脆弱性スキャンとは?脆弱性診断ツールの選び方と導入ポイント

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脆弱性スキャンは、企業のシステムやネットワーク、Webアプリケーション、クラウド環境に存在する既知の脆弱性を効率よく洗い出すための基本的な手段です。近年は、公開サーバーやVPN機器だけでなく、クラウド上のワークロード、コンテナ、OSSライブラリまで管理対象が広がっており、手作業だけで安全性を確認するのは現実的ではありません。そこで重要になるのが、脆弱性スキャナーや脆弱性診断ツールを使って、環境全体を継続的に確認する考え方です。CISAも、インターネット公開資産に対する継続的な 脆弱性スキャンを、基本的な「サイバーハイジーン(Cyber Hygiene)」の一環として位置付けています。

ただし、脆弱性スキャンを導入すれば自動的に安全になるわけではありません。スキャンはあくまで既知の弱点を機械的に見つける仕組みであり、誤検知や過検知、設定不備の見落とし、業務影響を踏まえた優先順位判断までは自動では完結しません。そのため実務では、脆弱性スキャンの役割を正しく理解したうえで、脆弱性診断や脆弱性管理のプロセスと組み合わせて運用する必要があります。本記事では、脆弱性スキャンとは何か、脆弱性診断との違い、ツール比較のポイント、導入時の考え方までを整理します。

脆弱性スキャンとは

脆弱性スキャンとは、サーバー、ネットワーク機器、Webアプリケーション、クラウド環境などに対して自動的に検査を行い、既知の脆弱性や不適切な設定、不足している更新などを検出する仕組みです。企業が脆弱性スキャンを導入する目的は、攻撃者に悪用される前に自社環境の弱点を見つけ、修正につなげることにあります。米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)のCyber Hygiene Servicesでも、Vulnerability Scanning(脆弱性スキャン)はインターネットから到達可能な資産を継続的に監視し脆弱性の有無を評価するサービス、として説明されています。

脆弱性スキャンの特徴は、自動化にあります。人手では確認しきれない大量のIPアドレス、Webアプリケーション、仮想マシン、コンテナイメージなどを機械的に点検し、既知の脆弱性情報や設定ミスと突き合わせることで、短時間に広い範囲を確認できます。NIST SP 800-115『Technical Guide to Information Security Testing』でも、自動化されたテスト手法は情報セキュリティ評価の重要な手段とされ、SCAPのような標準化された枠組みが脆弱性管理の自動化を支えるものとして紹介されています。

一方で、脆弱性スキャンには限界もあります。自動スキャンは既知のパターンには強いものの、業務ロジックに起因する脆弱性や、文脈を踏まえた攻撃シナリオまでは把握しきれない場合があります。また、誤検知や重複検知が発生することもあるため、結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、影響の確認と優先順位付けが必要です。つまり脆弱性スキャンは、脆弱性管理の入口として非常に有効ですが、それだけで完結するものではありません。

脆弱性スキャンを適切に実施するためには、対象となるIT資産を正確に把握することが重要です。サーバーやネットワークだけでなく、クラウド環境やOSSコンポーネントも対象となります。IT資産管理と脆弱性管理の関係については、以下の記事も参考になります。
脆弱性管理とIT資産管理 -サイバー攻撃から組織を守る取り組み-

脆弱性診断との違い

脆弱性スキャン脆弱性診断は混同されやすい言葉ですが、実務上は役割が異なります。脆弱性スキャンは、既知の脆弱性や設定不備を自動的に広く洗い出すことに向いています。これに対して脆弱性診断は、専門家が対象システムの構造や挙動を踏まえながら、ツールだけでは見つけにくい問題も含めて詳細に評価する行為です。OWASPでは、ペネトレーションテストやセキュリティテストがスキャン単独よりも実際の攻撃可能性やリスク評価をより正確に把握する助けになる、と説明しています*1

たとえば、Webアプリケーションに対する自動スキャンでは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングの典型的なパターンは検出しやすい一方で、権限管理の不備や業務フロー上のロジック欠陥、複数機能をまたいだ複雑な脆弱性は取り逃がす可能性があります。OWASPのOWASP Web Security Testing Guideでは、Webセキュリティ評価が単なる自動実行ではなく、アプリケーションの設計や攻撃面を踏まえた体系的なテストであることを示しています。

そのため企業では、脆弱性スキャンと脆弱性診断を対立概念として捉えるよりも、目的に応じて使い分けることが重要です。日常的な広範囲確認には脆弱性スキャンが向いており、公開Webサービスや重要システムの深い評価には脆弱性診断が向いています。脆弱性スキャンは継続運用の基盤、脆弱性診断は重点箇所の深掘りというように整理すると理解しやすいでしょう。

脆弱性スキャンの種類

脆弱性スキャンにはいくつかの種類があり、どこを対象にするかで使うツールや評価軸が変わります。

Webスキャン

OWASPでは、Webアプリケーション脆弱性スキャンを、外部からWebアプリケーションを自動検査し、XSS、SQLインジェクション、コマンドインジェクション、パストラバーサル、不適切な設定などの脆弱性を探すツール、として説明しています*2。いわゆるDAST(Dynamic Application Security Testing)に近い領域であり、インターネット公開されるサービスでは特に重要です。企業サイト、会員サイト、管理画面、APIなど、公開面があるならWebスキャンは有力な選択肢になります。

ネットワークスキャン

サーバー、ルーター、ファイアウォール、VPN装置などに対して、開いているポート、稼働サービス、既知の脆弱性、更新不足の状況を確認するものです。特にインターネットに公開された機器は攻撃対象になりやすいため、CISAも継続的なスキャンの重要性を強調しています。

クラウドスキャン

クラウドでは、OSやミドルウェアの脆弱性だけでなく、ストレージの公開設定、IAM権限、コンテナ設定、イメージの更新状況なども安全性に大きく影響します。従来型のネットワークスキャンだけでは十分でなく、CSPMやCNAPP系の機能を持つツールでクラウド設定やワークロードを可視化する必要があります。共有責任モデルのもとでは、クラウド事業者が管理しない部分は利用企業側が継続的に見なければなりません。

さらに、OSS脆弱性スキャン、いわゆるSCAも見逃せません。現代のソフトウェアは多くのOSSライブラリに依存しており、アプリケーション本体に問題がなくても、依存パッケージの脆弱性がリスクになります。NTIA(米国商務省電気通信情報局:National Telecommunications and Information Administration)が公開している「The Minimum Elements For a Software Bill of Materials (SBOM) 」では、SBOMをソフトウェアを構成する各種コンポーネントとサプライチェーン上の関係を記録する正式な記録、と定義しており、OSS脆弱性管理の前提として極めて重要です。SCAやSBOM対応ツールを使うことで、どのアプリケーションにどの部品が含まれているかを把握しやすくなります。

脆弱性スキャナーの比較

脆弱性スキャナーを比較するとき、まず見るべきなのはCVE対応の範囲です。脆弱性スキャンの基本は、既知の脆弱性データと自社環境を突き合わせることにあるため、どの程度広くCVE情報やベンダー情報に対応しているかは重要です。とはいえ、単に「CVEに対応している」と書かれているだけでは不十分で、更新頻度、対応製品の広さ、クラウドやコンテナへの追従性まで見たほうが実務では役立ちます。CISAが示す脆弱性管理の考え方*3でも、継続的に変化する資産や脅威を前提にした運用が重視されています。

次に確認したいのがスキャン精度です。脆弱性スキャナーは便利ですが、誤検知が多すぎると運用部門が疲弊し、逆に本当に重要な項目を見逃しやすくなります。逆に、検知が甘ければ見つかるべき脆弱性を取り逃がすことになります。ツールの比較では、単なる検知件数ではなく、結果がどれだけ実務で使いやすいか、重複排除や重要度の絞り込みがしやすいかも見ておく必要があります。OWASPが指摘するようにスキャン結果だけでは実際の攻撃可能性を完全に評価できない*4ため結果の解釈しやすさも重要です。

さらに、OSSライブラリ検出やSBOM生成の可否は、近年ますます重要になっています。SCAに対応していないツールでは、アプリケーション内部の依存関係まで把握できず、ソフトウェアサプライチェーンリスクへの対応が難しくなります。SBOMを生成・管理できるかどうかは、脆弱性スキャンの範囲をインフラからソフトウェア部品まで広げられるかどうかに直結します。NTIAはSBOMが脆弱性管理、ソフトウェア在庫管理、ライセンス管理などの基本ユースケースに役立つとしています。

脆弱性スキャン導入のポイント

脆弱性スキャンを導入する際に考えるべきポイントは以下のとおりです。

導入目的の明確化

公開Webサイトの安全性を高めたいのか、社内サーバーの更新漏れを防ぎたいのか、クラウド設定不備を見つけたいのか、OSS脆弱性を把握したいのかで、適したツールは変わります。目的が曖昧なまま「有名だから」という理由だけで導入すると、期待した検知ができなかったり、運用負荷だけが増えたりします。

導入後の運用体制の整備

脆弱性スキャンは、導入しただけでは意味がなく、誰が結果を確認し、どこまで精査し、どの基準で是正依頼を出し、修正後にどう再確認するかまで決めておく必要があります。NISTのパッチ・脆弱性管理ガイドでも、技術そのものより、継続運用のプロセス設計が重要であることが示されています。ツール導入はゴールではなく、脆弱性管理のサイクルを回すための手段です。

資産管理との連携

スキャン結果を脆弱性対応に直結させるためには、資産管理との連携も欠かせません。どのサーバーがどの業務に使われているのか、どのシステムが外部公開されているのか、どのアプリケーションがどのOSS部品を利用しているのかが分からなければ、検出された脆弱性の優先順位を決められません。特にクラウドやコンテナ環境では、資産の増減が激しいため、台帳やCMDB、クラウド資産可視化と組み合わせた運用が重要です。

脆弱性診断・ペネトレーションテストとの併用

脆弱性スキャンは広く速く確認するのに強い一方で、業務ロジックや複雑な攻撃経路までは十分に評価できないことがあります。公開サービスや重要システムでは、重点的な診断を組み合わせるほうが現実的です。OWASPも、ペネトレーションテストがスキャンだけでは見えない実攻撃視点の評価に役立つと説明しています。

脆弱性スキャンで脆弱性を発見した後は、迅速に対応を行うことが重要です。適切な優先順位付けやパッチ適用を行わなければ、攻撃リスクを低減することはできません。脆弱性対応の具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
脆弱性対応とは?CVE対応とパッチ管理の実務フロー

