TLS設定の安全性と確認ポイント:古い暗号設定が引き起こすリスクと改善手順

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インターネット上の通信を安全に行うために欠かせない技術が「TLS(Transport Layer Security)」です。WebサイトのHTTPS通信は、このTLSによって保護されています。しかし、TLSは単に導入すれば安全というものではなく、バージョンや設定によってはセキュリティリスクが生じる可能性があります。本記事では、TLS設定の安全性を判断するために押さえておくべき基本的な考え方と確認ポイントを整理します。

具体的なバージョン確認や設定チェックの手順については、実践編の記事で詳しく解説しています。「TLSバージョン確認と安全な暗号設定方法

TLSとは?

TLS(Transport Layer Security)は、インターネット上でやり取りされる通信を暗号化し、第三者による盗聴や改ざんを防ぐための仕組みです。Webサイトのログイン情報や個人情報、業務データなどを安全に送受信するための、通信の土台となる技術といえます。

かつてはSSLと呼ばれていましたが、現在はTLSが標準となっており、SSLはすでに非推奨です。TLSが正しく設定されていない場合、通信内容が外部から読み取られたり、不正に操作されたりするリスクが高まります。

TLSの仕組み

TLSは主に以下の仕組みで通信を保護しています。

暗号化通信

送受信されるデータを暗号化することで、第三者に内容を読み取られないようにします。

認証(証明書)

サーバ証明書を用いて、通信先が正しい相手であることを確認します。

完全性の確保

通信内容が途中で改ざんされていないかを検証します。

TLSバージョンの違い

TLSには複数のバージョンが存在し、それぞれ安全性や対応状況が異なります。

  • TLS 1.0 / 1.1
    すでに脆弱性が指摘されており、主要ブラウザやサービスでは非推奨・無効化が進んでいます
  • TLS 1.2
    適切な暗号スイートを選択すれば安全に利用できます。
  • TLS 1.3
    最新バージョンであり、セキュリティとパフォーマンスの両面で改善されています

基本方針としては、TLS 1.3を有効化し、古いバージョンを無効にすることが推奨されます。
現在どのバージョンが使われているかを把握することが、最初の重要なステップです。

TLS1.2/1.3への移行手順と設定のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
TLSバージョンの確認方法とは?ブラウザ・OpenSSL・ツールでのチェック手順と安全な設定ポイント

TLSの脆弱性リスク

TLSは安全な通信技術ですが、バージョンや設定によっては脆弱性が存在します。

古いTLSのリスク

TLS1.0や1.1は既知の攻撃手法により、通信の安全性が低下する可能性があります。

設定不備によるリスク

  • 設定不備によるリスク
  • 証明書の不備
  • 設定ミス

攻撃への悪用

これらの問題がある場合、

  • 通信の盗聴
  • データ改ざん
  • 不正アクセス

といった攻撃につながる可能性があります。

TLSの脆弱性は、発見後の対応も重要です。「脆弱性対応の基本と実践ポイント

TLS暗号設定ガイドラインと基本設計方針

TLSを安全に運用するためには、適切な暗号設定が不可欠です。以下は基本的なガイドラインです。

TLS暗号設定ガイドラインは、TLS通信における安全性考慮したセキュリティ設定基準を設けています。これにより、TLSサーバの構築者や運用者が実際の商業的背景やシステム要件に応じた適切な設定を行うための根拠を提供します。

IPA「TLS暗号設定ガイドライン(2025年4月25日 第3.1.1版公開)」は電子政府推奨暗号の安全性の評価プロジェクト「CRYPTREC」が作成したWebサーバでのTLS暗号設定方法をまとめたガイドラインです。TLSサーバの構築者や運用者が適切なセキュリティを考慮して暗号設定を行うための指針として提供されています。

本ガイドラインで提唱されている3つの設定基準(「推奨セキュリティ型」「高セキュリティ型」「セキュリティ例外型」)は、各種国際的標準(NIST SP800/PCI DSSv4.0/OWASP ASVS等)の指針に対応したものであり、準拠への取り組みや、暗号設定における今後のセキュリティ対策を検討する上でも役に立ちます。ぜひ参照されることをお勧めします。

  • 高セキュリティ型: TLS 1.3およびTLS 1.2を使用し、強い暗号スイートのみを利用。
  • 推奨セキュリティ型: 一般的に推奨される設定で、セキュリティとアクセス性のバランスが取れています。
  • セキュリティ例外型: TLS 1.3~TLS 1.0のいずれかで、アクセス性を確保しますが、セキュリティの強度は低下します。

(※セキュリティ例外型での設定内容は2029年度を目途に終了予定のため、速やかに推奨セキュリティ型への移行が推奨されます)

設定要求: 各設定基準に応じた具体的なプロトコルバージョンや暗号スイートの要求設定が示されています。これには、遵守項目と推奨項目が含まれ、安全性を確保するために満たすべき要件が詳細に説明されています。

チェックリスト: TLSサーバの構築者や運用者が設定を実施する際に利用できるチェックリストも用意されており、設定忘れを防ぐためのガイダンスを提供します。

定期的な設定確認

TLS設定は定期的に見直し、最新の推奨設定に更新する必要があります。

TLS設定の具体的な確認方法はこちら。
TLSバージョンの確認方法とは?ブラウザ・OpenSSL・ツールでのチェック手順と安全な設定ポイント

TLS設定の見直しが必要かどうか判断に迷う場合や、自社だけでの確認が難しい場合は、第三者の視点で現状を整理することも有効です。通信設定を含めたWebサイト全体のセキュリティ状況を把握したい場合は、専門家によるセキュリティ診断や設定確認を検討するのも一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

▼ TLSとは何ですか?
▼ TLS1.2とTLS1.3の違いは何ですか?
▼ TLSは導入すれば安全ですか?
▼ TLS1.0/1.1は使用しても問題ありませんか?

まとめ

TLSはWeb通信の安全性を支える重要な技術です。

  • 通信の暗号化
  • 認証
  • 改ざん防止

といった役割を持ちますが、適切な設定と運用が不可欠です。

また、TLSバージョン設定の確認や脆弱性対応と組み合わせることで、より安全なシステム運用が可能になります。

【関連情報】

● 量子コンピュータの実用化と耐量子暗号の標準化動向


公開日:2020年7月29日
更新日:2026年4月1日

編集責任:木下

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セキュリティ運用は何から始めるべきか 担当者が最初に整理すべきポイント

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セキュリティ運用を始める際に最初に必要なのはツール導入ではなく、「何を守るか」と「どの順序で対応するか」を整理することです。セキュリティは単発の施策ではなく、継続的に判断と改善を繰り返す活動であるため、最初の設計を誤ると後から修正が難しくなります。本記事では、実務担当者が最初に整理すべきポイントを現場目線で解説します。

セキュリティ運用の全体像や考え方については、以下の記事で整理しています。
セキュリティ運用とは?属人化を防ぎ継続的に回す基本の考え方

「セキュリティ運用を始めたいが、何から手を付ければよいのか分からない」。これは多くの企業担当者が最初に直面する課題です。検索でも「セキュリティ運用 何から始める」「セキュリティ運用 方法」「セキュリティ運用 チェックリスト」といったキーワードが増えており、導入段階から運用段階へ関心が移っていることがうかがえます。セキュリティ対策そのものについての情報は多く存在しますが、実際の運用をどの順序で立ち上げるべきかについては、体系的に語られることが少ないのが現状です。

「何を守っているか分からない」状態が最大の問題

セキュリティ運用を始める際、多くの組織がいきなりツール導入やチェックリスト作成に進みます。しかし提供された文脈に基づくと、最初に取り組むべき課題は技術ではありません。「自分たちは何を守っているのか」を把握することです。企業には業務システム、クラウドサービス、端末、アカウント、外部委託先など、さまざまな資産が存在します。ところが実際には、全体像が整理されないまま個別対策が積み重なっているケースが少なくありません。この状態では、どのリスクが重要なのか判断できず、対応が場当たり的になります。資産やシステムの棚卸しは単なる一覧作成ではなく、「事業にとって停止すると困るものは何か」という視点で整理する作業です。優先順位が存在しない運用では、軽微な問題に時間を使い、本来対応すべきリスクを見逃す可能性があります。

守るべき対象や優先順位を整理する際には、サイバー攻撃リスク評価の考え方が役立ちます。 「サイバー攻撃リスク評価の進め方:見えない脅威を可視化するプロセスと実践

セキュリティ運用の最小単位を作る

セキュリティ運用という言葉から大規模な仕組みを想像すると、着手のハードルが高くなります。しかし実務では、まず「最小単位」を作ることが重要です。運用は、情報を集め、それを判断し、必要な対応を行い、その結果を記録するという循環によって成立します。この四つの流れが成立していれば、規模が小さくても運用は始まっています。情報収集とは脆弱性情報や注意喚起の把握を指します。判断とは自社への影響を考える行為であり、対応は設定変更やパッチ適用など具体的な行動です。そして記録は、後から判断理由を再確認できる状態を作ります。多くの組織では対応だけが行われ、判断理由や経緯が残されません。その結果、同じ問題が繰り返されます。最小単位とは作業量を減らすことではなく、循環を成立させることを意味します。

