクに対してどう対処していくかをリスクの影響度や深刻度などに応じて自身で判断する必要があります。

    【主なリスク対策方法】
    リスク対策の種類 概要 対策例
    リスクの回避 リスクの発生確率を低くする ・外部からのアクセスを許可しない
    ・物理的にもシステム接続を不可能にする
    ・クレジットカード情報などの個人情報を保存しない・収集しない
    リスクの低減 リスク発生による影響を小さくする ・通信の暗号化の強度を高くする
    ・認証機構を堅牢にし、セキュアな多要素認証を強制する
    リスクの移転 リスクの影響を第三者に移す サイバー保険への加入
    リスクの受容 リスクの発生を認め、
    何もしない
    対策をしない

    万が一の金銭的な損失に備え、自社ではなく保険会社という他者に補償させるという「リスクの移転」手段の1つとして有効なのが、サイバー保険です。

    今一度セキュリティ対策の見直しを

    サイバー攻撃手法は日々更新されており、さらに取引先や子会社などを含むサプライチェーンを踏み台にした攻撃など、どんなにセキュリティ対策を実施していても自組織のみではインシデント発生を防ぎきれないのが実情です。脆弱性診断の定期的な実施といった基本的なセキュリティ対策を行うとともに、万が一インシデントが発生してしまった場合の備えとして信頼できる第三者の専門企業に相談することをおすすめします。


    サイバー保険付帯脆弱性診断サービスの紹介

    ※外部サイトにリンクします。

    サイバー保険付帯の対象となる脆弱性診断

    BBSecのSQAT® 脆弱性診断サービスすべてが対象となります。また、複数回脆弱性診断を実施した場合、最新の診断結果の報告日から1年間有効となります。

    またBBSecでは緊急対応支援サービスも提供しています。突然の大規模攻撃や情報漏えいの懸念等、緊急事態もしくはその可能性が発生した場合は、BBSecにご相談ください。セキュリティのスペシャリストが、御社システムの状況把握、防御、そして事後対策をトータルにサポートさせていただきます。

    ※外部サイトにリンクします。

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    クラウドセキュリティ対策の方法とは?
    クラウドサービスの不安とメリットを解説

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    クラウドセキュリティ対策の方法とは?クラウドサービスの不安とメリットを解説のサムネ

    クラウドサービスを利用する企業は約7割を超え、いまやITビジネス環境に欠かせない存在です。AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスの代表例と、クラウド導入のメリットと不安、クラウドセキュリティを担保する方法を解説します

    日本の各企業でも、クラウドサービス(クラウド)の利用はさらに進み、オンラインによるコミュニケーションやデータ共有、迅速なシステム構築などに活用されています。 しかし、ハードウェアを自社内やデータセンター等の設備内に設置する「オンプレミス」と比べ、セキュリティに対する漠然とした不安の声もあります。導入担当者やセキュリティ担当者は、クラウドセキュリティを確保していく必要があります。

    この記事では、企業で活用されているクラウドサービスを例示しながら、「クラウド」「SaaS」「PaaS」「IaaS」「オンプレミス」などクラウド関連の用語を解説します。またクラウドサービスのメリットや不安点を挙げた上で、最後にクラウドセキュリティについて論じます。

    クラウドサービスとは

    クラウドサービスとは、ソフトウェアやサーバ、インフラなどを製品としてではなくサービスとしてクラウド事業者が提供するものです。これまでのソフトウェアやサーバの調達と異なり、利用者はサブスクリプション形式で利用料を支払い、クラウド上にあるリソースをサービスとして利用します。

    クラウド(cloud)という名称は、ネットワークの模式図上で雲のような形状で示されるところからきました。ひとつの雲で表されますが、実際には複数のサーバ機器やネットワーク機器で構成され、サーバにはサービスに必要なソフトウェアが導入されています。

    サーバを事業所内に設置するような利用形態「オンプレミス」という用語は、「クラウド」の対義語のように使われていますが、英語のon-premiseの本来の意味合いは「敷地内の」というものです。

    なおクラウドサービスを分類すると、3つの主要サービスがあります。具体的なイメージを掴めるよう、法人で幅広く使われているクラウドサービスを挙げながら紹介します。

    SaaS(Software as a Service、サース、サーズ)

