【初心者向け】ペネトレーションテスト(侵入テスト)とは?目的・方法・費用ガイド

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ペネトレーションテスト(侵入テスト)とは、実際の攻撃者と同じ手法を用いてシステムやネットワークに侵入を試みることで、セキュリティ上の弱点を明らかにする検証手法です。脆弱性診断との違いや、実施の流れを理解することで、自社に最適なセキュリティ対策を選択できるようになります。本記事では、ペネトレーションテストの目的や手順、費用感、活用のメリットまでわかりやすく解説します。

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ペネトレーションテストとは

ペネトレーションテストとは、主に企業ネットワークや、Webアプリケーションなどに不正に侵入することができるかどうかをテストすることです。英語の「 penetration 」には「貫通」、「 penetrate 」には「貫く」「見抜く」などの意味があります。「ペンテスト」と略されたり、「侵入テスト」と呼ばれることもあります。

サイバー攻撃者はまず不正侵入し、その後、情報を盗んだり、バックドアを仕掛けたり、あるいは破壊工作などを行います。それらすべての端緒となる不正侵入を許すかどうかを調べるのが、ペネトレーションテストの役割です。

ペネトレーションテストは、システムやネットワークに対する不正侵入や攻撃が可能かどうかを確認するためのテスト手法です。このテストは、単に脆弱性を見つけるだけではなく、それらが実際に悪用される可能性があるかどうかを判断することに重点を置いています。これにより、システムのセキュリティ状態の把握や実装されているセキュリティ対策の有効性を検証することができます。

ペネトレーションテストが必要な業界と業種

ペネトレーションテストは、特にセキュリティが重要視される業界や業種で必要とされます。
金融、医療、政府機関、ITサービスなど、機密情報を扱うすべての業界で、ペネトレーションテストの実施は必要不可欠です。これらの業界では、データ漏洩やシステム障害が重大な結果を招く可能性があるため、定期的なテストが推奨されます。

ペネトレーションテストが必要な3つの業種

脆弱性診断の結果見つかった脆弱性を悪用して、攻撃が本当に成功するのかを検証するために、ペネトレーションテストが実施されることがあります。あくまで一般論ですが、ペネトレーションテストが必要な業種や事業として、以下の3つが挙げられます。

1.生命・生活に直接影響を与える事業やサービス
第一に、生命や生活に影響を及ぼす業種が挙げられます。具体的には、水道・電気・ガス・道路・交通等の社会インフラや、病院、ビル管理、工場のシステムなどです。

2.資産に影響を与える個人情報を扱うサービス
個人情報を保有する事業やサービスにも、ペネトレーションテストが必要な場合が多いでしょう。とりわけ銀行や証券会社、クレジットカード、仮想通貨取引所などの金融、大規模なWebサービスやECサイト、住民データを扱う自治体や官公庁などが挙げられます。

3.事業継続に影響を与える機密情報を扱うシステム
重要な営業機密や知的財産を保有する企業もペネトレーションテストの実施が望ましいといえるでしょう。

特に、クローズモデルの知財戦略に基づいて特許を取得しない方針の企業が、サイバー攻撃によって機密情報を盗まれ、他の企業に国内外で特許申請・取得された場合、事業継続に関わる重大な影響が懸念されます。

また、データ自体に価値はあるが、特許法や不正競争防止法では保護対象とならないようなデータについては、セキュリティ対策によって保護を図る必要があります。

ペネトレーションテストと脆弱性診断との違い

ペネトレーションテストは、脆弱性診断とは異なるアプローチを取ります。

脆弱性診断はシステムの脆弱性を特定することに焦点を当てていますが、ペネトレーションテストはその脆弱性を利用して実際に攻撃を試み、システムのセキュリティを実際に検証します。この違いは、単にリスクを特定するのではなく、そのリスクが実際にどのように悪用され得るかを理解することにあります。

以下に「対象」「目的」「範囲」、必要な「期間」の4つの観点から、ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いを示します。

ペネトレーションテスト脆弱性診断
対象脆弱性診断同様、ネットワークやWebアプリケーションを対象にしますが、ときに警備員をあざむいて建物に侵入できるかどうか等の物理的侵入テストが行われることもあります。ネットワークやWebアプリケーションが対象となります。
目的脆弱性診断は脆弱性を発見して報告することが主な業務ですが、ペネトレーションテストは脆弱性をもとに不正アクセスし、ネットワーク等に侵入することが目的となります。 脆弱性を検知・検出すること。
範囲広い範囲の網羅性を重視する脆弱性診断と異なり、ペネトレーションテストは侵入することが目的であるため、脆弱性診断とは反対に、狭く深く、ときに針の穴のような侵入できる一点を探します。 広く網羅的に脆弱性の有無を探します。
期間ペネトレーションテストは、とにかく侵入が成功するまでトライし続ける作業であるため、脆弱性診断よりも長い期間を要する場合が少なくありません。ただし、一般論として、優秀なペネトレーションテストサービスであればあるほど、短い期間で侵入が成功します。 探すものが事前に決まっているためペネトレーションテストよりも通常は短い期間で完了します。

ペネトレーションテスト実施のステップ

ペネトレーションテストサービスは提供する企業によってそれぞれ個性がありますが、大きく分けると下記の手順で実施されます。

Step1.ヒアリング

目的に応じ、たとえば「顧客データベース」など、ペネトレーションテストを行う対象を決定します。そして「顧客データベース」が外部から攻撃されるのか、あるいは内部犯行なのか、想定する攻撃シナリオを作成し、最後に、ペネトレーションテストを行う期間を決定します。

Step2.実施

対象によってさまざまな実施方法があります。公開されているWebアプリケーションであればリモートから実施することができます。内部犯行の危険性をテストする場合ならオフィス内から実施することもあるでしょう。

Step3.完了

「侵入に成功したとき」あるいは反対に、「侵入に成功できないまま期間が終了したとき」のいずれかをもってペネトレーションテストは完了します。どちらの結果にも意味があります。侵入に成功した場合は、その報告を受けて防御力を高める必要性を認識することになり、侵入に失敗した場合は、一定の防御力を保持できている目安となります。

Step4.報告

ペネトレーションテスト事業者からの報告書提出や報告会が行われます。具体的にどういうプロセスで、どういう技術を用いて侵入し、重要なデータがどこまで閲覧可能だったのか、どんなことができてしまう危険性があったのか、など管理者の気にかかることが詳細に報告されます。

ペネトレーションテストのメリットとデメリット

メリット

  • 攻撃者視点でリスクを把握できる
  • 発見された問題を経営層や現場に説得力をもって説明できる
  • 実際の被害想定を踏まえた改善が可能

デメリット

  • 費用や工数が脆弱性診断よりも高い傾向にある
  • 診断範囲が限られることがある
  • 実施時の負荷に配慮が必要

ペネトレーションテストの費用相場

ペネトレーションテストの費用は、対象システムの規模や診断範囲によって異なります。一般的にはあくまで一般的な相場として「脆弱性診断の1.5倍から2倍」程度、数百万円程度が目安ですが、小規模のWebアプリケーションなら数十万円から実施可能な場合もあります。

ペネトレーションテストの重要性

主に以下のような理由により、企業・組織において、ペネトレーションテストを実施することは重要です。

  • 実際の攻撃シナリオの検証
  • セキュリティ対策の有効性評価
  • コンプライアンス要件の遵守
  • ビジネスリスクの低減

脆弱性診断とは異なり、ペネトレーションテストは単に脆弱性を発見するだけでなく、それらが実際に悪用される可能性があるかどうかを重視します。これにより、システムのセキュリティ状態を詳細に把握し、実装されているセキュリティ対策の有効性を検証することができます。

特に金融、医療、政府機関、ITサービス業界など、高度なセキュリティが要求される分野では、セキュリティ対策の一環としてペネトレーションテストが法令やガイドラインで義務付けられている場合があります。

ペネトレーションテストを実施する会社の適切な選び方

ペネトレーションテストを実施する際には、専門知識と経験を持つ信頼できる会社を選ぶことが重要です。セキュリティテストの専門家であること、業界の最新の脅威に精通していること、そして過去の成功事例を持つことが、良いサービスプロバイダーの特徴です。また、テストの範囲、方法、報告の詳細さなど、サービスの質にも注意を払う必要があります。

ペネトレーションテストは経験とセンスが求められる仕事であるため、優良事業者選びはとても重要です。前述したとおり「優秀なペネトレーションテストサービスであればあるほど、短い期間でテストが終了(=侵入に成功)」します。ペネトレーションテストの見積額はエンジニアの拘束時間とも相関しますので、予算にもかかわってきます。大きく以下の3つのポイントを、いいペネトレーションテスト会社選びの参考にしてください。

1.丁寧なヒアリングにもとづいてシナリオを考えてくれるか

システム構成や業務手順、ときには組織構成など、実際のサイバー攻撃を行う際に参照するとされる、さまざまな情報をもとにして、実施するサービスの適用範囲、留意事項、制限などを聞き、顧客の目的や要望、要件に沿ったペネトレーションテストの攻撃シナリオを考えてくれる会社を選びましょう。

2.技術者の経験と勘、クリエイティビティ

ペネトレーションテストはときに針の穴を通すような隙間を見つけ出して侵入を成功させる業務です。技術者のこれまでの経験、保有資格などを確かめ、技術者の層が厚い会社を選びましょう。

3.診断実績

過去のペネトレーションテストの実施社数や件数、リピート社数なども、いいペネトレーションテスト会社選びの参考になります。

ペネトレーションテストのツール

ここまで述べてきたとおりペネトレーションテストとは、丁寧なヒアリングのもとで作成した攻撃シナリオに基づいて、経験豊かな技術者が実施するクリエイティブな手作業です。ペネトレーションテストをすべて自動で行うツールは存在しません。

ただし、ペネトレーションテストを行う技術者が、いわば「工具」「道具箱」のように用いるツールは数多くあります。代表的なものとして、オープンソースプロジェクトである Metasploit が提供する、さまざまなツール群が挙げられます。