日常業務に組み込める運用とは

セキュリティ運用が続かない理由の一つは、「特別な仕事」として設計されてしまう点にあります。通常業務とは別に毎日実施する作業を増やすと、忙しい時期に必ず停止します。 現実的な運用は、毎日行うものではなく、一定の周期や条件に応じて動く仕組みとして設計されます。たとえば月次で確認する作業、更新時のみ実施する確認、アラート発生時に対応する流れなど、業務のリズムに合わせることが重要になります。提供された構成意図に基づくと、セキュリティ運用とは負担を増やすことではなく、既存業務の中に判断ポイントを組み込むことだと理解できます。運用が日常に溶け込んだとき、初めて継続性が生まれます。

よくある失敗例

セキュリティ運用を開始した組織が直面しやすいのが、形骸化です。チェックリストを作成しても実際には確認されず、記録だけが残る状態は珍しくありません。チェックそのものが目的化すると、リスク低減という本来の目的が見えなくなります。また、ツール導入によって運用が自動化されたと誤解されるケースもあります。ツールは検知や可視化を支援しますが、最終的な判断は組織側に残ります。判断基準がなければ、アラートは増えるだけで改善につながりません。さらに問題となるのが属人化の放置です。「詳しい人がいるから大丈夫」という状態は短期的には効率的ですが、長期的には運用停止リスクを高めます。

実際に、運用が形骸化した結果、ランサムウェアや委託先経由の被害につながるケースもあります。
サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

小さく始めて回し続けるコツ

セキュリティ運用を成功させる組織に共通しているのは、最初から完成形を目指さない点です。理想的な運用設計を追求すると準備期間が長期化し、実運用が始まらないことがあります。むしろ重要なのは、小さく始めて継続することです。判断軸を共有し、「どのように考えて対応したのか」を残すだけでも、組織の知識は蓄積されていきます。運用は改善を前提とした活動です。最初から完璧である必要はなく、回しながら修正することで現実に適合していきます。提供された文脈に基づくと、セキュリティ成熟度は導入規模ではなく継続期間によって高まる傾向があると整理できます。

体制の話は次のステップ

ここまでの内容は、担当者レベルで始められるセキュリティ運用の基礎です。しかし運用を継続し、属人化を防ぐためには、やがて役割分担や体制設計が必要になります。誰が判断し、誰が実行し、どこに記録が集約されるのかが明確になることで、運用は個人依存から組織運用へと移行します。ただし体制設計は最初の段階で無理に行う必要はありません。まずは回る運用を作ることが先になります。

運用を属人化させず、継続的に回すための体制づくりについては、次の記事で詳しく解説します。
「セキュリティ運用体制の作り方 属人化を防ぐための役割分担と外部活用の考え方」

セキュリティ運用は「始め方」で成否が決まる

セキュリティ運用は高度な技術から始まるものではありません。何を守るのかを理解し、小さな循環を作り、それを日常業務の中で継続することから始まります。チェックリストやツールは重要な要素ですが、それだけでは運用は成立しません。判断・対応・記録という流れが回り始めたとき、セキュリティは単発対応から継続的な活動へ変わります。「セキュリティ運用は何から始めるべきか」という問いへの答えは一つではありませんが、提供された構成意図に基づくと、最初に必要なのは完璧な設計ではなく、回り続ける最小単位を作ることだと言えるでしょう。

本記事は、企業におけるセキュリティ運用支援およびインシデント対応の実務知見をもとに、一般的に公開されているセキュリティ運用の考え方を整理したものです。特定製品への依存を避け、組織運用の観点から解説しています。


運用を属人化させず、継続的に回すためには体制づくりが欠かせません。次の記事で詳しく解説します。
「セキュリティ運用体制の作り方 属人化を防ぐための役割分担と外部活用の考え方」

BBSecでは

委託先が関係する情報漏えいでは、自社だけで完結する対応はほとんどありません。複数の関係者が絡むからこそ、事前の整理や体制づくりが結果を大きく左右します。ブロードバンドセキュリティ(BBSec)では、サプライチェーン全体を前提としたインシデント対応体制の整理や、外部起因の事故を想定した初動対応の支援を行っています。「起きてから考える」のではなく、「起きる前提で備える」ことが、これからの企業に求められる姿勢です。もし、委託先を含めた情報管理やインシデント対応に不安を感じている場合は、一度立ち止まって体制を見直すことが、将来のリスクを減らす確かな一歩になるでしょう。

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セキュリティ運用とは?属人化を防ぎ継続的に回す基本の考え方

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セキュリティ運用とは、セキュリティ対策を導入することではなく、脆弱性情報の確認、設定管理、インシデント対応、見直しといった活動を継続的に回し続ける組織的な取り組みを指します。単発の対策ではなく、変化する環境に合わせて安全性を維持する仕組みである点が特徴です。本記事では、企業におけるセキュリティ運用支援およびインシデント対応の実務知見をもとに、一般的に公開されているセキュリティ運用の考え方を整理します。特定製品への依存を避け、組織運用の観点から解説しています。

セキュリティ運用が重要になる背景には、インシデント発生時の初動対応や判断の難しさがあります。インシデント対応の全体像については以下の記事で整理されています。
セキュリティインシデントの基礎から対応・再発防止まで 第1回:セキュリティインシデントとは何か?基礎知識と代表的な事例

セキュリティ運用とは、セキュリティ対策を導入した状態を維持し続ける活動ではなく、「変化し続ける環境に合わせて安全性を更新し続ける仕組み」を指します。多くの企業がセキュリティ製品やルールを導入しているにもかかわらず事故を防ぎきれない背景には、この“運用”という視点の不足があります。

近年、「セキュリティ運用とは」「セキュリティ運用 体制」「セキュリティ 属人化」といった検索が増加しているのは、セキュリティが技術課題ではなく組織運営の問題として認識され始めているためだと考えられます。導入した対策は時間とともに環境とのズレが生じるため、継続的な判断と見直しが不可欠になります。

なぜ今「セキュリティ運用」が課題になるのか

セキュリティ事故の多くは、対策が存在しなかったことよりも、存在していた対策が適切に機能していなかったことによって発生します。これは珍しい現象ではなく、環境変化に対して運用が追いつかなくなることで起きます。システム構成は更新され、利用者は増減し、クラウド設定や権限は日常的に変化します。その一方で、セキュリティ対策は導入時点の前提を基準に設計されていることが多く、継続的に見直されなければ現実との乖離が生まれます。

提供された文脈に基づくと、現在は「何を導入するか」を議論する段階から、「導入したものをどう回し続けるか」を考える段階へ移行していると整理できます。つまりセキュリティはプロジェクトではなく、継続業務として扱われる必要があります。

セキュリティ運用が属人化する典型パターン

セキュリティ運用の失敗要因として頻繁に挙げられるのが属人化です。特定の担当者のみが状況を理解し、判断基準が共有されていない状態では、運用は組織の能力ではなく個人の努力に依存します。現場では「経験がある人が対応した方が早い」という合理的判断から属人化が進みます。しかし手順や判断理由が記録されないまま時間が経過すると、異動や退職が発生した際に運用が再現できなくなります。

セキュリティ属人化の本質は、知識不足ではなく再現性不足です。誰が担当しても同じ方向の判断ができる状態を作ることが、セキュリティ運用体制の出発点になります。

セキュリティ運用とは「何を回すこと」なのか

セキュリティ運用とは単一の業務ではなく、複数の活動が循環する状態を意味します。代表的なのは、脆弱性情報の収集と評価、インシデント対応、設定および権限管理、そして教育や見直しです。脆弱性情報は継続的に公開されるため、影響評価と対応判断を繰り返す必要があります。インシデント対応では、検知から初動判断、復旧、再発防止までが一連の流れとして維持されます。設定管理では変更がリスクにならないよう追跡可能性が求められます。さらに教育やルール更新がなければ、人の行動が新しい脅威に適応できません。これらは独立した作業ではなく、相互に影響し合う循環構造として理解する必要があります。運用の全体像を地図として把握することが、部分最適によるリスク増大を防ぐ第一歩になります。

セキュリティ運用の中でも、脆弱性をどう管理し続けるかは重要な要素です。単発で終わらせない考え方については、次の記事も参考になります。
脆弱性対応の優先順位と判断基準―限られたリソースでリスクを下げる考え方

属人化しないセキュリティ運用の基本原則

属人化を防ぐために必要なのは、複雑な仕組みよりも基本原則の明確化です。まず重要なのは判断基準を定義することです。どのリスクを優先するかが共有されていなければ、対応品質は担当者によって変わります。次に記録の存在が運用を支えます。対応履歴は単なる報告ではなく、将来の判断を支える知識資産になります。そして運用は固定されたものではなく、定期的な見直しによって初めて現実に適応し続けます。提供された構成意図に基づくと、セキュリティ運用とは高度化よりも継続性を優先する活動だと整理できます。

運用体制は完璧でなくてよい

セキュリティ運用体制という言葉から大規模な専門組織を想像することがありますが、必ずしもそれが出発点になるわけではありません。重要なのは組織規模に適合した運用です。理想的な体制設計を目指して準備だけが進み、実際の運用が開始されない状態は現場では珍しくありません。むしろ小さく始め、実際に回る形を作ることが現実的なアプローチになります。運用が継続されることで課題が可視化され、体制は後から改善できます。逆に、回らない設計はどれほど理想的でも機能しません。

セキュリティ運用とは「判断を継続する仕組み」である

セキュリティ運用とは、新しい対策を増やし続けることではなく、判断と改善を繰り返す仕組みを維持することです。属人化を防ぐとは担当者を排除することではなく、判断基準と知識を組織へ移すことを意味します。提供された文脈に基づくと、セキュリティの成熟度はツール数ではなく、運用が継続しているかどうかによって左右されます。仕組みとして回り始めたとき、セキュリティは個人の努力から組織の能力へと変化します。

セキュリティ運用とは何かという問いは、技術の話であると同時に、組織がどのように意思決定を継続するかという問いでもあると言えるでしょう。

FAQ

▼セキュリティ運用とは具体的に何をすることですか?
▼セキュリティ運用は小規模企業でも必要ですか?
▼外部委託すればセキュリティ運用は不要になりますか?