脆弱性管理との関係

脆弱性スキャンは、脆弱性管理そのものではありませんが、脆弱性管理を支える重要な要素です。脆弱性管理は、資産把握、脆弱性情報収集、評価、是正、再確認を継続的に回す運用全体を指します。その中で脆弱性スキャンは、「発見」と「継続的な監視」を支える手段として機能します。CISAが脆弱性管理を、脆弱性や悪用可能な状態の頻度と影響を減らす取り組みとして整理している*5ことからも、スキャン単独ではなく運用全体の中で捉えるべきことが分かります。

脆弱性スキャンは、脆弱性管理の一部として実施される重要なプロセスです。しかし、スキャンを実施するだけでは不十分であり、発見した脆弱性を評価・対応まで含めて継続的に管理する必要があります。企業の脆弱性管理全体の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
脆弱性管理とは?企業が行うべき脆弱性管理の基本と実践手順【2026年版】

実務では、脆弱性スキャンで見つけた結果をそのまま並べるだけでは意味がありません。資産の重要度、公開状態、CVSS、既知悪用の有無、業務影響などを踏まえて優先順位を決め、必要な修正や診断につなげていく必要があります。さらに、OSS脆弱性についてはSCAやSBOMを組み合わせて調査範囲を広げることが重要です。つまり脆弱性スキャンは、脆弱性管理の入口であり、全体運用へつなぐための観測手段だといえます。

まとめ

脆弱性スキャンとは、既知の脆弱性や設定不備を自動的に洗い出し、企業の攻撃面を継続的に可視化するための基本手段です。ネットワークスキャン、Webスキャン、クラウド環境スキャン、OSS脆弱性スキャンといった種類があり、企業のシステム構成に応じて適切に選ぶ必要があります。ただし、脆弱性スキャンは万能ではなく、脆弱性診断やペネトレーションテストのような深い評価とは役割が異なります。広く見つけるのがスキャン、深く確かめるのが診断、と整理すると理解しやすいです。

導入時に重要なのは、ツールの知名度ではなく、自社の目的に合っているかどうかです。CVE対応の広さ、スキャン精度、クラウド対応、OSSライブラリ検出、SBOM生成の可否などを見極めたうえで、導入後に誰がどのように結果を処理するかまで設計しておく必要があります。脆弱性スキャンを単独の製品選定で終わらせず、脆弱性管理の継続運用へつなげることが、企業にとって本当の導入効果につながります。

【参考情報】


【関連ウェビナーのご案内】
本記事では、脆弱性スキャンとは何か、脆弱性診断との違い、ツール比較のポイント、導入時の考え方までを整理しました。次回、5月20日(水)14時からの開催のウェビナーでは、AssetViewFutureVulsのメーカーが登壇し、各領域の役割をどのように整理し、どのように連携させれば実効性ある脆弱性管理が実現できるのか、解説します。脆弱性管理の考え方について深くを理解されたい方は、ぜひご参加ください。

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SQAT®脆弱性診断サービス

サイバー攻撃に対する備えとして、BBSecが提供する、SQAT脆弱性診断サービスでは、攻撃者の侵入を許す脆弱性の存在が見逃されていないかどうかを定期的に確認することができます。自組織の状態を知り、適切な脆弱性対策をすることが重要です。

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インターネット上で「攻撃者にとって対象組織はどう見えているか」調査・報告するサービスです。攻撃者と同じ観点に立ち、企業ドメイン情報をはじめとする、公開情報(OSINT)を利用して攻撃可能なポイントの有無を、弊社セキュリティエンジニアが調査いたします。

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脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方

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企業が施すセキュリティ対策は広範かつ複雑になっています。外部からのサイバー攻撃や、内部での情報の持ち出しなど、セキュリティの脅威が多様化しているためです。企業が保護すべき情報、アプリケーション、機器の種類・数などが拡大していることも理由に挙げられます。

「脆弱性診断」ではアプリケーションやサーバ、ネットワークに、悪用できる脆弱性がないかを診断します。本記事では、ライフサイクル別にどんな診断が必要か、ツール診断と手動診断、ペネトレーションテストとの違いなどを解説します。

脆弱性診断とは

脆弱性診断とは、企業・組織のシステムに内在するセキュリティ上の既知の欠陥(=脆弱性)を特定する検査です。

脆弱性とは、システムやソフトウェアに存在するセキュリティ上の弱点を指します。
→「脆弱性の意味を正しく理解する―読み方・具体例・種類をわかりやすく解説

Webアプリケーション、スマホアプリケーション、サーバ、ネットワークなど診断対象により様々な脆弱性診断があります。セキュリティ上の問題点を可視化することで、情報漏洩やサービス停止等のセキュリティ事故を防ぐために、どのような対策を実施すればよいか検討するのに役立ちます

脆弱性のリスクについてはこちらの関連記事もあわせてご参照ください。
BBSec脆弱性診断結果からみる― 脆弱性を悪用したサイバー攻撃への備えとは ―
定期的な脆弱性診断でシステムを守ろう!-放置された脆弱性のリスクと対処方法-
既知の脆弱性こそ十分なセキュリティ対策を!
今、危険な脆弱性とその対策―2021年上半期の診断データや攻撃事例より―

脆弱性診断の必要性

情報資産を守るため

CIA説明画像

情報のセキュリティの3要素、「機密性」「完全性」「可用性」を守るためにも、脆弱性診断は必要な理由の一つです。


「機密性」…限られた人だけが情報に接触できるように制限をかけること。
「完全性」…不正な改ざんなどから保護すること。
「可用性」…利用者が必要なときに安全にアクセスできる環境であること。


これらの要素を適切に満たすことが、情報セキュリティを担保する上では欠かせないものとなります。

情報セキュリティ事故を未然に防ぐため        

攻撃者より先にシステムに隠れた脆弱性を検出して対策することで、攻撃や事故発生の確率を下げることができます。ひとたび個人情報やクレジットカード情報の漏えい事故が発生すれば、さまざまな対応・復旧費用や対策工数の発生は避けられません。ブランドの毀損や企業イメージの低下も招きます。

サービス利用者の安心のため

パソコンやインターネットを補助的に利用していた昔と異なり、現在はWebサービスやアプリケーションそのものが利益を生み出しています。生活や経済がネットワークなしに成り立たない現在、脆弱性診断などのセキュリティ対策は、事業を継続しサービス利用者の安心を守るため、欠かせないものとなっています。

脆弱性診断の種類

診断対象により、さまざまな脆弱性診断サービスがあります。まず、企業が開発したWebアプリケーションが挙げられます。問合せや会員登録といった、入力フォームの入出力値の処理、ログイン機能の認証処理などに対して、幅広く網羅的に脆弱性診断が行われます。

次に、そのWebアプリケーションを実行するサーバやネットワーク機器、OSやミドルウェアに脆弱性がないか検査するプラットフォーム診断があります。

アプリケーションの脆弱性診断には、既知の攻撃パターンを送付して対象システムやソフトウェアの挙動を確認する「ブラックボックステスト」という方法があります。 「ブラックボックステスト」では、実装時における脆弱性は検出できますが、そもそもプログラムの設計図であるソースコード中に存在する脆弱性を網羅的には検査することには適していません。

この場合、ソースコード開示のもと「ソースコード診断」する方法が有効です。「ソースコード診断」は「ブラックボックステスト」に対して 「ホワイトボックステスト」とも呼ばれます。また、「ソースコード診断」はさらに、プログラムを実行しないで行う「静的解析」と、実行して行う「動的解析」に分類できます。

ソースコード診断についてはこちらの記事もあわせてご参照ください。
ソースコード診断の必要性とは?目的とメリットを紹介

そのほか、近年増加の一途をたどるスマホアプリケーションIoT機器を対象とした脆弱性診断もあります。

脆弱性診断画像

(株式会社ブロードバンドセキュリティのサービス分類に基づく)

脆弱性診断とペネトレーションテストの違い

脆弱性診断とペネトレーションテストは、双方とも脆弱性などを検出する点では似ていますが、目的と方法が少し異なります。脆弱性診断は既知の脆弱性を網羅的に検出することを目的としています。

ペネトレーションテストは、「侵入テスト」の名前のとおり、疑似的なサイバー攻撃を仕掛けてセキュリティ対策の有効性を評価するために実施します。技術的アプローチだけでなく、対象となる組織の構成や、業務手順、ときには物理的な施設の特徴すら加味して、攻撃シナリオを作成する「レッドチーム演習」と呼ばれるテストを実施することもあります。

シナリオに沿ってペネトレーションテスターが攻撃を実行し、システムに侵入できるか、ターゲットとする資産(多くは知的財産)にたどり着くことができるかどうかなどをテストします。ペネトレーションテストは脆弱性診断と比べて、技術力はもちろん、より幅広い見識やセンスが求められます。

脆弱性診断のやり方(方法)

脆弱性診断にはツールを使って自動で診断する「ツール診断」とエンジニアが診断する「手動診断」があります。

ツール診断

「ツール診断」では、セキュリティベンダーが、商用または自社開発した脆弱性診断ツールを用いて脆弱性を見つけ出します。脆弱性診断ツールと呼ばれるコンピュータプログラムを実行して、その応答から脆弱性を検知していくもので、自動診断とも呼ばれます。機械的に不正なHTTPリクエストを送り付ける疑似攻撃を行いますが、クラッカーによる攻撃とは異なり、あくまでも 脆弱性を見つけ出すことが目的であるため、システムを破壊することはありません。

CPEサービスリンクバナー

ツール診断は機械的な検査であるため、過検知や誤検知なども含まれることが多く、その結果は担当者が補正することで正確な情報が得られます。比較的手軽に行えることから、開発段階で実施されることも多い診断です。また、定期的な簡易診断として用いることで、コストを低減しつつ最新の状態を保つことができるといった利用方法もあります。

脆弱性診断ツールとは

脆弱性診断ツールには、たとえばWebアプリケーション診断の場合に、検査コードと呼ばれる不正なHTTPリクエストを送信し 擬似攻撃するプログラムがあります。

手動診断

技術者がプロキシツールを介してWebブラウザでサイトにアクセスした際に発生するリクエストを書き換える形で、脆弱性を確認する方法です。ツール診断と比べ検査項目も広く、また細かな検査ができるのが特徴です。

手動診断は、経験と専門性を持つ技術者によって実施され、機械的な判断では見落としてしまう画面遷移・分岐にも対応できるメリットがあります。発見した脆弱性の再現手順や、最新動向を加味した対策方法などを提示してくれるのも、手動診断ならではの特徴と言えます。