セキュリティ企業に依頼せずに、自分でMetasploit が提供するツールを用いて、公開されている脆弱性などを用いて攻撃を実行することは可能です。しかし、その結果を読み解いたり、優先順位をつけたりするノウハウには経験と知見が必要とされます。

また、自宅に置いたサーバに研究目的でツールを走らせるような場合でも、不用意にこうしたツールを使用したり、不適切な方法で攻撃用のエクスプロイトを取得・保管したりすると「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」「不正指令電磁的記録に関する罪(刑法刑法168条の2及び168条の3)」等にも触れる犯罪となる危険性もあることを忘れてはいけません。

まとめ

・ペネトレーションテストとは、システム・ネットワークへの不正侵入や攻撃が成立するか確
 認するテスト手法の一つ
・特にセキュリティが重要視される業界や業種、金融、医療、政府機関、ITサービス業界など

 で、ペネトレーションテストの実施が必要不可欠
・脆弱性の有無を判定する脆弱性診断と異なり、ペネトレーションテストでは脆弱性自体を見

 つけることよりも不正侵入や攻撃が成立するかどうかの判断を優先する
・事前ヒアリングが丁寧で、優秀な技術者が在籍する、診断実績の多い会社を探す

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2025年1Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析

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はじめに

米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)から公開されている「KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)」は、実際に攻撃に悪用された脆弱性の権威あるリストとして、組織のセキュリティ対策の優先順位付けに不可欠なツールとなっています。本レポートでは、KEVカタログに掲載された全データのうち2025年1月1日~3月31日に登録・公開された脆弱性の統計データと分析結果を紹介し、2025年4月以降に注意すべきポイントや、組織における実践的な脆弱性管理策について考察します。

KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)とは何か

KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)とは、米国政府機関CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)が公開する、既に悪用が確認された脆弱性(CVE)を一元管理する公式リストです。企業や組織のセキュリティ担当者は、実際に攻撃者に狙われた脆弱性情報を優先的に把握できるため、限られたリソースでも迅速かつ効率的にパッチ適用や検知ルール整備といった対策を講じることが可能になります。カタログに登録される条件は、エクスプロイトコードやマルウェアによる実害が報告されたものに限られ、一般的な脆弱性情報よりも高い優先度で対応を進められる点が大きな特徴です。四半期ごとに更新される最新のデータを活用することで、組織はリアルタイムに変化する脅威状況に即応し、リスク低減を図ることができます。

概要 (2025年1月~3月に登録・公開されたKEVカタログ掲載CVE)

2025年第一四半期(1月1日~3月31日)にCISAの既知悪用脆弱性カタログ(Known Exploited Vulnerabilities, KEV)に新規追加されたCVEエントリは73件に上りました*32

CVE-2024-20439CVE-2025-2783CVE-2019-9875CVE-2019-9874
CVE-2025-30154CVE-2017-12637CVE-2024-48248CVE-2025-1316
CVE-2025-30066CVE-2025-24472CVE-2025-21590CVE-2025-24201
CVE-2025-24993CVE-2025-24991CVE-2025-24985CVE-2025-24984
CVE-2025-24983CVE-2025-26633CVE-2024-13161CVE-2024-13160
CVE-2024-13159CVE-2024-57968CVE-2025-25181CVE-2025-22226
CVE-2025-22225CVE-2025-22224CVE-2024-50302CVE-2024-4885
CVE-2018-8639CVE-2022-43769CVE-2022-43939CVE-2023-20118
CVE-2023-34192CVE-2024-49035CVE-2024-20953CVE-2017-3066
CVE-2025-24989CVE-2025-0111CVE-2025-23209CVE-2025-0108
CVE-2024-53704CVE-2024-57727CVE-2025-24200CVE-2024-41710
CVE-2024-40891CVE-2024-40890CVE-2025-21418CVE-2025-21391
CVE-2025-0994CVE-2020-15069CVE-2020-29574CVE-2024-21413
CVE-2022-23748CVE-2025-0411CVE-2024-53104CVE-2018-19410
CVE-2018-9276CVE-2024-29059CVE-2024-45195CVE-2025-24085
CVE-2025-23006CVE-2020-11023CVE-2024-50603CVE-2025-21335
CVE-2025-21334CVE-2025-21333CVE-2024-55591CVE-2023-48365
CVE-2024-12686CVE-2025-0282CVE-2020-2883CVE-2024-55550
CVE-2024-41713

この期間中に追加された脆弱性には、政府機関や企業に広く使われるソフトウェアやデバイスの深刻な欠陥が多数含まれています。CISAは「これらの脆弱性は悪意あるサイバー攻撃者による頻出の攻撃経路であり、連邦政府エンタープライズに重大なリスクをもたらす」と警鐘を鳴らしており*33、各組織に対し迅速な修正を促しています。KEVカタログへの追加は、実際に攻撃で悪用された証拠に基づいて行われるため、当該期間中に登録された脆弱性は現在進行形で脅威となっているものばかりです。

2025年Q1の登録件数トレンド

Q1単体で73件というKEV追加件数は、昨年までのペースと比べても非常に多い数字です。実際、2023年および2024年通年の追加件数は各約180件程度で推移していました*34。単純計算で1四半期あたり45件前後のペースだったものが、2025年Q1は73件と約1.6倍に跳ね上がった形です。もしこのペースが年間を通じて維持されるとすれば、年間200件超はおろか300件近くに達する可能性もあり、前年までの安定推移を大きく上回る勢いです。

この増加傾向の背景としては、考えられる要因がいくつかあります。一つは攻撃側の活発化です。実際、別の調査では「2025年Q1に新たに公表された“悪用された脆弱性”は159件にのぼる」とする報告もあり*35、脅威アクターが引き続き多数の新旧脆弱性を素早く攻撃に利用している状況が伺えます。もう一つは検知と公表の強化です。CISAやセキュリティ各社が脆弱性悪用の検知能力を高め、迅速に公表・警告する体制が整ってきたことで、KEVへの追加報告が増えている可能性もあります。いずれにせよ、今年は昨年以上に「既知の悪用脆弱性」が頻出している兆候であり、組織としてはこのペースに備えた体制強化が求められます。

なお、KEVの新規追加は年間を通じて均一ではなく、特定の時期に集中する場合もあります。2025年は年始こそ緩やかな増加でしたが、2月後半から3月にかけて急増した週もありました(例: 3月前半の1週間で7件追加されたとの分析もあります)。このように脆弱性の悪用動向は季節や攻撃キャンペーンの状況によって変動するため、常に最新情報をウォッチする姿勢が重要です。

ベンダー別登録状況

2025年Q1に新規追加されたKEV脆弱性をベンダー別に見ると、Microsoft製品の脆弱性が最も多く含まれていました。これは毎年の傾向でもあり、Windowsをはじめとする同社製品が広範に使われ攻撃対象になりやすいことを反映しています*36。実際、1月にはMicrosoft WindowsのHyper-Vに関する未修正のカーネル脆弱性(Heap OverflowおよびUse-After-Free)が3件まとめて悪用確認されKEVに追加されました*37。また3月にはAppleのWebKitブラウザエンジンに起因するiPhone/iPad向けのゼロデイ脆弱性や、Juniper Networksのネットワーク機器OSの脆弱性が追加されており*38、Appleやネットワーク機器ベンダー(JuniperやCiscoなど)も上位に顔を出しています。

特に注目すべきはIvanti(旧Pulse Secure等を含む)とMitelの台頭です。Ivantiについては、VPNアプライアンス「Connect Secure」やエンドポイント管理製品「Endpoint Manager」など複数の製品で脆弱性が相次ぎ悪用されました。例えば1月にはIvanti Connect Secure(旧Pulse Connect Secure)の深刻なバッファオーバーフロー欠陥(CVE-2025-0282)が国家規模の攻撃で使われた可能性が浮上し、KEV入りしています*39。さらに3月にはIvanti Endpoint Manager(EPM)に存在するパストラバーサル脆弱性3件が追加されました*40。Ivantiは2024年通年でも11件とMicrosoftに次ぐ数の脆弱性がKEV入りしており*41、2025年も引き続き注意が必要なベンダーと言えます。

Mitel(通信機器メーカー)も昨年までKEV追加はごくわずかでしたが、2025年Q1には複数の脆弱性が一気に表面化しました。1月にはMitelの企業向けコラボレーション製品「MiCollab」の脆弱性が2件(認証不要のパストラバーサル[CVE-2024-41713]と管理者認証が必要なパストラバーサル[CVE-2024-55550])追加され*42、3月にはMitel製IP電話(SIP Phone)の管理インターフェースにおけるコマンドインジェクション脆弱性[CVE-2024-41710]も加わりました*43。Mitelのような中規模ベンダー製品でも攻撃対象になる事例が増えており、「自社には関係ない」と見落とさないよう注意が必要です。

その他、VMware(仮想化ソフト)やFortinet(ファイアウォール)、Oracle(ミドルウェア)といったベンダーの脆弱性も複数登場しました。例えばFortinetのファイアウォールOSにおける認証バイパス欠陥*44や、Oracle WebLogic Serverの過去の未修正RCE(2020年にパッチは提供済みだが未適用サーバーが狙われた)*45がKEV入りしています。このように、上位はMicrosoftやAppleといった大手ですが、それ以外にも多彩なベンダーに攻撃が及んでいる点がQ1の特徴です。自組織で利用しているソフトウェアのベンダーがリストに含まれていれば要警戒ですし、たとえ主要ベンダー以外でも油断できません。

