【第3回】Non-Human Identities Top 10とは?自動化時代に求められる新しいセキュリティ視点

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近年、クラウドやSaaSの普及で、人の手を介さずに動作する「Non-Human Identity(NHI)」が存在感を増しています。このNHIに対するOWASPのTop10シリーズが2025年から公開されています。「OWASP Top 10」を中心に、基本的なセキュリティ知識を深め、企業での対策に活かすことを目的としたシリーズ第3回の今回は、NHIとは何か、悪用事例や企業が今取るべきセキュリティ対策の方向性を解説します。

Non-Human Identity(NHI)とは

NHIとは、マシン間のアクセスと認証に使用されるデジタル的なIdentity(ID注 1))の総称です。IDは機械的な処理や自動化の場面で使われます。NHIはクラウドサービスの普及やAPI化の進展とともに爆発的にその数を増やしています。その最大のメリットはAPIやマイクロサービス、アプリケーションごとに設定・運用が可能な点にあります。そして最大のデメリットがセキュリティ関連の問題です。

NHIが用いられる代表例としてCI/CD注 2)環境があります。CI/CD環境では日常的にコードのコミットやレビュー、テスト、ビルド、バージョン管理、デプロイといったことがCI/CDパイプラインやクラウドサービスプロバイダとの統合を通じて行われています。ここでのNHIの利用状況を考えてみましょう。

CI/CD環境とNHIのイメージ

ユーザがIDEからプラグイン経由でワークフローにコードのプッシュ/プルなどの操作を行うことでCI/CDパイプラインのワークフローが動作し、ワークフローから様々なコンポーネントや外部APIへの通信にNHI(凡例①~③)が利用されます。

CI/CDに限らず、私たちの周りにはNHIを必要とするサービス間・システム間の連携が多数存在しています。次の図は顧客管理システム(CRM)と営業支援システム(SFA)を中心とした、NHIを用いた典型的なサービス間の連携のイメージです。

CI/CD環境も、この図に挙げた例でも、1人のユーザが1つのアプリケーションから複数の機能を動かすことができます。このため、組織内では人の10~50倍のNHIが存在するともいわれています注 3)。さらに、すべてのNHIが適切に管理されているとは限らず、サービス間・開発者間でのNHIの共有や認証情報のローテーションのないNHIの存在など、多くの問題があります。これらのセキュリティ上の問題をまとめたものが「OWASP NHI Top10」です。

事例から見るNHIのセキュリティ課題

tj-actionsサプライチェーン攻撃(2025年発生)

GitHub Actions(GitHubによるCI/CDプラットフォーム)向けのサードパーティー製のアクション集であるtj-actionsが依存するライブラリへの侵害が原因となったサプライチェーン攻撃です。GitHub Actionsにはワークフローやその中の一部アクションの再利用という機能がありますが、tj-actionsはGitHub Actionsでは提供していないアクションを多数提供することでGitHub Actionsの補完目的で使用できるツールの一つです。図は時間的経過を含む本事案の推移をあらわしたものです。

tj-actions侵害・サプライチェーン攻撃の概要

GitHub独自のセキュリティに関連する補足説明

PAT: ここでのPATはGitHubが提供するPersonal Access Tokenを指します。APIやCLIからのアクセス(たとえばgit cloneやpush, pullなど)を行う際の認証に用いられるものです。発行が人(GitHubユーザ)に対して行われるので属人性がありますが、実際にはNHIとして使用します。Settings>Developer SettingsからToken(Classic)またはFine Grained Tokenが選択できます。Fine Grained Tokenを選択した場合はトークンに関するパーミッションの詳細が設定できるようになっていますが、セキュリティの観点では非推奨の設定項目(例えば有効期限を設定しないなど)が有効になっている点や、設定項目が詳細かつ多岐にわたるためセキュリティ上の配慮のない設定をしているケースもありうる点に注意が必要です。
pull_request_target: GitHub Actionsにはpull_requestとpull_request_targetの2つのpull requestトリガーがあります。pull_request_targetは使い方を理解していないと今回のようなケースで悪用されることがあります。参考資料を以下に記載しますので、ぜひご一読ください。
https://blog.gitguardian.com/github-actions-security-cheat-sheet/
https://blog.gitguardian.com/github-actions-security-cheat-sheet/https://runs-on.com/github-actions/pull-request-vs-pull-request-target/

本件でOWASP NHI Top 10のうち該当する可能性がある項目は以下の通りです。

No.名称今回何が該当するか
NHI2Secret Leakage(シークレット漏洩)本件ではtj-actions経由でログにダンプされた秘密情報があった点、各PATの漏洩があった点の2点が該当
NHI3Vulnerable Third-Party NHI(脆弱なサードパーティーNHI)spotbugsおよびreviewdog への侵害がtj-actionsへの侵害へ繋がった点が該当
NHI7Long-Lived Secrets(長期間有効なシークレット)攻撃期間からspotbugsのメンテナーのPATの有効期限が長かった可能性がある

