ゼロトラスト導入ガイド|成功事例・メリット・失敗しない進め方とおすすめ診断サービス
ゼロトラストとは?なぜ今、導入が必要なのか

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サイバー攻撃の高度化・巧妙化が進む中、「ゼロトラスト」は企業の情報資産を守る新たなセキュリティ戦略として注目を集めています。本記事では、ゼロトラストの基本概念から導入メリット、成功事例、よくある課題とその解決策、導入の進め方までをわかりやすく解説。さらに、導入効果を最大化するためのおすすめ診断サービスもご紹介します。失敗しないゼロトラスト導入を目指す方は必見です。

はじめに

従来の境界型セキュリティでは防ぎきれないサイバー攻撃が増加する中、企業の情報資産を守る新たなアプローチとして「ゼロトラスト」が注目されています。ゼロトラストは「守るべき情報資産に対するあらゆるアクセスを信頼せず、すべて検証する」という原則に基づき、すべてのアクセスを検証・制御し、最小限の権限だけを与えることで内部・外部の脅威から組織を守るセキュリティモデルです。

ゼロトラスト導入のメリット

ゼロトラストを導入することで得られる主なメリットは以下の通りです。

  • サイバー攻撃リスクの低減
    すべてのユーザーやデバイスを都度認証するため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に減らせます。
  • クラウド・リモートワーク対応の強化
    社内外問わず安全なアクセス環境を構築でき、テレワークやクラウド活用が進む現代の働き方に最適です。
  • 適切なアクセス権限管理と運用
    最小権限の原則により、不要なアクセス権を排除し、万が一の被害範囲も最小限に抑えられます。
  • コンプライアンス対応の強化
    アクセス履歴や認証の記録が残るため、各種規制や監査にも対応しやすくなります。

ゼロトラスト導入における課題と段階的な進め方

ゼロトラストは単なる技術導入ではなく、企業のセキュリティパラダイムの転換を意味します。IPAの導入指南書では、まず現状評価と戦略策定から始め、資産の棚卸しやセキュリティギャップの特定、経営層の支持獲得を行うことが重要とされています。

セキュリティギャップの例:

  • 古いOSのまま運用されている端末の存在
  • 重要な業務システムに対して多要素認証が導入されていない
  • 誰がどのシステムにアクセスできるかの管理が不十分

こうしたギャップを洗い出すことで、優先的に対処すべき課題が明確になります。

次に、ID管理基盤の構築として多要素認証やシングルサインオン、特権アクセス管理の強化を段階的に実施します。さらに、クラウド利用の増加に伴い、クラウド環境の適切なセキュリティ設定も欠かせません。クラウドサービスの利用率は70%を超えていますが、約3割の企業がクラウド起因のセキュリティインシデントを懸念しており、専門家による設定診断が求められています。

導入成功事例:ゼロトラストで業務とセキュリティを両立

事例1:大手製造業A社
クラウドサービスの利用拡大とテレワーク推進により、従来のVPNだけではセキュリティリスクが高まっていました。A社はゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)を導入し、従業員の端末認証や多要素認証(MFA)を徹底。加えて、クラウド環境のセキュリティ設定診断も実施したことで、リモートアクセスの安全性を大幅に向上させました。

導入のポイント:
・既存の社内システムと段階的に連携
・社内教育と啓発活動も並行して実施
・定期的な脆弱性診断でリスクを可視化

事例2:医療系サービスB社
個人情報を多く扱うB社では、ゼロトラストの導入により、アクセス権限の細分化とログ監視を強化。クラウドセキュリティ設定診断も活用し、外部からの不正アクセスや内部不正のリスクを大幅に低減しました。

導入のポイント:
・多要素認証の全社導入
・クラウド環境の設定ミスを専門家が診断
・定期的な保守サービスでセキュリティレベルを維持

失敗しないゼロトラスト導入の進め方

ゼロトラストは一度にすべてを切り替えるのではなく、段階的に進めることが成功のカギです。

STEP1:現状把握と目標設定
まずは自社のIT資産・業務フローを棚卸しし、どこにリスクや課題があるかを洗い出します。経営層を巻き込んだ目標設定が重要です。

STEP2:ID管理・認証基盤の強化
多要素認証(MFA)やシングルサインオン(SSO)など、ID管理の強化から始めましょう。これがゼロトラストの基盤となります。

STEP3:クラウド・ネットワーク環境のセキュリティ診断
クラウドサービスやネットワーク機器の設定に脆弱性がないか、専門サービスで診断を受けることが推奨されます。

STEP4:段階的な導入と運用改善
重要度の高いシステムから順次ゼロトラスト化を進め、運用しながら改善していくことが成功への近道です。

STEP5:継続的な教育と保守
社員へのセキュリティ教育と、定期的な診断・保守サービスの活用で、最新の脅威にも対応できる体制を維持しましょう。

おすすめの脆弱性診断サービス

ゼロトラスト導入を成功させるには、専門家による診断サービスの活用が有効です。専門家の助言を受けることで、組織が保有するリスクへの具体的な対策を講じ、リスクを最小限に抑えることが可能となります。BBSecの「SQAT®脆弱性診断」は、システムやクラウド環境の脆弱性を高精度で診断し、具体的な改善策を提案します。さらに、脆弱性診断保守サービスやクラウドセキュリティ設定診断により、導入後の運用やクラウド環境の安全性維持にも役立ちます。

サービス詳細

SQAT® 脆弱性診断
システムに潜む脆弱性は、重大な被害につながるリスク要因です。BBSecの「SQAT® 脆弱性診断」は、自動診断と手動診断を組み合わせ、高精度で脆弱性を発見します。診断結果はスピーディーに報告。対応優先度もご提示するため、お客様側での効率的な対策が可能です。また診断後3か月間の再診断やご相談も受け付けており、サイバー保険も付帯しています。

脆弱性診断保守サービス
定期的な診断と診断間のリスク検知を自動化。継続的なセキュリティレベル維持に最適です。

クラウドセキュリティ設定診断
AWS、Azure、GCPなど主要クラウドの設定を専門家が診断し、最適な対策を提案します。

まとめ

ゼロトラスト導入は、企業のセキュリティレベルを飛躍的に高める最良の選択肢です。成功事例のように段階的な導入と定期的な診断サービスの活用で、リスクを最小化しつつ柔軟な働き方やクラウド活用も実現できます。まずは現状の課題を可視化し、信頼できる診断サービスとともに、失敗しないゼロトラスト導入を進めてみてはいかがでしょうか。

【参考情報】

  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「ゼロトラスト導入指南書
  • Gartner Japan,ニュースルーム(2025年5月8日)「Gartner、ゼロトラストの最新トレンドを発表
  • Zscaler「ゼロトラストとSASE: 2025年の5つの予測
  • クラスメソッド株式会社,Zenn「2025年版-ゼロトラスト導入ガイド
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    企業のためのデジタルフォレンジック入門
    第2回:デジタルフォレンジック調査の流れと費用とは?