ツール診断と手動診断は、どちらが優れていると比較するものではありません。それぞれの特長を生かし、予算に合わせて組み合わせることで、コストパフォーマンスを発揮できるでしょう。

脆弱性診断サービスの流れ

セキュリティベンダーに脆弱性診断を依頼する際は、まず 診断する範囲を決めます。組織にとって重要度が高い部分、すなわちサイバー攻撃を許してはいけないシステムやサーバ、Webアプリケーションを選定します。

診断が終了するとベンダーからレポートが提供され、報告会が行われることもあります。レポートに記載された脆弱性には深刻度などがスコア化されていることもあります。内容に応じて優先度をつけて、脆弱性をふさぐ必要があります。

チームによる診断・分析・保守画像

継続的なセキュリティ対策の実施を

脆弱性診断は一度実施したらそれで終わり、というものではありません。脆弱性診断により発見された問題に対し対策を実施することで、より堅牢なシステム・環境・体制を構築することができます。

重要なのは、システムライフサイクルの各フェーズで、適切な診断を実施し、洗い出されたセキュリティ上の問題に優先順位をつけて、ひとつひとつ対処することです。診断ツールの検討に関しては自組織の環境やシステム特性に合わせたものを選定し、継続的なセキュリティ対策に有効活用できるようにしましょう。

まとめ

企業の情報システムが複雑かつ大規模になった現在、カード情報や個人情報・機密情報を狙う内外からの脅威に対して、企業もさまざまな予防手段を打っていく必要があります。情報システムやそれを取り巻く環境・体制が堅牢であるかどうかを検査、評価する方法として「脆弱性診断」があります。

・脆弱性診断とは企業・組織のシステムに内在するセキュリティ上の既知の欠陥(=脆弱性)
 を特定する検査
・Webアプリケーション、スマホアプリケーション、サーバ、ネットワークなど診断対象により様々な脆弱性診断がある
・脆弱性診断を実施し洗い出されたセキュリティ上の問題に優先順位をつけて、ひとつひとつ対処することが重要である


公開日:2020年5月23日
更新日:2026年3月11日

編集責任:木下

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CWE Top 25 2025年版(後編)– メモリ安全性が上位に増えた理由と対策の要点

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CWE Top 25 2025年版– メモリ安全性が上位に増えた理由と対策の要点アイキャッチ画像

CWE Top 25:2025」では、もう一つ見逃せない特徴があります。それが、メモリ領域の安全性に関わる弱点が複数上位に含まれている点です。本記事では、CWE Top 25 2025年版で目立つメモリ系弱点を整理したうえで、なぜ上位に増えているのか、Webサービス運用の観点でどのように備えるべきかを解説します。

はじめに:前編の振り返り(Web/API 12項目)

前編では、CWE Top 25 2025年版のうち、WebアプリケーションやAPIで特に問題になりやすい弱点をピックアップし、リスクと診断観点を整理しました。具体的には、XSSやCSRFといった入力・リクエスト起点の脆弱性に加え、「認可の欠如不備」のようにログインしていても不正操作が成立するタイプの脆弱性が、実被害につながりやすいポイントとして挙げられます。Web/APIは機能追加や仕様変更が多いため、対策しているつもりでも抜けが生まれやすく、定期的な点検が重要です。

前編の記事はこちらからご覧いただけます。
CWE Top 25 2025年版(前編)– Web/APIで狙われやすい弱点12項目と診断ポイント」(https://www.sqat.jp/kawaraban/41257/

前編で取り上げたWeb/APIの脆弱性は、日々の開発や運用の中で発生しやすく、脆弱性診断でも頻出する領域です。一方で、CWE Top 25 2025年版を俯瞰すると、もう一つ見逃せない特徴があります。それが、メモリ領域の安全性に関わる脆弱性が複数上位に含まれている点です。

メモリ系の脆弱性は、C/C++など低レベル言語で起きやすい印象が強く、「Webアプリ中心の開発では関係が薄い」と思われることもあります。しかし実際には、Webサービスを支える基盤やOSS、ミドルウェア、各種ライブラリにはネイティブ実装が含まれることも多く、アプリケーションの外側でリスクが顕在化するケースも少なくありません。また、メモリ破壊系の脆弱性は、単なるサービス停止(DoS)に留まらず、条件次第では任意コード実行など深刻な侵害につながる可能性があります。攻撃の影響が大きく、対応にも専門性が求められることから、近年あらためて注目されている領域といえます。

そこで後編では、CWE Top 25 2025年版で目立つメモリ系弱点を整理したうえで、なぜ上位に増えているのか、Webサービス運用の観点でどのように備えるべきかを解説します。

メモリ領域の安全に関する脆弱性が上位に増えている理由

CWE Top 25 2025年版ではメモリ安全性に関わる脆弱性が複数ランクインしている傾向もみてとれます。一見すると「これはC言語など低レベル言語の話で、Webアプリ開発とは関係が薄いのでは?」と思われるかもしれません。しかし実際には、Webサービスを提供する側にとっても無視できないテーマになっています。ここでは、2025年版で目立つメモリ系の脆弱性と、上位に増えている背景を整理します。

2025年に目立つメモリ系6項目

CWE Top 25 2025年版の中で、特にメモリ領域の安全性に関連する項目としては以下が挙げられます。

  1. CWE-787:範囲外の書き込み
  2. CWE-416:解放したメモリの使用
  3. CWE-125:範囲外の読み取り
  4. CWE-476:NULLポインター逆参照
  5. CWE-121:スタックベースバッファオーバーフロー
  6. CWE-122:ヒープベースバッファオーバーフロー

これらは主にC/C++言語などで発生しやすい脆弱性で、メモリ破壊を起点としてアプリケーションの異常動作やクラッシュ、条件次第では任意コード実行にまでつながる可能性があります。

メモリ系が“ランク上昇”した背景

OSS・ミドルウェア・実行環境の影響が大きい

近年のシステム開発では、自社でゼロからすべてを実装することはほとんどありません。
Webアプリケーション自体は高水準言語(Java、PHP、Python、Ruby、JavaScriptなど)で書かれていたとしても、実際には裏側で多くのソフトウェア資産に依存しています。 例えば、以下のような領域はネイティブ実装(C/C++など)が含まれることが多く、メモリ安全性の影響を受けやすい代表例です。

  • 画像・動画の変換や解析
  • 圧縮・解凍処理
  • 暗号処理
  • OSやコンテナの周辺コンポーネント
  • Webサーバやロードバランサなどの基盤ソフトウェア

つまり「アプリはWebだからメモリ破壊は関係ない」と切り分けるのではなく、サービス全体を構成する要素としてメモリ安全性の弱点が影響し得る、という視点が必要になります。

「攻撃が成立した時のインパクト」が大きい

メモリ破壊系の脆弱性は、単にアプリがダウンする(DoS攻撃等の影響による)だけでなく、条件がそろうと攻撃者にとって非常に強力な結果につながることがあります。たとえば、任意コード実行や権限奪取の足がかりになるケースもあり、被害の深刻度が高くなりやすい点が特徴です。

Webアプリケーションの脆弱性は「データが漏れる」「不正操作される」といった被害が中心になりやすい一方で、メモリ系は侵害の方向性が変わり、“システムそのものの制御”に影響する可能性がある点で性質が異なります。このインパクトの大きさが、ランキング上でも目立ちやすい要因の一つです。

“開発者の気付き”だけでは防ぎにくい

XSSやSQLインジェクションは、実装者の意識と共通部品の整備で減らしていける領域です。一方でメモリ安全性の弱点は、そもそも自社コードではなく、依存しているライブラリやミドルウェアの脆弱性として露出することも少なくありません。この場合、開発者が気を付けて実装していても防ぎきれず、必要になるのは次のような対策です。

  • 利用コンポーネントの把握(棚卸し)
  • 脆弱性情報の継続的な収集
  • バージョンアップ・パッチ適用の判断と運用
  • 影響範囲の評価(どの機能が影響を受けるか)

つまり、メモリ系の脆弱性は「作り込みで防ぐ」だけではなく、運用で守る力も問われる領域だと言えます。

脆弱性対応は「作り込み」+「運用」の両輪

Webアプリケーションのセキュリティ対策というと、入力チェックや認可実装など“作り込み”に注目が集まりがちです。もちろんこれは重要ですが、メモリ系の弱点が示すように、脆弱性対応には運用面の強さも求められます。

運用面で意識したいポイントは、以下のように整理できます。

  • 利用しているライブラリ/ミドルウェアの把握(棚卸し)
  • 脆弱性情報の継続的な収集と影響評価
  • パッチ適用・アップデートの判断と実施
  • 監視・ログによる異常兆候の検知
  • 必要に応じた防御策(WAFなど)による被害軽減

特に「アップデートできる体制があるか」「影響範囲を素早く見積もれるか」は、脆弱性が公開された際の対応スピードに直結します。メモリ系の脆弱性は影響が大きくなりやすい分、発覚後の初動が被害を左右するため、日頃から“運用で守る仕組み”を整えておくことが重要です。

脆弱性診断でどう確認するか(診断観点の例)

メモリ領域の安全性の脆弱性は、Web/APIの脆弱性とは性質が異なり、「画面やAPIを触るだけでは見えにくい」ケースもあります。そのため、脆弱性診断ではアプリケーションの挙動確認に加えて、実装・構成・依存関係といった複数の観点からリスクを洗い出すことが有効です。

Webアプリケーション診断/API診断

実際の画面・APIに対して攻撃パターンを当て、脆弱性が成立するかどうかを確認します。
メモリ系の弱点そのものを直接検出するのは難しい場合もありますが、前編で整理した認可不備・IDOR・SSRF・ファイル関連など、実被害につながりやすい脆弱性を網羅的に確認できる点が強みです。

ソースコード診断(SAST)

危険な実装パターンや、入力値の扱い方、権限判定の実装の偏りなどを、コードレベルで洗い出せる手法です。メモリ領域の安全性の観点でも、ネイティブコードを含む箇所や危険APIの利用状況、例外処理の不足などを確認することで、潜在的なリスクを把握しやすくなります。特に、開発を継続しながら対策を積み上げる場合、設計や共通部品の見直しにも活用できます。

プラットフォーム診断/OSS観点(依存関係・構成)