ここまで整理してきた内容から見えてくるのは、セキュリティ運用とは特別なプロジェクトではなく、日常業務の中に組み込まれる意思決定プロセスであるという点です。しかし現場では、「具体的に何から始めるべきか」という問いが必ず生まれます。守る対象の整理、優先順位の設定、最小単位の運用設計など、実務的な整理が必要になります。

では、具体的にセキュリティ運用は何から始めればよいのでしょうか。実務レベルでの進め方については、次の記事で詳しく解説します。
セキュリティ運用は何から始めるべきか 担当者が最初に整理すべきポイント

BBSecでは

委託先が関係する情報漏えいでは、自社だけで完結する対応はほとんどありません。複数の関係者が絡むからこそ、事前の整理や体制づくりが結果を大きく左右します。ブロードバンドセキュリティ(BBSec)では、サプライチェーン全体を前提としたインシデント対応体制の整理や、外部起因の事故を想定した初動対応の支援を行っています。「起きてから考える」のではなく、「起きる前提で備える」ことが、これからの企業に求められる姿勢です。もし、委託先を含めた情報管理やインシデント対応に不安を感じている場合は、一度立ち止まって体制を見直すことが、将来のリスクを減らす確かな一歩になるでしょう。

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OWASP Top 10 2025:OWASP Top 10 2021からの変更点と企業が取るべきセキュリティ強化ポイント

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OWASP Top 10 2025:OWASP Top 10 2021からの変更点と企業が取るべきセキュリティ強化ポイントアイキャッチ画像

OWASP Top 10はWebアプリケーションの主要なセキュリティリスクをまとめた世界的な基準です。2025年版では、ソフトウェアサプライチェーンに起因する問題や例外処理の不備など、新たなリスク項目が追加され、順位も変動しています。本記事ではこれらの新しい動向も踏まえ、各項目を平易に解説し、企業が取るべきセキュリティ対策の方向性を提示します。

はじめに

2025年11月、国際的なセキュリティ啓発コミュニティであるOWASP(オワスプ:Open Web Application Security Project)から、「OWASP Top 10 2025」が公開されました。前回の「OWASP Top 10 2021」より4年ぶりの公開となります。本記事ではOWASP Top 10 2025から追加された新たなリスク項目や順位変動を踏まえ、企業が取るべきセキュリティ対策の方向性を提示します。

OWASP Top 10とは

Webアプリケーションの代表的なセキュリティリスクをまとめた国際的なガイドラインで、意識向上を目的とする啓発資料です。全てのセキュリティ要件を網羅する標準というより、優先的な対策項目を示すリストと考えます。

OWASP Top10は、Webアプリケーションに存在する代表的な脆弱性をまとめた指標です。脆弱性とは、システムやソフトウェアに存在するセキュリティ上の弱点のことを指します。
→ 「脆弱性の意味を正しく理解する―読み方・具体例・種類をわかりやすく解説

OWASP Top 10 2025の特徴

今回の「OWASP Top 10 2025」では、ソフトウェア開発の全工程にわたる新しいリスクが反映されました。特に、依存ライブラリやCI/CD環境を含む「ソフトウェアサプライチェーンの不備」や、「例外処理(エラー処理)の不備」という2つの新カテゴリが追加されています。これにより、従来のコード脆弱性に加え、開発・運用プロセス全体に起因するリスクが明確に強調されました。

また、2021年版まで独立項目だった「サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)」はA01(アクセス制御)に統合され、権限回避系の攻撃に含まれるようになっています。

OWASP Top 10の概要、「OWASP Top 10 2021」のリスク項目一覧について、以下の記事で解説しています。あわせてぜひご覧ください。
OWASP Top 10―世界が注目するWebアプリケーションの重大リスクを知る―

OWASP Top 10 2021からの主な変更点

A01: アクセス制御の不備 (Broken Access Control)

引き続き1位です。従来のアクセス制御不備に加え、サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)攻撃がこのカテゴリに含まれるようになりました。

A02: セキュリティ設定のミス (Security Misconfiguration)

2021年5位から2025年2位に上昇しました。サーバやアプリの初期設定ミスや不要なサービス公開など、設定不備のリスクが増加しています。

A03: ソフトウェアサプライチェーンの不備 (Software Supply Chain Failures)

2021年版のA06「脆弱で古くなったコンポーネント」から大幅に拡張され、2025年版に新設されたカテゴリです。依存パッケージやビルド環境への攻撃を含み、開発~配布の全過程におけるマルウェア侵入のリスクを扱います。

A04: 暗号化の失敗 (Cryptographic Failures)

前回2位から今回は4位に下降しました。古い暗号方式や不適切な暗号設定によって、機密データ漏洩のリスクが引き続き高い項目です。

A05: インジェクション (Injection)

前回3位から5位に下降しました。依然として多く検出されるリスクですが、他カテゴリの変動により相対的に順位が変わりました。

A06: セキュアでない設計 (Insecure Design)

2021年に新設された項目で、前回4位から6位になりました。設計段階でセキュリティを考慮しないことによるリスクを指し、脅威モデル不足などが該当します。最近は設計レビューや脅威モデルの導入が増えつつあります。

OWASP Top 10 2021およびセキュアなWebアプリケーション開発にむけてどのように取り組むべきかについて、以下の記事で解説しています。あわせてぜひご覧ください。
Webアプリケーション開発プロセスをセキュアに ―DevSecOps実現のポイント―

A07: 認証の失敗 (Authentication Failures)

名称が「識別と認証の不備」から若干変更され、順位は7位で維持されました。ログイン機能やパスワード管理の不備などが含まれ、標準的な認証フレームワークの利用増加でやや改善傾向にあります。

A08: ソフトウェアとデータの整合性の不備(Software or Data Integrity Failures)

前回同様8位です。ソフトウェア更新時やデータ伝送時の改ざん検知の欠如を扱い、サプライチェーンより下層でのデータ改ざんリスクが対象です。

A09: ログ監視・アラートの不備 (Logging & Alerting Failures)

同じく9位を維持しました。ログ監視や侵入検知の仕組みが不十分で、攻撃検知が遅れるリスクを指します。名称も「セキュリティログとモニタリングの不備」から変更されています。

A10: 例外処理の不備 (Mishandling of Exceptional Conditions)

2025年に新設された新しいカテゴリです。エラー発生時の不適切な処理(例:内部情報露出やセーフティネットの欠如)により、システム全体の安全性が損なわれるリスクを扱います。

OWASP Top 10 2025のリスク項目詳細解説

A01: アクセス制御の不備 (Broken Access Control)

攻撃者が本来許可されていない操作やデータにアクセスできる脆弱性です。例として、URLやパラメータを操作して他ユーザーの情報を取得したり、管理者権限を取得したりする攻撃が挙げられます。

A02: セキュリティ設定のミス (Security Misconfiguration)

システムやアプリの初期設定・構成に誤りがある状態です。脆弱なデフォルト設定や、不要なサービスの有効化、パッチ未適用のサーバ起動などにより、本来防げる攻撃を許してしまいます。

A03: ソフトウェアサプライチェーンの不備 (Software Supply Chain Failures)

外部ライブラリやパッケージ管理システムが攻撃され、正規ソフトウェアにマルウェアが混入するリスクです。開発者の環境やCI/CDパイプラインを介して侵入するため、従来型のコード診断だけでは検知しづらい問題となっています。

A04: 暗号化の失敗 (Cryptographic Failures)

古い暗号方式や誤った暗号設定によって、暗号化すべきデータの機密性が損なわれるリスクです。例えば、弱い鍵長の使用や最新プロトコルの不採用により、攻撃者に通信内容を解読される危険があります。

A05: インジェクション (Injection)

ユーザ入力を十分に検証せずにSQL文やOSコマンド等に含めて実行することで、不正なコードが実行される脆弱性です。SQLインジェクションクロスサイトスクリプティング(XSS)などが代表例で、攻撃者がデータベース改ざんやセッションハイジャックを実行します。

A06: セキュアでない設計 (Insecure Design)

設計段階でセキュリティが考慮されておらず、必要な防御策(脅威モデルやセキュアアーキテクチャ)が欠落しているリスクです。実装以前の段階で脆弱性を取り除かないと、後工程では完全対応できない欠陥を内包します。

A07: 認証の失敗 (Authentication Failures)

ログインやセッション管理に欠陥があり、不正ログインを許してしまう脆弱性です。例えば、パスワードポリシー不備やセッションIDの固定化、二要素認証不備などにより、攻撃者が他人の権限を奪取する可能性があります。

A08: ソフトウェアとデータの整合性の不備(Software or Data Integrity Failures)

ソフトウェア更新やデータ取得時に改ざんを検知できない状態で、不正なコードやデータが実行されてしまうリスクです。例えば、更新ファイルやコンテナイメージが攻撃者によって差し替えられても気づかない場合が該当します。

A09: ログ監視・アラートの不備 (Logging & Alerting Failures)