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    サイバー攻撃や情報漏えいなどのインシデント発生時には、重要な役割を果たすデジタルフォレンジック調査ですが、「実際にどのような手順で進むのか」「どのくらいの費用がかかるのか」という点が気になる方も多いのではないでしょうか。

    「企業のためのデジタルフォレンジック入門」シリーズ第2回目となる今回は、デジタルフォレンジック調査の一般的な進め方と費用の目安、そして調査を依頼する際に押さえておくべきポイントについて解説します。

    デジタルフォレンジックの調査フロー

    デジタルフォレンジック調査は以下のような流れで進められるのが一般的です。

    初動対応(証拠保全と状況把握)

    インシデント発生時、最初に行うべきなのは証拠の保全です。ログやデジタルデータは非常に消失・改ざんされやすいため、調査開始前に対象端末の隔離やデータのバックアップを速やかに実施します。誤ってシステムの再起動や操作を行うと、重要な証拠が失われるリスクがあるため注意が必要です。

    調査準備(対象範囲の確認と調査計画の立案)

    次に、調査の対象となるシステムや端末、ネットワーク環境を明確にし、どのような調査を行うかの計画を立てます。この段階で社内のIT部門との連携や、必要に応じた外部の専門業者への調査依頼を検討します。

    技術調査(詳細なデータ解析)

    具体的な調査段階では、ログ解析、端末解析、ネットワーク通信の分析、メール履歴の調査などを通じて、インシデントの発生時期、侵入経路、攻撃手法、被害範囲を特定します。調査結果は、法的手続きに耐えうる形で証拠として整理されます。

    調査報告(結果の報告と被害状況の説明)

    調査の結果をもとに、被害状況や攻撃経路、原因の詳細をまとめた報告書が作成されます。この報告書は、経営層への説明や取引先への対応、法的措置を講じる際の重要な資料となります。

    改善提案(再発防止策の提示)

    最後に、調査を通じて得られた知見をもとに、今後のセキュリティ強化策や体制の見直しに関する改善提案が行われます。再発防止のためのシステム設定の見直しや運用ルールの強化など、実行可能な具体策が提示されます。

    この一連の流れを円滑に進めるためには、事前に社内で緊急対応体制を整えておくことが重要です。

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    デジタルフォレンジック調査の費用相場とその要素

    デジタルフォレンジック調査の費用は、調査の規模や対象範囲、緊急性によって大きく変動します。一般的に、初動対応から最終的な報告書提出までに数十万円から数百万円規模の費用がかかるケースが多く、場合によっては1,000万円を超えることもあります。調査費用は、主に以下の項目で構成されます。

    調査項目費用相場(目安)算定要素
    初動対応・証拠保全10~30万円緊急度、作業時間、対象機器数
    ログ解析30~100万円調査範囲、ログの量と保存状況
    端末解析50~150万円対象端末数、データ量、調査内容
    ネットワーク解析50~200万円通信量、解析対象ネットワーク範囲
    メール調査30~100万円メール数、攻撃手法の特定難易度
    報告書作成・改善提案20~50万円被害規模、報告書の詳細度

    調査費用は対応スピードの要求度や調査範囲の広さによって大きく異なります。調査を依頼する前には、事前に必要な調査項目を整理し、見積もりの内訳をしっかり確認することが重要です。

    企業が予算計画に組み込むべき事項

    サイバー攻撃による被害は、いつ発生するかわかりません。万が一に備え、デジタルフォレンジック調査費用をあらかじめ予算計画に組み込んでおくことは、リスクマネジメントの観点から重要な取り組みです。

    まずは、フォレンジック調査に必要となるリソースの把握が必要です。どのシステムやデータが事業の中核を担っているのかを洗い出し、万が一被害を受けた場合に調査が必要となる範囲を想定しておきましょう。特に、重要な顧客情報や機密情報を扱うシステムは、調査対象として優先度が高くなります。

    次に、過去のインシデント事例や業界の平均的な調査費用を参考に、初動対応費用、技術調査費用、報告書作成費用などを項目ごとに見積もり、予算化しておくことが重要です。必要に応じて、外部の専門業者から概算費用の情報を収集し、自社の規模に応じた現実的な予算を策定します。また、平時からのログ管理や証拠保全体制の整備は、調査範囲の縮小や工数削減に直結し、結果的に調査費用の抑制につながります。このような準備に必要なリソースやコストも、予算計画の中に含めておくと良いでしょう。

    不測の事態に備え、フォレンジック調査の費用を計画的に確保しておくことが、経営リスクを最小限に抑える有効な手段です。

    「かかりつけ」のセキュリティ企業を持つ

    平時の備えがインシデントを防止し、いざインシデントが起きたときの対応力を高めてくれます。さらにもう1つ有効な取り組みとしてお伝えしたいのが、頼りになるセキュリティ企業との関係構築です。あなたの会社の業務やシステムのことを知っている、かかりつけ医のようなセキュリティ企業は、何かあったときのための備えのひとつになります。

    それまで取引が一度もなかったセキュリティ企業に、事故が発生した際に初めて調査や対応を依頼したとしたらどうでしょう。社内のネットワーク構成、稼働するサービス、重要情報がどこにどれだけあるのか、関係会社や取引先の情報などについて、わずかな時間も惜しまれるインシデント対応の現場で、いちから説明しなければならなくなります。

    セキュリティ対策などの実施でセキュリティ企業に依頼を行う際は、信頼できる企業かどうか、いざというときにサポートしてくれるかどうか等、診断以外のサービス体制も幅広く調べたうえで、長期的な観点から利用を検討することをおすすめします。

    まとめ:納得できる調査のために

    サイバー攻撃などのインシデント発生時、企業は迅速かつ的確な対応を求められます。デジタルフォレンジック調査は、その過程で被害状況を正しく把握し、再発防止策を講じるために不可欠な手段です。しかし、調査は高額になりがちで、調査範囲や依頼内容を誤ると不要なコストが発生する恐れもあります。納得できる調査を実現するためには、事前に調査の流れを理解し、必要な費用感を把握したうえで、適切な調査計画を立てることが重要です。そして、もう一つ重要なのは「誰に調査を依頼するか」という視点です。

    デジタルフォレンジック調査の結果は、調査を行う専門家の知識とスキルに大きく左右されます。調査の質を高めるためには、どのような専門家に依頼すべきか、その見極めが重要です。次回、第3回の記事では、信頼できる調査パートナーの選び方や、調査に必要とされる資格・スキルについて解説します。