メモリ系の脆弱性を含む“依存資産のリスク”に対応するには、構成・依存関係の観点が欠かせません。アプリケーションの外側に原因がある場合、どれだけアプリの実装を直してもリスクが残るためです。「脆弱性が出たときに、すぐ把握できる・すぐ対応できる」状態を作ることが、結果的にリスクを下げる近道になります。

まとめ

CWE Top 25 2025年版から読み取れるのは、Webアプリ・APIで頻出する脆弱性が依然として事故につながりやすい一方で、メモリ安全性のように“アプリの外側”に潜むリスクも無視できない存在になっているという点です。この2つを両立できるかどうかが、2025年のセキュリティ対策の分かれ道になると言えます。

“定期的な診断+改善”でリスクを下げる

脆弱性対策は、一度対応して終わりではなく、仕様変更・機能追加・依存資産の更新によって状況が変化します。だからこそ、CWE Top 25のような指標を参考にしながら、第三者視点の脆弱性診断で現状を確認し、優先度を付けて改善していくことが有効です。Webアプリケーション診断・API診断・ソースコード診断を組み合わせることで、「攻撃が成立するポイント」と「根本原因」を整理しやすくなり、修正の手戻りを減らしながら安全性を高められます。継続的な診断と改善を通じて、インシデントの予防と品質向上につなげていきましょう。

BBSecでは

「どこが危ないのか」を把握しないまま対策を進めると、重要な弱点が残ったり、修正の手戻りが増えたりすることがあります。Webアプリケーション/APIの脆弱性診断により、実際に攻撃が成立するポイントを洗い出し、優先度を付けて改善につなげることが可能です。まずは現状の課題や診断範囲について、お気軽にご相談ください。

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CWE Top 25 2025年版(前編)– Web/APIで狙われやすい弱点12項目と診断ポイント

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2025年12月、MITREより「CWE Top 25:2025」が公開されました。本記事では、CWE Top 25 2025年版のうち、WebアプリケーションやAPIに直結する12項目をピックアップし、リスクと診断観点を整理します。

CWE Top 25とは

Webアプリケーションや業務システムを狙った攻撃は年々巧妙化していますが、実は“よく悪用される脆弱性”には一定の傾向があります。限られた工数の中で効果的に対策を進めるには、脆弱性を闇雲に潰すのではなく、被害につながりやすい弱点から優先して対応することが重要です。そこで参考になるのが、MITREが公開している「CWE Top 25」です。CWE(Common Weakness Enumeration、共通脆弱性タイプ)は、ソフトウェアに潜む弱点を体系的に整理したもので、CWE Top 25はその中でも特に危険度が高く、実際の攻撃にもつながりやすい弱点をランキング形式でまとめたものです。開発・運用の現場で「どこから手を付けるべきか」を判断するための指標として活用できます。

CWE Top 25は毎年アップデートされるため、年ごとの傾向を追うことで「長年狙われ続けている脆弱性」や「新たに注目されているリスク」も見えやすくなります。2024年版の内容は過去記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
【CWE TOP 25 2024年版】にみる新たなセキュリティ脅威と指針」(https://www.sqat.jp/kawaraban/33156/

CWE Top 25 2025年版

順位 CWE ID 脆弱性名称
1 CWE-79 入出力の不適切な無害化(クロスサイトスクリプティング(XSS))
2 CWE-89 SQLコマンドの特殊要素の不適切な無害化(SQLインジェクション)
3 CWE-352 クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)
4 CWE-862 認可の欠如
5 CWE-787 範囲外の書き込み
6 CWE-22 制限ディレクトリへのパス制限不備(パストラバーサル)
7 CWE-416 解放したメモリの使用
8 CWE-125 範囲外の読み取り
9 CWE-78 OSコマンドで使用される特殊要素の不適切な無効化(OSコマンドインジェクション)
10 CWE-94 コード生成の不適切な制御(コードインジェクション)
11 CWE-120 入力サイズチェックなしのバッファコピー(古典的バッファオーバーフロー)
12 CWE-434 危険なタイプのファイルのアップロード許可
13 CWE-476 NULLポインター逆参照
14 CWE-121 スタックベースバッファオーバーフロー
15 CWE-502 不適切なデータ逆シリアル化
16 CWE-122 ヒープベースバッファオーバーフロー
17 CWE-863 不適切な認可
18 CWE-20 不適切な入力検証
19 CWE-284 不適切なアクセス制御
20 CWE-200 権限を持たないユーザへの機密情報の漏洩
21 CWE-306 重要な機能の使用に対する認証の欠如
22 CWE-918 サーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)
23 CWE-77 コマンドで使用される特殊要素の不適切な無害化(コマンドインジェクション)
24 CWE-639 ユーザ制御キーによる認可バイパス
25 CWE-770 制限やスロットリングなしのリソース割当

Web/APIに直結する“狙われやすい12項目”

CWE Top 25 2025年版には、メモリ安全性の弱点など幅広い項目が含まれていますが、脆弱性診断会社の視点で特に注目したいのは、WebアプリケーションやAPIに直結し、実被害につながりやすい脆弱性です。Web/APIは外部からアクセス可能な入口が多く、仕様変更や機能追加も頻繁に発生します。その結果、実装ミスや設計の抜けが生まれやすく、攻撃者にとっても狙いやすい領域になりがちです。ここでは、Top 25のうちWeb/APIに絡む以下の12項目をピックアップし、リスクと脆弱性診断の観点を整理します。

Web/APIで特に重要な12項目一覧

  1. CWE-79
  2. CWE-352
  3. CWE-862
  4. CWE-22
  5. CWE-434
  6. CWE-863
  7. CWE-20
  8. CWE-284
  9. CWE-200
  10. CWE-306
  11. CWE-918
  12. CWE-639

入力・出力の不備(攻撃の入口になりやすい)

CWE-79:クロスサイトスクリプティング(XSS)

コメント欄のような分かりやすい入力欄だけでなく、検索結果、プロフィール、管理画面のメモ欄など「入力した内容が表示される場所」全般が対象になります。XSSが成立すると、セッション情報の窃取によるアカウント乗っ取り、偽画面による情報詐取、管理者権限での操作悪用などにつながる可能性があります。特に管理画面で発生した場合、被害が大きくなりやすい点が特徴です。

脆弱性診断では、入力点の洗い出しに加え、“どこで入力が表示されるか(出力箇所)” を意識して確認します。実装側で「入力チェックをしている」つもりでも、表示時のエスケープが不十分なケースは多く、テンプレートの扱いや出力文脈(HTML/属性/JavaScript)まで含めた確認が重要になります。

SQAT.jpでは過去にもクロスサイトスクリプティングについて、初心者向けの解説記事を公開しています。こちらもあわせてご覧ください。
クロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性 -Webアプリケーションの脆弱性入門 1-」(https://www.sqat.jp/tamatebako/27269/

CWE-20:不適切な入力検証

入力検証不備は、受け取った値が想定どおりかどうかの確認が不足している状態です。一見すると地味な問題に見えますが、WebアプリやAPIでは、入力値がそのままDB検索、権限判定、外部連携、ファイル処理などに渡ることが多く、他の脆弱性の引き金になりやすい“起点”です。特にAPIでは、フォーム入力だけでなくJSON形式のリクエスト、配列やネスト構造、数値・文字列の型違いなど、入力のバリエーションが増えます。その結果、「画面側では弾けているのにAPI直叩きで通ってしまう」「境界値や異常値で想定外の挙動になる」といった事故が起きやすくなります。

脆弱性診断では、正常系だけでなく、境界値・異常系・型違い・過剰な長さ・未定義パラメータなどを含めて入力を揺さぶり、想定外の処理やエラー露出が起きないかを確認します。

リクエスト偽装・処理のすり抜け(攻撃者が「操作」を作る)

CWE-352:クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)

CSRFは攻撃者が用意したページやリンクを踏ませることで、ユーザ本人が操作したように見えるリクエストが送信され、設定変更や登録情報更新などが実行されてしまう可能性があります。特に危険なのは、パスワード変更、メールアドレス変更、権限変更、退会処理など「状態を変える操作」です。攻撃が成立しても操作主体が正規ユーザに見えるため、被害に気づきにくい点もCSRFの厄介なところです。

脆弱性診断では、重要操作にCSRFトークンが実装されているか、SameSite属性が適切か、Origin/Refererの扱いがどうなっているかなどを確認します。SPAやAPI中心の構成では「CSRFは関係ない」と思われがちですが、認証方式によっては成立するため、設計前提から整理して確認することが重要です。

SQAT.jpでは過去にもクロスサイトリクエストフォージェリについて、初心者向けの解説記事を公開しています。こちらもあわせてご覧ください。
クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF/XSRF)とは?狙われやすいWebアプリケーションの脆弱性対策」(https://www.sqat.jp/tamatebako/12249/

CWE-918:サーバサイドリクエストフォージェリ(SSRF)

SSRFは、サーバ側が外部へアクセスする仕組みを悪用され、攻撃者が任意の宛先にリクエストを送らせる脆弱性です。たとえば「指定したURLから画像を取得する」「外部APIのURLを登録する」といった機能がある場合、入力値の制御が不十分だとSSRFにつながる可能性があります。SSRFが危険なのは、外部から直接アクセスできない内部ネットワークや管理系サービスに到達できてしまう点です。環境によっては、クラウドのメタデータ(認証情報)取得など、重大な侵害につながるケースもあります。

脆弱性診断では、URL入力や外部通信の機能を洗い出し、許可リスト制御があるか、名前解決やリダイレクトがどう扱われるか、内部アドレス(localhostやプライベートIP)へのアクセスが可能かなどを確認します。外部連携機能は便利な反面、攻撃の入口になりやすいため、重点的な確認が必要です。

認証・認可の不備(ログインしていても守れていない)

CWE-306:重要な機能の使用に対する認証の欠如

重要な機能の使用に対する認証の欠如は、本来ログインが必要な操作が、認証なしで実行できてしまう状態です。代表例としては、管理者向けのAPIや運用機能が「画面からは触れない」ために見落とされ、URL直叩きで実行できてしまうケースが挙げられます。 この弱点があると、攻撃者はアカウントを用意する必要すらなく、いきなり機能を悪用できてしまいます。影響範囲は機能次第で、情報閲覧だけでなく、設定変更やデータ削除などにつながる可能性もあります。

脆弱性診断では、ログイン前に到達できるURL・APIを洗い出し、認証が正しくかかっているかを横断的に確認します。特に、管理系の機能や“メンテナンス用”に追加されたエンドポイントは、抜けが起きやすいポイントです。