インシデント発生時に監査ログが残らない、またはアラートが機能しない状態で、攻撃を見逃してしまうリスクです。攻撃検知や対策対応が遅れるため、被害が拡大する可能性があります。

A10: 例外処理の不備 (Mishandling of Exceptional Conditions)

エラー・例外発生時に適切な対処がされず、システムが想定外の動作をしたり機密情報を漏洩したりする脆弱性です。具体例として、エラーメッセージで内部情報を出力するものや、例外処理のループ抜けでシステム停止しないなどがあります。

OWASP Top 10 2025で注目すべきポイント

  • サプライチェーンリスクの急浮上
  • 例外処理カテゴリの新設が示す業界動向
  • コード脆弱性から“開発プロセスの安全性”への時代変化

OWASP Top 10 2025は、従来の入力検証など個別コード脆弱性に加え、サプライチェーンや設計、例外処理といったシステム全体に関わる根本原因を重視しています。企業はこれを踏まえ、開発プロセスや設計段階からの脆弱性予防策を強化する必要があります。

企業が取るべき対応(例)

  • 開発プロセス全体のセキュリティレビュー
  • サプライチェーン管理の強化
  • 設計段階のセキュリティ確保(脅威モデリング等)
  • ログ・アラート体制の見直し

情報システム部門やセキュリティ担当者は、今回のリスク項目をセキュリティ教育・セキュリティ診断・セキュリティ監査項目に組み込み、継続的な対策に活用しましょう。特にサプライチェーンや例外処理の項目は従来対応が十分でないことも多く、注力すべきポイントです。

まとめ

OWASPはTop 10に加え、SAMMやASVSなどのフレームワーク活用も推奨しています。OWASP Top 10は優先対策項目の一助と位置付け、組織全体のセキュリティ成熟度を高める施策を並行して検討することが望まれます。

脆弱性診断の活用

では、意図せず作りこまれてしまう脆弱性に、どう対処すればいいでしょうか。それには脆弱性診断を実施することが、最も有効な手段の一つと言えます。

脆弱性診断によって、システムにどのような脆弱性があり、どの程度のリスクがあるのか可視化され、その優先度に応じてセキュリティ対策を検討・実施することができます。

脆弱性診断を効果的に活用するには、システムの機能や取り扱う情報の重要度に応じて、実施時期や頻度を考慮することも大切です。セキュリティ事情は常に変化しています。日々新たな脆弱性が発見され、サイバー攻撃も巧妙化する一方です。また、何年も前に報告されたのに放置されがちな脆弱性が、改めて悪用されることもあります。健康診断と同様、脆弱性診断も定期的に実施することが重要なのです。

また、「SQAT® Security Report」では、セキュリティ事情に関するトピックをお伝えしております。情報収集の一助としてご活用ください。

【参考情報】

OWASP Top 10 2025リリースノート/Aikidoブログ(https://www.aikido.dev/blog/owasp-top-10-2025-changes-for-developers#:~:text=OWASP%20emphasizes%20that%20the%20Top,Application%20Security%20Verification%20Standard


BBSecの脆弱性診断サービス

弊社では、お客様のニーズに合わせて、様々な脆弱性診断サービスを提供しております。システムの特徴やご事情に応じてどのような診断を行うのが適切かお悩みの場合も、ぜひお気軽にご相談ください。

「毎日/週など短いスパンで定期診断して即時に結果を知りたい」

デイリー自動脆弱性診断「Cracker Probing-Eyes®」は、脆弱性の検出結果を、お客様側での簡単な操作で、日々確認できます。導入のための設備投資が不要で、コストを抑えつつ手軽に診断できます。 世界的なセキュリティ基準をベースにした弊社独自基準を設け、シグネチャの見直しも弊社エンジニアが定期的に行うことで、信頼性の高い診断を実現しております。

「システム特性に応じた高精度な診断をしたい」

対象システムの機能が複雑である、特にミッションクリティカルであるなどの理由により、広範囲かつより網羅性の高い診断をご希望の場合は、弊社エンジニアが手動で実施する「SQAT®脆弱性診断サービス」をおすすめします。 Webアプリケーション、ネットワークはもちろんのこと、ソースコード診断やクラウドの設定に関する診断など、診断対象やご事情に応じて様々なメニューをご用意しております。

公開日:2025年12月5日
更新日:2026年3月11日

編集責任:木下

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脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方

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「脆弱性診断の必要性とは?」アイキャッチ画像

企業が施すセキュリティ対策は広範かつ複雑になっています。外部からのサイバー攻撃や、内部での情報の持ち出しなど、セキュリティの脅威が多様化しているためです。企業が保護すべき情報、アプリケーション、機器の種類・数などが拡大していることも理由に挙げられます。

「脆弱性診断」ではアプリケーションやサーバ、ネットワークに、悪用できる脆弱性がないかを診断します。本記事では、ライフサイクル別にどんな診断が必要か、ツール診断と手動診断、ペネトレーションテストとの違いなどを解説します。

脆弱性診断とは

脆弱性診断とは、企業・組織のシステムに内在するセキュリティ上の既知の欠陥(=脆弱性)を特定する検査です。

脆弱性とは、システムやソフトウェアに存在するセキュリティ上の弱点を指します。
→「脆弱性の意味を正しく理解する―読み方・具体例・種類をわかりやすく解説

Webアプリケーション、スマホアプリケーション、サーバ、ネットワークなど診断対象により様々な脆弱性診断があります。セキュリティ上の問題点を可視化することで、情報漏洩やサービス停止等のセキュリティ事故を防ぐために、どのような対策を実施すればよいか検討するのに役立ちます

脆弱性のリスクについてはこちらの関連記事もあわせてご参照ください。
BBSec脆弱性診断結果からみる― 脆弱性を悪用したサイバー攻撃への備えとは ―
定期的な脆弱性診断でシステムを守ろう!-放置された脆弱性のリスクと対処方法-
既知の脆弱性こそ十分なセキュリティ対策を!
今、危険な脆弱性とその対策―2021年上半期の診断データや攻撃事例より―

脆弱性診断の必要性

情報資産を守るため

CIA説明画像

情報のセキュリティの3要素、「機密性」「完全性」「可用性」を守るためにも、脆弱性診断は必要な理由の一つです。


「機密性」…限られた人だけが情報に接触できるように制限をかけること。
「完全性」…不正な改ざんなどから保護すること。
「可用性」…利用者が必要なときに安全にアクセスできる環境であること。


これらの要素を適切に満たすことが、情報セキュリティを担保する上では欠かせないものとなります。

情報セキュリティ事故を未然に防ぐため        

攻撃者より先にシステムに隠れた脆弱性を検出して対策することで、攻撃や事故発生の確率を下げることができます。ひとたび個人情報やクレジットカード情報の漏えい事故が発生すれば、さまざまな対応・復旧費用や対策工数の発生は避けられません。ブランドの毀損や企業イメージの低下も招きます。

サービス利用者の安心のため

パソコンやインターネットを補助的に利用していた昔と異なり、現在はWebサービスやアプリケーションそのものが利益を生み出しています。生活や経済がネットワークなしに成り立たない現在、脆弱性診断などのセキュリティ対策は、事業を継続しサービス利用者の安心を守るため、欠かせないものとなっています。

脆弱性診断の種類

診断対象により、さまざまな脆弱性診断サービスがあります。まず、企業が開発したWebアプリケーションが挙げられます。問合せや会員登録といった、入力フォームの入出力値の処理、ログイン機能の認証処理などに対して、幅広く網羅的に脆弱性診断が行われます。

次に、そのWebアプリケーションを実行するサーバやネットワーク機器、OSやミドルウェアに脆弱性がないか検査するプラットフォーム診断があります。

アプリケーションの脆弱性診断には、既知の攻撃パターンを送付して対象システムやソフトウェアの挙動を確認する「ブラックボックステスト」という方法があります。 「ブラックボックステスト」では、実装時における脆弱性は検出できますが、そもそもプログラムの設計図であるソースコード中に存在する脆弱性を網羅的には検査することには適していません。

この場合、ソースコード開示のもと「ソースコード診断」する方法が有効です。「ソースコード診断」は「ブラックボックステスト」に対して 「ホワイトボックステスト」とも呼ばれます。また、「ソースコード診断」はさらに、プログラムを実行しないで行う「静的解析」と、実行して行う「動的解析」に分類できます。

ソースコード診断についてはこちらの記事もあわせてご参照ください。
ソースコード診断の必要性とは?目的とメリットを紹介

そのほか、近年増加の一途をたどるスマホアプリケーションIoT機器を対象とした脆弱性診断もあります。

脆弱性診断画像

(株式会社ブロードバンドセキュリティのサービス分類に基づく)

脆弱性診断とペネトレーションテストの違い

脆弱性診断とペネトレーションテストは、双方とも脆弱性などを検出する点では似ていますが、目的と方法が少し異なります。脆弱性診断は既知の脆弱性を網羅的に検出することを目的としています。

ペネトレーションテストは、「侵入テスト」の名前のとおり、疑似的なサイバー攻撃を仕掛けてセキュリティ対策の有効性を評価するために実施します。技術的アプローチだけでなく、対象となる組織の構成や、業務手順、ときには物理的な施設の特徴すら加味して、攻撃シナリオを作成する「レッドチーム演習」と呼ばれるテストを実施することもあります。

シナリオに沿ってペネトレーションテスターが攻撃を実行し、システムに侵入できるか、ターゲットとする資産(多くは知的財産)にたどり着くことができるかどうかなどをテストします。ペネトレーションテストは脆弱性診断と比べて、技術力はもちろん、より幅広い見識やセンスが求められます。