    ―第3回「デジタルフォレンジックは誰に任せるべきか?」へ続く―

    【連載一覧】

    ―第1回「デジタルフォレンジック調査とは?企業が知っておくべき基本情報」―
    ―第3回「デジタルフォレンジックは誰に任せるべきか?」―

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    CVEスキャン誤検知を防ぐ!セキュリティアラート疲れ解消策4選

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    企業のセキュリティチームに所属するシステム開発担当者や情報システム担当者の皆様、日々のCVEスキャンから大量に届く誤検知セキュリティアラートに疲弊していませんか?本記事では、セキュリティアラートのノイズを抑えつつ真のリスクを見極める4つの解消策をご紹介します。

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    夜な夜な鳴りやまぬアラートの洪水 ―その深刻度とは

    セキュリティチームのもとに届くアラートは、現代の組織にとってまさに“第二のメール地獄”です。OX Security「2025 Application Security Benchmark」によると、178社を対象に90日間で収集したアプリケーションセキュリティ検出は1億1,344万件。組織当たり平均56万9,354件のアラートが発生し、そのうち97.92%が情報提供レベルの”ノイズ”と判定されていました。しかしこのノイズを「完全無視」していいわけではありません。“98%ノイズ”の山が、まさに今日のセキュリティ担当者に襲いかかる「アラート疲れ」の正体です。

    アラートノイズの裏側 ―過剰検知はなぜ起きるのか

    自動化されたCVEスキャンは、不用意な誤検知を生む温床でもあります。たとえば、実際には運用環境でまったく使われていないライブラリに含まれるCVEが検出されるケースは後を絶ちません。パッケージ名の不一致や一時的なテスト用モジュールまでスキャン対象になることで、対応すべき脆弱性は雪だるま式に膨らみます。しかもその大半は、理論上は脆弱だが現実には悪用困難という状態であることも多いのです。

    さらに、全警告のうち修正プログラムが提供されている緊急(Critical)または高(High)レベルの脆弱性でも、本番環境で実際にシステムに読み込まれているケースは15%にすぎないという調査結果もあります。これは「コードが稼働していない部分にまで対応コストをかける必要はない」というフィルタリングの重要性を裏付けています。

    危機回避の“4つのロジック” ―全アラートを見逃さない仕組み

    脅威の対応優先度付け(インテリジェント・トリアージシステム)

    単にCVSSやCVEの有無で判断せず、実際に稼働中のパッケージか、修正プログラムが公開済みか、さらにCISA「Known Exploited Vulnerabilities Catalog」(KEVカタログ)に含まれるかを加味したスコアリングを実施します。これにより、“実際に悪用観測済みの脆弱性”を浮き彫りにします。また、その脆弱性が業務サービスに与える影響度やEPSS(Exploit Prediction Scoring System)スコアなども考慮することで、真のリスクを見極めることができます。

    関連記事:
    CVEとは?共通脆弱性識別子の基本と管理方法を徹底解説

    継続的モニタリングとサンプリング検証

    「低リスク」と判定された98%のノイズアラート群も完全に放置せず、週次または月次でランダムに抽出して再評価するプロセスを自動化します。依存関係の更新や新たなエクスプロイトコードの公開時など、環境変化を捉えて警戒レベルの見直しを行うことが重要です。

    開発者担当者への具体的な修正内容の提示

    抽象的なアラート表示ではなく、「どのファイル/行に、どういうコード修正を行うべきか」「修正後に再スキャンする手順まで」をワンストップで提示する仕組みを構築します。これにより、実装者の心理的負荷とやり取りコストを大幅に削減できます 。

    ノイズ検証率のKPI化

    リスクレベル低のアラートのうち、何%が再評価済みかをダッシュボード化し、未検証の放置時間がどれくらいかを把握しておきます。これは経営層への報告資料としても説得力を持ち、ただ脆弱性を放置しているわけではない、ということを定量的に示す指標になります。

    “放置”ではなく“最適化” ―次世代アラート管理へ

    Cybereasonが警鐘*2を鳴らすように、アラート疲れは「静かなる流行病」として組織の防御力をじわじわ蝕みます。しかし、適切なフィルタリングと分析を体系化し、継続的に検証する仕組みを整えれば、98%の“ノイズ”も真のリスクになる前に安全性を担保でき、残り2-5%のより緊急性の高いアラートへの対応を優先することができます。

    今日からでも始められるのは、AI/ルールベースの自動トリアージツールの導入と、ノイズ検証サイクルの設計です。これこそが、セキュリティチームと開発チーム双方の疲弊を防ぎ、アプリケーションの安全性を確実に高める鍵となるでしょう。

    【参考情報】

  • Scribe Security,「脆弱性スキャンでCVEバーンアウトとアラート疲労を回避するには?
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    ウェビナー開催のお知らせ

  • 2025年5月28日(水)13:00~14:00
    脆弱性診断の新提案!スピード診断と短納期で解決する「SQAT® with Swift Delivery」セミナー
  • 2025年6月11日(水)13:50~15:00
    DDoS攻撃から守る!大規模イベント時のセキュリティ-大規模イベント開催中に急増するDDoS攻撃の事例と防御策を解説-
  • 2025年6月18日(水)14:00~15:00
    侵入が防げない時代に選ぶべき脆弱性診断サービスとは?~実績・サポート・診断基準で比較する、最適な脆弱性診断の選び方~
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    脆弱性診断の基礎と実践!手動診断とツール診断の違いを徹底解説第3回:手動診断とツール診断、どちらを選ぶべきか?最適な診断方法の選び方

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    手動診断とツール診断、どちらが自社に最適なのか?本記事では、「脆弱性診断の基礎と実践」をテーマに全3回のシリーズのうちの最終回として、手動診断とツール診断の両者の特性や違いを比較し、診断方法を選ぶポイントを解説します。最適な診断方法を見極め、継続的なセキュリティ対策を実現しましょう。

    手動診断とツール診断の違い

    脆弱性診断には「手動診断」と「ツール診断」の2つの手法があり、それぞれに検出できる脆弱性の範囲、診断の精度、コストや時間といった違いがあります。適切な診断方法を選ぶためには、それぞれの特性を理解することが重要です。

    検出可能な脆弱性の範囲

    診断手法 検出可能な脆弱性の範囲
    ツール診断 CVE、OWASP Top 10などに基づき脆弱性を自動検出。ただし、システム固有の処理に関連する脆弱性の検出や複雑な攻撃手法には対応が難しい。
    手動診断 ツール診断では発見が難しいカスタムアプリの脆弱性や認証回避の脆弱性も検出可能。

    ツール診断はパターンマッチングに基づく脆弱性スキャンが主であり、定型的なセキュリティホールの発見に優れています。一方、手動診断はシステムごとの特性を考慮した診断が可能で、セキュリティエンジニアによる最新の攻撃手法に基づいたシナリオでの診断にも対応できます。