CWE-862:認可の欠如

認可の欠如は、「ログインしているユーザが、その操作をしてよいか」の判定が不足している状態です。認証が正しく実装されていても、認可が抜けていると、一般ユーザが管理機能を実行できたり、他人の情報にアクセスできたりするリスクが生まれます。現代のWebアプリはAPI化が進み、画面とAPIが分離されているケースも多くあります。その結果、「画面上ではボタンが表示されないが、APIを直接叩くと通ってしまう」といった問題が発生しやすくなります。認可は“画面制御”ではなく“サーバ側判定”が必須です。

脆弱性診断では、ユーザ権限を切り替えながら同じAPIを試す、IDを変更して他人データに触れないか確認するなど、権限境界を意識したテストを行います。認可不備は事故につながりやすい一方で見落とされやすいため、重点的に確認すべき項目です。

CWE-863:不適切な認可

誤った認可は、認可チェック自体は存在するものの、判定条件が不十分・誤っている状態です。たとえば「ロール(一般/管理者)は見ているが、所属組織や契約単位の制御が抜けている」「閲覧は制御できているが更新だけ抜けている」など、複雑な仕様ほど起きやすい傾向があります。このタイプの問題は、単純な“認可チェックの抜け”よりも発見が難しく、機能仕様を理解したうえでテストしないと見落とされがちです。結果として、公開後に利用者からの指摘やインシデントで発覚することもあります。

脆弱性診断では、ロールだけでなく、組織・契約・所有権などの境界を整理し、境界を跨ぐ操作ができてしまわないかを確認します。実装だけでなく、設計段階での権限モデルの整理が重要になります。

CWE-284:不適切なアクセス制御

不適切なアクセス制御は、認証・認可・制限の仕組み全体が適切に機能していない状態を指す、非常に重要なカテゴリです。CWE-862やCWE-863、CWE-639などと密接に関係し、実際のインシデントでは“アクセス制御の穴”としてまとめて問題になるケースも少なくありません。アクセス制御の難しさは、実装ミスだけでなく、仕様変更や機能追加によって整合性が崩れやすい点にあります。APIが増えるほど確認対象も増え、権限チェックの一貫性を保つのが難しくなります。

脆弱性診断では、画面・API・直接URLアクセスなど複数経路からの到達性を確認し、「見えないはずの機能が触れてしまう」「アクセスできないはずの情報が見えてしまう」といった問題を洗い出します。アクセス制御は“守りの土台”であり、最優先で見直すべき領域です。

CWE-639:ユーザ制御キーによる認可バイパス

ユーザ制御キーによる認可バイパスは、ユーザが指定できるIDやキーを悪用し、認可を回避できてしまう問題です。いわゆるIDOR(Insecure Direct Object Reference)として知られるケースが多く、例えば「注文ID」「請求書ID」「ユーザID」などを変更するだけで他人の情報にアクセスできてしまうといった形で発生します。この脆弱性が厄介なのは、画面上では正しく動いて見えることが多い点です。正規ルートでは問題がなくても、パラメータを改ざんすると成立してしまうため、悪意ある操作を前提にした確認が欠かせません。

脆弱性診断では、IDやキーを意図的に変更し、他人データの閲覧・更新・削除ができないかを確認します。設計としては、IDを推測しにくくするだけでなく、サーバ側で必ず所有権チェックを行うことが重要です。

情報の露出(「次の攻撃」の起点になる)

CWE-200:権限を持たないユーザへの機密情報の漏洩

機密情報の露出は、権限のない相手に情報が見えてしまう状態です。例としては、APIレスポンスに不要な項目が含まれている、エラーメッセージに内部情報が出ている、管理画面の情報が一般ユーザから参照できる、といったケースが挙げられます。情報漏洩は、それ単体でも重大な事故ですが、攻撃者にとっては“次の攻撃を成功させる材料”になります。たとえば、ユーザ情報や内部構成が漏れることで、なりすましや権限突破、別の脆弱性悪用が容易になることがあります。

脆弱性診断では、画面表示だけでなくAPIレスポンスの内容、エラー出力、ログ出力の扱いまで含めて確認します。「返さなくてもよい情報を返していないか」を見直すことは、対策コストに対して効果が大きいポイントです。

ファイル・パスの取り扱い(“便利機能”が事故の原因になる)

CWE-22:パストラバーサル

パストラバーサルは、ファイル・パスの指定を悪用され、想定外のファイルにアクセスされてしまう脆弱性です。例えば、ダウンロード機能や画像表示機能で、パラメータがそのままファイル・パスに使われている場合に発生しやすく、設定ファイルや機密ファイルの閲覧につながる可能性があります。この問題は、アプリケーション内部の設定情報や秘密鍵などの露出を招くことがあり、被害が“情報漏えい”に留まらず、侵入やなりすましの起点になることもあります。

脆弱性診断では、パス指定のパラメータを揺さぶり、制限ディレクトリ外の参照ができないかを確認します。設計としては、ファイルはIDで管理し、サーバ側で実体パスに変換する方式が安全です。

CWE-434:危険なタイプのファイルのアップロード許可

危険なファイルアップロードは、攻撃者が悪意あるファイルをアップロードできてしまう脆弱性です。拡張子チェックだけで判定している場合、実体がスクリプトや実行形式であってもすり抜けられることがあり、Webシェル設置やマルウェア配布などにつながる危険があります。また、アップロードしたファイルがそのまま公開ディレクトリに置かれている場合、アクセスされるだけで攻撃が成立するケースもあります。ファイル機能はユーザにとって便利な一方で、攻撃者にとっても“侵入口”になりやすい領域です。

脆弱性診断では、アップロード可能な拡張子・MIME・実体判定、保存先、参照方法、実行可否などを確認します。特に「アップロード後にどう扱われるか(公開されるか、変換されるか)」まで含めて評価することが重要です。

【補足】なぜこの12項目が脆弱性診断で重要なのか
ここまで見てきた12項目は、いずれもWebアプリやAPIで発生しやすく、攻撃者が外部から試行しやすい弱点です。また、認可やアクセス制御のように、仕様・設計・実装が絡み合う領域は、チェック漏れが起きやすい一方で、発見が遅れると影響が大きくなりがちです。 そのため、開発時のレビューや自動テストだけでなく、第三者視点での脆弱性診断によって「実際に攻撃が成立するか」を確認し、優先度を付けて改善していくことが有効です。

現場での優先度付け(Web/API向け)

CWE Top 25に含まれる弱点は幅広く、すべてを一度に潰すのは現実的ではありません。そこで重要になるのが、「被害が大きいもの」「攻撃者が試しやすいもの」から優先して対策する考え方です。ここでは、WebアプリケーションやAPIを前提に、現場で取り組みやすい優先順位を整理します。

認可

まず最優先に見直したいのは、認可(Authorization)に関する脆弱性です。認証(ログイン)が正しく動いていても、「そのユーザがその操作をしてよいか」の判定が甘いと、他人の情報閲覧や不正更新、管理機能の悪用につながります。特にAPIが増えるほど、権限チェックの抜けや判定ミスが起きやすく、事故の原因になりがちです。認可の問題は、攻撃が成立すると影響範囲が大きく、かつログ上は正規ユーザの操作に見えることもあります。Web/APIにおけるセキュリティの土台として、まずは認可を最優先で点検することが重要です。

入出力・CSRF

次に優先したいのは、入出力の取り扱い(XSSや入力検証不備など)と、CSRFです。
入力値は、画面表示・DB操作・外部連携など多くの処理に影響するため、わずかな実装ミスが攻撃の入口になりやすい領域です。またXSSは、利用者のアカウント乗っ取りや管理画面の悪用につながる可能性があり、優先度の高い脆弱性です。CSRFについても、状態変更系の操作(変更・更新・削除)がある限り、対策の抜けがあると被害につながります。「ログインしているから安全」ではなく、“正しい意図の操作かどうか”を担保できているかを確認する必要があります。

SSRF・ファイル関連

SSRFやファイル関連の脆弱性は、システムに該当機能がある場合、優先度を一段階上げて確認すべき項目です。たとえば、URL入力を受け付ける機能(外部連携、Webhook、画像取得など)がある場合、SSRFが成立すると内部ネットワークへのアクセスや情報取得につながる可能性があります。また、ファイルアップロード/ダウンロード機能がある場合は、危険なファイルの混入やパストラバーサルによる情報漏えいなど、攻撃の入口になりやすい要素が揃っています。利便性の高い機能ほどリスクも増えやすいため、仕様として存在するなら“重点確認対象”として扱うのが安全です。

情報露出・認証の欠如

最後に、見落とし厳禁として挙げたいのが「情報露出」と「認証欠如」です。機密情報の露出は、単体でも重大な事故ですが、攻撃者にとっては次の攻撃を成立させるための材料にもなります。APIレスポンスの過剰返却やエラーメッセージの出し方など、“つい残ってしまう情報”が原因になることも少なくありません。また、重要機能の認証欠如は、成立すると攻撃者がログインすらせずに機能を悪用できてしまいます。管理用のエンドポイントや運用機能など、「利用者が限られるから大丈夫」と思われがちな部分ほど抜けが起きやすいため、公開前後での棚卸しが重要です。

Web/APIは定期診断が有効

Web/APIは機能追加や仕様変更が多く、開発時点で対策していたとしても、改修のたびに新しい抜けが生まれる可能性があります。だからこそ、開発段階での対策に加えて、第三者視点の脆弱性診断で「実際に攻撃が成立するか」を確認し、優先度を付けて改善することが効果的です。定期的に診断を実施することで、仕様変更による取りこぼしを早期に発見し、インシデントを未然に防ぐことにつながります。

後編では、CWE Top 25 2025年版で目立つもう一つのポイントとして、メモリ領域の安全に関わる脆弱性が上位に増えている背景を整理します。なぜ今メモリ系が注目されているのか、どのように備えるべきかを、診断・運用の観点も含めて解説します。


―後編に続く―

BBSecでは

「どこが危ないのか」を把握しないまま対策を進めると、重要な弱点が残ったり、修正の手戻りが増えたりすることがあります。Webアプリケーション/APIの脆弱性診断により、実際に攻撃が成立するポイントを洗い出し、優先度を付けて改善につなげることが可能です。まずは現状の課題や診断範囲について、お気軽にご相談ください。


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【注意喚起】至急更新プログラムを適用しましょう!
Microsoft 製品の脆弱性(2025年3月)