OWASP NHI Top 10

OWASP NHI Top 10 2025をここで簡単にご紹介します。

NHI番号名称概要対策
NHI1:2025Improper Offboarding(不適切なオフボーディング)サービスアカウントやアクセスキーなどの非人間的アイデンティティが不要になった際に、適切に無効化・削除されない問題。放置された認証情報が攻撃者に悪用され、機密システムへの不正アクセスに利用される可能性がある。NHIのライフサイクル管理を自動化し、使用されていないアイデンティティを定期的に検出・無効化する。継続的なスキャンとモニタリングでゾンビNHIを特定し、ガバナンス、ツール、ワークフローの観点から廃止プロセスを体系化する。
NHI2:2025Secret Leakage(シークレット漏洩)APIキー、トークン、暗号化キー、証明書などの機密情報が、ソースコードへのハードコーディング、平文設定ファイル、公開チャットアプリケーションなど、認可されていないデータストアに漏洩する問題。ハードコードされた認証情報を排除し、適切なシークレット管理プラットフォーム(CyberArk Conjur、HashiCorp Vault等)を導入する。CI/CDパイプラインにシークレットスキャンを組み込み、リアルタイムで漏洩を検出・検証する。
NHI3:2025Vulnerable Third-Party NHI(脆弱なサードパーティーNHI)開発ワークフローに統合されたサードパーティーの非人間的アイデンティティが、セキュリティ脆弱性や悪意のあるアップデートにより侵害され、認証情報の窃取や権限の悪用に利用される問題。サードパーティーサービスのセキュリティ実践を定期的に監査し、統合されたサービスの更新状況を追跡する。最小権限の原則に従い、サードパーティーに与える権限を最小限に制限し、定期的にアクセス権を見直す。
NHI4:2025Insecure Authentication(安全でない認証)開発者が内部・外部サービスを統合する際に、非推奨で脆弱性のある認証方式や、古いセキュリティ慣行による弱い認証メカニズムを使用することで組織が重大なリスクにさらされる問題。非推奨の認証方式(SHA1等)を特定し、最新のセキュリティ標準に準拠した認証方式に移行する。すべての暗号化・認証方式を定期的に見直し、技術の進歩に合わせて更新する。長期間有効なAPIキーを短期間トークンに置き換える。
NHI5:2025Overprivileged NHI(過度な権限を持つNHI)アプリケーション開発・保守時に、開発者や管理者が非人間的アイデンティティに必要以上の権限を付与し、侵害時に攻撃者がその過剰な権限を悪用して重大な被害を与える可能性がある問題。最小権限の原則を厳格に適用し、NHIの権限を定期的に見直す。権限のスコープを適切に設定し、シークレットローテーション時に権限の再評価を実施する。人間のアイデンティティと同様の自動化されたアクセス権見の直しプロセスを導入する。
NHI6:2025Insecure Cloud Deployment Configurations(安全でないクラウドデプロイ設定)CI/CDアプリケーションがクラウドサービス認証で静的認証情報やOIDCを使用する際、設定ミスや検証不備により、攻撃者が本番環境への永続的で特権的なアクセスを獲得する可能性がある問題。静的認証情報の代わりにOIDCトークンベース認証を使用し、アイデンティティトークンの適切な検証を実装する。設定ファイルへのハードコード化を避け、適切なシークレット管理システムを使用する。CI/CDパイプラインでのシークレット露出を防ぐ。
NHI7:2025Long-Lived Secrets(長期間有効なシークレット)APIキー、トークン、暗号化キー、証明書の有効期限が遠い将来に設定されているか無期限の場合、侵害されたシークレットが時間制約なく攻撃者に機密サービスへのアクセスを提供する問題。短期間で自動ローテーションされるシークレットを実装し、可能な限り実行時に生成される一時的なトークンを使用する。シークレットのライフサイクルを可視化し、作成・使用・ローテーション状況を追跡する。有効期限のないシークレットを特定し排除する。
NHI8:2025Environment Isolation(環境分離)開発、テスト、ステージング、本番環境で同じ非人間的アイデンティティを再利用することで、特にテスト環境と本番環境間での使い回しが重大なセキュリティ脆弱性を引き起こす問題。開発、ステージング、本番環境で異なるNHIを使用し、環境間でのNHI共有を禁止する。各環境専用のNHIを設定し、環境固有のアクセス権限を適用する。NHIの使用状況を可視化し、環境分離ポリシーの遵守状況を監視する。
NHI9:2025NHI Reuse(NHI再利用)異なるアプリケーション、サービス、コンポーネント間で同じ非人間的アイデンティティを再利用することで、一箇所での侵害が他の部分への不正アクセスに利用される重大なセキュリティリスクを生む問題。異なるアプリケーション間でのNHI共有を禁止し、1対1のNHI-アプリケーション使用ポリシーを確立する。NHIの使用コンテキストを詳細に把握し、複数システム間での再利用を防ぐ。侵害時の影響範囲を限定するため、専用NHIを各アプリケーションに割り当てる。
NHI10:2025Human Use of NHI(人間によるNHIの使用)アプリケーション開発・保守時に、開発者や管理者が個人の人間的 アイデンティティで行うべき手動タスクに非人間的アイデンティティを悪用し、監査やアカウンタビリティの欠如などのリスクを引き起こす問題。手動タスクには適切な権限を持つ個人のアイデンティティを使用し、NHIの人間による使用を禁止する。NHIの異常使用を検出するモニタリングを実装し、承認されたアクセスパターンから逸脱した使用を特定する。監査とアカウンタビリティを確保するため、人間とNHIの活動を明確に区別する。
出典:OWASP Non-Human Identities Top 10より弊社編集・和訳

企業がとるべき対策

NHI固有の対策(NHI10:2025人間によるNHIの使用)もありますが、例えば人の認証に関する対策と似たようなもの(オフボーディング対策、認証情報のハードコードの排除、最小権限の原則の徹底、認証方法のアップデート、環境分離やシステム間での再利用禁止)も多く含まれます。企業のIT環境は今後、AI統合やレガシーシステムの置き換え、人手不足を背景とした業務の自動化を中心に大きく変動していくことが予想されます。

NHIはアプリケーション間、システム間といったマシン間の認証に用いられることから、AI統合や業務のデジタル化・自動化において利用される機会が増えていきます。新しい概念であり、新しいセキュリティ上のリスクでもあり、なかなか理解するのが難しい分野ではありますが、少なくとも、以下の点においてセキュリティ上重要であることをご理解いただければと思います。

