脆弱性管理とは?企業が行うべき脆弱性管理の基本と実践手順【2026年版】

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企業のIT環境は、もはや社内サーバーやネットワーク機器だけで完結しません。業務システムはクラウドへ移行し、開発現場ではOSSの利用が当たり前になり、SaaSやコンテナ、API連携を含めた複雑な構成が一般化しています。こうした環境では、ひとつの脆弱性が単独の問題にとどまらず、情報漏えい、業務停止、サプライチェーン全体への影響へとつながることがあります。だからこそ今、多くの企業にとって重要になっているのが「脆弱性管理」です。

脆弱性管理とは、脆弱性を見つけることそのものではありません。自社にどの資産があり、どこに弱点があり、それがどの程度危険で、いつまでに何を直すべきかを継続的に判断し、実際に改善し続ける運用を指します。本記事では、脆弱性管理の基本から、企業が実務で押さえるべき流れ、ツールの考え方、クラウドやOSS時代に欠かせないSBOMの活用まで、2026年時点の実務に沿って整理します。

脆弱性管理とは

脆弱性管理とは、システムやソフトウェア、クラウド環境、ネットワーク機器などに存在するセキュリティ上の弱点を継続的に把握し、評価し、修正し、再確認する一連の運用です。単発の診断や一度きりの点検ではなく、変化し続けるIT環境に合わせて回し続けることに意味があります。CISAも、脆弱性管理を「脆弱性や悪用可能な状態の発生頻度と影響を減らす取り組み」と位置づけています。

脆弱性管理では、日々公開される脆弱性情報を継続的に確認することが重要です。多くの脆弱性は CVE(Common Vulnerabilities and Exposures) という識別番号で管理されています。CVEの仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。
CVEとは?脆弱性情報の共通識別番号を解説

CVEは、公開されたサイバーセキュリティ上の脆弱性を識別し、共通の参照先として扱うための仕組みです。一方、NVDはそのCVE情報に対してCVSSなどの評価情報や関連データを付与し、脆弱性管理の自動化や優先順位付けに役立つデータベースとして機能しています。つまり実務では、「CVEで対象を識別し、NVDやベンダー情報で内容と深刻度を確認する」という流れが基本になります。

現在の企業システムは、オンプレミス環境だけでなく、AWS・Azure・Google Cloud などのクラウド環境やSaaSサービスを組み合わせて構築されるケースが増えています。そのため、脆弱性管理はサーバーやネットワークだけでなく、クラウド環境やソフトウェアコンポーネントも含めて実施する必要があります。クラウドでは、基盤の一部は事業者が管理していても、設定、アクセス権、ゲストOS、コンテナイメージ、アプリケーションなどは利用企業側の責任範囲に残るためです。AWS、Microsoft、Google Cloudはいずれも共有責任モデルを明示しており、利用者側の継続的な管理を前提にしています。

なぜ企業に脆弱性管理が必要なのか

企業に脆弱性管理が必要な最大の理由は、脆弱性が「見つかっただけの情報」ではなく、「実際に悪用される入口」になっているからです。公開された脆弱性のすべてが直ちに攻撃に使われるわけではありませんが、CISAは実際に悪用が確認された脆弱性を Known Exploited Vulnerabilities(KEV) Catalog として公開し、組織に優先対応を促しています。つまり現代の脆弱性管理では、公開情報を眺めるだけでなく、「いま悪用されているか」「自社に影響するか」を見極めることが重要です。

脆弱性を放置するリスクも明確です。攻撃者は、修正が遅れたVPN機器、公開サーバー、業務アプリケーション、ミドルウェア、コンテナ環境などを足がかりに侵入し、そこから権限昇格や横展開を進めます。問題は、重大な脆弱性があっても、自社資産を把握できていなければ「影響を受けているのに気づけない」ことです。脆弱性管理は、修正作業の前段として、自社に何が存在しているかを見える化する意味でも不可欠です。

さらに、近年はOSS利用の拡大によって、ソフトウェアサプライチェーン全体のリスク管理が重要になっています。NTIAはSBOMを、ソフトウェアを構成する各種コンポーネントとそのサプライチェーン上の関係を記録する正式な記録と説明しています。OSSライブラリや依存パッケージに脆弱性が含まれていた場合、アプリケーション本体に問題がなくても、企業システム全体に影響が及ぶ可能性があります。これが、いわゆるソフトウェアサプライチェーンリスクです。