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お問い合わせ

お問い合わせはこちらからお願いします。後ほど、担当者よりご連絡いたします。


概要

2025年3月12日(日本時間)に、Microsoft 製品に関するセキュリティ更新プログラム(月例)が公表されました。これらの脆弱性が悪用されると、アプリケーションの異常終了や攻撃者によるパソコンの制御など、深刻な被害が発生するおそれがあります。特に、以下のCVE脆弱性に関しては Microsoft 社が実際の悪用事実を確認済みであり、今後被害が拡大する可能性があるため、速やかに更新プログラムを適用する必要があります。

  • CVE-2025-24983
  • CVE-2025-24984
  • CVE-2025-24985
  • CVE-2025-24991
  • CVE-2025-24993
  • CVE-2025-26633

脆弱性の詳細と影響

CVE-2025-24983

(Base Score:7.0 HIGH)
Windows Win32 カーネルサブシステムにおける「Use after free」脆弱性。悪用されると、攻撃者がローカルで権限昇格を行い、システムの制御権を取得する可能性があります。

CVE-2025-24984

 (Base Score::4.6 MEDIUM)
Windows NTFS における、ログファイルへの機密情報挿入に関する脆弱性。物理的な攻撃と組み合わせることで、認証されていない攻撃者が情報漏洩を引き起こすリスクがあります。

CVE-2025-24985

(Base Score:7.8 HIGH)
Windows Fast FAT ドライバーにおける整数オーバーフローまたはラップアラウンドの問題。悪用されると、攻撃者がローカルで任意のコード実行を行う可能性があり、システム制御に至るリスクがあります。

CVE-2025-24991

(Base Score:5.5 MEDIUM)
Windows NTFS の領域外読み取り(Out-of-bounds read)により、システム内の情報が漏洩する脆弱性。権限を持つ攻撃者がローカルで情報を取得するリスクがあります。

CVE-2025-24993

(Base Score: 7.8 HIGH)

Windows NTFSにおけるヒープベースのバッファオーバーフロー脆弱性。悪用されると、認証されていない攻撃者がローカルで任意のコード実行を行う可能性があります。

CVE-2025-26633

(Base Score: 7.0 HIGH)

Microsoft Management Consoleにおける不適切なニュートラリゼーションの問題。これにより、認証されていない攻撃者がローカルでセキュリティ機能を回避する恐れがあります。

推奨される対策

更新プログラムの自動適用

Windows Update を利用する
Microsoft は通常、Windows Updateを通じて自動的にセキュリティ更新プログラムを配信しています。最新の更新プログラムを確認し、適用することで、上記脆弱性の悪用リスクを低減できます。

更新管理システムの利用
組織で管理している場合は、Microsoft 社のセキュリティ更新プログラム(月例)の情報を参照の上、早期に更新プログラムの展開を行ってください。

注意点

再起動の必要性
更新プログラムの適用後、システムの再起動が必要な場合があります。事前にスケジュールを調整し、業務への影響を最小限に抑えましょう。

Windows Update の利用方法
詳細な手順については、Microsoftの「Windowsの更新」や「PCを最新の状態に保つ」方法を参照してください。

まとめ

Microsoft 製品におけるこれらの脆弱性は、悪用されると深刻な被害を引き起こす可能性があるため、至急更新プログラムの適用が求められます。Windows Updateを通じた自動更新の確認と、組織内での更新管理体制の整備により、セキュリティリスクの低減に努めてください。

参考情報】

【関連:ウェビナー開催決定】

4月23日に「WindowsEOL」に関連したウェビナーを開催いたします。
お申し込み開始は3月24日を予定しております。ぜひお申し込みください。


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    診断結果にみる情報セキュリティの現状 ~2023年上半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2023-2024年秋冬号

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    BBSecの脆弱性診断

    システム脆弱性診断で用いるリスクレベル基準

    BBSecのシステム脆弱性診断は、独自開発ツールによる効率的な自動診断と、セキュリティエンジニアによる高精度の手動診断を組み合わせて実施しており、高い網羅性とセキュリティ情勢を反映した診断を実現するため、セキュリティエンジニアおよびセキュリティアナリストが高頻度で診断パターンを更新し、診断品質の維持・向上に努めている。検出された脆弱性に対するリスク評価のレベル付けは、右表のとおり。

    脆弱性診断サービスの基本メニューである「Webアプリケーション脆弱性診断」・「ネットワーク脆弱性診断」の2023年上半期(1月~6月)実施結果より、セキュリティ対策の実情についてお伝えする。

    2023年上半期診断結果

    Webアプリ/NW診断実績数

    2023年上半期、当社では12業種延べ553企業・団体、3,396システムに対して、脆弱性診断を行った(Webアプリケーション/ネットワーク診断のみの総数)。

    2023年上半期システム脆弱性診断 脆弱性検出率の棒・円グラフ

    9割のシステムに脆弱性

    「Webアプリケーション診断結果」の棒グラフのとおり、Webアプリケーションに
    おいて、なんらかの脆弱性が存在するシステムは9割前後で推移を続けている。検出された脆弱性のうち危険度レベル「高」以上(緊急・重大・高)の割合は17.5%で、6件に1件近い割合で危険な脆弱性が検出されたことになる。

    一方、ネットワーク診断では、なんらかの脆弱性があるとされたシステムは約半数だったが、そのうちの危険度「高」レベル以上の割合は23.8%で、5件に1件以上の割合であった。

    以上のとおり、全体的な脆弱性検出率については、前期と比較して大きな変化はない。当サイトでは、「2023年上半期カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、検出された脆弱性を各カテゴリに応じて分類しグラフ化している。

    Webアプリケーション診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    長年知られた脆弱性での攻撃

    「Webアプリ編」について、1位、2位は前期同様「クロスサイトスクリプティング(以降:XSS)」と「HTMLタグインジェクション」となった。3位以下は、脆弱性項目は前期からあまり変化はないものの、「SQLインジェクション」が順位を上げた。

    3位の「サポートが終了したバージョンのPHP使用の可能性」など、サポートが終了したバージョンのコンポーネント(プログラム言語、ライブラリ等)の使用がワースト10の4項目を占めている。サポート終了とはすなわち、新たに脆弱性が発見された場合でもコンポーネントの提供元は基本的に対処しないということであり、危殆化に対する利用者側での対策が困難となるため、継続利用は危険である。例えば、サポートが終了した製品についての脆弱性情報の公開が契機になり、攻撃コードが公開され、攻撃が活発化することも考えられる。最新バージョンへのアップデートを迅速に、定期的に実施すべきである。

    ネットワーク診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    ネットワーク診断結果に関しても、リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2023年上半期)NW編の表

    アクセス制御が不適切な認証機構の検出がランクイン

    「ネットワーク編」のワースト10については、ワースト4までが前期と変わらず、5位、6位は順入れ替えという結果で、あまり大きな変動は見られなかったが、8位の「アクセス制御が不適切な認証機構の検出」が前期圏外からランクインした。「アクセス制御が不適切な認証機構」には、特権アカウントやデフォルトアカウント等を使用してログインできる脆弱性も含まれる。特権アカウントがデフォルトのまま、もしくは推測されやすい認証情報で設定されていた場合はさらに危険である。デフォルトアカウントやデフォルトパスワードを使用せず、推測されにくい複雑なパスワードを設定することや、ログイン画面に対するアクセスを強固に制御すること、特権アカウントは必要最小限のユーザにのみ付与することなどが推奨される。

    カテゴリ別の検出結果詳細についてはこちら

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    セッション管理の不備/アクセス制御の不備の脆弱性
    -Webアプリケーションの脆弱性入門 3-

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    セッション管理の不備やアクセス制御の不備が存在すると、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。本記事では、セッション管理とアクセス制御についての基本的な知識から、脆弱性の概要、脆弱性を悪用した攻撃の手口、そして攻撃を防ぐための対策方法についてご紹介します。

    前回までの内容

    SQLインジェクションは、Webアプリケーションの脆弱性の一つです。攻撃者は不正なSQL文を挿入してデータベースを操作することにより、データベースの内容を改ざんし、顧客の情報を不正に取得します。SQLインジェクション攻撃はSQL文の組み立て方法に問題があり、攻撃者が挿入した不正なSQL文を誤った命令文として認識してしまうことで発生します。攻撃を受けてしまった場合、顧客情報や決済履歴などの機密情報が漏洩する恐れがあり、企業の信用やブランドイメージに大きなダメージを与えます。対策方法ととして、プレースホルダを使用したSQL文の構成、特殊文字のエスケープ処理、SQLエラー情報の非表示化、アカウントの適切な権限付与などがあります。これらの対策は、データベースのセキュリティを維持し、攻撃を防ぐために重要です。また、SQLインジェクションの脆弱性を検出する方法として、入力フィールドに本来許可されていない文字列を設定し、Webアプリケーションの反応を観察する方法があります。このようなテストを通じて、企業のセキュリティ担当者がSQLインジェクションの脆弱性に対する問題を理解し、社内で情報を共有し、適切な対策とることで、攻撃を未然に防ぐことが可能になります。また、Webサイトの機能追加や新しい攻撃手法の発見等によって生まれた新たな脆弱性には、定期的にセキュリティ診断を実施することで適切な脆弱性対策をすることができます。

    前回記事「SQLインジェクションの脆弱性 -Webアプリケーションの脆弱性入門 2-」より

    セッションとは

    セッションとは、クライアントがサーバに接続してから切断(あるいはログインしてからログアウト)するまでの一連の流れのことです。この一連の流れを管理することをセッション管理と呼びます。セッション管理はユーザの識別や状態の維持のために必要とされます。例えば、オンラインショッピングサイトで商品をカートに追加した際、その情報はセッションとして保存されます。

    セッション管理の不備とは

    セッション管理の不備/アクセス制御の不備の脆弱性(2人とデータの紙アイコンマーク)イメージ

    Webアプリケーションの中には、セッションID(ユーザを識別するための情報)を発行し、セッション管理を行うものがあります。このときセッションIDを固定化できたり、日付・誕生日・ユーザ名で作られたりしているなど、有効なセッションIDが推測可能であるといったセッション管理の不備があると、セッションハイジャックと呼ばれる攻撃が成立する危険性があります。これにより、攻撃者が本来のユーザになりすまして権利を行使することで、プライベートな情報の閲覧や、設定の変更などが行われる可能性があります。

    セッション管理の不備の脆弱性を悪用した攻撃

    セッションハイジャック

    セッションハイジャックは、攻撃者が他のユーザのセッションIDを盗み取り、そのIDを使用してユーザのアカウントに不正アクセスする行為を指します。有効なセッションIDを推測あるいは奪取する手段が存在している場合に、セッションハイジャックが成立するリスクが高まります。