  • NHIは企業のデジタル資産やシステム間の接続のために多数用いられており、攻撃者から見たときに非常に広い攻撃面となりうること
  • 特権が付与されるNHIも存在することから、攻撃者から見たときに有用な攻撃面であるが、最小権限の原則が適用されていない場合、防御側にとっては保護が難しいこと
  • 人間の認証と同じく、認証方法がセキュリティリスクの高いもの(単純なAPIキー)からセキュリティリスクが低いもの(OAuthと証明書の同時活用)まで非常に多様であり、選択を間違うと攻撃された際の被害が甚大であること

セキュリティは「開発初期から」「全社横断で」

3つのTop 10に共通しているのは、「問題の多くは設計段階・開発段階で防げる」という事実です。脆弱性や権限ミスは、開発中の選択や運用ポリシーによって生まれるため、セキュリティは“あとから付け足す”ものではなく、最初から組み込むべき設計要件であるという考え方がますます重要になっています。また、情報システム部門だけでなく、開発チーム・運用チーム・経営層を巻き込んだ全社的なセキュリティ体制の確立が求められます。

OWASP Top 10を「読むだけ」で終わらせないために

OWASPのTop10シリーズは、ただの知識リストではありません。それぞれのリスクが「なぜ問題なのか」「どう防げるのか」を考えることで、企業ごとのセキュリティ成熟度を高めることができます。自社システムに照らして「どこが該当するか」「どのリスクが潜在しているか」をチームで共有し、日々の開発・運用の判断にOWASPの知見を活用することが、最も効果的なセキュリティ強化への第一歩です。3回にわたる本シリーズが、皆さまのセキュリティ戦略の一助となれば幸いです。

【参考情報】

【連載一覧】

―第1回「OWASP Top 10とは?アプリケーションセキュリティの基本を押さえよう」―
―第2回「OWASP API Security Top 10とは?APIの脅威と対策を知ろう」―

注:
1)ここでは読者の皆さんに理解しやすいようにIDとしていますが、実態としてはデジタル的な構成要素(digital construct)であり、デジタル的な主体(digital entity)となります。
2)Continuous Integration/ Continuous Delivery(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の略語
3)https://cloudsecurityalliance.org/blog/2024/03/08/what-are-non-human-identities

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ゼロトラスト導入ガイド|成功事例・メリット・失敗しない進め方とおすすめ診断サービス
ゼロトラストとは?なぜ今、導入が必要なのか

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サイバー攻撃の高度化・巧妙化が進む中、「ゼロトラスト」は企業の情報資産を守る新たなセキュリティ戦略として注目を集めています。本記事では、ゼロトラストの基本概念から導入メリット、成功事例、よくある課題とその解決策、導入の進め方までをわかりやすく解説。さらに、導入効果を最大化するためのおすすめ診断サービスもご紹介します。失敗しないゼロトラスト導入を目指す方は必見です。

はじめに

従来の境界型セキュリティでは防ぎきれないサイバー攻撃が増加する中、企業の情報資産を守る新たなアプローチとして「ゼロトラスト」が注目されています。ゼロトラストは「守るべき情報資産に対するあらゆるアクセスを信頼せず、すべて検証する」という原則に基づき、すべてのアクセスを検証・制御し、最小限の権限だけを与えることで内部・外部の脅威から組織を守るセキュリティモデルです。

ゼロトラスト導入のメリット

ゼロトラストを導入することで得られる主なメリットは以下の通りです。

  • サイバー攻撃リスクの低減
    すべてのユーザーやデバイスを都度認証するため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に減らせます。
  • クラウド・リモートワーク対応の強化
    社内外問わず安全なアクセス環境を構築でき、テレワークやクラウド活用が進む現代の働き方に最適です。
  • 適切なアクセス権限管理と運用
    最小権限の原則により、不要なアクセス権を排除し、万が一の被害範囲も最小限に抑えられます。
  • コンプライアンス対応の強化
    アクセス履歴や認証の記録が残るため、各種規制や監査にも対応しやすくなります。

ゼロトラスト導入における課題と段階的な進め方

ゼロトラストは単なる技術導入ではなく、企業のセキュリティパラダイムの転換を意味します。IPAの導入指南書では、まず現状評価と戦略策定から始め、資産の棚卸しやセキュリティギャップの特定、経営層の支持獲得を行うことが重要とされています。

セキュリティギャップの例:

  • 古いOSのまま運用されている端末の存在
  • 重要な業務システムに対して多要素認証が導入されていない
  • 誰がどのシステムにアクセスできるかの管理が不十分

こうしたギャップを洗い出すことで、優先的に対処すべき課題が明確になります。

次に、ID管理基盤の構築として多要素認証やシングルサインオン、特権アクセス管理の強化を段階的に実施します。さらに、クラウド利用の増加に伴い、クラウド環境の適切なセキュリティ設定も欠かせません。クラウドサービスの利用率は70%を超えていますが、約3割の企業がクラウド起因のセキュリティインシデントを懸念しており、専門家による設定診断が求められています。

導入成功事例:ゼロトラストで業務とセキュリティを両立

事例1:大手製造業A社
クラウドサービスの利用拡大とテレワーク推進により、従来のVPNだけではセキュリティリスクが高まっていました。A社はゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)を導入し、従業員の端末認証や多要素認証(MFA)を徹底。加えて、クラウド環境のセキュリティ設定診断も実施したことで、リモートアクセスの安全性を大幅に向上させました。

導入のポイント:
・既存の社内システムと段階的に連携
・社内教育と啓発活動も並行して実施
・定期的な脆弱性診断でリスクを可視化

事例2:医療系サービスB社
個人情報を多く扱うB社では、ゼロトラストの導入により、アクセス権限の細分化とログ監視を強化。クラウドセキュリティ設定診断も活用し、外部からの不正アクセスや内部不正のリスクを大幅に低減しました。