自動化可能性 (Automatable) の分析

興味深いことに、2025年Q1のKEV脆弱性の多くは「Automatable(攻撃自動化の容易性)= No」と評価されていました。これは「この脆弱性の悪用には何らかの手動操作や特別な条件が必要で、スクリプトによる大規模自動攻撃には向かない」という意味です*46。実際、Q1に追加された事例を見ると、攻撃者が悪用するにはユーザーの操作や物理アクセス、事前に認証情報を得ていること等が必要なケースが多く含まれていました。
例えばAppleのiOS/iPadOSにおけるゼロデイ脆弱性(CVE-2025-24200)は「USB制限モード」を無効化するもので、攻撃にはターゲット端末への物理的なアクセスが必要でした*47。またMitelのIP電話機器の脆弱性(CVE-2024-41710)は管理者権限でログインできる攻撃者でなければ悪用できない設計でした*48。これらはインターネット越しに無差別スキャンで即座に攻撃できるタイプの脆弱性ではなく、限定的な条件下でのみ成立するものです。したがって攻撃の自動化は難しく、「Automatable = No」と判断されたのでしょう。

この点は2024年の傾向と対照的です。昨年追加されたKEV脆弱性の多くは遠隔からスクリプトで容易に悪用可能なもので、「Automatable = Yes」が圧倒的多数を占めていました。たとえば2024年には認証不要のリモートコード実行や初期アクセスに使える脆弱性(OSコマンドインジェクション等)が多く含まれており、攻撃者はこれらをインターネット全体にスキャンをかけて自動的に侵入試行することができました*49。一方2025年Q1は、攻撃がより標的型(ターゲットを絞った手動攻撃)の様相を帯びているとも言えます。ただし注意すべきは、「Automatableでない」=安全という意味では決してないことです。たとえば前述のMitel MiCollabのケースでは、認証不要で自動悪用可能な脆弱性(CVSS 9.1)*50と認証必須で一見自動化が難しい脆弱性(CVSS 2.7)*51が組み合わさって使われました。後者単体では被害が限定的でも、前者で侵入した攻撃者が続けて後者を利用すれば権限あるユーザーになりすまし追加攻撃が可能になる、といった具合です*52。このように自動化が難しい脆弱性も、手動操作や他の欠陥との組み合わせで十分悪用され得るため、放置は禁物です。

Technical Impact(技術的影響範囲)の傾向

Technical Impactは「その脆弱性が与えるシステムへの影響範囲」の大きさを指し、CISAの基準では完全なシステム乗っ取りに至るものを“Total”(全面的影響)、情報漏えいや一部機能停止に留まるものを“Partial”(部分的影響)と分類しています*53。2025年Q1に追加された脆弱性のTechnical Impactをみると、“Total”が大半を占めていました。これは2024年通年の傾向とも一致しており、攻撃者が狙う脆弱性は基本的に「悪用すればシステムを完全制御できる」類のものが多いことを意味します。実際、Q1のKEVにはリモートコード実行(RCE)や認証回避による管理者権限奪取、任意コード実行といった致命的な影響をもたらす脆弱性が多数含まれました。例えばMicrosoft Hyper-Vのカーネル脆弱性は悪用によりホストOSを乗っ取れる(=Total)ものですし、FortinetやCiscoの認証バイパス欠陥も攻撃者にシステム完全制御を許します。

一方で一部には“Partial”に分類される例も存在します。典型は情報漏えい型やサービス妨害型の脆弱性です。Q1では、例えばIvanti EPMのパストラバーサル脆弱性3件がSensitive情報の読み取りに利用できる(設定ファイル等の漏えい)ものでした*54。これらは直接コード実行はできないため影響範囲は限定的ですが、漏えいした情報(例えばパスワードハッシュ等)を足掛かりに別の攻撃を仕掛けられる可能性があります。また前述のMitelの例のように、一見Partialな脆弱性も他のTotalな脆弱性と組み合わせて利用され、結果的に全面的な被害に繋がるケースもあります*55。総じて、2025年Q1も“Total”な影響を与える脆弱性が主流ではありますが、Partialであっても油断はできません。影響範囲が限定的でもKEVに載るということは「現実に悪用された」ことを意味し、攻撃者にとって十分利用価値があるからです。

CVSSスコア分布

脆弱性の深刻度を表す指標として知られるCVSSスコア(基本値)について、2025年Q1のKEV追加分の分布を見てみましょう。CVSSでは一般にスコア7.0以上を“High”(高)、9.0以上を“Critical”(深刻)と分類します。Q1の73件を大まかに俯瞰すると、High帯(7.0–8.9)の脆弱性が相当数を占め、Critical帯(9.0以上)も一定数存在するといったバランスでした。つまり「深刻度がとても高いものばかり」ではなく、「高めだがCritical未満」の脆弱性も多数悪用されている状況です。

実例を挙げると、Mitel MiCollabの2件の脆弱性はCVSSスコアが9.1(Critical)と2.7(Low相当)という極端な差がありながら、双方とも実際に攻撃に利用されています*56。Lowの方は「スコア2.7だから安全」では決してなく、前述のように他の脆弱性と組み合わされて攻撃チェーンの一部として悪用されました。加えて、2024年のKEV全体でも、CVSSスコアと実被害リスクが必ずしも比例しないことが指摘されています。たとえば2024年にKEV入りしたVersa社の脆弱性はCVSS7.2(High)の中程度スコアでしたが、実際にはISPやMSPに対する深刻なサプライチェーン攻撃に使われ得るものでした*57。このようにCVSSがCriticalでなくとも攻撃者にとって価値があれば悪用されること、逆にCriticalスコアでも条件付きでしか攻撃できないものもあることに留意が必要です。

2024年通年と比べると、2025年Q1はCriticalの占める割合がやや低めだった可能性があります。2024年はLog4Shell(CVSS10.0)やProxyShell/ProxyLogon(9点台後半)など極めて高スコアの脆弱性が脚光を浴びましたが、2025年Q1はそれらに匹敵するような10.0満点のものは新規には見られませんでした(既存ではあるものの、新規追加分としてはなかった)。むしろCVSS7~8台の“High”クラスの脆弱性が広く悪用されていた印象です。これは、「攻撃者はCritical評価の脆弱性だけを狙うわけではない」ことの表れとも言えます。日々の運用ではどうしてもCVSSに目が行きがちですが、たとえCritical未満でもKEVに掲載された時点で放置すれば深刻なリスクとなるため、優先的に対策を講じるべきです。

ランサムウェア悪用・APT攻撃の動き

脆弱性が悪用される脅威として大きく分けると、金銭目的のランサムウェア攻撃と、スパイ活動やサイバー破壊を狙うAPT(国家・高度な持続的脅威)攻撃があります。2025年Q1のKEV脆弱性を見る限り、ランサムウェアによる悪用が判明している事例はごく少数でした。一方で、多くの脆弱性は国家主体のスパイ活動や高度な標的型攻撃(APT)での悪用、もしくはそれが強く疑われるケースが目立ちます。

重要なのは、だからといってランサムウェア対策を後回しにしてよい訳ではないことです。脆弱性そのものにランサム攻撃の使用実績がなかったとしても、悪用方法が広まればサイバー犯罪集団が追随する可能性は十分にあります。またAPT攻撃経路として使われた脆弱性から情報を窃取され、その情報が二次被害として金銭目的に悪用されるリスクもあります。結局のところ、KEVに載るような脆弱性は攻撃者にとって価値が高いからこそ使われているのであり、それがAPT系かランサム系かを問わず、迅速な対応が必要である点に違いはありません。

今後の展望と留意点

(1). Q2以降で注視すべきCWE動向
2025年Q1の時点で目立った脆弱性の種別(CWE)としては、OSコマンドインジェクション(CWE-78)やパストラバーサル(CWE-22)、不適切な認証(CWE-287)といったカテゴリが挙げられます*58。これらは2024年にも頻出した攻撃手法であり、引き続き「攻撃者が好む弱点」と言えるでしょう。特にコマンドインジェクションは遠隔から任意コード実行が可能になるため依然として人気が高く、Q2以降も各種ソフトウェアで類似の脆弱性が報告されれば迅速に悪用されるリスクがあります。同様に、パストラバーサルや認証回避の欠陥もVPN機器やWebアプリ等で報告が続くようなら注意が必要です。また、メモリ破壊系の脆弱性(Use-After-Freeやバッファオーバーフロー等)も依然無視できません。Q1にはMicrosoft Hyper-VやApple WebKitのゼロデイなどでメモリエラーに起因する脆弱性が悪用されました。これらは高度な攻撃者(APT等)がまず利用し、やがて犯罪集団にも手法が広まる傾向があるため、特にOSやブラウザ、主要ソフトのメモリ安全性に関する脆弱性情報には今後もアンテナを張っておくべきです。

(2). 年間登録件数のペース
すでに述べた通り、Q1の時点で昨年までの年間半分近い73件がKEV追加されています。このペースが維持・加速すれば年間200件を大幅に超える見込みで、仮に上振れすれば300件近くに達する可能性も否定できません*59。もっとも、Q2以降に減速する可能性もありますが、現状では少なくとも前年以上のハイペースであることは確かです。したがって組織としては「今年は昨年までよりも多くの緊急脆弱性が飛び出すかもしれない」という前提で計画を立てることが重要です。具体的には、増加する脆弱性通報に対応できるよう社内体制やプロセスの見直しを検討しましょう(後述の対策参照)。

(3). 自組織での脆弱性管理に向けたポイント
最後に、増え続けるKEVへの実践的な備えについて整理します。まず基本は、KEVカタログを自社の優先パッチ適用リストに組み込むことです。KEV掲載項目は、その脆弱性が未修正のままだと「深刻なリスクにさらされている」状態と言えます*60。自社で使っているシステムについてKEV該当の脆弱性がないか定期的にチェックし、該当があれば最優先でアップデートや緩和策適用を行う体制を整えましょう。可能であれば脆弱性管理ツールやスクリプトを用いて、KEVリストとの突合による影響調査を自動化すると効率的です。また、パッチ適用がすぐにできない事情がある場合でも、ベンダー提供の緩和策(設定変更や一時的無効化措置など)を講じる、該当システムへのアクセス経路を制限する(ネットワーク分離やWAF導入)など、被害を防ぐ工夫を行いましょう。