    診断の精度

    診断手法 精度
    ツール診断 短時間で広範囲の診断が可能だが、誤検知(False Positive)や見落とし(False Negative)が発生することがある。
    手動診断 セキュリティエンジニアが攻撃者視点で分析するため、より正確な脆弱性の特定が可能。誤検出を減らし、実際のリスクを精密に評価できる。

    ツール診断は効率的に多くのシステムをスキャンできるメリットがありますが、誤検出や見落としのリスクがあるため、結果を精査する必要があります。手動診断は攻撃手法を考慮したテストを実施できるため、リスクの深刻度を正確に判断しやすいのが特長です。

    コストと時間の違い

    診断手法 コスト 時間
    ツール診断 比較的低コストである。 短時間で診断可能(数時間~1日程度)。規模が小さいシステムであれば、数時間程度で診断が完了するため、定期的なスキャンが容易。場合によっては24時間いつでも診断が可能
    手動診断 専門のエンジニアが対応するためコストが高い。診断の範囲や内容によって費用が変動 時間がかかる(数日~数か月)。対象システムの複雑さにより診断期間が変動

    ツール診断は、コストを抑えて素早く診断ができる点が魅力ですが、ツールの設定や診断結果の解釈には専門知識が必要です。手動診断はコストや時間がかかるものの、外部のセキュリティ専門企業などに委託することによって、より精密な脆弱性評価が可能です。特に重要なシステムや高度なセキュリティ対策が求められる場面では有効です。

    診断方法を選ぶ際のポイント

    以下のポイントを考慮し、適切な診断方法を選ぶことが重要です。

    組織の規模やセキュリティ方針に合わせた選択

    組織の特徴 推奨される診断方法
    スタートアップ・中小企業(コストを抑え、効率的に診断したい場合) コストを抑えつつ効率的な診断を行いたい場合は、ツール診断が適している。自動化により定期的なチェックが可能。
    大企業・金融・医療・官公庁 高度なセキュリティ対策が求められるため、手動診断+ツール診断の組み合わせが効果的。特に重要システムには手動診断を推奨。
    クラウド環境を利用する組織 クラウド環境特有のリスクに対応するため、クラウドセキュリティに特化したツール診断と、必要に応じた手動診断の併用が理想的。

    どのような診断が必要か

    診断対象 推奨される診断方法
    WEBアプリケーション ツール診断で基本的な脆弱性をチェックし、重要な部分に手動診断を実施。特に、認証機能や決済機能の診断には手動診断が有効
    ネットワークセキュリティ ネットワークスキャンツール(例:Nmap、Nessus)を活用し、必要に応じて手動で詳細な分析を実施。ファイアウォールの設定やアクセス制御の確認が重要
    クラウド環境(AWS、AZURE、GCPなど) クラウド専用の脆弱性診断ツールを活用し、アクセス制御や設定ミスをチェック。特に、IAM(Identity and Access Management)の監査が必要な場合は手動診断も推奨

    ポイント:

    • Webアプリケーションの診断では、ツール診断でOWASP Top 10の脆弱性をスキャンし、カスタムアプリの診断には手動診断を追加するのが理想的
    • ネットワーク脆弱性診断では、ツール診断でポートスキャンを行い、不審な通信や設定の誤りを手動診断で確認する方法が有効
    • クラウド環境は設定ミスが原因の脆弱性が多いため、ツール診断を活用して広範囲をスキャンし、リスクの高い設定には手動診断を組み合わせることが推奨される

    手動診断とツール診断の組み合わせ

    手動診断とツール診断にはそれぞれメリットと限界があり、両者を適切に組み合わせることで、より高精度なセキュリティ対策が可能になります。ツール単独での診断では見落とされるリスクを補完し、組織のセキュリティレベルを向上させる戦略的なアプローチが求められます。

    両者を組み合わせることで得られるメリット

    スキャンの自動化と専門家による精査が両立

    • ツール診断で迅速に広範囲をスキャンし、重大なリスクが懸念される部分のみ手動診断を実施
    • 手動診断でツールの誤検出を精査し、実際のリスクを正確に判断

    費用対効果の向上

    • 低コストでツール診断を定期的に実施し、大きな問題が発覚した場合のみ手動診断を適用することで、予算を最適化

    診断結果の精度向上

    • ツール診断のスキャン結果を専門家が分析し、追加の手動診断を行うことで、より正確な脆弱性評価が可能

    効果的なセキュリティ診断戦略の構築

    手動診断とツール診断を組み合わせることで、組織ごとのセキュリティ要件に応じた診断戦略を構築できます。

    (1) 定期的なスキャン+詳細なリスク分析

    • ツール診断を月次・四半期ごとに実施し、継続的にセキュリティ状況を監視
    • 重大なリスクが検出された場合のみ、対象システムの手動診断を実施して詳細分析

    (2) システムの重要度に応じた診断手法の選択

    • 基幹システム・決済システムなどの重要システム
      手動診断を優先し、高精度な診断を実施
    • 一般的なWebアプリ・社内システム
      ツール診断で定期的にチェックし、基本的なリスクを管理

    (3) インシデント対応と診断の連携

    • 過去のセキュリティインシデントの発生状況を分析し、手動診断で重点的にチェックすべき領域を特定
    • ツール診断のログを蓄積し、将来の診断方針に反映

    適切な脆弱性診断サービスの選び方

    診断会社を選ぶ際のポイント

    脆弱性診断を外部に委託する場合、診断会社の選定は重要な要素となります。まず、診断の実績を確認し、自社の業界やシステムに適した経験があるかをチェックしましょう。特に、金融・医療・ECなどの高いセキュリティが求められる分野では、業界特有のリスクを理解している診断会社が望ましいでしょう。次に、対応範囲を確認し、Webアプリ、ネットワーク、クラウド環境など、自社のシステム構成に適した診断を提供できるかを見極めます。また、診断後のサポート体制も重要なポイントです。診断結果のレポート提供だけでなく、脆弱性修正のアドバイスや再診断が可能かどうかも確認し、長期的なセキュリティ強化に役立つパートナーを選びましょう。

    費用対効果を考慮した最適な診断プランの検討

    脆弱性診断のコストは組織にとって大きな課題ですが、単純に安価なサービスを選ぶのではなく、費用対効果を考慮した診断プランの選定が重要です。まず、診断の頻度と範囲を明確にし、必要最低限のコストで最大の効果を得られるプランを検討します。たとえば、定期的な診断が必要な場合はツール診断を活用し、重大なシステムについては手動診断を実施する組み合わせが有効です。また、診断会社ごとに料金体系や提供サービスが異なるため、複数社のプランを比較し、自社に最適なものを選択することが求められます。さらに、初回診断の割引や無料トライアルなどを活用することで、コストを抑えつつ診断の質を確認する方法も有効です。