導入のポイント:
・多要素認証の全社導入
・クラウド環境の設定ミスを専門家が診断
・定期的な保守サービスでセキュリティレベルを維持

失敗しないゼロトラスト導入の進め方

ゼロトラストは一度にすべてを切り替えるのではなく、段階的に進めることが成功のカギです。

STEP1:現状把握と目標設定
まずは自社のIT資産・業務フローを棚卸しし、どこにリスクや課題があるかを洗い出します。経営層を巻き込んだ目標設定が重要です。

STEP2:ID管理・認証基盤の強化
多要素認証(MFA)やシングルサインオン(SSO)など、ID管理の強化から始めましょう。これがゼロトラストの基盤となります。

STEP3:クラウド・ネットワーク環境のセキュリティ診断
クラウドサービスやネットワーク機器の設定に脆弱性がないか、専門サービスで診断を受けることが推奨されます。

STEP4:段階的な導入と運用改善
重要度の高いシステムから順次ゼロトラスト化を進め、運用しながら改善していくことが成功への近道です。

STEP5:継続的な教育と保守
社員へのセキュリティ教育と、定期的な診断・保守サービスの活用で、最新の脅威にも対応できる体制を維持しましょう。

おすすめの脆弱性診断サービス

ゼロトラスト導入を成功させるには、専門家による診断サービスの活用が有効です。専門家の助言を受けることで、組織が保有するリスクへの具体的な対策を講じ、リスクを最小限に抑えることが可能となります。BBSecの「SQAT®脆弱性診断」は、システムやクラウド環境の脆弱性を高精度で診断し、具体的な改善策を提案します。さらに、脆弱性診断保守サービスやクラウドセキュリティ設定診断により、導入後の運用やクラウド環境の安全性維持にも役立ちます。

サービス詳細

SQAT® 脆弱性診断
システムに潜む脆弱性は、重大な被害につながるリスク要因です。BBSecの「SQAT® 脆弱性診断」は、自動診断と手動診断を組み合わせ、高精度で脆弱性を発見します。診断結果はスピーディーに報告。対応優先度もご提示するため、お客様側での効率的な対策が可能です。また診断後3か月間の再診断やご相談も受け付けており、サイバー保険も付帯しています。

脆弱性診断保守サービス
定期的な診断と診断間のリスク検知を自動化。継続的なセキュリティレベル維持に最適です。

クラウドセキュリティ設定診断
AWS、Azure、GCPなど主要クラウドの設定を専門家が診断し、最適な対策を提案します。

まとめ

ゼロトラスト導入は、企業のセキュリティレベルを飛躍的に高める最良の選択肢です。成功事例のように段階的な導入と定期的な診断サービスの活用で、リスクを最小化しつつ柔軟な働き方やクラウド活用も実現できます。まずは現状の課題を可視化し、信頼できる診断サービスとともに、失敗しないゼロトラスト導入を進めてみてはいかがでしょうか。

【参考情報】

  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「ゼロトラスト導入指南書
  • Gartner Japan,ニュースルーム(2025年5月8日)「Gartner、ゼロトラストの最新トレンドを発表
  • Zscaler「ゼロトラストとSASE: 2025年の5つの予測
  • クラスメソッド株式会社,Zenn「2025年版-ゼロトラスト導入ガイド
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    企業のためのデジタルフォレンジック入門
    第3回:デジタルフォレンジックは誰に任せるべきか?

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    デジタルフォレンジック調査の質は「誰に任せるか」によって大きく左右されます。調査を依頼する際は、必要なスキルや資格を有する信頼できる専門家を見極めることが重要です。「企業のためのデジタルフォレンジック入門」シリーズ第3回目となる今回は、デジタルフォレンジック調査に求められるスキルや、信頼できる調査パートナーを選ぶためのポイントについて解説します。

    デジタルフォレンジック調査に求められるスキル

    デジタルフォレンジック調査は、単なる技術的作業にとどまらず、法的対応や組織内のコミュニケーションなど、多岐にわたるスキルが求められる高度な専門分野です。調査の正確性と法的証拠能力を確保するためには、以下のようなスキルが求められます。

    1.技術的スキル
    フォレンジック調査では、コンピュータやモバイルデバイス、ネットワーク機器など、さまざまなデジタルデバイスから証拠を収集・分析する高度な技術が不可欠です。具体的には、ログ解析、マルウェア解析、ネットワークトラフィックの分析、暗号化データの復号、クラウド環境やIoTデバイスからのデータ抽出など、多岐にわたる技術的知識と経験が求められます。

    2.法的知識
    デジタルフォレンジックの調査結果は、訴訟や内部処分などの法的対応に利用されるケースが多くあります。そのため、証拠保全の適切な手続きや電子データの証拠能力を担保する方法についての理解は欠かせません。調査の過程で収集したデータが、法的に無効とならないよう慎重に取り扱うことが求められます。

    3.分析力と問題解決能力
    フォレンジック調査では、大量のデータの中から関連性のある情報を特定し、攻撃の手口や経路を明らかにする必要があります。そのため、データの相関関係を見抜く分析力や、複雑な問題に対して柔軟に対応する問題解決能力が重要です。

    またフォレンジック調査は、調査担当者だけで完結するものではありません。調査を円滑に進めるためには、IT部門や法務部門、経営層との連携が不可欠です。専門的な調査結果を、非技術部門にもわかりやすく説明し、経営判断や法的対応に必要な情報を正確に伝える力も重要です。これらのスキルをバランスよく備えた人材が、企業のインシデント対応力を大きく高める鍵となります。調査を依頼する際は、こうしたスキルセットを有する専門家に依頼することが、調査の精度と効果を高めるための重要なポイントです。