加えて、脆弱性悪用の「検知」と「インシデント対応」も強化が必要です。既知悪用脆弱性は攻撃者が実際に使っているため、侵入の痕跡(IoC)がセキュリティベンダー等から提供されている場合があります。シグネチャベースの侵入検知システム(IDS)やエンドポイント検知(EDR)のルールを最新化し、該当する脆弱性攻撃の兆候を見逃さないようにしましょう。例えばCISAは悪用されたIvanti脆弱性に関してマルウェア解析レポートを公表し、YARAルールやSnortシグネチャを提示しています*61。こうした公開情報を活用し、もし自組織が既に攻撃を受けていないか(脆弱性が悪用された痕跡がないか)もチェックすることが望まれます。

最後に、サプライチェーンや他社製品のリスクにも目配りしましょう。自社で使っていないソフトの脆弱性であっても、取引先や委託先のシステムが影響を受ければ、自社への間接的な被害につながる可能性があります*62。KEVカタログに重要取引先の製品が載った場合などは、その企業と連携して対策状況を確認するなど、協力体制を築くこともセキュリティリスク低減に有効です。

まとめ

2025年上半期(Q1時点)を振り返ると、脆弱性攻撃の脅威は昨年以上に増大し、多様化していることが分かります。攻撃者は依然としてシステム乗っ取り可能な深刻な欠陥(Technical Impactが“Total”のもの)を好んで悪用していますが、そのアプローチは巧妙化し、自動スキャンで一斉攻撃できないようなゼロデイも含め標的に応じて使い分けています。ランサムウェアなど金銭目的の攻撃だけでなく、国家絡みのスパイ攻撃でも新たな脆弱性が次々と悪用されました。

こうした状況下で実務担当者が取るべき具体的アクションは、何より既知悪用脆弱性への迅速な対応です。KEVカタログは「サイバー攻撃者が現に使っている脆弱性」のリストであり、これを活用すればパッチ適用や緩和策の優先順位付けを的確に行えます。ぜひ社内の脆弱性管理プロセスにKEVチェックを組み込み、定期的に最新脆弱性情報をモニタしてください。また、開発部門にとってもKEVの傾向は示唆的です。どのような弱点(CWE)が現実に攻撃されやすいのか把握することで、ソフトウェア開発時のセキュリティ設計やテストにフィードバックできます。たとえば入力検証の不足(コマンドインジェクション)や認証周りの不備がどれほど危険か、KEV事例は警鐘を鳴らしています。

最後に経営層の方々へ強調したいのは、脆弱性対策への投資は喫緊かつ最善のリスクヘッジであるという点です。2025年は脆弱性攻撃のペースがさらに加速する可能性があり、待ったなしの状況です。幸いKEVカタログをはじめ有益な情報源やツールも整いつつあります。これらをフル活用し、組織横断で脆弱性管理に取り組むことで、サイバー攻撃による甚大な被害を未然に防ぐことができるでしょう。「脅威のいま」を正しく把握し、迅速かつ着実な対策を講じて、2025年後半以降の更なる脅威にも備えていきましょう。

【参考情報】

  • Known Exploited Vulnerabilities Catalog (CISA), wilderssecurity.com
  • CISA Alerts and VulnCheck Reports, channele2e/comvulncheck.com
  • Binding Operational Directive 22-01, cisa.gov
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    脆弱性診断の効果を最大化するポイント解説 – やりっぱなしを防ぐサイバー保険による脆弱性管理と診断サイクルの作り方

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    2025年3月13日「脆弱性診断、やりっぱなしになっていませんか?高精度診断と充実サポートでリスクを最小化〜サイバー保険で安心 診断から守るまでを徹底解説〜」というセミナーを開催しました。今回はその講演内容のポイントについてご紹介します。

    登壇者:株式会社ブロードバンドセキュリティのセキュリティサービス本部 サービス支援部 支援課 課長代理 木下祐希

    サイバー攻撃の実態と脆弱性管理の重要性

    まず脆弱性診断を実施する背景として、近年のサイバー攻撃の実態について理解する必要があります。かつては愉快犯も少なくなかったサイバー攻撃は、現在では金銭目的や企業・個人に対する悪意を持った攻撃が主流となっており、その手口も高度化・巧妙化しています。こうした環境において脆弱性とは何か、そしてなぜ脆弱性管理が重要なのかを把握することが対策の第一歩となります。

    サイバー攻撃の変化は明確です。以前は「愉快犯」と呼ばれる、いたずら目的のハッカーやクラッカーも少なからずおり、DDoS攻撃で嫌いな企業のサーバーを落としたり、不特定多数にフィッシングメールを送りつけたりするような行為が中心でした。しかし現在は、より直接的な、個人情報や機密情報を盗み出して金銭化することを目的とした攻撃者が増えています。

    ダークウェブの出現により、盗んだ情報を売却する市場ができました。攻撃者にとっては明確な金銭的利益を得る手段となり、より悪質で深刻な攻撃が増えているのです。

    脆弱性の検出実態についても驚くべき数字が示されました。ブロードバンドセキュリティによる脆弱性診断を受けた企業の統計では、Webアプリケーションでは約90%、ネットワークでは約55%の企業で何らかの脆弱性が検出されています。さらに深刻なのは、リスクレベルが「高」以上の重大な脆弱性がWebアプリケーションで16.7%、ネットワークで21.6%も検出されているという事実です。

    これは一度も診断を受けたことがない企業だけではなく、定期的に脆弱性診断を実施している企業も含めた数字です。攻撃手法は日進月歩で進化していますので、定期的な診断が必須なのです。

    脆弱性とは、不正アクセスやコンピュータウイルスなどの攻撃により、システムの機能や性能を損なう原因となり得るセキュリティ上の問題箇所のことです。脆弱性が悪用されると、内部データの盗取や改ざん、削除、さらには他のコンピュータへの攻撃の踏み台にされるなど様々な被害が発生します。

    「無知は最大の脆弱性」という言葉があるように、まず自社のシステムの状態を知り、必要な対策を講じることが何よりも重要です。脆弱性診断により、日々変化する脅威に対する自システムのセキュリティ状態を確認できるため、適時・適切な対策が可能になります。

    脆弱性診断のやり方と診断実施時の課題

    次に脆弱性診断の具体的なやり方と、企業が診断を実施する際に直面する課題について解説します。

    脆弱性診断を住宅に例えると、ネットワーク脆弱性診断は土地や地盤の検査、Webアプリケーション脆弱性診断は建物自体の検査に相当します。企業が脆弱性診断を実施する際には、コスト面や専門知識の必要性など様々な課題がありますが、これらを適切に解決することが重要です。

    脆弱性診断とは、窓のひび割れや水道管の老朽化など、故障・欠陥箇所を探すことに似ています。ネットワーク脆弱性診断は地盤や土壌など土地に関する検査、Webアプリケーション脆弱性診断は土地の上に建っている家を検査するイメージです。

    この二つの診断タイプには共通する項目もありますが、視点が異なります。ネットワーク脆弱性診断は宅外から宅内に入るまでの故障・欠陥箇所を見つけるのに対し、Webアプリケーション脆弱性診断は宅内の方から見た観点での指摘となります。

    企業が脆弱性診断を実施する際に直面する主な課題として、以下の4点が挙げられます。

    1. コストの問題:脆弱性診断は専門的な技術とツールを要するため、実施コストが高くなりがちです。
    2. 専門知識の必要性:診断結果を適切に解釈し、対策を講じるには専門的な知識が不可欠です。セキュリティの専門家が不足している企業では対応が遅れがちになります。
    3. 診断後のサポート不足:診断後に必要な修正や対策を行うためのサポートが不十分な場合が多く、結果的に脆弱性が放置されるリスクが高まります。
    4. 手動診断と自動診断のバランス:手動診断は時間とコストがかかる一方、自動診断は検出精度に限界があるため、両者の適切なバランスが求められます。

    これらの課題に対処するため、「かかりつけ医」のような存在としてセキュリティベンダーとの関係構築が推奨されます。いざという時だけでなく、日頃からかかりつけ医のような存在としてセキュリティベンダーとの関係を構築することで、結果的に自社のセキュリティレベルの向上と維持が図れます。

    「かかりつけ医」のメリットとしては、まず、病歴や体質(システム環境や脆弱性の状況)を把握しており、素早く適切に対応できること。そして、気軽に相談できるので、問題が早期発見しやすいこと。結果として、必要に応じて他の専門医(専門的なセキュリティサービス)への連携もスムーズになることも含め、メリットは多々あると言えます。

    高精度な脆弱性診断とサイバー保険を含む継続的なサポート体制

    脆弱性診断を効果的に行うためには、精度の高い診断と充実したサポート体制が不可欠です。高品質な脆弱性診断サービスには、有資格者による手動検査、網羅性の高い診断内容、わかりやすい報告書の提供、診断後のサポートなどの特徴があります。特に重要なのは、診断結果に基づいた対策の実施と、定期的な診断による継続的な脆弱性管理サイクルの確立です。

    ブロードバンドセキュリティのSQAT®(Software Quality Analysis Team)脆弱性診断サービスを例に、効果的な脆弱性診断の要素が説明されました。まず「Quality(品質)」として、情報処理安全確保支援士やCISSP、CEH等の有資格者による手動/ツール検査を実施していること、OWASP TOP10やNIST SP 800シリーズ、IPAの「安全なWebサイトの作り方」などの標準を踏襲した網羅性の高い診断内容を提供していることが特徴です。

    次に「Communication(コミュニケーション)」の観点では、診断実施部門だけでなく報告書のレビューを専門とする部門やツール開発部門が各役割に集中する体制を整え、専用ポータルサイトを通じた効率的な情報共有を実現しています。