    まとめ:企業にとって最適な診断方法を選択する

    脆弱性診断を効果的に活用するためには、自社のシステムやセキュリティ方針に適した診断方法を見極めることが重要です。コストを抑えながら広範囲をスキャンできるツール診断、高度な攻撃手法にも対応可能な手動診断、それぞれの特性を理解し、適切に使い分けることが求められます。また、企業の業種やシステムの重要度によって、手動診断とツール診断の組み合わせを検討することが望ましいです。

    さらに、脆弱性診断は一度実施すれば終わりではなく、継続的なセキュリティ対策が必要です。サイバー攻撃の手法は日々進化しており、新たな脆弱性が発見される可能性があるため、定期的な診断と適切なセキュリティ対策の実施が欠かせません。企業のセキュリティレベルを維持・向上させるために、継続的な診断計画を立て、適切な対策を講じることが重要です。

    BBSecでは

    当社では様々なご支援が可能です。お客様のご状況に合わせて最適なご提案をいたします。

    <SQAT診断サービスの特長>

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    ―第1回「手動診断のメリットとは?」はこちら―
    ―第2回「ツール診断のメリットとは?」はこちら―


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    脆弱性診断の基礎と実践!
    手動診断とツール診断の違いを徹底解説
    第2回:ツール診断のメリットとは?

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    ツール診断は、短時間で広範囲をスキャンし、コストを抑えながら効率的にセキュリティ対策を実施できる手法です。本記事は「脆弱性診断の基礎と実践」をテーマに全3回のシリーズのうちの第2回として、脆弱性診断の手法の一つであるツール診断のメリットや適しているケースについて解説します。

    第1回「手動診断のメリットとは?」はこちら

    ツール診断とは?

    ツール診断とは、セキュリティベンダーが商用または自社開発した脆弱性診断ツールを使用し、システムやアプリケーションのセキュリティ上の脆弱性を自動的に検出する手法です。自動診断とも呼ばれ、比較的手軽に実施できるため、開発段階での利用や定期的な簡易診断としても活用されています。ただし、機械的な検査であるため、過検知や誤検知が含まれることが多く、その結果は技術者が補正することで正確な情報が得られます。ツール診断は、コストを低減しつつ最新のセキュリティ状態を保つ手段として有効です。

    ツール診断の一般的な実施プロセス

    ツール診断は、一般的に以下の流れで実施されます。

    1.スキャンの対象設定

    • 診断対象のIPアドレス、ドメイン、アプリケーションURLなどを指定
    • 必要に応じて認証情報を設定し、ログイン後の動作も診断

    2.脆弱性スキャンの実行

    • 診断ツールが自動で対象システムをスキャンし、脆弱性を検出
    • 既知の攻撃パターン(シグネチャ)を照合し、不正アクセスのリスクを評価

    3.診断結果の解析

    • スキャン結果をもとに、発見された脆弱性の種類や影響範囲を整理
    • 誤検知が含まれていないかチェック(必要に応じて手動で確認)

    4.結果レポートによる対策検討

    • 検出された脆弱性のリスクレベルを分類(例:高・中・低)し、結果を出力
    • 修正が必要な項目をリストアップし、対応策を検討

    ツール診断のメリット

    ツール診断を実施するメリットは、特に以下の3つの点があります。

    1.短時間での診断が可能(大量のシステムやWebサイトを効率的にチェック)

    ツール診断の最大の強みは、短時間で一括チェックが可能な点です。

    • 手動診断では膨大な時間がかかる大規模システムでも、診断対象を絞ることにより迅速にスキャンが可能。
    • 企業が運営する複数のWebサイトやサーバを一度に診断できる。

    2.コストを抑えやすい(手動診断より低コストで運用可能)

    ツール診断は自動化によって効率的になり、手動診断より低コストでの運用が可能です。

    • エンジニアの人的コストを削減
      ・手動診断は専門のセキュリティエンジニアが時間をかけて実施するため、コストが高くなりがち。
      ・ツール診断は自動で診断を行うため、人的リソースを節約できる。
    • 継続的な診断でも費用負担が少ない
      ・手動診断は1回ごとの費用が高く、頻繁に実施するのが難しい。
      ・ツール診断ならライセンス契約やサブスクリプション型などのツールを利用するため、低コストで定期的に診断することが可能。
    • 導入・運用の負担が少ない
      ・クラウド型の診断ツールも多く、専用機材の導入不要でスムーズに利用開始ができる。

    3.定期的な診断が容易(スケジュールを自動化できる)

    セキュリティ対策は一度行えば終わりではなく、継続的な監視と対策が不可欠です。ツール診断を活用すれば、コストを抑えつつ、定期的なスキャンを自動で実施し、最新の脆弱性を常にチェックできます。

    • スケジュール設定で定期スキャンが可能
      ・ツールを活用すれば、毎週・毎月・四半期ごとの定期スキャンを自動化できる。
      システムの更新後(パッチ適用後など)の検証にも活用できる。
    • 継続的なセキュリティ監視ができる
      ・手動診断では頻繁に実施するのが難しいが、ツールなら日常的なセキュリティ監視が可能。
      ・システム改修のたびに手動診断を依頼するより、ツールを活用して迅速に問題を検出できる。

    ツール診断が適しているケース

    ツール診断は特に以下のケースで実施が推奨されます。

    1.定期的にスキャンしてセキュリティリスクを管理したい企業

    ツール診断を導入することで、定期的なスキャンを自動化し、常に最新のセキュリティ状態を維持できます。

    • システムのアップデート後に迅速なリスクチェックが可能
      ・OS、アプリケーション、ミドルウェアのアップデート後に、脆弱性が新たに発生していないか即時に確認ができる。
      ・システム改修や機能追加時の影響を即座に確認できる。
    • 運用中のシステムに影響を与えない
      日常業務に影響を与えず、バックグラウンドで実施できる。

    2.コストを抑えながらセキュリティ対策を進めたい場合

    セキュリティ診断を実施したいものの、手動診断の高コストがネックとなる組織にとって、ツール診断は費用対効果の高い選択肢です。

    • 人件費が抑えられるため、低コストで運用可能
    • 大規模なシステムでもコストを抑えやすい
      特に、中小企業や予算が限られた組織にとって、手軽にセキュリティ対策を実施できる手法となる。
    • 社内での脆弱性診断の内製化が可能
      手動診断は外部のセキュリティ専門企業へ依頼するケースが多いが、ツール診断は自社で運用可能なため、外部委託のコストを抑えられる。