    Gmail(Webメール)、Microsoft Office 365(オフィスソフト)、Dropbox(ストレージ)、Slack(チャット)などのサービスがあります。一般ユーザが使用するアプリケーションをサービスとして提供します。

    IaaS(Infrastructure as a Service、アイアース、イアース)

    利用者が選択したスペックやOSに合わせた、仮想的なマシン(インフラ)を提供します。利用者側で必要なアプリケーションをさらにインストールするなどして、用途に合わせてカスタマイズできます。

    たとえばWebサービスを顧客に展開するときに、Webサーバとして活用するケースがあります。Amazon Elastic Compute
    Cloud(Amazon EC2)、Azure Virtual
    Machines、Google Compute Engine(GCP)
    といったサービスがあります。

    PaaS(Platform as a Service、パース)

    IaaSが提供する仮想マシンに加え、上位のミドルウェアを含め提供するプラットフォームがPaaSです。さまざまなサービスがありますが、たとえばAWSのAmazon Relational Database Service(Amazon RDS)では、主要なリレーショナルデータベース(RDB)をサポートします。また、GCPのGoogle App Engine(GAE)は、JavaやPythonなどで開発したアプリケーションをGCPのインフラ上で簡単にデプロイ、管理できるようになっています。

    CaaS(Container as a Service、カース)

    コンテナ技術を用いると、例えば開発用、本番用といった異なるサーバやOS間で同一の環境を持ち運べるなど、効率的なアプリケーション開発が実現できますが、複数のコンテナを組み合わせた大規模な環境では、それらを運用、管理するのに手間がかかります。CaaSは、複数のコンテナ利用に必要なオーケストレーション機能(管理/サポートする機能)を多数提供し、開発業務のさらなる効率向上を可能にします。代表的な例には、Docker、GKE(Google Kubernetes Engine)、Amazon ECS(Elastic Container Service)、VMware PKSなどのサービスがあります。

    なお企業向けのクラウドセキュリティの議論はIaaSやPaaSを対象にしたものが中心です。これは、SaaSのセキュリティ管理は、クラウド事業者とサービサーが担うため、企業側で対応する余地があまりないためです。この記事でも、特に断りのない限りIaaSやPaaSを念頭に説明を進めていきます。

    日本政府もAWSを導入!クラウドを利用する日本企業は7割に

    2020年2月、政府が「政府共通プラットフォーム」にAWSを利用する 方針であることを発表しました。政府が採用を決める前から、企業でもクラウド利用が広がっています。以下は、総務省の通信利用動向調査の結果です。クラウドを全社的または一部の部門で活用する日本企業は毎年増え続け、2021年では70.2%に上っています。

    国内におけるクラウドサービス利用状況

    国内におけるクラウドサービス利用状況のサムネ
    出典:
    総務省「令和3年通信利用動向調査」企業編
    総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」(令和元年5月31日公表)

    クラウドサービス導入のメリット

    ピーク性能に合わせて購入するのが一般的なオンプレミスと比べ、クラウドでは必要な時に必要なスペックで
    サーバやソフトウェアの契約を行うことが可能です。

    1.どこからでもアクセスできる

    WebメールやオンラインストレージといったSaaSを利用している場合、どこにいてもインターネットがあればアクセスできます。

    2.負荷に応じて動的にシステム変更可能

    アクセスの増減に合わせて、Webの管理ツールを操作するだけで、サーバを追加したり削減したりできます。オンプレミスと比べ、変更にかかる時間を大幅に短縮できます。 TVで取り上げられた場合などに発生する、突発的なアクセス増にも柔軟に対応可能です。

    3.開発者が多くどんどん便利になっている

    利用が急拡大しているグローバル規模のクラウド事業者は、世界中から優秀な開発者を集めており、次々と機能追加が行われています。

    クラウドサービスに対する4つの不安

    クラウドサービスに対する4つの不安のサムネ

    1.情報漏えいリスク

    どこからでもアクセスできて便利な反面、オンプレミス環境のように手元に情報を保持していない分、漠然とした不安や、攻撃対象になりやすいのではないかといった懸念があります。こうした懸念に応えるセキュリティ対策については後述します。