    さらに「Support(サポート)」面では、診断結果に関する問い合わせを診断実施後も受け付け、報告書納品日から3ヶ月間は再診断を無償で提供するなど、継続的なサポート体制を整えている点が強調できます。

    付け加えると、同社の脆弱性診断サービスの特徴として、豊富な診断シグネチャ(検査パターン)、スピーディな報告(診断終了後4営業日以内の報告書納品)、情報収集力に裏打ちされた分析、多彩なオプションメニューなどが挙げられます。

    手動診断とツール診断のそれぞれの特徴と使い分けについても説明します。

    手動診断は網羅性、検査の深度、精度が高い一方でコストも高くなります。一方、ツール診断は低コストで実施できますが、検出できない項目もあります。両者の適切な組み合わせとして、「リリース時や年に一度は手動診断、日常的な監視はツール診断」といった使い分けが効果的です。

    特に注目すべき点として、ブロードバンドセキュリティは三井住友海上火災保険株式会社との提携により、「サイバー保険付帯の脆弱性診断サービス」を提供しています。このサービスは、脆弱性診断契約日から1年間、情報漏えいやサイバー攻撃に起因する賠償損害および事故発生時に対策を講じた場合の費用損害を最大1,000万円まで補償するものです。

    実際の初動対応には平均して1,000万円程度必要であると想定されています。この補償は脆弱性診断サービスにオプションとして付けるのではなく、対象となる診断サービスを受けると自動的に付帯します。

    脆弱性診断を活かす継続的なセキュリティ対策

    最後に、脆弱性診断を単発で終わらせるのではなく、継続的なセキュリティ対策として活用するためのポイントを紹介します。脆弱性は日々増加し、攻撃手法も進化し続けるため、一度の診断だけでは十分な対策とは言えません。診断対象の特徴や検査目的に合わせた適切な診断手法の選定と、定期的な脆弱性の洗い出しと棚卸が重要です。

    脆弱性診断は一度実施したらそれで終わりというものではありません。脆弱性は日々新たな手法や種類が増加し続けるため、診断実施後に適切なセキュリティ対策を行っていたとしても、形を変えて再び脆弱性が生じる可能性は十分にあります。

    継続的なセキュリティ対策のサイクルとして、以下のステップが推奨されています。

    1. 脆弱性診断の実施
    2. セキュリティ対策の実施
    3. 新たな脆弱性・攻撃手法の登場に注意
    4. 自組織の環境やシステム特性に適した診断の選定

    このサイクルを繰り返すことで、持続的にセキュリティレベルを向上させることができます。また、診断対象の特徴や検査目的に応じて、手動診断とツール診断を適切に組み合わせることも重要です。

    まとめ:効果的な脆弱性管理で高まるセキュリティ体制

    脆弱性診断を「やりっぱなし」にせず、継続的な脆弱性管理の一環として活用することが、組織のセキュリティ体制強化には不可欠です。サイバー攻撃が高度化・巧妙化する現代においては、脆弱性診断の実施、診断結果に基づく対策の実施、新たな脆弱性への対応という一連のサイクルを確立することが重要です。自社の環境やシステム特性に合わせた適切な診断手法を選定し、定期的な診断を通じて継続的にセキュリティレベルを向上させていきましょう。

    脆弱性をなくすこと(攻撃の的をなくすこと)が最も重要です。攻撃者は実際の攻撃行動に移る前に、クローリングツールなどを使って脆弱性をスキャンします。脆弱性の少ないシステムは攻撃者にとって「コストパフォーマンスが悪い」ターゲットとなり、結果的に攻撃を受けにくくなります。

    サイバー保険も含めた総合的な脆弱性対策を構築することで、万が一の事態にも備えることができます。ブロードバンドセキュリティのように、高精度な診断と充実したサポート体制を持つセキュリティベンダーと連携することで、より効果的な脆弱性管理が可能になります。

    脆弱性管理は単なるコスト要素ではなく、企業の競争力維持やリスク管理のための重要な投資です。サイバー保険の付帯のある脆弱性診断サービスを受けていても、被害があったときかかってしまう損害額を考えると費用対効果は決して悪くないと言えます。

    最終的に、脆弱性診断を含む継続的なセキュリティ対策サイクルの確立は、お客様に安心して自社サービスを利用し続けてもらうための基盤となるのです。これからのデジタル時代において、適切な脆弱性管理は企業の信頼性と持続可能性を支える重要な要素であると言えるでしょう。

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    【セキュリティガイドライン6.0】実践!脆弱性診断で守るクレジットカード決済セキュリティ対策ガイド

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    本記事は2025年8月20日開催「EC加盟店・PSP必見!クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版対応ウェビナー」のフォローアップコンテンツです。

    本ウェビナーの再配信予定にご関心のある方はこちらからお問い合わせください。

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    お問い合わせはこちらからお願いします。後ほど、担当者よりご連絡いたします。


    はじめに

    昨今、キャッシュレス化の推進とともにクレジットカード決済の利用が急増しています。日本ではキャッシュレス決済全体のうち、約83.5%をクレジットカード決済が占めており、消費者や加盟店にとって非常に重要な決済手段です。しかし、その一方で情報漏えいや不正利用、特にECサイトなど非対面取引における不正利用被害は深刻な問題となっています。本記事では、「クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】」に基づく対策のうち、特に「脆弱性診断」の視点に着目し、決済システムやWebサイトにおけるリスクの検出とその対策の必要性、具体的な診断手法についてご紹介します。

    クレジットカード決済の現状とセキュリティリスク

    利用環境の変化とリスクの多様化

    政府のキャッシュレス化推進施策により、決済手段が多様化する中、クレジットカードは依然として主要な決済手段です。一方、EC加盟店やMO・TO取扱加盟店では、Webサイトの設定不備や既知の脆弱性を悪用した第三者による不正アクセス、フィッシング攻撃によってカード情報が窃取される事例が相次いでいます。このような背景から、決済システムやWebサイトの脆弱性診断が不可欠となっており、早期にリスクを把握し対策を講じる必要があります。

    ガイドラインの役割

    クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】」は2025年3月、クレジット取引セキュリティ対策協議会によって公開されたガイドラインで、PCI DSSをはじめ、割賦販売法などの法令に基づく実務上の指針や各種技術・運用対策をまとめたものです。その中では、EC加盟店のシステムおよびWebサイトに対して「脆弱性対策」を講じることが強調されており、脆弱性診断やペネトレーションテストの実施が推奨されています。

    脆弱性診断の視点から見るセキュリティ対策の現状

    脆弱性診断の目的

    脆弱性診断は、以下の点でセキュリティ対策の強化に貢献します。

    • 設定ミスや構成不備の検出
      システム管理画面のアクセス制限やデータディレクトリの設定不備、ログイン試行回数制限の設定など、運用上の細かな不備を早期に発見。
    • ソフトウェアやプラグインの脆弱性の把握
      SQLインジェクションやクロスサイト・スクリプティングなど、Webアプリケーションの脆弱性診断を通じて、最新の攻撃手口に対応した対策が必要かどうかを判断。
    • 実際の攻撃リスクの定量評価
      ペネトレーションテストによって、実際に悪意ある攻撃者が侵入可能なポイントを実証し、リスクの深刻度を数値化することで、対応の優先順位を明確にします。

    ガイドラインに基づく対策と脆弱性診断の連携

    ガイドラインでは、EC加盟店に対して「脆弱性対策」の実施が求められています。具体的な対策例としては以下のようなものが挙げられます。

    • システム管理画面のアクセス制限と多要素認証の導入
    • データディレクトリの露見防止
    • 定期的な脆弱性診断とペネトレーションテストの実施
    • ウイルス対策ソフトの運用とシグネチャーの更新

    これらの対策は、診断結果をもとに、PCI DSS 準拠のための必要な修正や改善措置として実施されます。さらに、ガイドライン内では、不正利用対策としてEMV 3-D セキュアの導入や、リスクベース認証(RBA)の精度向上など、動的な対応策も推奨されています。脆弱性診断の結果を踏まえた上で、システムの安全性を確保するための重要な要素となります。

    具体的な脆弱性診断の手法と検査ポイント

    システム管理とアクセス制御の検査

    脆弱性診断で確認可能なポイント:管理画面ソフトウェアの既知脆弱性(例:古いバージョンの使用)や、デフォルトのパスワードが残っていないかなど、一般的なセキュリティ設定のチェックは脆弱性診断で検出できます。

    Webアプリケーションの脆弱性診断

    脆弱性診断で確認可能なポイント:SQLインジェクションやクロスサイト・スクリプティング(XSS)など、一般的なWebアプリケーション脆弱性は最新の診断ツールで検出可能です。ファイルアップロード機能における拡張子やファイルサイズの制限が設定されているかも、検証できます。

    補足:Webサーバーやアプリケーション全体の構成評価は、脆弱性診断だけでなく、運用監査も併用することが望ましいです。

    データディレクトリとサーバー設定の検査

    脆弱性診断で確認可能なポイント:公開ディレクトリに重要なファイルが誤って配置されていないかをチェックできます。重要ファイルの配置状況や非公開設定の適切性は、詳細な設定レビューや管理者へのインタビューを通じての評価もしくはペネトレーションテストが必要な場合があります。

    ウイルス対策とマルウェア検知の検査

    脆弱性診断で確認可能なポイント:ウイルス対策ソフトのシグネチャー更新状況や、定期的なフルスキャンが自動ログから確認できる場合があります。
    補足:実際の運用状況(更新頻度やスキャン実施の確実性)は、システム管理者への確認やログの監査が求められます。

    委託先管理と情報共有の確認:外部委託先のセキュリティ状況や、PCI DSS準拠、ガイドラインに基づく対策の実施状況は、脆弱性診断では検出できません。委託先との契約内容、セキュリティポリシーの文書、定期監査の結果などを通じて確認する必要があります。

    注 ) 上記の検査項目には、脆弱性診断で検出可能なものと、レビューや運用監査が必要なものが混在しています。脆弱性診断だけでは完全に評価できない項目については、管理者へのインタビューや設定ファイルのレビューなど、追加の確認が必要となります。