    3.基本的な脆弱性を素早く把握したい場合

    ツール診断なら、開発段階や運用中のシステムに対して、迅速にリスクを把握し、適切な対応が可能になります。

    • 即時スキャンで迅速な脆弱性検出
    • 開発段階での脆弱性検出に活用
      ・開発中のWebアプリやシステムに対して、リリース前に簡易スキャンを実施できる。
      ・これにより、本番環境でのリスクを最小限に抑えられる

    ツール診断の限界

    ツール診断はコストを抑えて効率的に運用できる点がメリットですが、場合によってツール診断だけでは限界があります。

    1.誤検出や見落としの可能性がある

    ツール診断は、自動でシステムの脆弱性をチェックする仕組みですが、その診断結果には誤検知(False Positive)や見落とし(False Negative)が含まれる可能性があります。

    • 誤検知(False Positive)
      ・実際には問題のないコードや設定を「脆弱性あり」と誤って検出するケース。
      ・例:「このページの入力欄にSQLインジェクションのリスクがある」とツールが指摘するものの、実際には適切なエスケープ処理が施されている場合。
    • 見落とし(False Negative)
      ・実際には脆弱性が存在するのに「問題なし」と判定してしまうケース。
      ・例:カスタム開発された認証フローに不備があっても、一般的な攻撃パターンにマッチしないため検出されない。
    • 誤検知や見落としの原因
      ツールの設定ミス:適切なスキャン設定を行わないと、正しい診断結果が得られない。
      検出ロジックの限界:ツールは既知の脆弱性パターンをもとに診断を行うため、未知の脆弱性やゼロデイ攻撃の検出には弱い。
      環境依存の問題:特定のアプリケーションやネットワーク環境では正しく診断できないことがある。

    2.システム固有の脆弱性や複雑な攻撃パターンには対応できない

    ツール診断は、主に既知の脆弱性をパターンマッチングによって検出するため、システム固有の処理に関わる脆弱性や、複雑な攻撃パターンには対応できません。

    • システム固有の処理に関連する脆弱性の例
      決済システムの不正操作:カートに入れた商品の価格を改ざんする攻撃。
      アクセス制御の不備:本来は管理者のみアクセス可能な機能を一般ユーザが利用できてしまう。
      認証バイパス:特定のリクエストを送ることで、パスワードなしでログインできてしまう。
    • 複雑な攻撃パターンの例
      API連携を悪用した攻撃:ツール診断ではAPI間の不正な連携による情報漏えいを検出しづらい。
      ・多段階の攻撃手法(チェーン攻撃):攻撃者が複数の脆弱性を組み合わせて攻撃する手法は、ツール単独では検出が難しい。

    ツール診断は、効率的でコストパフォーマンスに優れたセキュリティ診断の手法ですが、その限界も理解し、必要に応じて手作業による診断と組み合わせることで、より信頼性の高いセキュリティ対策が可能となります。

    まとめ

    ツール診断は、自動化された脆弱性診断ツールを活用し、短時間で広範囲をスキャンできる効率的なセキュリティ対策です。手動診断と比べてコストを抑えながら、定期的な診断が容易に実施できるため、継続的なセキュリティリスク管理に適しています。また、基本的な脆弱性を素早く把握できるため、初期段階のリスク検出や、手動診断の補助としても活用可能です。しかし、ツール診断には誤検知や見落としといったリスクのほか、ビジネスロジックの脆弱性や複雑な攻撃手法の検出が難しいというデメリットが存在するため、単独では限界があります。そのため、より高度なセキュリティ対策を実現するには、手動診断との組み合わせが重要となります。

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    ―第1回「手動診断のメリットとは?」はこちら―
    ―第3回「手動診断とツール診断、どちらを選ぶべきか?最適な診断方法の選び方」はこちら―


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    2025年サポート終了製品リスト付!サポートが終了したソフトウェアを使い続けるリスクとその対策

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    現代のビジネス環境では、ソフトウェアやシステムのセキュリティ対策が極めて重要です。しかし、多くの企業や個人が気づかぬうちに、サポートが終了したソフトウェアを使い続けることで、深刻なサイバーセキュリティのリスクにさらされています。本記事では、サポート終了製品を利用し続けることの危険性と、その対策について詳しく解説します。

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    お問い合わせはこちらからお願いします。後ほど、担当者よりご連絡いたします。


    サポートが終了したソフトウェアとは?

    ソフトウェアベンダーは、一定の期間ソフトウェアのアップデートやセキュリティパッチを提供します。しかし、開発の継続が難しくなると、メーカーはその製品のサポートを終了し、新しいバージョンへの移行を促します。例えば、Windows 10は2025年10月にサポート終了が予定されており、企業や個人ユーザーは今後の対応を迫られています。

    表.2025年中にEOLとなる製品

    サポート終了後のソフトウェアは、新たな脆弱性が発見されても修正されず、そのまま放置されることになります。このため、サイバー攻撃の標的となるリスクが非常に高くなります。

    サポートが終了したソフトウェアを使い続けるリスク

    1. セキュリティの脆弱性が修正されない
      サポートが終了したソフトウェアには、新たに発見された脆弱性に対するセキュリティパッチが提供されません。そのため、ハッカーにとって格好の標的となり、マルウェア感染や不正アクセスのリスクが高まります。
    2. ランサムウェアやマルウェア攻撃の増加
      近年、サポート終了ソフトウェアを狙ったランサムウェア攻撃が増加しています。例えばWindows XPのサポート終了後、「WannaCry」というランサムウェアが流行し、多くの企業が被害を受けました。これと同様の攻撃が、サポート終了後のWindows 10やその他の古いソフトウェアでも発生する可能性があります。
    3. 法規制やコンプライアンス違反
      企業がサポート終了ソフトウェアを使い続けることは、法的リスクを伴います。特にGDPR(EU一般データ保護規則)や日本の個人情報保護法では、適切なセキュリティ対策を講じることが求められています。サポートが終了したソフトウェアを利用することは、これらの規制違反となる可能性があり、企業の信頼性が損なわれる要因となります。
    4. ソフトウェアの互換性問題
      古いソフトウェアを使い続けると、最新のアプリケーションやハードウェアとの互換性が失われる可能性があります。例えば、最新のクラウドサービスが利用できなかったり、新しいデバイスとの接続ができなかったりすることで、業務の効率が低下します。
    5. ITコストの増加
      一見すると、古いソフトウェアを使い続けることはコスト削減につながるように思えますが、実際にはその逆です。セキュリティの問題が発生すれば、データ漏えいやシステム停止による損害が発生し、結果的に大きなコストがかかる可能性があります。