    デジタルフォレンジック関連の資格

    デジタルフォレンジック調査は高度な専門知識と技術が求められる分野であり、調査を担当する人材のスキルによって調査結果の正確性や証拠能力が大きく左右されます。そのため、調査を依頼する際は、担当者がどのような資格や専門性を持っているかを必ず確認することが重要です。以下に、代表的な資格とその特徴を紹介します。

    GCFA(GIAC Certified Forensic Analyst)

    GCFAはSANS Instituteが提供するGIAC認定資格の一つで、デジタルフォレンジック調査に特化した国際資格です。データ侵害の調査、インシデント対応、脅威ハンティングなど、実践的なスキルを証明します。

    CDFP(Certified Digital Forensics Professional)

    デジタル・フォレンジック研究会が実施する資格で、基礎資格(CDFP-B)、実務者資格(CDFP-P)、管理者資格(CDFP-M)の3段階があります。日本国内でのデジタルフォレンジックに特化した資格として注目されています。

    CHFI(Computer Hacking Forensic Investigator)

    EC-Councilが提供する資格で、サイバー攻撃の痕跡を特定し、必要な証拠を適切に収集・分析するスキルを習得することを目的としています。

    またクレジットカード業界の情報漏えい事故を調査する資格にQSA(Qualified Security Assessor)があります。特に、カード情報を扱う企業にとっては、QSAの資格を持つ専門家によるフォレンジック調査が重要な意味を持ちます。

    これらの資格は単なる知識だけでなく、実務経験や倫理的な判断能力を備えていることの証明にもなります。調査を依頼する際は、「どの資格を保有しているか」「過去にどのような調査実績があるか」を確認し、信頼できる専門家に依頼することが重要です。

    インシデント対応としてのフォレンジックの重要性

    サイバー攻撃や内部不正などのインシデントが発生した際、企業に求められるのは迅速かつ的確な対応です。その中で、デジタルフォレンジック調査は、被害の拡大を防ぎ、再発防止策を講じるうえで極めて重要な役割を果たします。

    フォレンジック調査を適切に実施することで、攻撃者の侵入経路や攻撃手法、被害範囲を正確に特定できます。これにより、攻撃の拡大を防ぐために必要な対策を即座に講じることが可能となり、被害の最小化につながります。また、攻撃の原因を突き止め、脆弱性の修正や運用体制の見直しを行うことで、同様の被害が再び発生するリスクを大幅に低減できます。
    しかし、こうした迅速な対応を実現するには、事前の備えが不可欠です。経営層や管理部門は、平時からインシデント発生時の対応体制を整えておく必要があります。具体的には、以下のような準備が求められます。

    • インシデント対応ポリシーの策定:どのような事象をインシデントと定義し、発生時にどの部門がどのように対応するかを明確化します。
    • 証拠保全体制の整備:調査に必要なログやデータを適切に保存し、改ざんや消失を防ぐ体制を構築します。
    • 外部専門家との連携準備:緊急時にすぐに相談・調査を依頼できるよう、フォレンジック調査会社との連絡ルートや契約手続きを整えておきます。
    • 社内教育・訓練の実施:情報システム部門や関係者に対して、インシデント対応手順や証拠保全の重要性について定期的な教育を行います。

    インシデントは、いつ発生してもおかしくありません。被害拡大を防ぎ、企業の信用を守るためには、フォレンジック調査を中心とした実効性のあるインシデント対応体制の構築が不可欠です。経営層がリスクマネジメントの一環としてこの重要性を認識し、積極的に体制整備に取り組むことが、企業の持続的な成長と信頼維持につながります。

    【関連サービス】
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    信頼できる調査会社・専門家の選び方

    デジタルフォレンジック調査を依頼する際には、調査会社や専門家の信頼性と対応力を慎重に見極めることが不可欠です。

    1.過去の調査実績・公開事例の有無
    調査会社や専門家を選ぶ際は、まず過去の調査実績や公開事例の有無を確認しましょう。実績が豊富な会社は、さまざまな業種や企業規模のインシデントに対応した経験を持っており、適切な調査手法と迅速な対応力を備えています。また、可能であれば、同業他社での対応事例や解決までのプロセスを確認することで、自社の課題に対する対応力を具体的にイメージできます。

    2.調査体制(緊急対応可能か、社内対応チームの有無)
    サイバーインシデントは突発的に発生します。万が一の際に備え、24時間365日対応可能な緊急体制を整えているかを確認することが重要です。また、外部委託だけでなく、社内に専門の調査チームを有している企業は、ノウハウの蓄積や迅速な意思決定が可能であり、調査の品質も高い傾向にあります。緊急時の連絡手段や初動対応までの所要時間も事前に確認しておくと安心です。

    3.事前相談・見積もり段階での対応姿勢
    調査を依頼する前段階の事前相談や見積もり時の対応姿勢も、信頼できる調査会社かどうかを見極めるポイントです。質問に対する回答が的確かつ分かりやすいか、専門用語をかみ砕いて説明してくれるかなど、コミュニケーションの質を重視しましょう。また、調査内容や費用の内訳について明確に説明がない場合は、後から想定外の追加費用が発生するリスクもあるため、しっかりと確認しましょう。

    このように、実績・体制・対応姿勢の3点をバランスよく確認することで、信頼できるパートナーを選定することができます。インシデント発生時に慌てることがないよう、平時から調査会社の候補をリストアップし、必要に応じて事前相談を行っておくことが理想的です。

