クラウドサービスとは
-クラウドサービスのセキュリティ1-

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現代のビジネス環境では、利便性や柔軟性などのメリットがある、クラウドサービスの利用が急速に広がっています。クラウドサービスは、インターネットを通じて提供される様々なサービスです。本記事では、クラウドサービスの基本概念から提供形態、さらにクラウドサービスの種類やクラウドサービスを利用することで得られるメリットについて解説します。

クラウドサービスとは

クラウドサービスとは、インターネット環境で提供される様々なサービスのことを指します。利用者は自宅や外出先から、インターネットなどのネットワークを介してクラウドサービスにアクセスします。

クラウドサービスとはイメージ画像
出典:経済産業省「クラウドサービスとは?

クラウドという名称は、ネットワークの模式図上で、インターネットなどの外部ネットワークを雲(Cloud)のような形状で表現していたことに由来しています。ひとつの雲で表されますが、実際には複数のサーバ機器やネットワーク機器で構成され、サーバにはサービスに必要なソフトウェアが導入されています。

従来、コンピュータのハードウェアやソフトウェアは利用者が自ら保有・管理していましたが、クラウドサービスは、物理的なサーバや設備を利用者側で管理する必要がなく、利用者が必要なときに必要な分だけリソースを利用できるため、柔軟性が高く、コスト効率にも優れています。代表的な形態には、ソフトウェアを提供するSaaS、プラットフォームを提供するPaaS、インフラを提供するIaaSの3種類があります。

クラウドサービスの提供形態

クラウドサービスは、パブリッククラウドとプライベートクラウドという提供形態に分かれます。それぞれの特性を理解し、企業のニーズに合ったクラウドサービスを選択することが重要です。

パブリッククラウド

クラウド事業者が同じアプリケーションや環境を利用者に提供し、利用者が共有して使用する形態。初期費用が不要で、運用管理もクラウド事業者に任せることが可能です。パブリッククラウド(クラウド事業者)の内、特に世界的にシェアの高い3大クラウドと言われているのが以下のクラウド事業者です。

・AWS(Amazon Web Service)
 2006年開始の老舗クラウド。圧倒的なサービス種類の豊富さと拡張性の高さを誇る。
・Microsoft Azure
 機能が多く、WindowsやMicrosoft OfficeなどのMicrosoft製品との親和性が高い。
・GCP(Google Cloud Platform)
 Googleがクラウド上で提供するサービス群。GmailやYouTube基盤として実績あり。

プライベートクラウド

企業や組織が自社専用のクラウド環境を構築し、社内やグループ会社に提供する形態。プライベートクラウドにはさらに二つのタイプがあります。

  1. オンプレミス型
    自社内でインフラの構築を行い、データセンターで運用します。カスタマイズ性が高いのが特徴です。ITリソースを完全にコントロールできるため、機密性の高いデータを扱う企業に向いています。ただし、初期投資と維持費用が高く、専門のITスタッフが必要です。
  2. ホスティング型
    外部のクラウド事業者が社内専用のクラウド環境を提供します。自社での管理負担を軽減しつつ、セキュリティとカスタマイズ性を確保できます。オンプレミス型よりもコスト効率が良く、運用管理はクラウド事業者に依存するため、企業のリソースを他の業務に集中できます。

クラウドサービスの主な種類

企業や組織で多く使われるクラウドサービスには、主に3つの種類があります。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、利用者が選択したスペックやOSに合わせた、仮想的なマシン(インフラ)を提供します。利用者側で必要なアプリケーションをさらにインストールするなどして、用途に合わせてカスタマイズできます。AWS、Microsoft Azure、Google Compute Engineなどが代表的なサービスの例です。

PaaS(Platform as a Service)

PaaSは「Platform as a Service」の略称で、IaaSが提供する仮想マシンに加え、上位のミドルウェアを含め提供するプラットフォームです。PaaSは開発者にインフラの管理をせずにアプリケーションの構築、テスト、デプロイ、管理を行える環境を提供します。これにより、開発者はインフラの複雑な設定やメンテナンスから解放され、開発に集中できます。AWSのElastic Beanstalk、Google App Engine、Microsoft AzureのApp Servicesなどが代表的なサービスの例です。

SaaS(Software as a Service)

SaaSは「Software as a Service」の略で、クラウド上でソフトウェアを提供するサービスです。ユーザはソフトウェアをインストールする必要がなく、インターネットを介してアクセスするだけで利用できます。SaaSの利点は、どこからでもアクセスできること、常に最新のソフトウェアを利用できること、そしてメンテナンスやアップデートがプロバイダーによって管理されることです。Google Workspace、Microsoft Office 365、Salesforce、Dropbox、Zoomなどが代表的なサービスの例です。SaaSは手軽さとコスト効率の高さから、企業で幅広く利用されています。

クラウドサービスの特徴

クラウドサービスには5つの特徴があります。

  1. 柔軟なリソース管理:システムの拡張・縮小が迅速に行えます。必要なときに必要なリソースを追加・削減することが可能です。
  2. オンデマンド・セルフサービス:ユーザ自身でWeb画面からシステム設定ができ、必要なサービスやリソースを自由に変更できます。
  3. リソースの共有:複数のユーザが同じリソースを共有することで、コストの最適化が図れます。
  4. 従量課金制:サービス利用量を常に計測し、使った分だけ支払う仕組みで、コストを抑えることができます。
  5. 場所を問わないアクセス:インターネットさえあれば、どこからでもアクセスでき、リモートワークや外出先での利用が可能です。

クラウドサービス利用のメリット

企業や組織などでクラウドサービスの利用が飛躍的に進んだ主な理由には、以下のような効果があることが挙げられます。これらはパブリッククラウド上でクラウドサービスを提供する側からみた恩恵ですが、結果的に、利用するユーザ側のメリットにもつながります。

※主要なパブリッククラウド事業者を利用した場合の標準的なメリットであり、利用するサービスや契約内容により異なる場合があります。

まとめ

クラウドサービスは、インターネットを介して提供される様々なサービスの総称です。利用者は自宅や外出先から、インターネットなどのネットワークを介してクラウドサービスにアクセスします。クラウドという名称は、ネットワークの模式図で外部ネットワークを雲のように描いたことに由来します。

従来のコンピュータハードウェアやソフトウェアは利用者が自ら管理していましたが、クラウドサービスでは物理的なサーバや設備を管理する必要がなく、必要な時に必要な分だけリソースを利用できるため、柔軟性が高く、コスト効率にも優れています。代表的な形態には、ソフトウェアを提供するSaaS、プラットフォームを提供するPaaS、インフラを提供するIaaSの3種類があります。

クラウドサービスの提供形態は、パブリッククラウドとプライベートクラウドに分かれます。パブリッククラウドは、クラウド事業者が提供する共用のクラウド環境で、初期費用が不要で運用管理を任せることができます。主要なパブリッククラウド事業者には、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)があります。プライベートクラウドは、企業や組織が自社専用のクラウド環境を構築し、オンプレミス型とホスティング型の2タイプがあります。

クラウドサービスの利用は、迅速性・柔軟性、コスト抑制、高い利便性、高い可用性などのメリットがあり、これらが利用するユーザ側の利便性向上につながっています。

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