    脆弱性診断を実施するメリットと成功事例

    リスク低減と迅速な対応

    定期的な脆弱性診断により、システムの設定不備や新たに発見された脆弱性を早期に把握でき、対策の優先順位を明確にできます。実際に、あるEC加盟店では、脆弱性診断の結果を受けてWebサイトの設定見直しとパッチ適用を迅速に実施した結果、不正アクセスによる情報漏えい事故を未然に防いだ事例があります。また前述の通り、脆弱性診断だけでは検出できない項目もあります。あわせてコンサルティングサービスなどによる監査を利用することで、より堅牢なシステムを構築することができます。

    コンプライアンス遵守と信頼性向上

    ガイドラインに沿った対策を実施することで、PCI DSSや関連法令に準拠し、顧客や取引先からの信頼を得られます。その一環として、脆弱性診断および定期監査は第三者機関による評価や認証取得にもつながり、企業のセキュリティ体制の信頼性を向上させます。

    まとめ

    クレジットカード決済におけるセキュリティは、企業の信頼性や消費者の安全な利用環境に直結する重要な課題です。クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】に示されている対策の中でも、脆弱性診断はシステムの現状を正確に把握し、迅速な対策を講じるための基盤となります。

    定期的な脆弱性診断やペネトレーションテストを通じ、設定不備や最新の攻撃手法に対する脆弱性を検出し、必要な修正や改善措置を講じることで、不正利用被害のリスクを大幅に低減できるでしょう。また、診断結果をもとに、PCI DSSやガイドラインに沿った対策の実施が、企業のセキュリティレベル向上とコンプライアンス遵守に寄与するため、各企業や加盟店は今後も継続的に脆弱性診断を実施することが求められます。

    BBSecでは

    BBSecは、PCI SSC認定QSA(PCI DSS準拠の訪問審査を行う審査機関)です。準拠基準についての疑問や対応困難な状況があるといったような懸念・不安などは曖昧なままにせず、QSAにご相談いただくことをおすすめいたします。準拠に向けた適切な対応を検討するためのアドバイスや、事情に応じた柔軟な対応も可能です。

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    ※外部サイトにリンクします。

    PCI DSS v4.0対応脆弱性診断サービス随時対応受付中!

    【※オプションサービス】脆弱性診断後対策支援サービス(VulCare)

    組織が直面するサイバー脅威やリスクに対して、迅速かつ効果的に対応するための助言型サービスです。最短で1ヶ月~年間の期間にわたってセキュリティの継続的な改善とリスク低減を実現するために、専門家による分析と提案を活用し、常に最新の脅威に対応するためにご活用ください。

    <サービス概要>

    診断結果をもとに、セキュリティの専門家が具体的な対策方法の助言を行い、最適な改善策を提供します。短期的な緊急対応から、長期的なセキュリティ強化まで、貴社のニーズに応じた柔軟なサポートを展開し、脆弱性から組織を守ります。
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    ネットワーク脆弱性診断とは?
    【応用編】:企業のセキュリティを守る重要な対策

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    このシリーズでは全3回にわたり、ネットワーク脆弱性診断について取り上げます。最終回となる第3回目は応用編として、企業が直面するネットワークのセキュリティ課題について、事例とともに紹介します。最後に、ネットワーク脆弱性診断の実施メリットや適切なサービス選びのポイントを解説します。

    企業が直面するネットワークセキュリティの3つの課題

    近年、企業ネットワークに対する攻撃はますます高度化・多様化しており、外部からのサイバー攻撃だけでなく、内部要因によるセキュリティリスクも増加しています。企業が直面しがちなセキュリティ課題について主な例を紹介します。

    1. 外部からの攻撃
      外部からのサイバー攻撃は、組織にとって最大の脅威の一つです。例えば、ランサムウェア攻撃によって重要なデータが暗号化され、多額の身代金を要求される事例が増加しています。また、DDoS攻撃によってウェブサイトやシステムが停止し、業務継続に支障をきたすケースもあります。
    2. 内部脅威(内部者の不正行為、設定ミス)
      内部者による不正行為や設定ミスも深刻な課題です。例えば、従業員が意図せず機密情報を漏洩したり、不適切なシステム設定が攻撃者に侵入の隙を与えたりするケースもあります。特に、クラウドサービスの設定ミスは外部から気づかれにくいため、重大な被害を引き起こすことがあります。
    3. ハイブリッド環境における複雑な管理
      クラウドとオンプレミスのシステムが共存するハイブリッド環境では、ネットワークの複雑さが増し、セキュリティ管理が難しくなっています。例えば、クラウド環境でのアクセス制御ミスや、オンプレミス環境の古いシステムに未適用のセキュリティパッチが攻撃の入り口となることがあります。

    これらのセキュリティ課題を放置してしまうと、情報漏洩や業務停止といった直接的な損害だけでなく、顧客や取引先の信頼を失うという長期的な影響も避けられません。これらの課題に適切に対応するためには、ネットワーク環境全体の脆弱性を把握し、的確な対策を講じることが不可欠です。

    ネットワーク脆弱性のリスクとは?古いOSやソフトウェア使用の危険性

    企業のネットワーク環境で脆弱性が放置されていると、攻撃者に侵入されるリスクが高まります。よく知られるネットワークの脆弱性カテゴリの例は以下の通りです。

    • 古いソフトウェアやOS
      サポートが終了したOSや古いバージョンのソフトウェアを使用していると、攻撃者が既知の脆弱性を悪用し、システムに侵入するリスクが高まります。
    • デフォルト設定や弱いパスワード
      ネットワーク機器やアプリケーションがデフォルト設定のままだと、攻撃者が簡単に侵入できる可能性があります。また、『123456』や『password』のように単純な文字列で構成されたパスワードは、総当り(Brute-Force)攻撃の成功率を高めます。

    ネットワークの脆弱性を悪用した攻撃事例

    ネットワークの脆弱性を悪用した攻撃は、世界中で多くの企業に甚大な影響を与えています。ここでは、実際に起きた攻撃事例の情報が掲載されているサイトの一部をご紹介します。

    1. ランサムウェア攻撃の事例
      近年、企業で最も被害件数が増えているサイバー攻撃はランサムウェア攻撃です。ランサムウェアは、個人情報や企業の機密情報などの重要なデータを暗号化することによって、被害者に深刻な損害をもたらします。

      【2025年最新】国内外におけるランサムウェアの被害企業一覧とその実態
      参考:https://cybersecurity-jp.com/contents/data-security/1612/

    2. DDoS攻撃の事例
      【2024年版】国内DDoS攻撃被害企業の例
      参考:https://act1.co.jp/column/0125-2/

    SQAT.jpでは以下の記事でDoS攻撃・DDoS攻撃に関する情報をご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。
    DoS攻撃とは?DDoS攻撃との違い、すぐにできる3つの基本的な対策

    攻撃者は依然として、セキュリティがあまいシステムを狙っているため、隙をつくらないよう事前に防御しておきたいところです。ネットワーク脆弱性診断を定期的に実施することで、潜在的なリスクを早期に発見し、被害を未然に防ぐことができます。次の項目で、ネットワーク脆弱性診断実施によるメリットについて具体的に紹介します。

    ネットワーク脆弱性診断実施によるメリット

    ネットワーク脆弱性診断を実施することで得られるメリットは大きく分けて以下の3つになります。

    • 攻撃リスクの低減
      ネットワーク脆弱性診断を実施することで、サーバやネットワーク機器、端末などに対する攻撃リスクを大幅に低減できます。ネットワーク脆弱性診断では、情報漏洩やデータ改ざんの原因となるセキュリティホール、構成ミス、OSやミドルウェア、サーバソフトウェアの未適用パッチを事前に特定することによって、どのように対策を講じればよいかがみえてきます。これにより、サイバー攻撃のリスクを未然に防ぎ、ビジネス継続性を確保します。結果的に企業全体のセキュリティレベルが向上するため、自組織がサイバー攻撃の対象となる機会を減らし、安心して業務を進められる環境を整えることができます。
    • 顧客・取引先からの信頼向上
      顧客や取引先に対し、情報資産を守るための積極的な姿勢をアピールすることで、信頼度が向上します。診断の実施は、セキュリティコンプライアンスの基準を満たすことにも寄与し、パートナー企業や規制当局からの信頼性を確保します。結果的に、安心感を提供することで取引関係の強化や新規顧客獲得のチャンスを広げ、企業成長を後押しします。
    • セキュリティ対策コストの削減
      ネットワーク脆弱性診断は、長期的な視点で考えると、セキュリティ対策コストを削減する効果があります。診断を通じて、リスクの優先順位を明確化し、効果的かつ効率的な対策を講じることで、不要な出費を回避できます。例えば、全てのシステムやデバイスに無差別に対策を施すのではなく、本当に必要な部分にのみリソースを集中させることが可能です。また、診断の結果をもとに適切な運用改善やセキュリティツールの選定を行うことで、運用コストを最適化します。さらに、セキュリティインシデント発生時の対応コストや業務停止による損失を未然に防ぐことにもつながります。

    定期的な脆弱性診断の実施の重要性

    脆弱性診断は一度実施したらそれで終わりというものではありません。脆弱性は日々増加し続けるため、診断実施後に適切なセキュリティ対策を行っていたとしても形を変えて自組織のシステムにサイバー攻撃を行う可能性は十分にあります。顧客が安心してサービスを利用し続けられるためにも定期的な診断を実施し、洗い出されたセキュリティ上の問題に優先順位をつけて、ひとつひとつ対処することが重要です。診断ツールの検討に関しては自組織の環境やシステムの特性に合わせたものを選定し、継続的なセキュリティ対策に有効活用できるようにしましょう。