脆弱性診断のやり方(方法)

脆弱性診断にはツールを使って自動で診断する「ツール診断」とエンジニアが診断する「手動診断」があります。

ツール診断

「ツール診断」では、セキュリティベンダーが、商用または自社開発した脆弱性診断ツールを用いて脆弱性を見つけ出します。脆弱性診断ツールと呼ばれるコンピュータプログラムを実行して、その応答から脆弱性を検知していくもので、自動診断とも呼ばれます。機械的に不正なHTTPリクエストを送り付ける疑似攻撃を行いますが、クラッカーによる攻撃とは異なり、あくまでも 脆弱性を見つけ出すことが目的であるため、システムを破壊することはありません。

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ツール診断は機械的な検査であるため、過検知や誤検知なども含まれることが多く、その結果は担当者が補正することで正確な情報が得られます。比較的手軽に行えることから、開発段階で実施されることも多い診断です。また、定期的な簡易診断として用いることで、コストを低減しつつ最新の状態を保つことができるといった利用方法もあります。

脆弱性診断ツールとは

脆弱性診断ツールには、たとえばWebアプリケーション診断の場合に、検査コードと呼ばれる不正なHTTPリクエストを送信し 擬似攻撃するプログラムがあります。

手動診断

技術者がプロキシツールを介してWebブラウザでサイトにアクセスした際に発生するリクエストを書き換える形で、脆弱性を確認する方法です。ツール診断と比べ検査項目も広く、また細かな検査ができるのが特徴です。

手動診断は、経験と専門性を持つ技術者によって実施され、機械的な判断では見落としてしまう画面遷移・分岐にも対応できるメリットがあります。発見した脆弱性の再現手順や、最新動向を加味した対策方法などを提示してくれるのも、手動診断ならではの特徴と言えます。

ツール診断と手動診断は、どちらが優れていると比較するものではありません。それぞれの特長を生かし、予算に合わせて組み合わせることで、コストパフォーマンスを発揮できるでしょう。

脆弱性診断サービスの流れ

セキュリティベンダーに脆弱性診断を依頼する際は、まず 診断する範囲を決めます。組織にとって重要度が高い部分、すなわちサイバー攻撃を許してはいけないシステムやサーバ、Webアプリケーションを選定します。

診断が終了するとベンダーからレポートが提供され、報告会が行われることもあります。レポートに記載された脆弱性には深刻度などがスコア化されていることもあります。内容に応じて優先度をつけて、脆弱性をふさぐ必要があります。

チームによる診断・分析・保守画像

継続的なセキュリティ対策の実施を

脆弱性診断は一度実施したらそれで終わり、というものではありません。脆弱性診断により発見された問題に対し対策を実施することで、より堅牢なシステム・環境・体制を構築することができます。

重要なのは、システムライフサイクルの各フェーズで、適切な診断を実施し、洗い出されたセキュリティ上の問題に優先順位をつけて、ひとつひとつ対処することです。診断ツールの検討に関しては自組織の環境やシステム特性に合わせたものを選定し、継続的なセキュリティ対策に有効活用できるようにしましょう。

まとめ

企業の情報システムが複雑かつ大規模になった現在、カード情報や個人情報・機密情報を狙う内外からの脅威に対して、企業もさまざまな予防手段を打っていく必要があります。情報システムやそれを取り巻く環境・体制が堅牢であるかどうかを検査、評価する方法として「脆弱性診断」があります。

・脆弱性診断とは企業・組織のシステムに内在するセキュリティ上の既知の欠陥(=脆弱性)
 を特定する検査
・Webアプリケーション、スマホアプリケーション、サーバ、ネットワークなど診断対象により様々な脆弱性診断がある
・脆弱性診断を実施し洗い出されたセキュリティ上の問題に優先順位をつけて、ひとつひとつ対処することが重要である


公開日:2020年5月23日
更新日:2026年3月11日

編集責任:木下

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脆弱性の意味を正しく理解する―読み方・具体例・種類をわかりやすく解説

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脆弱性の意味を正しく理解する―種類・悪用リスク・企業が取るべき対策アイキャッチ画像

脆弱性とは、システムやソフトウェア、ネットワークなどに存在する「セキュリティ上の弱点」を指します。この弱点を攻撃者に悪用されると、不正アクセスや情報漏えいなどのサイバー攻撃につながる可能性があります。この言葉の意味を正しく理解することは、サイバーセキュリティを理解するうえで非常に重要であり、企業や組織が安全にシステムを運用するためには、脆弱性を早期に発見し、適切に対策することが重要です。本記事では、脆弱性の正しい意味、サイバー攻撃との関わり、企業が取るべき対策までを体系的に整理し、分かりやすく解説します。

脆弱性とは何か?

「脆弱性(ぜいじゃくせい)」とは、システムやソフトウェア、ネットワークなどに存在する「セキュリティ上の弱点」や「欠陥」のことです。この弱点が存在すると、攻撃者に悪用されることで、不正アクセス、情報漏洩、マルウェア感染、サービス停止といったサイバー攻撃の被害につながる可能性があります。

脆弱性の多くは、「プログラムの設計ミスやコーディングミスなどによるバグ」になります。バグが存在せず正しく動作するプログラムやWebアプリケーションであっても、設計者が想定しないやり方で機能が悪用され、 結果としてサイバー攻撃が成立する場合には、その「悪用されうる機能設計」が脆弱性とみなされます。

企業では、こうした脆弱性を早期に発見するために「脆弱性診断」を実施することが重要です。→「脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方

脆弱性診断は、システムやアプリケーションに存在するセキュリティ上の欠陥を特定し、対策につなげるための検査です。

しかし、いざ「脆弱性 意味」「脆弱性とは何か?」と問われると、具体的に説明できない人も少なくありません。

脆弱性の読み方と語源

「脆弱性」は「ぜいじゃくせい」と読みます。

「脆」(ぜい):もろい、こわれやすいという意味
「弱」(じゃく):よわい、力が足りないという意味
「性」(せい):性質や特徴を示します

つまり、「壊れやすく弱い性質」という意味で、ITセキュリティ分野では“攻撃に利用される欠陥や弱点”を指す言葉として使われます。また英語ではvulnerability(バルネラビリティ=「攻撃を受けやすいこと」の意)と呼ばれます。

脆弱性の代表例

脆弱性はさまざまな原因によって発生します。ここでは代表的な脆弱性の例を紹介します。

ソフトウェアの脆弱性

ソフトウェアのプログラムに不具合があると、それが脆弱性となる場合があります。例として、

  • 入力値の検証不足
  • バッファオーバーフロー
  • SQLインジェクション

などが挙げられます。このような不具合を攻撃者が悪用すると、データベースの情報が盗まれたり、システムが乗っ取られたりする可能性があります。

これらの代表的なWebアプリケーションのセキュリティリスクは、OWASP Top10として国際的な指標としてまとめられています。
→ 「OWASP Top10 2025:2021版からの変更点と企業が取るべきセキュリティ強化ポイント

OWASP Top10はWebアプリケーションの代表的なセキュリティリスクをまとめた国際的なガイドラインです。

設定ミスによる脆弱性

システムの設定が適切でない場合も脆弱性の原因になります。代表的な例として

  • 管理画面がインターネットに公開されている
  • デフォルトパスワードのまま運用している
  • 不要なポートが開放されている

などが挙げられます。こうした設定ミスは攻撃者にとって侵入の入り口となることがあります。

設計上の問題による脆弱性

システムの設計段階に問題がある場合、構造的な脆弱性が発生することがあります。

例えば

  • 認証機能の設計ミス
  • 権限管理の不備
  • セッション管理の問題

などです。設計段階の脆弱性は、後から修正するのが難しい場合も多く、開発段階からのセキュリティ対策が重要になります。

脆弱性が攻撃の入口になる理由

攻撃者はまず「侵入できる弱点がないか」を探します。この弱点こそが脆弱性です。例えば、

  • 公開された脆弱性のパッチを適用していない
  • 古いプログラムを長期間放置している
  • 不要なサービスやポートを開けたまま

といった状態は、攻撃者に「ここから入れる」と示しているようなものです。実際、多くのサイバー攻撃は “脆弱性の悪用” から始まっています。

ここまでの説明でお気づきかもしれませんが、「脆弱性が多く報告されている」ことは必ずしも「品質が悪い」ことを意味するのではありません。脆弱性が存在してもそのことが報告・公表されていなければ、「脆弱性がある」とは認知されないわけです。

脆弱性が悪用されるとどうなる?