クラウド利用の拡大も、脆弱性管理の必要性をさらに高めています。クラウド環境では、サーバーを一度構築して終わりではなく、構成変更、イメージ更新、コンテナ再配備、アクセス制御変更などが高頻度で発生します。そのため、脆弱性管理を継続的に実施しなければ、未更新のソフトウェアや脆弱なイメージ、設定不備がそのまま攻撃対象になる可能性があります。共有責任モデルのもとでは、クラウド事業者がすべてを守ってくれるわけではありません。自社が責任を持つ範囲を理解し、そこを継続的に点検する必要があります。

脆弱性管理の基本プロセス

脆弱性管理の基本プロセスは、一般に以下のような流れです。

  • 脆弱性の発見
  • 脆弱性評価
  • 修正
  • 検証

ただし実務では、前提としてソフトウェア資産の把握が欠かせません。なぜなら、何を保有しているか分からない状態では、脆弱性情報を受け取っても影響判断ができないからです。NVDのような脆弱性データベースは、脆弱性管理の自動化や評価に使える標準化データを提供していますが、それを生かすには自社資産との突合が必要です。

脆弱性の発見は、公開情報の確認だけでなく、スキャンツール、構成管理情報、ベンダーアドバイザリ、クラウドのセキュリティ機能など、複数の情報源を組み合わせて行います。次に必要になるのが評価です。ここではCVSSのような一般的な深刻度だけでなく、インターネット公開の有無、業務影響、悪用実績、代替策の有無、修正難易度などを踏まえて、自社にとっての優先度を決める必要があります。NVDも、CVSSは深刻度の定性的な指標であり、リスクそのものではないと明示しています。

その後、実際に修正を行います。修正方法は、パッチ適用、設定変更、バージョンアップ、アクセス制御の見直し、機能停止、ネットワーク遮断などさまざまです。最後に、修正後の検証を実施し、本当に脆弱性が解消されたか、別の不具合を生んでいないかを確認します。この「修正して終わりにしない」ことが、脆弱性管理を単なる作業ではなく運用として成立させるポイントです。脆弱性管理では、まず自社のIT資産を正確に把握することが重要です。対象にはサーバーやネットワークだけでなく、クラウド環境、利用しているOSSライブラリなども含まれます。

IT資産管理と脆弱性管理の関係については、以下の記事で詳しく解説しています。
脆弱性管理とIT資産管理とは?サイバー攻撃から組織を守る取り組み

近年では SBOM(Software Bill of Materials) を利用してソフトウェア構成を可視化する企業も増えています。SBOMは、ソフトウェアに何の部品が含まれているかを一覧化する考え方で、影響範囲の特定や依存関係の把握に有効です。
SBOMとは?ソフトウェア部品表の基本と企業が導入すべき理由

脆弱性管理のフロー(実務)

実務に落とし込むと、脆弱性管理の流れは以下のような順番で整理することができます。

  1. 脆弱性情報の収集
  2. クラウド・OSSへの影響確認
  3. 優先度判断
  4. 修正
  5. 再確認

まず行うべきは、CVE、ベンダーアドバイザリ、クラウドベンダー通知、各種セキュリティ情報の収集です。ここで漏れがあると、そもそも対応のスタート地点に立てません。CISAは、実際に悪用が確認された脆弱性についてKEV Catalogの確認と優先的な是正を強く推奨しています。

次に必要なのが、収集した情報が自社環境に関係するかどうかの確認です。オンプレミス機器だけなら比較的見通しが立ちますが、現在はクラウド上のワークロード、コンテナ、OSSライブラリ、CI/CDで取り込んだ部品まで視野に入れなければ、実態を取り逃がします。とくにOSS脆弱性は、アプリケーション本体よりも深い依存関係に潜んでいる場合があり、SBOMやSCAの仕組みがないと把握が難しくなります。

優先度判断では、CVSSの高さだけで対応順を決めないことが重要です。CVSSは比較の基準になりますが、公開サーバーにあるのか、認証が必要なのか、すでに悪用実績があるのか、業務停止時の影響はどれほどかによって、実際の対応順は変わります。NVDもCVSSをリスクそのものではないと説明しており、KEVのような実悪用情報と組み合わせて判断するのが現実的です。