    脆弱性診断サービスの選び方

    脆弱性診断サービスを選ぶ際には、信頼性と効果的な診断を提供できるベンダーを選定することが重要です。選定時に注目すべきポイントをご紹介します。

    • ベンダーの実績確認
      まず、ベンダーの実績を確認することが大切です。過去に同業種の企業での診断経験があるか、セキュリティに関する認定資格を持つ専門家がいるかを確認しましょう。例えば、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開している「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト」には、経済産業省が策定した「情報セキュリティサービス基準」に適合した信頼性の高い事業者のサービスが掲載されています。また、顧客レビューや導入事例の有無も信頼性を判断するポイントです。
    • 診断範囲やツールの使用状況
      提供される診断範囲や使用ツールを確認しましょう。ネットワーク、アプリケーション、クラウド環境など、対象範囲が自社のセキュリティニーズに合致していることが重要です。また、自動診断ツールと手動診断を組み合わせたサービスは、より精度の高い結果が期待できます。
    • コストパフォーマンスとアフターサポート
      コストパフォーマンスも重要なポイントです。見積もり金額だけでなく、診断後のレポート作成や改善提案、アフターサポートが充実しているかを確認しましょう。一時的な診断だけでなく、継続的なサポートを提供しているベンダーは、長期的なセキュリティ向上に貢献します。

    また、選定時は価格だけで判断せず、サービス内容やサポート体制も慎重に検討しましょう。診断結果が形骸化しないよう、実行可能な改善提案を行うベンダーを選ぶことも重要です。

    適切な脆弱性診断サービスを選ぶことで、ネットワークのセキュリティリスクを大幅に軽減できます。弊社ブロードバンドセキュリティが提供するSQAT脆弱性診断サービスでは、診断範囲の柔軟なカスタマイズや専門家によるサポートを提供しています。詳細はこちらをご覧ください。

    SQAT脆弱性診断サービスの優位性

    SQAT®(Software Quality Analysis Team)サービスは「システムの弱点をあらゆる視点から網羅する」「正確かつ客観性の高いレポートをする」「お客様にわかりやすく説明する」が特徴です。お客様は、すべての問題部位と脆弱性のポイントの把握、リスクに対する明確な理解、具体的な対策立案のヒントを得ることが出来ます。

    SQAT脆弱性診断サービスの特長

    外部からの脆弱性診断のみご提供するのではなく、様々な情報セキュリティ対策の観点からサービス・ソリューションを組み合わせ、お客様にとって最適解をご提案するのが、SQAT脆弱性診断サービスの特徴です。

    まとめ

    ネットワーク脆弱性診断は、企業のセキュリティを守るために不可欠な対策の一つです。本記事では、外部攻撃、内部脅威、ハイブリッド環境の管理の複雑さという主要なセキュリティ課題を解説しました。特にランサムウェアやDDoS攻撃の事例では、情報漏洩や業務停止など深刻な被害が発生しています。脆弱性診断を実施することで、未適用パッチや設定ミスなどを特定し、サイバー攻撃のリスクを低減させることが可能です。また、定期的な診断は顧客や取引先の信頼向上にも寄与し、長期的にはコスト削減や効率的なリソース配分に繋がります。診断サービス選定時には、ベンダーの実績、診断範囲、コストパフォーマンス、アフターサポートの確認が重要です。特に弊社のサービスである、SQAT脆弱性診断サービスは柔軟な診断範囲や専門家のサポートを特徴とし、企業のセキュリティ強化を総合的に支援します。定期的な診断の実施で潜在リスクを早期発見し、セキュリティレベル向上を図りましょう。

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    ネットワーク脆弱性診断とは?
    【実践編】:実施の手順・診断ツールの効果的な選定ポイントを解説

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    このシリーズでは全3回にわたり、ネットワーク脆弱性診断について取り上げます。第2回目の今回は実践編として、ネットワーク脆弱性診断のステップ、NessusやOpenVASなどの脆弱性診断ツールの比較、選定ポイントについて解説します。セキュリティ強化に役立つ情報満載です!

    ネットワーク脆弱性診断のプロセス

    脆弱性診断は、情報システムやアプリケーションに存在するセキュリティ上の欠陥を特定し、リスクを軽減するための重要なプロセスです。以下は、脆弱性診断の一般的な流れです。

    事前準備および調査

    • 診断対象の特定
      どのシステムやアプリケーションを診断するかを決定します。これには、Webアプリケーション、サーバ、ネットワーク機器などが含まれます。
    • 診断範囲確定
      診断する機能や画面遷移を洗い出し、重要な部分に焦点を当てます。これにより、コストや時間を効率的に管理できます。

    診断実施

    • ツールを用いたスキャン
      自動化されたセキュリティ診断ツールを使用して、ネットワーク上の脆弱性をスキャンする方法です。この方法の利点は、短時間で広範囲のチェックが可能なことです。ツールは既知の脆弱性のデータベースを参照し、ポートスキャンやサービスやソフトウェアのバージョン確認、不適切な設定の検出などを行います。
    • エンジニアによる手動診断
      専門のセキュリティエンジニアが自らの経験と知識を活かして行う診断です。ツールでは検出できない複雑な脆弱性や、システム特有の問題点を見つけ出すことができる点が優れています。例えば、「アクセス権限の不適切な設定」や、「ビジネスロジックの欠陥」などが該当します。

    リスク分析

    検出された脆弱性について、その深刻度や影響度を評価します。過去のデータ・最新の脅威動向および各種国際標準(例: CVSS等)を踏まえたリスク分析を実施します。

    診断結果のレポート作成(対応策の提示)

    発見された脆弱性の詳細、再現手順、および推奨される対策を含む報告書を作成します。この報告書は関係者に提供され、必要な対策が講じられる基礎となります。

    フォローアップ

    再診断:レポートの結果により、対処が必要な脆弱性の部分において修正が加えられたあと、再度その部分の診断を行い、脆弱性が適切に対処されたか確認します。また、必要に応じて追加のサポートやアドバイスも提供されます。

    この流れは一般的なものであり、具体的なプロセスは組織やシステムによって異なる場合があります。

    セキュリティ専門企業によるセキュリティ診断

    外部のセキュリティ専門企業に脆弱性診断を依頼した場合は、まず事前準備や調査において、診断する範囲を決めます。組織にとって重要度が高い部分、すなわちサイバー攻撃を許してはいけないシステムやサーバ、Webアプリケーションを選定します。診断が終了するとベンダーからレポートが提供されます。レポートに記載された脆弱性には深刻度や影響度などがスコア化されていることがあります。そのレポートをもとに、内容に応じて優先度をつけて、問題のある箇所を対処していきます。また、必要に応じて報告会が行われることもあります。

    セキュリティ専門企業によるセキュリティ診断の図

    脆弱性診断ツールの例

    脆弱性診断ツールは、システムやネットワーク内のセキュリティ上の弱点を検出し、未然にリスクを防ぐための重要な役割を果たします。以下に代表的なツールを紹介します。

    • Nessus
      Nessusは、Tenable社が提供する商用の脆弱性スキャナで、ネットワーク機器やサーバ、アプリケーションに存在する脆弱性を高精度で検出します。ユーザーフレンドリーなインターフェースと定期的な脆弱性データベースの更新により、最新の脅威にも対応可能です。多様なプラグインを活用して、幅広い診断が行える点も特徴です。ただし、商用ツールのため、導入や運用にはコストがかかります。
    • OpenVAS
      OpenVASは、オープンソースの脆弱性診断ツールで、無料で利用可能です。高い拡張性と柔軟性を持ち、コミュニティによる継続的なアップデートで最新の脆弱性情報にも対応しています。多様なスキャン設定が可能で、カスタマイズ性に優れています。一方、設定や運用には専門的な知識が求められるため、導入時には適切な人材の確保が重要です。
    • Burp Suite
      Burp Suiteは、PortSwigger社が開発したWebアプリケーションのセキュリティテストに特化したプラットフォームです。ユーザがブラウザからWebアプリケーションにアクセスしたとき、サーバに対するリクエストとレスポンスを分析することで脆弱性を診断します。無料版と有料版があり、無料版でも十分な機能を持っているため、世界中で利用されています。

    効果的な診断ツールの選び方

    ツールを選ぶ際には、以下の点を考慮することが重要です。

    • コスト
      初期費用やランニングコストを比較検討し、予算に合ったツールを選択します。 ツールには無料版と有料版が存在し、それぞれ機能やサポート体制が異なります。無料版は初期費用がかからない反面、機能が限定されている、サポートが受けられないといった場合があります。一方、有料版は充実した機能とサポートを提供しますが、導入コストが発生します。自社の予算や必要な機能を明確にし、費用対効果を検討することが重要です。
    • スキル
      ツールの操作性や必要な専門知識も選定時の重要な要素です。専門人材がいる場合は、高度な設定やカスタマイズが可能なツールを選ぶことで、より詳細な診断が可能です。一方、専門知識が乏しい場合は、ユーザーフレンドリーで操作が簡単なツールを選ぶと、効果的に活用できます。ツールの操作性やサポート体制を確認し、自社の人材スキルに適したものを選びましょう。
    • 診断範囲
      診断対象の規模や範囲もツール選定の際に考慮すべきポイントです。大規模なネットワークや複数のWebサイトを管理している場合、診断範囲が広く、同時に複数の診断が可能なツールが適しています。また、将来的な拡張性も視野に入れ、スケーラビリティの高いツールを選ぶことで、長期的な運用がスムーズになります。診断範囲や項目が自社のニーズに合致しているかを確認しましょう。