脆弱性が攻撃者に悪用されると、企業や組織に大きな被害をもたらす可能性があります。代表的な被害をご紹介します。

  • 重要情報(顧客情報・社員情報・機密情報等)の漏洩
  • サイバー攻撃(ランサムウェア攻撃等)を受けるリスク
  • サービス停止や業務停止リスク

特に近年は、脆弱性を狙った攻撃が高度化し、攻撃者が自動的に弱点を探索するツールも普及しています。「気づいたら侵入されていた」というケースも少なくありません。

脆弱性を悪用したセキュリティ事故は日々発生しています。SQAT.jpでは以下の記事でも取り上げていますので、ぜひあわせてご参考ください。

● 「定期的な脆弱性診断でシステムを守ろう!-放置された脆弱性のリスクと対処方法-
● 「備えあれば憂いなし!サイバー保険の利活用

脆弱性を防ぐための対策

脆弱性を放置すると、重大なセキュリティ事故につながる可能性があります。脆弱性対策の基本的な考え方としては、システムの欠陥をつぶし、脆弱性を無くすこと(「攻撃の的」を無くすこと)が最も重要です。企業での実践方法としては以下の項目があげられます。

修正パッチの適用

衣服等の破れを補修する「継ぎ当て」や傷口に貼る「絆創膏」のことを英語で「パッチ(patch)」と言いますが、脆弱性を修正するプログラムも「パッチ」と呼ばれます。修正プログラムを適用することは「パッチをあてる」と言われたりします。パッチをあてることにより、システムに影響が及ぶ場合があります。適用にあたっては事前に調査を行い、必要に応じて十分な検証を実施してください。なお、自組織で開発したシステムに関しては、必ずテスト環境を用意し、パッチ適用による整合性チェックを行いましょう。

ソフトウェアやOSの定期的なアップデート

アップデートされた最新バージョンでは既知の脆弱性や不具合が修正されていますので、後回しにせずに更新を行うようにしてください。

セキュアプログラミングで脆弱性を作りこまない体制に

自組織で開発したソフトウェアやWebアプリケーション等の場合は、サービスが稼働する前の上流工程(開発段階)から、そもそも脆弱性を作り込まない体制を構築することが大切です。

また、テレワーク環境では、以上の項目に加え、クライアントサイドでのパッチ適用が適切に行われているかをチェックする体制を構築することも重要です。また、シャドーITの状況把握も厳格に実施する必要があります。

「IT部門が知らないサービスを勝手に利用され、結果として脆弱性の有無について未検証のクライアントソフトやブラウザプラグインが使われていた」という事態は防がねばなりません。

脆弱性情報はWebサイトでチェックできる

脆弱性は、さまざまなソフトウェアやプラットフォームで日々発見されています。そうした情報は、多くの場合、ソフトウェアやプラットフォーム提供元のWebサイトに掲載されます。
少なくとも、自組織で利用している主要なプラットフォームに関しては、緊急性が高い脆弱性が出現していないかどうかを、提供元のWebサイトで定期的にチェックするとよいでしょう。

JVNを利用した脆弱性情報の正確な情報収集と活用法

一般社団法人JPCERTコーディネーションセンターとIPA(独立行政法人情報処理推進機構)では、公表された脆弱性情報を収集して公開するサービス「JVN(Japan Vulnerability Notes)」を共同運営しています。日本で利用されている大半のソフトウェアの脆弱性の情報は、このサイトでチェックできます。

脆弱性情報ソースと活用

インシデントやゼロデイの発生情報については、セキュリティ専門のニュースサイト、セキュリティエバンジェリストのSNSなどからも情報をキャッチできます。

情報の裏取りとして、セキュリティベンダからの発表やtechブログ等を参照することもと重要となります。攻撃の影響範囲や危険度を確認するには、Exploitの有無を技術者のPoC検証ブログやNVD等で確認することも有効です。

ツールを使って脆弱性を見つける

脆弱性を発見するためのソフトウェアは「チェックツール」「スキャンツール」「スキャナ」などと呼ばれます。以下に、代表的なものをご紹介しましょう。有償、無償のさまざまなツールが提供されていますので、機能や特徴を知り、ニーズに合致するものを試してみてはいかがでしょうか。

  有償ツール 無償ツール
Webアプリケーション向け AppScan、Burp Suite、WebInspect など OWASP ZAP など
サーバ、ネットワーク向け Nessus(一部無償)、nmap など Nirvana改弐、Vuls など

「脆弱性診断」サービスで自組織のソフトウェアの脆弱性を見つける

上記でご紹介したツールを使えば、脆弱性のチェックを自組織で行うことが可能です。しかし、前述の通り、「脆弱性が存在するのに報告されていない」ために情報がツールに実装されていないソフトウェアも数多くあります。また、一般に広く利用されているソフトウェアであれば次々に脆弱性が発見、公開されますが、自組織で開発したWebアプリケーションの場合は、外部に頼れる脆弱性ソースはありません。さらに、実施にあたっては相応の技術的知識が求められます。そこで検討したいのが脆弱性診断サービスの利用です。脆弱性の有無を確認するには、脆弱性診断が最も有効な手段です。

脆弱性診断サービスでは、システムを構成する多様なソフトウェアやWebアプリケーション、API、スマホアプリケーション、ネットワークなどに関し、広範な知識を持つ担当者が、セキュリティ上のベストプラクティス、システム独自の要件などを総合的に分析し、対象システムの脆弱性を評価します。組織からの依頼に応じて、「自組織で気付けていない脆弱性がないかどうか」を調べる目的のほか、「脆弱性に対して施した対策が充分に機能しているか」を検証する目的で実施することもできます。

対策が正常に機能しているかの検証を含めた確認には専門家の目線をいれることをおすすめしています。予防的にコントロールをするといった観点も含め、よりシステムを堅牢かしていくために脆弱性診断をご検討ください。脆弱性を防ぐためには、ソフトウェア更新や設定の見直しだけでなく、定期的なセキュリティ診断を行うことが重要です。

特に企業のシステムでは、脆弱性診断に加えて、実際の攻撃を想定したペネトレーションテストを実施することで、セキュリティ対策の有効性を確認することができます。
→「ペネトレーションテスト(侵入テスト)とは?

脆弱性との共存(?)を図るケースもある

最後に、診断で発見された脆弱性にパッチをあてることができないときの対処法をご紹介しましょう。

まず、「パッチを適用することで、現在稼働している重要なアプリケーションに不具合が起こることが事前検証の結果判明した」場合です。このようなケースでは、システムの安定稼働を優先し、あえてパッチをあてずに、その脆弱性への攻撃をブロックするセキュリティ機器を導入することで攻撃を防ぎます。セキュリティ機器によって「仮想的なパッチをあてる」という対策になるため、「バーチャルパッチ」とも呼ばれます。

また、脆弱性が発見されたのがミッションクリティカルなシステムではなく、ほとんど使われていない業務アプリであった場合は、脆弱性を修正するのではなく、そのアプリ自体の使用を停止することを検討できるでしょう。これは、運用によってリスクを回避する方法といえます。

なお、前項でご紹介した脆弱性診断サービスの利用は、脆弱性に対して以上のような回避策をとる場合にも、メリットがあるといえます。発見された脆弱性について、深刻度、悪用される危険性、システム全体への影響度といった、専門サービスならではのより詳細な分析結果にもとづいて、対処の意思決定を行えるためです。

脆弱性に関するよくある質問



▼脆弱性とは簡単にいうと何ですか?




▼脆弱性とバグの違いは何ですか?




▼脆弱性と脅威の違いは?


まとめ

「脆弱性とは何か?」を正しく理解することは、サイバー攻撃に備えるうえで最も基本かつ重要なステップです。脆弱性は放置すれば攻撃者にとって“格好の入口”となり、情報漏えいやサービス停止など重大な被害を招きかねません。自社システムの安全性を確保するためにも、日頃から更新・診断・運用の見直しを行い、脆弱性を適切に管理することが求められます。

関連情報

● 脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方

公開日:2020年7月20日
更新日:2026年3月11日

編集責任:木下


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緊急パッチ適用の判断基準 ―業務影響を抑えるにはどうすべきか―

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緊急パッチ適用の判断基準:業務影響を抑えるにはどうすべきかアイキャッチ画像

脆弱性情報が公開されると、「これは緊急で対応すべきか」「業務に影響が出ても今すぐ当てるべきか」と判断に迷う場面は少なくありません。本記事では、企業が緊急パッチ対応を判断する際に押さえるべき考え方と、業務影響を抑えながら対応するための実務的な基準を整理します。

緊急パッチとは何か

緊急パッチとは、一般的に被害が急速に拡大する可能性がある脆弱性に対して、迅速な適用が求められる更新を指します。

緊急対応が本当に必要なケース

次の条件が重なる場合、即時の緊急パッチ適用を優先すべきでしょう。

  • 外部公開されており、第三者が認証なしでアクセスできる
  • すでに攻撃事例や攻撃コード(PoC)が公開されている
  • 悪用された場合、業務停止や情報漏えいに直結する

このようなケースでは、業務影響よりも被害拡大を防ぐことを優先する判断が必要になります。

様子見や計画対応が許容されるケース

一方で、次のような条件であれば、即時のパッチ適用が必須でない場合もあります。

  • 内部ネットワーク限定で利用されている
  • 該当機能が業務上使われていない
  • 一時的な設定変更や回避策でリスクを下げられる
  • 影響範囲が限定的で、検証なし適用のリスクが高い

このような場合は、この場合、影響範囲を確認したうえで、計画的な対応とする判断も現実的といえます。

業務影響を考慮した判断のポイント

緊急パッチ対応では、技術的な危険度だけでなく、次の視点も欠かせません。

  • パッチ適用によるサービス停止の可能性
  • 業務時間帯への影響
  • 切り戻し(ロールバック)が可能か
  • 利用部門への影響や調整コスト

「セキュリティ上正しい」判断と「業務として現実的」な判断のバランスを取ることが重要です。

緊急パッチ適用の運用フロー(例)

実務では、次のような流れで判断すると整理しやすくなります。

  1. 脆弱性の概要把握
    対象システム、影響範囲、攻撃条件を確認
  2. 自社環境への影響評価
    公開範囲、利用状況、業務影響を整理
  3. 暫定対応の検討
    設定変更やアクセス制御で回避できるか
  4. 適用タイミングの決定
    即時/夜間/定例メンテナンスなどを判断