    セッションハイジャックが成立するリスクを高める要因となる脆弱性および攻撃方法には、以下のようなものがあります。

    セッションIDの固定化(セッションフィクセーション)

    攻撃者が事前にセッションIDを設定し、そのIDをユーザに強制的に使用させることができる脆弱性を悪用してユーザのセッションを乗っ取る攻撃方法です。この攻撃は、ユーザがログインする前にセッションIDが設定され、その後も変更されない場合に発生します。

    セッションIDの推測

    セッションIDが日付や誕生日、ユーザ名で構成されていたり、連番で発行されていたりするなど、簡単に予測できるものであった場合、攻撃者はそのIDを推測してユーザのアカウントにアクセスできてしまいます。また、セッションハイジャックの原因は多岐にわたり、他の脆弱性を悪用されることで有効なセッションIDが奪取される場合もあります。

    Webアプリケーション/ネットワークの脆弱性の悪用

    攻撃者によりWebサイトの脆弱性を突かれ、不正にユーザとWebサイトの間に介入されたり、ネットワークを盗聴されたりするなどして、ユーザのセッションIDを奪取される可能性があります。代表的な攻撃手法のひとつには、以前の記事で解説した「クロスサイトスクリプティング」も挙げられます。また、通信のやり取りではセッションIDが暗号化されておらず、平文のままデータのやり取りをしている場合にも、攻撃者に狙われやすくなります。

    セッション管理の不備の脆弱性を悪用した攻撃を防ぐための対策方法

    セッションIDの取り扱いや、セッションの有効期限の設定などに問題がある場合、攻撃者がセッションを乗っ取ることが容易になり、機密情報を盗み見られたり、不正な操作をされたりするなどのリスクが発生します。では攻撃を防ぐためにどのような対策方法をとればよいのでしょうか。以下に例をご紹介いたします。

    セッションIDを推測困難なものにする

    攻撃者によってセッションIDを推測されてしまった場合、そのユーザになりすまして、本来アクセスできないサイトに第三者がアクセスできてしまう恐れがあるため、セッションIDは推測困難な値にする必要があります。

    ログイン、ログアウトといった処理を行う際は、新しいセッションIDを発行する

    ログイン時にセッションIDの正当性を検証することで、攻撃者があらかじめ用意したセッションIDを強制的に使用させられることを防ぎます。

    セッションハイジャック対策

    有効なセッションIDを奪われないようにすることだけでなく、セッションIDを奪われたとしてもセッションハイジャックを成立させないような環境を作るのが対策のポイントです。

    • セッションIDとワンタイムトークン付与によるユーザの確認:セッションIDとは別にログイン成功後にワンタイムトークンを発行し、画面遷移ごとにサーバ側で管理しているトークンと照合します。発行するワンタイムトークンは、推測困難かつランダムな文字列で構成する必要があります。
    • IPアドレスによるユーザの確認:ユーザを特定する情報として、IPアドレスを使用することが可能です。さらに、セッションIDをCookieで管理している場合には、Cookieにsecure属性およびHttpOnly属性を設定することで、攻撃者によるCookie情報奪取のリスクを緩和できます。

    対策例としては、上記のとおりですが、セキュリティ専門家への相談も重要です。現在の技術環境では、常に新しい脅威が出現するため、対策は継続的に見直し、強化する必要があります。

    アクセス制御の不備とは

    アクセス制御の不備とは、Webアプリケーションにおいて、本来付与されている権限の範囲内でのみ動作するような制御が実装されていない問題を指します。例えば、一般ユーザとしてログインした際に管理者としての権利を行使できてしまう権限昇格、パラメータを操作することで、本来制限された領域外のファイルやディレクトリにアクセスすることが可能となるパストラバーサルなどです。不正アクセスや意図しない情報の公開をはじめとした、様々なリスクが生じます。

    アクセス制御の不備の脆弱性

    権限昇格

    ログインすることなくユーザとしてシステムに対する操作を実行できたり、一般ユーザが本来与えられていない上位権限(管理者権限等)を一時的に取得することで、システムに対する不正な操作や機能の実行が可能になったりする問題。

    パストラバーサル

    外部からのパラメータでWebサーバ内のファイル名を直接指定するWebアプリケーションにおいて、URLパラメータを操作して不正なパス名を渡すことで、本来アクセスを許可されていないディレクトリやファイルに対して、攻撃者がアクセス可能になる問題。

    不適切な情報の出力

    本来権限が与えられているユーザのみアクセスできるものに対して、不正なユーザが本来許可されていない特定のURLにアクセスしたり、操作を行ったりすることで、外部に公開されていない情報(機密情報・ユーザ情報)が閲覧可能になる問題。

    アクセス制御の不備を悪用した攻撃を防ぐための対策方法

    主な対策方法は以下の通りです。

    権限昇格

    権限管理を行う際は、外部から値を操作可能なパラメータは使用せずサーバ側で行う実装とし、権限による機能制限を実装する際には、各機能へのアクセス時に実行者のアカウントと権限のチェックを実施します。

    パストラバーサル

    アプリケーションが取得するファイルは既定のディレクトリに保存し、アクセスするファイルパスを操作できないようにし、サーバ上でアプリケーションを実行するアカウントのアクセス権限を見直します。また、あらかじめ定義したホワイトリストに基づいた入力値検証を実施し、ファイル名に不正な文字列が含まれる場合は、適切なエラー処理を行うことが推奨されます。

    不適切な情報の出力

    外部への公開が不要なディレクトリやファイルは、外部からアクセスできないように適切なアクセス制御を行います。ログイン認証によるアクセス制御を実施する場合には、適切なセッション管理を伴った認証機構を実装してください。また、アプリケーションの動作に必要がないディレクトリやファイルは削除することを推奨します。

    まとめ

    セッション管理の不備/アクセス制御の不備の脆弱性(3人と上部にランプがついたアイコンマーク)イメージ

    セッション管理の不備は、セッション管理に不備があることで、ユーザになりすまし、プライベートな情報の閲覧や、設定の変更などができてしまう問題です。対策方法としては、セッションIDを容易に推測できないものにし、ワンタイムトークンの発行やIPアドレスによるユーザの確認を行うなど、適切なセッション管理を実装することで、ユーザの情報やデータを安全に保護することができます。

    アクセス制御の不備は、Webアプリケーションにおいて、本来付与されている権限の範囲内でのみ動作するような制御が実装されていない問題を指します。ユーザに対して、あらかじめ与えられた権限から外れた操作を実行できないようにポリシーを適用することにより、情報の漏えいやシステムの不正操作を防ぎます。

    セキュリティ対策を適切に実施することが、Webアプリケーションの安全性を高めるための鍵となります。ユーザの情報やデータを保護するために、セキュリティ専門家への相談、常に最新のセキュリティ情報の収集をすることなどが重要です。

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    Webアプリケーションの脆弱性入門

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    人がアプリケーションを持っているイラスト

    Webアプリケーションは私たちの日常生活に欠かせない存在となっています。しかし、それらのWebアプリケーションが攻撃者からの脅威にさらされていることをご存知でしょうか?Webアプリケーションに脆弱性が存在すると、悪意のある第三者によって個人情報や企業の機密情報が漏洩するリスクが生じます。この記事では、Webアプリケーションの脆弱性の種類について解説します。

    脆弱性とは

    脆弱性とは(ポイントマークとその周りに人がいる)イメージ

    脆弱性とは、プログラムの不具合や設計上のミス等によるバグが原因となって発生したセキュリティ上の欠陥や弱点のことを指します。Webアプリケーションに脆弱性が存在する場合、攻撃者がシステムに侵入し、機密情報を盗み出したり、サービスを乗っ取ったりするリスクが生じます。企業はWebアプリケーションの脆弱性を理解し、それに対処するための適切な対策を講じる必要があります。

    脆弱性の種類

    脆弱性にはさまざまな種類があります。以下に代表的な例を挙げます。

    1. SQLインジェクション

    データベースを使って情報を処理するWebアプリケーションは、その多くがユーザからの入力値をもとにデータベースへの命令文を構成しています。SQLインジェクションは、攻撃者がWebフォームなどの入力欄に特定のコードを入れることで不正な命令文を構成し、データベースを不正利用できてしまう脆弱性です。これを悪用することで、例えば、データベースの情報を盗んだり、改ざんしたり、消去したりできる可能性があります。

    2. クロスサイトスクリプティング(XSS)

    クロスサイトスクリプティング(XSS)は、ネットバンキングや掲示板のように、ユーザから入力された値を処理して出力するWebページに攻撃者が悪意のあるスクリプトを埋め込むことで、Webページを閲覧したユーザのWebブラウザ上でスクリプトを実行させることができる脆弱性です。これを悪用されると、ユーザが意図しない情報の送信や表示ページの改ざんなどのリスクが発生します。

    3. クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)

    クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)は、攻撃者が罠として用意した偽サイトを用いてリンクや画像をクリックさせることで、ユーザが意図していないリクエストを強制的に行わせることができる脆弱性です。例えば、SNSで「いいね!」をする、銀行の振込操作など、被害者がログインしているWebサービスの操作を攻撃者が悪用することが可能です。

    4. セッション管理の不備

    Webアプリケーションの中には、セッションID(ユーザを識別するための情報)を発行し、セッション管理を行うものがあります。このセッション管理に不備があることで、セッションIDを固定化できたり、有効なセッションIDが推測可能だったりすると、セッションハイジャックと呼ばれる攻撃が成立する危険性があります。これにより、攻撃者が本来のユーザになりすまして権利を行使することで、プライベートな情報の閲覧や、設定の変更などが行われる可能性があります。

    5. アクセス制御の不備

    Webアプリケーションにおいて、本来付与されている権限の範囲内でのみ動作するような制御が実装されていない問題を指します。例えば、一般ユーザとしてログインした際に管理者としての権利を行使できてしまう権限昇格、パラメータを操作することで、本来制限された領域外のファイルやディレクトリにアクセスすることが可能となるパストラバーサルなどです。不正アクセスや意図しない情報の公開をはじめとした、様々なリスクが生じます。

    脆弱性を悪用した攻撃による影響

    脆弱性が悪用されると、企業に深刻な影響が及ぶ恐れがあります。脆弱性が引き起こす可能性のある影響の例を、以下に示します。

    機密情報の漏洩

    攻撃者は、脆弱性を利用して機密情報を盗み出すことができます。クレジットカード情報や個人情報など、大切な情報が漏洩することで、企業の信頼性に係る問題や法的な問題が発生する可能性があります。