    サポート終了ソフトウェアへの対応策

    1. 速やかなアップグレード
      最も安全な対策は、最新のソフトウェアへアップグレードすることです。例えば、Windows 10のサポート終了が迫っているため、企業や個人はWindows 11への移行を検討することが推奨されます。
    2. 仮想環境での隔離
      どうしてもサポートが終了したソフトウェアを使い続ける必要がある場合は、**仮想マシン(VM)**を利用し、ネットワークから切り離して運用する方法もあります。これにより、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。
    3. セキュリティ対策の強化
      古いソフトウェアを使用する場合、ファイアウォールの強化や最新のエンドポイントセキュリティを導入することで、攻撃のリスクを軽減できます。また、多要素認証(MFA)を導入することで、不正アクセスのリスクを低減できます。
    4. 定期的な脆弱性診断
      企業では、定期的な脆弱性診断を実施し、セキュリティの問題を早期に発見することが不可欠です。セキュリティ専門家による診断を受けることで、サイバー攻撃のリスクを軽減できます。
    5. クラウドサービスへの移行
      古いソフトウェアの代替として、クラウドベースのサービスを活用する方法もあります。例えば、Microsoft 365やGoogle Workspaceといったクラウドサービスに移行することで、常に最新のセキュリティアップデートを受けられます。

    サポート終了後に脆弱性が公表された事例と考察

    【事例1】

    サポート終了となったCisco社のVPNルータ「RV016、RV042、RV042G、RV082、RV320、RV325」は、緊急の脆弱性(CVE-2023-20025等)により任意のコマンド実行される脆弱性を公表したが更新ファームウェアを提供しないことを表明した。

    【事例2】

    GeoVision社のいくつかの機器はサポート終了となっており、緊急の脆弱性(CVE-2024-11120)により認証不要のOSコマンドインジェクションがあり、攻撃者による悪用も確認されているが修正パッチ等はない。

    上記のように、EOL後に危険な脆弱性が発見された場合でも、公式の対応はなく危険な状態が続きます。また、代替製品への移行など、アップデートだけでは解決しない修正を行う際、迅速に対応できないケースが起こりうることにも注意が必要です。

    まとめ

    サポートが終了したソフトウェアを使い続けることは、重大なセキュリティリスクを伴うだけでなく、企業の信頼性や業務効率にも影響を及ぼします。特に、サイバー攻撃の標的になりやすく、ランサムウェア被害やデータ漏えいのリスクが高まります。安全なIT環境を維持するためには、定期的なアップグレードや適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。サポート終了前に適切な対応を行い、安心して業務を継続できる環境を整えましょう。


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  • 2025年2月26日(水)13:00~14:00
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    【徹底解説】
    日本航空のDDoS攻撃被害の実態と復旧プロセス

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    概要

    2024年12月26日、日本航空(JAL)はDDoS攻撃を受け、国内外のフライトで大規模な遅延が発生。国内線60便、国際線24便で30分以上の遅延が生じ、最大4時間2分の遅延が報告されました。攻撃はネットワーク機器への大量データ送信による過負荷が原因で、飛行計画や貨物重量計算システムが通信不能となりました。

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    DDos攻撃について、SQAT.jpでは以下の記事でも解説しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。
    記録破りのDDoS攻撃!サイバー脅威の拡大と企業が取るべき対策とは?
    Dos攻撃とは?DDos攻撃との違い、すぐにできる3つの基本的な対策

    DDoS攻撃とは?

    DDoS攻撃とは、攻撃者が複数のコンピューターを利用し、標的のシステムに大量のデータを送りつけることでサービスを妨害する手法です。特に航空業界では、この攻撃が深刻な影響を及ぼすことがあります。日本航空(JAL)に対する攻撃もその一例であり、システムに過負荷をかけ、正常な運用を妨げました。

    攻撃の詳細

    このDDoS攻撃は、2024年12月26日午前7時24分に発生しました。この時間帯は多くのフライトが運航するピーク時であり、影響は甚大でした。日本航空(JAL)は、攻撃発生時に多くの乗客が移動中であったため、システムの混乱がさらに深刻化したと報告しています。DDoS攻撃の結果、JALの一部システムが一時的に停止し、フライトの遅延が発生しました。具体的には、国内線24便が30分以上遅延し、多くの乗客に影響を与えました。

    システム復旧の過程

    日本航空(JAL)は、発生したDDoS攻撃により、システムの不具合や航空券販売の停止、フライトの遅延などの影響を受けました。年末の繁忙期に多くの乗客が影響を受ける中、専門のサイバーセキュリティチームが迅速に対応し、ネットワークの一時遮断と復旧作業を実施。数時間でシステムは正常化し、フライトの安全性にも影響はありませんでした。復旧後、JALはセキュリティ対策を強化し、最新の防御技術を導入するとともに、従業員のサイバーセキュリティ教育を推進。今後の攻撃リスクを軽減し、乗客の安全確保を目指しています。

    DDoS攻撃に対する今後の予防策

    1. 多要素認証の導入
      システムへのアクセス制限を強化し、不正アクセスを防止する
    2. 定期的なネットワークのストレステスト
      脆弱性を早期に発見し、攻撃時の影響を最小限に抑える
    3. サイバーセキュリティ意識の向上
      スタッフへの定期的なトレーニングや演習を実施し、攻撃の兆候を早期に察知できる体制を整備する
    4. インシデント対応計画の見直しと更新
      攻撃発生時の役割分担や連絡体制を明確化し、シミュレーションを通じて計画の実効性を確認する
    5. 過去の攻撃事例の分析と対策の最適化
      これまでの攻撃事例を検証し、より効果的な防御策を導入することで業務の継続性を確保する

    これらの対策を実施することで、DDoS攻撃のリスクを軽減し、システムの安全性を高めることができます。

    まとめ

    今回の事件は、日本のサイバーセキュリティの脆弱性を浮き彫りにし、航空業界全体における防御強化の必要性を示しました。今後、日本は国際的な協力を強化し、より強固なサイバーセキュリティ対策を講じることが求められます。今回の事件を教訓に、防御策の強化が急がれています。


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    国内大手フードデリバリーサービスを襲った暗号通貨マイニングマルウェア事件の全容~デジタル忍者の襲来:国内企業を震撼 (しんかん)させた史上最悪のサイバー攻撃~

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    突如訪れた暗黒の10月25日

    2024年秋、日本最大級のフードデリバリーサービスに前代未聞の危機が訪れた。全国の飲食店と消費者をつなぐ巨大プラットフォームが、見えない敵に攻撃されたのである。

    静かなる侵略者「RedTail」の恐怖

    その敵の名は「RedTail(レッドテイル)」。デジタル世界の暗殺者とも呼ぶべき最新のマルウェアである。RedTailはあたかも影の忍者のごとく、世界的に使用されているセキュリティシステム、Palo Alto Networks社の「PAN-OS」のわずかな隙をついて侵入を果たした。このデジタル忍者は、驚くべき潜伏能力を持っていた。システムの深部に潜み込み、暗号通貨をひそかに採掘しながら、その存在を巧妙に 隠蔽 (いんぺい) し続けたのである。まさに現代のサイバー戦争を象徴する出来事であった。