    まとめ:リスクに備える最善の準備とは

    サイバー攻撃や情報漏えいといったインシデントは、今やどの企業にとっても現実的なリスクとなっています。そのリスクにどう向き合い、どのように被害を最小限に抑えるかは、企業の信頼性と持続的成長を左右する重要な課題です。本シリーズでは、デジタルフォレンジック調査の基礎知識から、調査の流れや費用、そして信頼できる調査パートナーの選び方まで、実務に役立つ情報を解説してきました。これらの内容は、単にインシデント発生時の対応策としてだけではなく、経営層や管理部門が平時から備えておくべきリスクマネジメントの一環です。企業がこれから取り組むべきは、「万が一ではなく、いつ起きてもおかしくない」という前提で、適切な体制を整えておくこと」です。必要な情報を正しく理解し、信頼できる専門家とのネットワークを構築しておくことで、万が一の事態にも冷静かつ的確に対応できる企業体制を実現できるでしょう。本記事が、皆様のリスク対策とインシデント対応体制の強化に少しでも貢献できれば幸いです。

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    サイバー攻撃や情報漏えいのリスクは、企業規模を問わず現実のものとなっています。万が一の事態に備え、信頼できるパートナーと連携し、迅速かつ適切な対応体制を整えておくことが重要です。株式会社ブロードバンドセキュリティ(BBSec)では緊急対応支援サービスを提供しています。突然の大規模攻撃や情報漏えいの懸念等、緊急事態もしくはその可能性が発生した場合は、BBSecにご相談ください。セキュリティのスペシャリストが、御社システムの状況把握、防御、そして事後対策をトータルにサポートさせていただきます。詳細はこちら。

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    【連載一覧】

    ―第1回「デジタルフォレンジック調査とは?企業が知っておくべき基本情報」―
    ―第2回「デジタルフォレンジック調査の流れと費用とは?」―

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    クラウドサービスのセキュリティ対策-クラウドサービスのセキュリティ3-

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    クラウドサービスの普及に伴い、セキュリティ対策の重要性が高まっています。本記事では、クラウド利用時に必要な適切なセキュリティ対策について、セキュリティポリシーの策定から、クラウドサービス特有の課題に触れながら解説します。クラウドサービスを安全に活用したい企業や組織のセキュリティ担当者は、クラウドの利点を最大限に活かすための指針としてぜひお役立てください。

    クラウド利用時の適切なセキュリティ対策とは

    前回記事「事例でみるクラウドサービスのセキュリティ」で述べてきたように、近年、クラウドサービスのセキュリティに関する設定が十分でなかったために、意図せず、クラウドサービスで管理している機密情報を無認証状態で外部に公開してしまい、機密情報を漏洩させてしまった事例が相次いで報告されています。クラウドサービスの設定ミスでセキュリティインシデントが多発している原因の一つとして考えられるのが、クラウドサービスを利用している企業や組織において対応すべき情報セキュリティ対策が曖昧になっていることです。クラウドサービスの利用にあたっては、アクセス制御や権限管理についてユーザ側で対応する必要があり、これらを軽視すると設定ミスが発生し、それが重大なインシデントを引き起こしかねません。設定ミスを起こさないためには、クラウドサービスにおけるセキュリティ設定を確実に確認する必要があります。

    セキュリティポリシーの策定と運用

    設定ミスを未然に防ぐために、セキュリティポリシーの作成が重要となります。セキュリティポリシーとは、組織が情報資産を保護するために策定するルールやガイドラインの総称です。これには、データの取り扱いやアクセス権の管理、セキュリティ対策の実施方法などが含まれます。セキュリティポリシーは、組織内のすべてのメンバーが遵守すべき基準を定めることで、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを低減します。内容をルール化、明文化することで、クラウドサービスを適切に使用してもらうための具体的なマニュアル、手順書などを作成することが可能となります。

    組織のセキュリティ文書は、「基本⽅針」、「対策基準」、「実施⼿順」の構成をとることが多いです。このうち、「基本⽅針」、「対策基準」がポリシーにあたります。「実施手順」はポリシーから作成されるもので、ポリシー自体には含まないのが一般的です。

    情報セキュリティ文書の構成

    • 基本方針 情報セキュリティに対する組織の基本方針
    • 対策基準 実施するための具体的な規則
    • 実施手順 マニュアルなど対象者や用途に合わせ必要な手続き

    クラウドサービス利用に関する不安

    総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」によると、国内でクラウドサービスを利用している企業は、いまや8割近くになります。一方で、セキュリティ担当者はクラウドサービスの利用に次のような不安・課題を抱えています。

    このような不安や課題を払拭するためには、「ベストプラクティスに基づく適切な設定」「定期的なセキュリティチェック」が必要になります。ベンチマークやベストプラクティスに基づく適切な設定ができていないと、攻撃者に攻撃の隙を与えてしまいます。

    クラウドセキュリティの対策方法の一つに、クラウドサービスの設定に関わるベストプラクティス集を利用する方法があります。各クラウドベンダーから公開されており、日本語版も用意されています。CISベンチマークという第三者機関が開発したセキュリティに関するガイドラインもあります。ただし、網羅性が高く項目も多いため、必要な項目を探すには時間がかかる場合もあります。

    クラウドサービスが持つ特性

    クラウド環境のオンプレミス型とSaaS型のサービスにおけるセキュリティ上の留意点は、主にシステム特性の違いから生じます。オンプレミス型では、ユーザ側が自組織内でインフラやソフトウェアを管理するため、完全なコントロールが可能です。しかし、これは同時にセキュリティ対策の全責任をユーザ側で負うことを意味します。定期的なアップデートやパッチ適用、物理的なセキュリティ確保など、あらゆる面での対策が必要となります。一方、SaaS型では、クラウド事業者がインフラやソフトウェアの管理を行うため、ユーザ側の負担は軽減されますが、アクセス制御や暗号化など対策はユーザ側でも求められます。両者の違いを理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。