    データの改ざん

    脆弱なWebアプリケーションは、攻撃者によってデータの改ざんが行われる可能性があります。データの改ざんによって、Webアプリケーションの正確性が損なわれたり、信頼性が低下したりする可能性があります。

    サービスの停止または遅延

    脆弱性を悪用されると、サービスの停止、遅延、またはデータベースの消去といった、システム全体に影響が及ぶ被害を受ける恐れがあり、企業のビジネス活動に重大な影響が生じる可能性があります。

    金銭的な損失

    脆弱性のあるWebアプリケーションは、企業にとって金銭的な損失をもたらす可能性があります。攻撃者による不正アクセスでデータが盗難された結果、企業に損害賠償責任が生じる場合があります。

    企業の信頼喪失

    セキュリティに関する問題が公になると、企業の評判に悪影響を与える可能性があります。顧客やパートナーからの信頼を失うことは、企業にとって非常に重大な損失です。

    脆弱性対策の方法

    脆弱性の悪用を防ぐためには、以下のような対策が考えられます。

    正しい権限管理の実施

    ユーザには場面に応じた必要最小限の権限のみ付与することが推奨されます。また、不要な機能やリソースへのアクセスを制限することも脆弱性を軽減させるポイントとなります。

    定期的なセキュリティチェックの実施

    定期的なセキュリティチェックの実施(セキュリティとパソコンの周りに人)イメージ

    Webアプリケーションに対しては、機能追加などのシステム改修時はもちろんのこと、定期的なセキュリティチェックを行うことが重要です。脆弱性スキャンやペネトレーションテストなどの手法を活用し、問題を早期に発見して修正することが大切です。

    最新のセキュリティパッチの適用

    Webアプリケーションを開発・運用する際には、使用しているフレームワークやライブラリの最新のセキュリティパッチを適用することが必要です。これにより、既知の脆弱性やセキュリティ上の問題を解消することができます。

    まとめ

    脆弱性のあるWebアプリケーションは、攻撃の潜在的なターゲットになります。セキュリティ対策を徹底し、脆弱性の早期発見と修正を行うことが重要です。また、さまざまな対策手法やセキュリティツールを活用し、脆弱性を作り込まないセキュアな開発環境作りに取り組んでください。企業のデータや顧客の個人情報を守るためにも、脆弱性対策は欠かせません。今回の記事がお役に立てれば幸いです。

    セキュリティ診断サービスのサムネ

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    年二回発行されるセキュリティトレンドの詳細レポート。BBSecで行われた診断の統計データも掲載。
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    診断結果にみる情報セキュリティの現状
    ~2022年下半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2023年 春夏号

    2021年下半期診断結果分析サムネ画像(PCの画面イメージ)

    BBSecの脆弱性診断

    システム脆弱性診断で用いるリスクレベル基準

    BBSecのシステム脆弱性診断は、独自開発ツールによる効率的な自動診断と、セキュリティエンジニアによる高精度の手動診断を組み合わせて実施しており、高い網羅性とセキュリティ情勢を反映した診断を実現するため、セキュリティエンジニアおよびセキュリティアナリストが高頻度で診断パターンを更新し、診断品質の維持・向上に努めている。検出された脆弱性に対するリスク評価のレベル付けは、右表のとおり。

    脆弱性診断サービスの基本メニューである「Webアプリケーション脆弱性診断」・「ネットワーク脆弱性診断」の2022年下半期(7月~12月)実施結果より、セキュリティ対策の実情についてお伝えする。

    2022年下半期診断結果

    Webアプリ/NW診断実績数

    2022年下半期、当社では12業種延べ510企業・団体、3,964システムに対して、脆弱性診断を行った(Webアプリケーション/ネットワーク診断のみの総数)。

    2022年下半期システム脆弱性診断 脆弱性検出率の棒・円グラフ

    9割のシステムに脆弱性

    「Webアプリケーション診断結果」の棒グラフのとおり、Webアプリケーションに
    おいて、なんらかの脆弱性が存在するシステムは9割前後で推移を続けている。検出された脆弱性のうち危険度レベル「高」以上(緊急・重大・高)の割合は19.0%で、5件に
    1件近い割合で危険な脆弱性が検出されたことになる。

    一方、ネットワーク診断では、なんらかの脆弱性があるとされたシステムは約半数だったが、そのうちの危険度「高」レベル以上の割合は23.3%で、5件に1件以上の割合であった。

    以上のとおり、全体的な脆弱性検出率については、前期と比較して大きな変化はない。当サイトでは、「2022年下半期カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、検出された脆弱性を各カテゴリに応じて分類しグラフ化している。

    Webアプリケーション診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2022年下半期)Webアプリ編の表

    長年知られた脆弱性での攻撃

    Webアプリ編ワースト10の上位3項目は、前期と同じで、いまだ検出数が多い。いずれもよく知られた脆弱性ばかりなため、悪用された場合、セキュリティの基本的な対策を怠っている組織と認識され、信用失墜につながる。

    「クロスサイトスクリプティング」に起因する情報漏洩は実際に報告されている。4位の「不適切な権限管理」は前期7位より順位を上げた。この脆弱性は、本来権限のない情報・機能へのアクセスや操作が可能な状態を指し、「OWASP Top 10(2021)」では、首位の「A01:2021-アクセス制御の不備」に該当する。一般ユーザであるはずが、処理されるリクエストを改竄することで管理者権限での操作が可能になる等により、個人情報や機密情報の漏洩・改竄、システムの乗っ取り、といった甚大な被害を招く恐れがある。外部から値を操作できないようにするのはもちろんのこと、各機能に対する適切なアクセス制御を実装することが推奨される。

    ネットワーク診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    ネットワーク診断結果に関しても、リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2022年下半期)NW編の表

    SNMPにおけるデフォルトのコミュニティ名の検出

    ネットワーク編のワースト10もほぼお馴染みの顔ぶれであるところ、「SNMPにおけるデフォルトのコミュニティ名の検出」が9位に初ランクインした。SNMPは、システム内
    部のステータスや使用ソフトウェア等の各種情報取得に利用されるプロトコルで、管理するネットワークの範囲をグルーピングして「コミュニティ」とする。コミュニティ名に
    は、ネットワーク機器のメーカーごとに「public」等のデフォルト値がある。SNMPにおけるコミュニティ名はパスワードのようなものであるため、デフォルトのままだと、これ
    を利用して攻撃者に接続され、攻撃に有用なネットワークの内部情報を取得される恐れがある。コミュニティ名にはデフォルト値を使用しないこと、また、SNMPへの接続には強固なアクセス制御を実施することが推奨される。

    カテゴリ別の検出結果詳細についてはこちら

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    診断結果にみる情報セキュリティの現状
    ~2022年上半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2022-2023年 秋冬号

    2021年下半期診断結果分析サムネ画像(PCの画面イメージ)

    BBSecの脆弱性診断

    システム脆弱性診断で用いるリスクレベル基準

    当社のシステム脆弱性診断は、独自開発ツールによる効率的な自動診断と、セキュリティエンジニアによる高精度の手動診断を組み合わせて実施している。検出された脆弱性に対するリスク評価のレベル付けは、右表のとおり。

    脆弱性診断サービスの基本メニューである「Webアプリケーション脆弱性診断」・「ネットワーク脆弱性診断」の2022年上半期(1月~6月)実施結果より、セキュリティ対策の実情についてお伝えする。

    2022年上半期診断結果

    Webアプリ/NW診断実績数

    2022年上半期、当社では12業種延べ611企業・団体、3,448システムに対して、脆弱性診断を行った(Webアプリケーション/ネットワーク診断のみの総数)。

    システム脆弱性診断 脆弱性検出率グラフ

    9割のシステムに脆弱性

    「Webアプリケーション診断結果」の棒グラフのとおり、Webアプリケーションにおいて、なんらかの脆弱性が存在するシステムは9割前後で推移を続けている。検出された脆弱性のうち危険度レベル「高」以上(緊急・重大・高)の割合は22.3%で、5件に1件以上の割合でリスクレベルの高いものが出ていることになる。

    一方、ネットワーク診断では、脆弱性ありと評価されたシステムは半分強というところだ。ただし、検出された脆弱性に占める危険度高レベル以上の割合は22.1%にのぼり、こちらも5件に1件以上の割合となる。

    以上のとおり、全体的な脆弱性検出率については、前期と比較して大きな変化はない。当サイトでは、「2022年上半期カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、検出された脆弱性を各カテゴリに応じて分類しグラフ化している。

    Webアプリケーション診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10リスト

    長年知られた脆弱性での攻撃

    上位ワースト10はいずれも、Webアプリケーションのセキュリティ活動を行っている国際的非営利団体OWASP(Open Web Application Security Project)が発行している「OWASP Top 10(2021)」でいうところの、「A03:2021 – インジェクション」「A07:2021 – 識別と認証の失敗」「A06:2021 – 脆弱で古くなったコンポーネント」「A02:2021 – 暗号化の失敗」「A01:2021 – アクセス制御の不備」等に該当する。

    1位の「クロスサイトスクリプティング」や6位の「SQLインジェクション」は、長年知られた脆弱性である上、攻撃を受けると深刻な被害となりかねないにも関わらず、いまだ検出され続けているのが実情だ。

    攻撃者による悪意あるコードの実行を許さぬよう、開発段階において、外部からのデータに対する検証処理と出力時の適切な文字列変換処理の実装を徹底していただきたい。

    ネットワーク診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    ネットワーク診断結果に関しても、リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10リスト

    推奨されないバージョンのSSL/TLS

    1位の「推奨されないSSL/TLS」が圧倒的に多い。既知の脆弱性がある、あるいはサポートがすでに終了しているコンポーネントの使用も目立つ。このほか、特にリスクレベルが高いものとして懸念されるのが、FTP(4位)やTelnet(7位)の検出だ。これらについては、外部から実施するリモート診断よりもオンサイト診断における検出が目立つ。つまり、内部ネットワークにおいても油断は禁物ということである。FTPやTelnetのような暗号化せず通信するサービスはそもそも使用するべきでなく、業務上の理由等から利用せざるを得ない場合は強固なアクセス制御を実施するか、暗号化通信を使用する代替サービスへの移行をご検討いただきたい。

    カテゴリ別の検出結果詳細についてはこちら

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