    2.システム稼働率や法規制対応

    クリティカルなサービスを提供する企業では、稼働率などを保証するSLA(Service Level Agreement)や、冗長構成を必要とする場合があります。また、クラウドサービスの利用にあたり、社内の基準やコンプライアンス、業界基準、国内法に準拠している必要があります。

    これらの不安に対応して、AWSなど大手のクラウドサービスではSLAや第三者機関から取得した認証など、各種基準への対応状況を公表しています。

    3.従量課金による費用変動

    クラウドサービスの課金体系には、月額・日額の固定料金制もあれば、従量課金制もあります。利用形態によっては、オンプレミス環境を用意したほうが安価な場合もあります。システム利用計画を建ててから契約しましょう。

    4.カスタマイズやベンダーのサポート体制

    クラウド事業者は複数の顧客に共通のサービスを提供することで。オンプレミス環境と同様のカスタマイズやサポートは望めない場合もあります。

    クラウドセキュリティ要件のガイドライン

    クラウドセキュリティ要件のガイドラインのサムネ

    クラウドサービス提供者側のセキュリティ要件として、たとえば総務省では「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン」を提供しています。

    クラウド事業者は施設の物理セキュリティや、ネットワークなどのインフラのセキュリティに責任を持ちますが、利用者側にもネットワーク周りの設定や管理アカウントの管理などの対策が求められます。

    クラウドの設定ミスに起因する事故

    AWSに置かれていた、米ウォールストリートジャーナル紙の購読者名簿220万人分が、第三者による閲覧が可能な状態になっているという事故がありました。これは、利用者側の設定ミスに起因するものです。

    オンプレミス環境ではサーバを直接操作する人は限られており、サーバルームの入退室記録簿等々、事故が起こらないようにさまざまなルールや、それを守る体制がありました。しかしクラウドでは、前述したようにどこからでもアクセスして、Web管理ツールで簡単にシステムを変更できるという利点が、逆に事故につながる場合があります。

    クラウドセキュリティ対策の方法は?

    ひとつは、クラウドサービスの設定に関わるベストプラクティス集を利用する方法です。各クラウドベンダーから公開されており、日本語版も用意されています。CISベンチマークという第三者機関が開発したセキュリティに関するガイドラインもあります。ただし、網羅性が高く項目も多いため、必要な項目を探すには時間がかかる場合もあります。

    もうひとつは、クラウドの設定にセキュリティ上の問題がないか診断するツールを利用する方法です。実用するには一定の習熟が必要で、たとえば出力された多数の脆弱なポイントについて、どこを優先して対処していくかの判断が求められます。セキュリティ企業が提供する診断サービスを利用する方法もあります。パブリッククラウドの設定にリスクがないか専門家が診断します。

    クラウドセキュリティ設定診断サービスのサムネ

    まとめ

    ・クラウドのセキュリティは、クラウドサービスの提供側と利用者側双方で担保する
    ・提供側はインフラ等のセキュリティに責任を負う
    ・利用者側はセキュリティ、ネットワーク、アカウントなどの設定・管理を適切に行う
    ・利用者側の対策として、ベストプラクティスの活用、自動診断ツール、セキュリティベンダーの提供するサービスを利用するといった方法がある

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    セキュリティ診断の必要性とは?

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    「セキュリティ診断」とは何か?セキュリティ診断には脆弱性診断、ソースコード診断、ペネトレーションテストなどの方法があります。今回は、企業にセキュリティ診断が不可欠な背景を説明します。また、診断以外のセキュリティ対策にも触れます。

    セキュリティ診断の必要性とはのサムネ

    サイバー攻撃や組織における管理またはシステムの設定不備・不足等が原因となり、機密情報等の漏洩事故および事件が相次いで発生しています。東京商工リサーチの調べによれば、上場企業とその子会社で起きた個人情報漏洩または紛失事故・事件件数は2021年で137件となり過去最多を更新しました。*12実際に企業がデータ侵害などの被害を受けてしまい、機密情報等の漏洩が発生してしまうと、システムの復旧作業に莫大なコストがかかるほか、データ侵害によるインシデントが信用失墜につながることで、 深刻なビジネス上の被害を引き起こします。被害を最小限に抑えるために、適切な事故予防、攻撃対策をとっていくことは、企業の重要な業務のひとつとなっています。