    また、クラウドサービスは仕様やメニューの更新が必要な場合があるため、定期的に設定の確認が必要になります。クラウドサービスを安心して利用し続けるためには、利用するシステムの特性(スピード感・システム更新頻度・従来のシステムから移行しているかなど)を理解しておくことも重要になります。

    セキュリティ設定診断の重要性

    クラウドサービスのセキュリティに関する担当者の不安を払拭するのに有効な手段の一つが第三者機関によるセキュリティ設定診断です。適切なセキュリティ設定確認を自組織内ですべて確認するためには人的リソースなどの工数がかかります。セキュリティ設定診断では、自組織が扱う設定項目の確認を自動化し、セキュリティ担当者の負担の軽減につながります。また、第三者機関による網羅的な確認により、クラウドサービス利用時のリスクを可視化することができます。

    クラウドサービスに関する設定項目の確認

    設定ミスを起こさないためには、クラウドサービスにおけるセキュリティ設定を確実に確認する必要があります。以下の表のような情報を参考に、自組織が扱う設定項目の洗い出しやチェックリストの作成、委託先などとの認識共有を行うことが、設定ミスの予防に役立つでしょう。

    出典:総務省「クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン
    【図表Ⅲ.3.1-1 クラウドにおけるセキュリティ設定項目の類型と対策】より弊社作成

    設定項目のうち特に重要とされるのはアカウント管理であり、管理者などの特権アカウントについては、多要素認証や複数人でのチェック体制、ログの監視など、厳格な取り組みを行うことが強く推奨されます。

    セキュリティガイドラインの紹介

    パブリッククラウドにおけるセキュリティ設定の基準に、「CISベンチマーク」があります。CIS(Center for Internet Security)は、米国の複数の政府機関、企業、学術組織らがインターネットセキュリティの標準化に取り組む非営利団体です。OSを含む各種コンポーネントに対するベンチマークを策定しており、有効なセキュリティ評価基準として認識されています。パブリッククラウドにおいては、AWSをはじめ、Azure、GCP対応のCISベンチマークも公表されています。

    また、自組織の環境の安全性をより高めていく上で、ツールやガイドラインの活用も有効です。

    ■クラウドサービス提供者向け
    総務省
    クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)
    ■クラウドサービス利用者・提供者向け
    IPA
    中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」付録6:中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き
    総務省
    クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン
    経済産業省
    クラウドセキュリティガイドライン 活用ガイドブック

    まとめ

    近年、クラウドサービスの設定ミスによる機密情報漏洩事例が増加しています。この問題の主な原因は、クラウドを利用している企業のセキュリティ対策の不明確さにあります。設定ミスを未然に防ぐために、セキュリティポリシーの策定と運用が重要です。これは組織の情報資産保護のためのルールやガイドラインを定めるものです。クラウドサービスを利用している企業は増加していますが、セキュリティ担当者は様々な不安を抱えています。これらを解消するには、ベストプラクティスに基づく適切な設定と定期的なセキュリティチェックが必要です。クラウド環境には、オンプレミス型とSaaS型があり、それぞれ特性が異なるため、両者の違いを理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。

    クラウドサービスの基本的なセキュリティ対策は、従来のオンプレミス環境での対策と同様の方法です。ただし、環境によって管理する内容が異なるため、クラウド環境特有のセキュリティ対策も必要となる点に注意が必要です。クラウドセキュリティの対策のポイントとしては、ベストプラクティスにもとづいた設定の見直しと、第三者機関による定期的なセキュリティチェックを受けることです。自組織において適切な対策を実施し、セキュリティリスクを最小限に抑えましょう。

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    クラウドセキュリティとは
    -セキュリティ対策の責任範囲と施策-

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    クラウド(雲)とネットワークのイメージ

    クラウドセキュリティ、当事者はだれか?

    セキュリティ対策をクラウド事業者任せにしてはいませんか?クラウドサービス利用でも、セキュリティ対策はオンプレミス同様、重要な課題です。本記事では、クラウドセキュリティの責任範囲と対策実施の施策について解説いたします。

    クラウドサービスの利用状況

    総務省が公開する「令和4年通信利用動向調査の結果」(令和5年5月29日公表)によれば、クラウドサービスを全社および一部でも利用している企業の割合は2022年時点で72.2%にのぼるとされています。このことから、現代では組織のクラウド活用は一般的なものとなっており、様々な業種・業態での利用が広がっていることが読み取れます。こうして普及しているクラウドですが、セキュリティには適切な注意が払われているでしょうか。クラウドサービス利用でも、セキュリティ対策はオンプレミス環境と同様かそれ以上に、重要な課題です。

    クラウドセキュリティとその責任範囲

    クラウドセキュリティとは、クラウド環境におけるデータやシステムを保護するためのセキュリティ対策のことを指します。クラウドサービスを提供する事業者は、セキュリティに配慮した安全な環境を提供することに注力していますが、責任共有という考えにもとづいて、クラウドで実行されるアプリケーションやデータを保護する責任は、クラウドの利用者にあるとされているのが一般的です。つまり、クラウドセキュリティにおいては、クラウドサービス事業者とクラウドサービスユーザ、双方に責任があるということになります。そしてクラウドサービス事業者の責任範囲とユーザの責任の範囲はクラウドサービスの提供形態によって変化します。詳細は以下の表のとおりです。

    クラウドサービスを利用して業務を行う場合は、自組織が責任を負う設定や管理の範囲がどこまでかをよく確認し、適切にクラウドサービス事業者が提供するセキュリティサービスを設定して、利用者自身が必要なセキュリティ対策を講じる必要があります。