    72時間の闘い:システムを守る最後の砦

    事態が発覚した10月25日、技術者たちは直ちに非常事態体制に入った。しかし、敵はすでに複数のサーバーに潜伏しており、一つを制圧すれば別の場所で姿を現すという、まさに「もぐらたたき」のような戦いを強いられた。同月26日午後2時30分、ついに全システムの停止という苦渋の決断が下された。技術者たちは不眠不休でマルウェアの駆除と安全性の確認に従事し、72時間に及ぶ死闘の末、ようやくシステムを取り戻すことに成功したのである。

    未曾有 (みぞう) の混乱がもたらした教訓

    この事件による影響は甚大であった。数十万件に及ぶ注文のキャンセル、数千店舗の営業停止、そして配達員たちの収入機会の喪失。しかし、不幸中の幸いというべきか、個人情報の流出だけは免れた。

    新時代のデジタルセキュリティへの挑戦

    この事件を機に、企業は包括的なセキュリティ改革に着手した。システムの監視体制を強化し、従業員への教育を徹底。さらに、定期的な脆弱性診断とインシデント対応プロセスの刷新を行うことで、より強固なセキュリティ体制の構築を目指している。

    警鐘:すべてのデジタルサービスへの警告

    本事件は、現代のデジタル社会における脅威の深刻さを如実に示している。サイバーセキュリティはもはや企業の「選択肢」ではなく「生命線」である。そして、デジタル時代を生きるすべての企業への警鐘として長く記憶されることとなるだろう。


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    APIとは何か(1)~基本概念とセキュリティの重要性~

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    APIは、システム間のデータや機能のやり取りを円滑にするために欠かせない技術です。しかし、その利便性の反面、APIのセキュリティリスクも増大しています。本シリーズでは数回にわけて、APIの本質的な役割から、セキュリティリスクとその対策までを解説していきます。シリーズ第1回目の今回は、APIの基本的な定義から、その仕組みや連携方法、そしてセキュリティ上の課題について学びます。

    APIとは

    API(Application Programming Interface:アプリケーション・プログラミング・インターフェース)とは、ソフトウェアの機能を他のプログラムでも利用できるようにするための仕組みです。APIは、アプリケーションやサービスが外部のプログラムと情報や機能を共有する際の「インターフェース」として働き、異なるプログラム同士の連携を可能にします。例えば、地図情報を提供するアプリがAPIを利用して他のアプリに地図データを提供することで、ユーザは別のアプリ内でもその機能を活用できるようになります。

    APIの仕組み -API連携とは-

    ソフトウェアやアプリ、プログラム同士を、APIを介して機能連携させるのが「API連携」です。あるソフトウェアに他のソフトウェアの機能を埋め込むイメージです。API連携によってソフトウェア同士が相互にデータと機能を共有できるようになります。

    【APIの活用例】

    社内業務システム : チャットAPIを活用してコミュニケーション
    会員サービスサイト : SNSアカウント認証APIでログイン
    ネットショップ : クレジットカード・認証APIで決済
    飲食店サイト : 地図情報APIで店舗位置情報表示 × 予約受付APIで予約対応

    APIのセキュリティ

    APIは異なるソフトウェア間の通信を可能にしますが、同時に攻撃者にとっての格好の標的にもなり得ます。そのため、APIを利用する企業やアプリケーション開発者にとってAPIのセキュリティ対策は重要な課題です。セキュリティリスクは他のプログラムやサービスと機能やデータを共有しているAPI特有の仕組みから生じます。APIが不適切に設計・管理されていると、未認証のアクセス、データ漏洩、機密情報の不正取得といったリスクが高まります。以下は、APIセキュリティに関する主なリスクの例です。

    • データ漏洩: APIを通じて個人情報や機密情報が漏洩するリスク
    • 不十分な認証:認証要素が不十分なことによる不正アクセスのリスク
    • サイバー攻撃:標的型攻撃、インジェクション攻撃やDoS攻撃などのサイバー攻撃を受けてしまうリスク
    • APIキーの窃取: APIキーが盗まれることによる不正利用のリスク

    APIのセキュリティはなぜ重要なのか

    スマートフォンやIoT端末の普及に伴い、様々なAPIが利用されるようになりました。SNS事業者が提供するAPIサービスやスマートフォン向けのAPIサービスがあるほか、複数のSaaSのAPIを連携させるサービスも登場しており、私たちを取り巻くあらゆるサービスで幅広く提供されています。このため、APIをターゲットにした攻撃も増加しています。
    (※APIを悪用した攻撃についてはシリーズ第2回目で解説します。)

    APIセキュリティが重要視される理由は、現代社会においてAPIがデータや機能の共有に不可欠な役割を果たしているためです。APIを通じてやり取りされるデータや機能は、悪意のある攻撃者に狙われる可能性があり、適切なセキュリティ対策がなければ、情報漏洩やシステム侵入のリスクが増大します。特に、認証や認可の不備、暗号化の欠如が原因で、機密データが外部に漏れるケースが多く見られます。また、APIは外部に公開されることが多いため、DDoS攻撃やボットによる過負荷のリスクも存在します。したがって、APIの設計段階からセキュリティを考慮し、定期的な監視や脅威の検知を行うことが、システム全体の安全性を保つために不可欠です。

    また、企業やアプリケーション開発者にとっては、信頼性と顧客データ保護に直結する重要な要素でもあります。適切なセキュリティ対策を講じることで、データの改ざんや不正アクセスを防ぎ、システムの安全性を確保することができます。

    まとめ

    (Application Programming Interface:アプリケーション・プログラミング・インターフェース)とは、ソフトウェア間で機能や情報を共有するための仕組みであり、異なるプログラム同士を連携させます。APIは、地図情報の提供やSNSアカウントの認証など、さまざまな用途で活用されており、現代のデジタルサービスには欠かせない存在です。しかし、APIはその便利さの反面、攻撃の標的にもなりやすく、セキュリティの観点から注意が必要です。APIの不適切な設計や管理は、データ漏洩、不正アクセス、サイバー攻撃のリスクを高めます。特に、認証や認可の欠如、適切に暗号化がされていないことなどにより機密情報が漏れる恐れがあります。また、外部に公開されるAPIはDDoS攻撃やボットのターゲットになることもあります。そのため、企業のセキュリティ担当者やアプリケーション開発者はAPIのセキュリティ対策を講じ、定期的な監視や脅威の検知を行うことが不可欠です。これにより、信頼性を維持し、顧客データの保護が可能となります。

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