    セキュリティ対策やセキュリティ診断は、企業にとっていまや基幹業務に不可欠であり、社会的責任でもあります。この記事ではセキュリティ診断の内容と必要性などを解説します。

    セキュリティ診断とは? その必要性

    セキュリティ診断とは、システムのセキュリティ上の問題点を洗い出す検査のことを指します。脆弱性診断、脆弱性検知、など呼び方もさまざまで、また対象によってソースコード診断、システム診断、Webアプリケーション診断、ペネトレーションテストなどに分類されます。

    なお、複数の診断方法のうち、同様の診断をセキュリティベンダーや診断ツール提供者がそれぞれ微妙に異なる名称で呼んでいるケースもあります。

    「セキュリティ診断」という用語は、単に「脆弱性診断」を指すこともあれば、セキュリティに関するさまざまな診断や評価全体を包括して「セキュリティ診断」と呼ぶ広義の使い方もあります。

    「セキュリティ」には、情報セキュリティだけではなく、デジタル社会へのリスク対応全般が含まれる場合もありますが、「セキュリティ診断」という用語は、企業など組織の事業における(情報)セキュリティリスクの低減を主な目的とした検査のことをいいます。

    資産である情報の「機密性」「完全性」「可用性」を守るため、セキュリティ診断を行うことで、情報セキュリティの観点からみた構造上の欠陥や、組織体制、あるいは運用上の弱点を見つけることができます。発見された問題に対し優先順位をつけて対策を実施することで、より堅牢なシステム・環境・体制を構築することができます。

    企業に求められる情報セキュリティ対策の例

    企業が実施するセキュリティ対策のうち、よく話題にあがるものをいくつかピックアップして説明します。

    不正アクセス対策

    不正アクセス対策のサムネ

    不正アクセスとは、本来アクセス権限を持たない者が、何らかの手段を用いて第三者の情報にアクセスすることをいいます。なりすまし不正侵入といった形が一般的です。不正アクセスによって、個人情報や知的財産が奪われる、サーバやシステムが停止するなど、企業活動に影響するリスクが生じます。不正アクセスに対しては、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」によって、アクセス管理者にも次の管理策を行う義務が課されています(ただし、罰則はありません)。
    ・識別符号の適切な管理
    ・アクセス制御の強化
    ・その他不正アクセス行為から防御するために必要な措置
    セキュリティ診断を通じてシステムに存在する弱点を洗い出し、発生箇所を特定することで、こうした不正侵入などへの対策を立てやすくする効果があります。

    脆弱性対策

    脆弱性とは、一つ以上の脅威によって付け込まれる可能性のある資産または管理策の弱点をいいます。脅威とは、「システム又は組織に損害を与える可能性がある、望ましくないインシデントの潜在的な原因」で、いわばシステムにおけるバグのようなものです。それらの脆弱性は、「危険度を下げる」「蔓延を防ぐ」「影響度を下げる」ことで、悪用されにくくすることができます。

    脆弱性対策とは、これらの角度からシステムの欠陥をつぶしていく行為ともいえます。利用しているソフトウェアの既知の脆弱性をアップデートやパッチの適用で常に最新版に保ったりすることや、システム開発の場面でそもそも脆弱性を作りこまないように開発することなどが、その典型例です。

    標的型攻撃対策

    近年、「高度標的型攻撃(APT)」と呼ばれる、新しいタイプの攻撃が警戒されるようになりました。もともと、標的型攻撃とは、特定の企業や組織に狙いを定めてウイルスメールを送るなどの攻撃を仕掛けるものでしたが、高度標的型攻撃は、特定のターゲットに対して長期間の調査と準備を行い、ときには社内のネットワーク構成図や会社組織図、キーパーソンの休暇の取得状況まで調べ上げたうえで、サイバー攻撃を仕掛けてきます。