このように段階的に考えることで、判断の属人化を防ぐことができます。

緊急パッチ適用の判断は、単独で行うものではありません。
脆弱性対応の優先順位:脆弱性対応全体の考え方―全体の中での位置づけ
CVSSスコア:技術的な深刻度の把握
本記事:実務での最終判断

これらを総合的に判断した結果、より合理的な対応が可能になります。

まとめ

緊急パッチ適用で重要なのは、“急ぐべきかどうかを正しく判断すること” です。

  • 攻撃されやすさと影響度を確認する
  • 業務影響とリスクを比較する
  • 回避策や段階対応も選択肢に入れる

この視点を持つことで、緊急パッチ対応は場当たり的な作業ではなく、管理されたセキュリティ運用に変わるのです。


次に読むべき記事

サイバーインシデント緊急対応

セキュリティインシデントの再発防止や体制強化を確実に行うには、専門家の支援を受けることも有効です。BBSecでは緊急対応支援サービスをご提供しています。突然の大規模攻撃や情報漏洩の懸念等、緊急事態もしくはその可能性が発生した場合は、BBSecにご相談ください。セキュリティのスペシャリストが、御社システムの状況把握、防御、そして事後対策をトータルにサポートさせていただきます。

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CVSSスコアの正しい使い方 ―脆弱性対応の判断にどう活かすべきか―

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脆弱性対応を検討する際、多くの担当者が参考にする指標が CVSSスコアです。しかし、CVSSは正しく理解して使わなければ、かえって判断ミスを招いてしまう原因になります。本記事では、CVSSスコアの基本的な考え方と、企業の脆弱性対応判断にどう活かすべきかを整理します。

CVSSスコアとは何か

CVSS(Common Vulnerability Scoring System)は、脆弱性の深刻度を数値で表すための共通指標です。多くの場合、0.0〜10.0のスコアで示され、数値が高いほど深刻とされます。

【深刻度(例)】

  • 低(Low)
  • 中(Medium)
  • 高(High)
  • 緊急(Critical)

重要なのは、CVSSは「脆弱性そのものの性質」を評価する指標であり、個々の企業環境を前提としていないという点です。本来の目的は、脆弱性の危険度を関係者間で共通認識として共有することにあります。

CVSSスコアが「分かりやすいが危険」な理由

CVSSは便利な指標ですが、これだけで対応の優先順位を決めるのは危険です。なぜならCVSSは自社環境を前提にしておらず、その脆弱性が実際に攻撃されるかどうかを保証していないためです。同じCVSSスコアでも、「インターネットから誰でもアクセスできるWebサービス」と「内部ネットワークでしか使われていない管理系システム」では、実際のリスクは大きく異なります。CVSSは「脆弱性そのものの性質」を示すものであり、「自社にとっての危険度」そのものではないことを理解しておく必要があります。

CVSSを構成する3つの要素

CVSSは主に次の3要素で構成されています。

  1. ベーススコア
    脆弱性が持つ本質的な深刻度を表します。多くの脆弱性情報で表示されるのがこのスコアです。
  2. Temporalスコア
    攻撃コード(PoC)の公開状況や対策情報の有無など、時間とともに変化する要素を反映します。
  3. Environmentalスコア
    実際の利用環境や影響度を考慮したスコアです。企業の判断に最も近いのはこの要素ですが、実際には十分に使われていないことが多いのが実情です。

CVSSスコアだけで判断してはいけない理由

CVSSスコアが高くても、必ずしも「今すぐ対応すべき」とは限りません。例えば、内部ネットワーク限定で利用されている、認証が必須で、悪用難易度が高い、該当機能が実際には使われていない、などの場合、実際のリスクは限定的です。逆に、CVSSスコアが中程度でも、「インターネットから直接アクセス可能」「既に攻撃事例が出ている」「業務停止に直結する」といったケースでは、優先度は高くなります。

脆弱性対応判断におけるCVSSの正しい位置づけ

CVSSスコアは、次のように使うのが現実的です。

候補の洗い出し:スコアが高い脆弱性を把握する
自社環境への当てはめ:実際の優先順位は「利用状況 × 公開範囲 × 業務影響」で決める
対応方法の検討:即時対応か、回避策か、計画対応かを判断

CVSSが高い脆弱性は、「詳細に確認すべき候補」として扱うのが適切です。

CVSSスコアを見るときのチェックポイント

実務では、CVSSスコアに加えて以下を確認します。これらを組み合わせることで、「今すぐ対応すべきか」「計画対応でよいか」の判断材料が見えてきます。

  • 攻撃条件は現実的か(認証不要/公開範囲)
  • 攻撃コード(PoC)は出回っているか
  • 悪用された場合の影響はどこまで及ぶか
  • 一時的な回避策でリスクを下げられるか

CVSSとあわせて確認すべき情報

CVSSだけでなく、次の情報もあわせて確認することが重要です。

  • 実際の攻撃事例や観測情報
  • ベンダーのアドバイザリ内容
  • 自社システム構成・利用実態
  • 業務影響や復旧にかかるコスト

これらを総合的に見ることで、自社にとっての“本当の優先度”が見えてきます。

本記事は、脆弱性対応全体の考え方を整理した
脆弱性対応の優先順位と判断基準|すべてを今すぐ直す必要はあるのか?
の中で、CVSSという判断材料を深掘りした位置づけです。 CVSSはあくまで道具の一つであり、最終判断は全体像を踏まえて行う必要があります。

まとめ:CVSSは「判断を助ける指標」として使う

CVSSスコアは非常に便利ですが、万能ではありません。「CVSSは優先順位判断の補助として使い、スコアだけで判断を出さない」「自社環境を考慮する」「攻撃されやすさ × 影響度」で判断する」―この考え方を持つことで、脆弱性対応の精度は大きく向上します。

脆弱性対応全体の判断基準については、
脆弱性対応の優先順位と判断基準―限られたリソースでリスクを下げる考え方 の記事で詳しく解説しています。

次の記事は…
緊急パッチ適用の判断基準 ―業務影響を抑えるにはどうすべきか―

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サプライチェーン攻撃と経営責任 ―委託先が原因でも問われる企業の判断とは ―

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サプライチェーン攻撃は、もはやIT部門だけで完結する問題ではありません。委託先や外注先が原因で情報漏えいが発生した場合でも、最終的に問われるのは企業としての説明責任と経営判断です。顧客や取引先にとって重要なのは原因の所在ではなく、どのように向き合い、被害を最小化し、再発を防ぐのかという姿勢です。本記事では、サプライチェーン攻撃がなぜ経営リスクと直結するのか、そして経営層が押さえるべき判断ポイントを整理します。

サプライチェーン攻撃の基本的な仕組みや特徴については、以下の記事で整理しています。 「サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―」

情報漏えいは現場だけの問題では終わらない

情報漏えいが起きたとき多くの経営者が最初に口にするのは、「それはIT部門の問題ではないのか」という言葉です。確かに、直接的な原因はシステムの設定ミスや不正アクセスかもしれません。しかし近年増えている事故の多くは、自社ではなく委託先や外注先、外部サービスを起点として発生しています。このとき、経営層は否応なく判断を迫られます。それは技術的な是非ではなく、企業としてどう向き合うのかという判断です。

サプライチェーン攻撃は経営リスクそのものである

サプライチェーン攻撃とは、標的企業を直接狙うのではなく、その周囲にある取引先や委託先を踏み台に侵入する攻撃です。この攻撃が厄介なのは、「自社は直接何もしていない」という状況でも、結果として責任を問われる点にあります。顧客や取引先から見れば、「原因が委託先かどうか」よりも「自分の情報が守られたのか」の方が重要だからです。つまり、サプライチェーン攻撃はITリスクであると同時に、信頼・ブランド・事業継続に直結する経営リスクなのです。

なぜ経営が関与しなければならないのか

サプライチェーンリスクは、現場だけではコントロールしきれません。委託の判断、外注範囲の決定、契約条件の承認、事故時の公表方針。これらはいずれも、最終的には経営判断に行き着きます。現場がどれだけ対策を講じていても、「便利だから」「コストが安いから」という理由でリスクの高い委託が選ばれていれば、事故の可能性は高まります。経営が関与しないままでは、リスクの全体像を誰も把握していない状態が生まれてしまいます。

「委託先が原因」は経営の言い訳にならない

実際の事故対応でよく見られるのが、「原因は委託先でした」という説明です。しかしこの説明は、社外に対してはほとんど意味を持ちません。なぜなら、委託という判断をしたのは自社であり、その責任は発注元にあると見なされるからです。ここで経営判断を誤ると、

  • 説明が後手に回る
  • 対応が場当たり的になる
  • 結果として「誠実さがない」という評価を受ける

といった事態につながります。

委託先のセキュリティをどこまで確認すべきかについては、以下の記事も参考になります。
委託先・外注先のセキュリティはどこまで確認すべきか ―サプライチェーン攻撃を防ぐ実務判断―

経営が押さえるべき3つの視点

経営層が理解すべきなのは、個々の技術的対策ではありません。重要なのは、「どこにどれだけのリスクがあるのか」という構造です。

  1. どこにリスクが集中しているか
    どの業務を外部に委託しているのか。
  2. 委託範囲とアクセス権の把握
    委託先は、どの情報にアクセスできるのか。
  3. 事故発生時の意思決定フロー
    問題が起きたとき誰が、どの順番で、何を判断するのか。