    クラウド環境のセキュリティリスク

    クラウドを利用することは、「コストの削減」「納期・システム開発期間短縮」「拡張性・柔軟性」「オンデマンドセルフサービス」「利便性や機能向上」「事業継続性」といった、多数の魅力的なメリットが存在しますが、一方で、注意するべきリスクも存在します。

    リスクとして挙げられるのが、悪意ある第三者に侵入され、機密データやシステムにアクセスされる「不正アクセス」、サービス終了後に物理的アプローチによる完全なデータ消去が難しいことに起因する「情報漏洩リスク」、クラウドサービスの機能変更によって設定が変更されるなどして、低いセキュリティレベルで運用されてしまい、その結果インシデントが発生してしまう「設定ミスによるインシデント」、インシデントが発生した際に、クラウド事業者から十分な対応が受けられない「インシデント対応の不十分性」といったリスクです。こうしたリスクはクラウド固有のものではなく、オンプレミスと同様に、セキュリティに関連するリスクであり、サービスユーザが適切なセキュリティ対策を施したり、サービス提供事業者と連携したりすることで、リスク緩和を図ることが可能です。

    国内のクラウドセキュリティ設定ミスによるセキュリティインシデント事例

    近年、クラウドサービスのセキュリティに関する設定が十分でなかったために、意図せず、クラウドサービスで管理している機密情報を無認証状態で外部に公開してしまい、機密情報を漏洩させてしまった事例が相次いで報告されています。このように、クラウドサービスの設定ミスでセキュリティインシデントが多発している原因の一つとして考えられるのが、クラウドサービス利用を利用している企業や組織が対応すべき情報セキュリティ対策が曖昧になっていることです。前述しましたとおり、クラウドセキュリティでは、クラウドサービス事業者とクラウドサービスユーザはお互いにクラウドサービスに対する責任を共有する「責任共有モデル」を多くの場合採用しています。しかし、実際にはクラウドサービスユーザ側で、セキュリティ実施者としての当事者意識が低いというケースが散見され、そのために設定ミスによるインシデントが多発していると考えられます。

    日本国内のクラウドセキュリティインシデントの報告事例(2020年12月~2023年5月)

    時期事業者概要
    2020年12月ECサイト運営会社セキュリティ設定不備により、不正アクセスが発生し、148万件を超える個人情報が流出した可能性あり*1
    2021年1月ホビーメーカーセキュリティ設定不備により、不正アクセスが発生し、約150名の顧客情報が流出した可能性あり*2
    2021年2月ソフトウェアベンダ権限設定不備により、個人情報を含む2,800件超えの情報が第三者によってアクセス可能に*3
    2021年8月医療機関グループの公開設定不備により、業務メールや非公開情報が外部から閲覧可能に*4
    2021年11月教育サービス会社自治体より委託された事業の申込フォームの設定不備により、他の申込者の個人情報が閲覧可能に*5
    2022年5月ITサービスベンダアクセス設定不備により、採用に関する個人情報が6年間にわたり外部から閲覧可能に*6
    2023年5月自動車
    ITサービスベンダ
    セキュリティ設定不備により、車台番号、車両の位置情報が外部から閲覧可能に*7

    クラウドセキュリティの対策例

    では、セキュリティ対策として、どのような対策を実施すればよいのでしょうか。まず、クラウドのセキュリティではオンプレミスと同様の「基本的なセキュリティ対策」とクラウドに応じた「クラウド環境のセキュリティ対策」に分かれます。

    前者の基本的なセキュリティ対策の具体的内容は、以下の図のとおりです。

    前提として押さえておくべきポイントは、「クラウドサービスというものは、組織外部での利用が前提であり、環境によって管理する内容も異なるため、従来のオンプレミス環境でのセキュリティ対策に加え、クラウド環境特有のセキュリティ対策が必要となる」という点です。これを踏まえて、基本的なセキュリティ対策をおろそかにしないことが重要です。

    そして、クラウド環境のセキュリティ対策については、以下の図のとおりです。

    クラウドのセキュリティ対策の方法としては、クラウドサービスの設定に関わるベストプラクティス集を利用する方法があることも補足しておきます。これは各クラウドベンダから公開されているもので、日本語版も用意されています。また、CISベンチマークという第三者機関が開発したセキュリティに関するガイドラインも存在しています。ただし、これらは網羅性が高く、項目も多いため、必要な項目を探すには労力が必要となる可能性があります。

    国内クラウドセキュリティガイドラインの紹介

    自組織の環境の安全性をより高めていく上で、ツールやガイドラインの活用も有効です。

    ■クラウドサービス提供者向け
    総務省
    クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)
    ■クラウドサービス利用者・提供者向け
    IPA
    中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」付録6:中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き
    総務省
    クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン
    経済産業省
    クラウドセキュリティガイドライン 活用ガイドブック

    クラウドセキュリティの対策実施のまとめ

    最後に、繰り返しとなりますが、クラウドサービスを利用する際には、クラウド事業者とクラウドユーザの双方がセキュリティ対策に取り組む必要があります。セキュリティは単なるクラウド事業者の課題ではなく、クラウドユーザ自身の重要な責務であることを認識し、適切な対策を講じることが重要です。

    クラウドサービスのセキュリティ対策は、基本的な対策では従来のオンプレミス環境での対策と同様の方法です。ただし、環境によって管理する内容も異なるため、クラウド環境特有のセキュリティ対策も必要となる点に注意が必要です。クラウドセキュリティの対策のポイントとしては、ベストプラクティスにもとづいた設定の見直しと、第三者機関による定期的なセキュリティチェックを受けることです。自組織において適切な対策を実施し、セキュリティリスクを最小限に抑えましょう。

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     「押さえておきたいクラウドセキュリティ考慮事項―クラウドへ舵を切る組織のために―

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