    標的型攻撃対策のサムネ

    従来、標的型攻撃の対策としてはセキュリティ意識を高める訓練が主でしたが、今では「侵入されること」を前提に、セキュリティ機器を使った多層防御システムを構築することの大切さが、広く認識されるようになってきました。高度標的型攻撃に特化したセキュリティ診断を受けることで、攻撃被害スコープを可視化したり、脅威リスクのシミュレーションを行うことができます。

    運用を含むリスクアセスメント

    システムが技術的に強固に守られていても、アクセス用のIDとパスワードを付箋紙に書いてモニターに貼り付けていたら、安全は保たれるべくもありません。

    システムなど技術的側面からだけでなく、作業手順や業務フロー、作業環境、組織のルールなどの運用面も含めてリスク評価を行うことを「リスクアセスメント」と呼びます。リスクアセスメントを通じて、リスクの棚卸による現状把握ができ、優先順位をつけて改善策を講じていくことが可能になります。

    セキュリティ診断の方法と種類

    セキュリティ診断の分類はいくつかあります。
    <診断対象による分類>
     ・Webアプリケーション脆弱性診断
     ・ネットワーク脆弱性診断
     ・ソースコード診断
     ・スマホアプリ脆弱性診断
     ・ペネトレーションテスト
     ・クラウドセキュリティ設定診断
     ・IoT診断

    <ソースコードや設計書の開示の有無による分類>
     ・ホワイトボックステスト
     ・ブラックボックステスト

    <診断実施時にプログラムを動かすかどうかによる分類>
     ・動的解析
     ・静的解析

    ホワイトボックステスト/ブラックボックステスト、動的解析/静的解析については、SQAT.jpの以下の記事でご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。
    「脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方」

    Webアプリケーションセキュリティ診断

    Webアプリケーションに対して行う診断です。事業活動に欠かせないWebサイトはデータの宝庫です。ハッキング対象の約7割がWebサイトであるともいわれています。ひとたびデータ侵害が起こると、事業継続に影響を与えかねないインシデントを引き起こすリスクがあります。

    ネットワークセキュリティ診断

    サーバ、データベース、ネットワーク機器を対象として脆弱性診断やテスト、評価を行います。搭載されているOS、ファームウェア、ミドルウェアなどのソフトウェアについて、最新版か、脆弱性がないか、設定に不備がないかなどを確認します。ネットワークの脆弱性対策をすることで、サーバの堅牢化を図る、不正アクセスを防止するなどの効果を得られます。

    ソースコードセキュリティ診断

    WEBアプリケーションは、プログラムの集合体であり、脆弱性はプログラム処理におけるバグであるといえます。入力チェックやロジック制御に、バグ(考慮不足)があるから、想定しない不具合が発生すると考え、プログラムコード(ソースコード)を調べていくのがソースコード診断です。ソースコード診断はプログラムに対するセキュリティ観点でのチェックであるとともに、開発工程の早い段階で、脆弱性を検出することが可能になります。

    セキュリティ診断で未然に事故を防ごう

    セキュリティ診断で未然に事故を防ごうのサムネ

    セキュリティ診断のひとつとして挙げた脆弱性診断には、さまざまな診断ツールが存在しており、無料で入手できるものもあります。しかしツールの選定や習熟には一定の経験や知見が求められ、そもそも技術面だけでは企業のセキュリティを確保することはままなりません。セキュリティの専門会社の支援を受けて、客観的な評価やアドバイスを受けるのも有効な手段です。

    セキュリティ専門会社による脆弱性診断を実施することで、日々変化する脅威に対する自システムのセキュリティ状態を確認できるため、適時・適切の対策が可能です。予防的コントロールにより自組織のシステムの堅牢化を図ることが事業活動継続のためには必須です。

    まとめ

    • Webアプリケーションセキュリティ診断、ネットワークセキュリティ診断、ソースコード診断、セキュリティに関するさまざまな診断やテストが存在する
    • 不正アクセスなどの攻撃を防ぐためシステムの脆弱性を見つけて対策することが必須
    • 技術的対策だけでセキュリティを担保することは難しい
    • 人間の脆弱性や業務運用までを含む包括的な視点で組織にひそむリスクを洗い出すことも重要
    セキュリティ診断サービスのサムネ

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