この全体像を把握できていなければ、事故発生時に冷静な判断はできません。

サプライチェーン事故で問われるのは“初動”

経営にとって最も重要なのは、事故が起きた後の最初の判断です。責任の所在を明確にすることよりも先に、被害が拡大していないか、説明すべき相手は誰か、どのタイミングで何を伝えるかを判断する必要があります。この初動で迷いが生じるのは、平時に「委託先が原因だった場合」を想定していないからです。サプライチェーン攻撃が増えている今、外部起因の事故を前提にした意思決定フローを持っているかどうかが、企業の明暗を分けます。

具体的な初動対応の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
サプライチェーン攻撃で委託先が原因の情報漏えい時に企業が取るべき初動対応とFAQ

技術より先に、経営としての姿勢が見られている

情報漏えい後、世間が注目するのは「どんな高度なセキュリティを使っていたか」ではありません。それよりも、

  • 状況を正しく説明しているか
  • 被害者に向き合っているか
  • 再発防止に本気で取り組んでいるか

といった姿勢が評価されます。これらはすべて、経営の判断とメッセージにかかっています。

まとめ:サプライチェーン攻撃は経営のテーマである

サプライチェーン攻撃は、IT部門だけの課題ではありません。委託という経営判断、事故時の説明責任、企業としての信頼維持。そのすべてが絡み合う、典型的な経営リスクです。 だからこそ、「技術的な話は分からないから任せる」ではなく、「全体像を理解したうえで判断する」という姿勢が、これからの経営には求められます。

BBSecでは

経営視点でサプライチェーンリスクを整理するために

サプライチェーンリスクは、現場任せにすると見えなくなり、経営だけで考えると実態が分からなくなります。BBSecでは、技術と経営の間に立ち、委託先や外注先を含めたサプライチェーン全体を整理し、経営判断につながる形でリスクを可視化する支援を行っています。 「どこにリスクがあるのか分からない」「事故が起きたとき、判断できるか不安だ」そう感じた段階で整理しておくことが、結果的に最もコストの低い対策になります。

【参考情報】

  • NIST(米国国立標準技術研究所),Cybersecurity Supply Chain Risk Management C-SCRMhttps://csrc.nist.gov/projects/cyber-supply-chain-risk-management
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    サプライチェーン攻撃で委託先が原因の情報漏えい時に企業が取るべき初動対応とFAQ

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    委託先や外注先が原因で情報漏えいが起きた場合、「自社は何をすべきか」「どこまで責任を負うのか」といった判断に迷う企業は多くあります。本記事では、サプライチェーン攻撃が疑われる際の初動対応の考え方や、公表判断、委託先との連携のポイントを整理します。あわせて、企業担当者が抱きやすい疑問をFAQ形式でまとめ、実務で迷わないための視点を提供します。

    委託先や外注先を起点としたサプライチェーン攻撃の全体像や、なぜこのような事故が起きるのかについては、以下の記事で整理しています。
    サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

    「原因は委託先です」で終わらない現実

    情報漏えいが発覚したとき調査の結果として、「原因は委託先・外注先でした」と判明するケースは、近年珍しくありません。しかし実務の現場では、その事実が分かった瞬間に新たな問題が生じます。それは、「では自社は何をすべきなのか」「どこまで責任を負うのか」という判断です。委託先が原因であっても、情報の管理主体が自社である以上、初動対応を誤れば被害は拡大し、企業の信用は大きく損なわれます。サプライチェーン攻撃が増えている今、外部起因の情報漏えいを前提とした初動対応を理解しておくことは、企業にとって不可欠になっています。

    初動対応で最も重要なのは「切り分けを急がない」こと

    情報漏えいの疑いが出た直後、多くの現場で起きがちなのが、原因の切り分けを急ぎすぎることです。「本当に漏えいしているのか」「どこから漏れたのか」「委託先の責任なのか」といった点を早く確定させたくなるのは自然な反応です。しかしこの段階で重要なのは、責任の所在を断定することではありません。まず優先すべきなのは、被害が現在も拡大している可能性があるかどうかを見極め、必要に応じて影響範囲を止める判断をすることです。委託先が関係している場合でも、自社システムとの接点や連携は一時的に見直す必要があります。この判断が遅れると、被害が広がり続けるリスクがあります。

    サプライチェーン攻撃は経営リスクでもあります。経営視点で整理した記事はこちら。
    サプライチェーン攻撃と経営責任 ―委託先が原因でも問われる企業の判断とは ―

    またそもそも、なぜ取引先や委託先を経由した攻撃は発見が遅れやすいのか、その背景を理解しておくことも重要です。
    なぜ取引先経由で情報漏えいが起きるのか ―国内で相次ぐサプライチェーン攻撃の実態―

    委託先との連携は「確認」ではなく「事実の共有」から始める

    初動対応において、委託先への連絡は避けて通れません。ただしここで重要なのは、相手を問い詰めることではなく、事実を正確に共有することです。どの情報に異常が見られたのか、いつ頃から兆候があったのか、現時点で分かっていることと分かっていないことを整理し、共通認識を作ることが先決です。感情的なやり取りや責任追及は、この段階では状況を悪化させるだけになりがちです。委託先が保有しているログや調査状況を早期に把握できるかどうかは、その後の対応スピードを大きく左右します。

    社内では「技術対応」と「説明責任」を同時に考える

    外部起因の情報漏えいが疑われる場合、社内では複数の視点で同時に動く必要があります。システム部門やセキュリティ担当は技術的な影響範囲の確認を進める一方で、法務や広報、経営層は対外的な説明の準備を始めなければなりません。このとき、「原因が委託先だから自社は関係ない」という認識で対応が遅れると、結果的に説明責任を果たせなくなります。実際には、顧客や取引先から見れば、委託先かどうかは本質的な問題ではなく、「自分の情報がどうなったのか」が最も重要だからです。

    公表判断は“事実が揃うまで待つ”ほど危険になる

    情報漏えいの公表タイミングは非常に難しい判断です。しかし、すべての事実が揃うまで何も発信しない、という判断はリスクを高めることがあります。特に外部起因の場合、委託先側の調査に時間がかかり、自社で状況を完全に把握できない期間が発生しがちです。その間に情報が外部に漏れたり、第三者から指摘されたりすると、「隠していた」という印象を与えてしまいます。現時点で分かっている事実と、調査中であることを切り分けて伝える姿勢が、結果的に企業の信頼を守ることにつながります。

    契約内容は「事後」ではなく「初動」で効いてくる

    委託先が原因の情報漏えいでは、契約内容が初動対応に大きく影響します。インシデント発生時の報告義務や対応範囲が明確であれば、調査や情報共有をスムーズに進めることができます。一方で、契約にそうした取り決めがなく、対応が委託先任せになってしまうと、自社として判断すべき情報が集まらず、対応が後手に回ります。このとき初めて「契約を見直しておけばよかった」と気づく企業も少なくありません。

    初動対応をスムーズに行うためには、平時から委託先・外注先のセキュリティをどこまで確認しておくべきかを整理しておく必要があります。
    委託先・外注先のセキュリティはどこまで確認すべきか ―サプライチェーン攻撃を防ぐ実務判断―

    まとめ:初動対応で問われるのは“原因”より“姿勢”

    委託先が原因で情報漏えいが起きた場合、企業が最初に問われるのは、誰が悪いかではありません。どれだけ早く状況を把握し、被害拡大を防ぎ、関係者に誠実に向き合ったかという姿勢です。外部起因のインシデントは、今後さらに増えていくと考えられます。だからこそ、「委託先が原因だったらどうするか」を平時から想定しておくことが、最大の初動対策になります。

    サプライチェーン攻撃は、予防・管理・初動対応のいずれか一つだけでは防ぎきれません。全体像を理解し、実態を知り、現実的な確認と備えを重ねていくことが重要です。
    サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

    FAQ



    ▼サプライチェーン攻撃とは何ですか?




    ▼サプライチェーン攻撃は大企業だけの問題ですか?




    ▼委託先が原因で情報漏えいが起きた場合、自社に責任はありますか?




    ▼委託先のセキュリティはどこまで確認すべきですか?




    ▼セキュリティチェックシートを回収すれば十分ですか?




    ▼委託先が多すぎて管理しきれない場合はどうすればいいですか?




    ▼情報漏えいが疑われたとき、最初にやるべきことは何ですか?




    ▼委託先への連絡はどのタイミングですべきですか?




    ▼事実がすべて分かるまで公表しない方が良いですか?




    ▼契約書でセキュリティ対策はどこまで決めるべきですか?




    ▼サプライチェーン攻撃は完全に防げますか?




    ▼サプライチェーンリスク対策で最も重要な考え方は何ですか?




    ▼サプライチェーン全体を考えた対策を進めるには


    BBSecでは

    委託先が関係する情報漏えいでは、自社だけで完結する対応はほとんどありません。複数の関係者が絡むからこそ、事前の整理や体制づくりが結果を大きく左右します。ブロードバンドセキュリティ(BBSec)では、サプライチェーン全体を前提としたインシデント対応体制の整理や、外部起因の事故を想定した初動対応の支援を行っています。「起きてから考える」のではなく、「起きる前提で備える」ことが、これからの企業に求められる姿勢です。もし、委託先を含めた情報管理やインシデント対応に不安を感じている場合は、一度立ち止まって体制を見直すことが、将来のリスクを減らす確かな一歩になるでしょう。

    【参考情報】

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