    これらのポイントを総合的に評価し、自社の要件に最適な脆弱性診断ツールを選定することが、効果的なセキュリティ対策につながります。

    まとめ

    脆弱性診断は、情報システムやアプリケーションのセキュリティリスクを特定し、軽減するための重要なプロセスです。まず事前調査で診断対象と範囲を確定し、Webアプリやサーバ、ネットワーク機器に焦点を当てます。診断では、ツールを使ったスキャンで既知の脆弱性を迅速に検出し、エンジニアが手動でツールでは見つけられない複雑な問題を特定します。次に、検出した脆弱性の深刻度や影響度を評価し、CVSSなど国際標準に基づいたリスク分析を実施します。結果はレポートとしてまとめ、再現手順や対策が示されます。修正後には再診断を行い、対策が有効か確認し、必要に応じて追加のサポートも提供されます。外部ベンダーに依頼する場合も、事前調査からレポート提供までの流れは同様です。代表的な診断ツールには、商用のNessus、オープンソースのOpenVAS、Web診断向けのBurp Suiteがあり、それぞれ特性が異なります。ツール選定では、コスト、操作スキル、診断範囲を考慮し、自社に適したものを選ぶことが効果的なセキュリティ対策に繋がります。

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    約90%に脆弱性? BBSec脆弱性診断結果からみえる脆弱性対策のポイント

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    近年、サイバー攻撃は激化し、組織や個人に甚大な被害をもたらしています。情報漏洩やシステム停止など、社会に与える影響は深刻化し、組織存続に関わるリスクにも発展しかねません。増え続ける脆弱性に対処するために、脆弱性対策を実施することが重要です。本記事では脆弱性対策の重要性と実施のためのポイントを解説します。

    脆弱性による脅威

    近年、ますますサイバー攻撃は巧妙化、高度化しており、組織や個人に甚大な被害をもたらしています。2023年の不正メール、不正サイト、マルウェアといった脅威の検知数が2021年と比較して1.7倍に増加しているとの報告もあり、情報漏洩やシステム停止など、社会全体に与える影響は深刻なものとなっています。JNSAの発表によれば、2016~2018年の個人情報漏洩一人あたりの平均損害賠償額は28,308円にのぼり、大規模な情報漏洩が発生した場合には、企業にとって致命的な損失となる可能性があります。さらに、サプライチェーンにおける取引停止、ブランドイメージ低下、風評被害など、被害は多岐にわたり、組織存続に関わるリスクにも発展しかねません。

    このような状況下で、サイバー攻撃から組織を守るために、セキュリティ対策は必要不可欠といえます。組織存続に関わるリスクにも発展するため、サイバー攻撃への対策は必要不可欠といえます。そして、サイバー攻撃への備えとして重要となるのが脆弱性への対策です。脆弱性とは、ソフトウェアやシステムに存在する欠陥であり、攻撃者にとって格好の標的となります。攻撃者は脆弱性を悪用して、システムへの不正アクセス、情報漏洩、ランサムウェア攻撃など、様々な攻撃を実行することが可能となるのです。しかし、脆弱性対策が十分であるとはいいがたい現状があります。

    下の図表は弊社のシステム脆弱性診断の結果から、脆弱性の検出率を半期ごとに集計したものとなりますが、過去から常におよそ90%のシステムに脆弱性が存在するという状況が続いています。さらに、2023年下半期ではそのうち17.0%が危険性の高い脆弱性となっています。

    弊社診断結果を掲載したレポートの詳細ついては、こちらをご確認ください。

    近年のサイバー攻撃インシデントの例

    発表時期 攻撃概要 原因 影響
    2023年11月*63 不正アクセスにより通信アプリ利用者の情報が漏洩 一部のシステムを共通化している韓国の企業を通じて不正アクセスが発生 通信アプリ利用者の情報およそ51万件が不正アクセスで流出
    2023年8月*2 内閣サイバーセキュリティセンターが不正侵入被害 メーカーにおいて確認できていなかった、電子メール関連システムによる機器の脆弱性が原因 令和4年10月上旬から令和5年6月中旬までの間にインターネット経由で送受信した個人情報を含むメールデータの一部が外部に漏洩した可能性がある
    2023年7月*3 名古屋港統一ターミナルシステム(NUTS)がランサムウェア攻撃により停止した リモート接続用VPN機器の脆弱性から侵入されて、ランサムウェアに感染 NUTSシステム障害により、コンテナ搬出入作業停止など港湾の物流運営に支障をきたした

    近年の脆弱性情報の例

    発表時期 CVE 対象製品(範囲) 影響
    2024年2月*4 CVE-2023-46805
    CVE-2024-21887
    Ivanti Connect Secure Ivanti Policy Secure 22系、9系のバージョンが影響を受ける 脆弱性が組み合わされて悪用されると、遠隔の第三者が認証不要で任意のコマンドを実行する可能性がある
    2023年9月*5 CVE-2022-42897
    CVE-2023-28461
    Array Networksが提供するVPNアプライアンス「Array AGシリーズ」
    ArrayOS AG 9.4.0.466およびそれ以前の9系のバージョン
    ArrayOS AG 9.4.0.481およびそれ以前の9系のバージョン
    2022年5月以降、少なくとも関連する6件のVPN機器におけるリモートコード実行といった攻撃活動が報告されている
    2023年7月*6 CVE-2023-3519,
    CVE-2023-3466,
    CVE-2023-3467
    NetScaler ADC (旧Citrix ADC) および NetScaler Gateway (旧Citrix Gateway)
    NetScaler ADC および NetScaler Gateway 13.1 13.1-49.13 より前
    NetScaler ADC および NetScaler Gateway 13.0 13.0-91.13 より前
    NetScaler ADC 13.1-37.159 より前の NetScaler ADC 13.1-FIPS
    NetScaler ADC 12.1-55.297 より前の NetScaler ADC 12.1-FIPS
    NetScaler ADC 12.1-NDcPP 12.1-55.297 より前
    クロスサイトスクリプティング、ルート権限昇格、リモートコード実行といった攻撃が発生する可能性がある

    脆弱性対策の重要性

    ここで今一度、脆弱性とは何なのかを改めて考えてみましょう。脆弱性とは、ソフトウェアやシステムに存在する欠陥のことを指します。プログラムのバグや設計上の欠陥などが原因で発生し、サイバー攻撃者にとって格好の標的となります。そして、脆弱性を悪用されると、攻撃者はマルウェアなどを使ってWebサイトへ不正アクセスし、内部データの盗取、改竄、悪用などが可能になります。その結果、情報漏洩やシステム停止、ランサムウェア感染といった、組織にとって致命的な被害につながる可能性があります。

    では、脆弱性をなくせばよいということになりますが、現実的には脆弱性を完全に「なくす」ことは困難です。しかし、「攻撃される的」を減らすことで、リスクを大幅に低減することができます。

    これらのリスクを低減するためには、ソフトウェアやシステムのアップデート、セキュリティパッチの適用、脆弱性診断の実施、セキュリティ教育の実施、セキュリティ体制の整備といった対策が重要です。特に、日々変化する脅威に対して、システムのセキュリティ状態を正しく把握するためには、脆弱性診断が効果的です。脆弱性診断を実施することで、システムの脆弱性を洗い出し、適切な対策を実施することが可能となります。システムの状態を知り、必要な対策を怠らないことが、Webサイトやシステムを守ることにつながります。

    脆弱性診断を活用した予防措置

    攻撃者はより悪用しやすく成果をあげやすい脆弱性を狙ってきます。そうしたことを踏まえ、自組織のWebアプリケーション・システムに脆弱性が存在するのか、また存在した場合どういったリスクのある脆弱性なのかを知り、脆弱性対策を行うことは組織として重要なことです。

    脆弱性を悪用したサイバー攻撃への備えとして、BBSecとしては、脆弱性診断を推奨しております。下図の攻撃方法は一例となりますが、影響範囲として機会損失から業務停止まで引き起こされる可能性がある、という実態はどの攻撃方法でも同じです。脆弱性を悪用された場合、どの攻撃方法であってもそういった被害が出る可能性があるため、悪用されやすい脆弱性は早急に対応しなければなりません。

    SQAT® Security Reportについて

    弊社では年に2回、セキュリティトレンドの詳細レポートやセキュリティ業界のトピックスをまとめて解説する独自レポート「SQAT® Security Report」を発行しています。こちらは弊社で行われたセキュリティ診断の統計データが掲載されていることが主な特徴となります。

    SQAT® Security Reportでは、半期のセキュリティ診断で得られたデータから、検出された高リスク以上の脆弱性ワースト10といった情報や、その分析を掲載しています。

    2023年下半期高リスク以上の脆弱性ワースト10

    他にも、カテゴリ別脆弱性の検出状況や、業界別のレーダーチャートも掲載しております。

    2023年下半期Webアプリケーション診断結果業界別レーダーチャート 製造業

    過去のバックナンバーもSQAT.jpにて掲載しておりますので、ぜひ、お役立てください。特集記事や専門家による解説などもございますので、併せてセキュリティ向上の一助となれば幸いです。

    半期(6か月)毎にBBSec脆弱性診断の結果を集計・分析。その傾向を探るとともに、セキュリティに関する国内外の動向を分かりやすくお伝えしています。

    最新号「2024年春夏号」のダウンロードはこちら

    SQAT脆弱性診断サービス

    Webアプリケーション脆弱性診断-SQAT® for Web-

    Webサイトを攻撃するハッカーの手法を用いて、外部から動的に脆弱性を診断することで、攻撃の入口となる可能性のある箇所を検出します。診断は最新のセキュリティ情報に基づき実施されますので、開発時やリリース前ばかりでなく、既存システムに対する定期的な実施といった、現状の脆弱性対策の有効性を確認するために活用することをおすすめしています。
    以下より、サービス内容が記載されている資料のダウンロードもいただけます。

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    ネットワーク脆弱性診断-SQAT® for Network

    悪意ある第三者の視点で、ネットワークをインターネット経由またはオンサイトにて診断し、攻撃の入口となる可能性のある箇所を検出します。ネットワークを標的とした攻撃のリスクを低減するため、脆弱性を徹底的に洗い出し、システムの堅牢化をご支援します。システムの導入・変更・アップグレード時のほか、運用中のシステムに対する定期チェックにご活用いただけます。
    以下より、サービス内容が記載されている資料のダウンロードもいただけます。

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