修正段階では、パッチ適用だけに視野を限定しないことが大切です。クラウド環境では、OSやミドルウェアの更新に加え、コンテナイメージの差し替え、設定変更、公開範囲の見直し、権限調整なども重要な対策になります。修正後は再スキャンや設定確認を行い、実際に解消されたことを確認します。ここで検証が不十分だと、「対応したつもり」で終わってしまい、後になって再発見されることがあります。

脆弱性管理では、脆弱性を発見するだけでなく、発見された脆弱性に対して迅速に対応することが重要です。適切な脆弱性対応を行わなければ、攻撃者に悪用され、情報漏えいやシステム停止などの重大なインシデントにつながる可能性があります。脆弱性対応の基本的な流れや実務での対応方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
脆弱性対応とは?CVE対応とパッチ管理の実務フロ

近年ではクラウド環境やOSSライブラリに含まれる脆弱性の影響調査も重要になっています。SBOMを利用すると、影響範囲を迅速に把握できます。

脆弱性管理ツールの種類

脆弱性管理を実務で回すには、ツールの力を借りることが現実的です。ただし、ひとつの製品で全領域を完全にカバーできるとは限りません。一般的な脆弱性スキャナーは、ネットワーク機器、サーバー、OS、ミドルウェア、Webアプリケーションの既知脆弱性を見つけるのに有効ですが、OSSライブラリの依存関係やソフトウェア部品表までは十分に扱えないことがあります。そこで、管理ツール、クラウドセキュリティツール、SBOM管理ツール、SCAツールなどを役割ごとに組み合わせる設計が必要になります。

たとえば、CSPMやCNAPPのようなクラウド向けツールは、クラウド設定やワークロードの状態を継続的に可視化するのに向いています。一方、SCAはアプリケーションが依存しているOSSコンポーネントを洗い出し、既知脆弱性との突合を支援します。SBOM管理ツールは、その構成情報を継続管理し、影響調査を効率化する役割を持ちます。2026年の脆弱性管理では、ネットワークやサーバーだけを見ていても不十分で、クラウドとソフトウェアサプライチェーンまで含めた多層的な可視化が必要です。

OSSの脆弱性を管理するために、SCA(Software Composition Analysis)ツールやSBOM管理ツールを導入する企業も増えています。これは、ソフトウェアの構成部品とその依存関係を可視化しなければ、OSS由来の脆弱性が自社に影響するかどうかを迅速に判断しにくいためです。NTIAも、SBOMをソフトウェア構成要素の透明性向上に役立つ仕組みとして整理しています。

SCA(Software Composition Analysis)ツールとは
ソフトウェアに含まれるオープンソースや外部ライブラリの構成要素を解析し、既知の脆弱性やライセンスリスクを可視化するセキュリティツールです。依存関係を自動的に検出し、CVEなどの脆弱性データベースと照合することで、潜在的なリスクを早期に特定できます。また、ライセンス違反の有無も確認でき、コンプライアンス対応にも有効です。開発プロセスに組み込むことで、セキュアで安全なソフトウェア開発を支援します。

脆弱性スキャンについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
今さら聞けない脆弱性とは-基礎から学ぶ脆弱性管理と効果的な脆弱性対策ガイド-

企業の脆弱性管理の課題

多くの企業が脆弱性管理に苦労する理由は、脆弱性そのものより、管理対象の広がりにあります。

IT資産の把握

まず大きいのが、IT資産の把握が難しいことです。クラウド移行、テレワーク、SaaS利用、部門独自導入のツール、コンテナ活用が進むと、情報システム部門が把握していない資産が生まれやすくなります。この状態では、脆弱性情報を受け取っても、自社への影響有無を正確に判断できません。

OSS依存関係の管理

現代のソフトウェアは、直接導入しているライブラリだけでなく、その下位の依存関係にも数多くの部品を抱えています。表面的には安全に見えても、深い階層に脆弱なコンポーネントが含まれていることは珍しくありません。

SBOMの未整備

SBOMが未整備だと、こうした影響範囲調査に時間がかかり、対応の遅れにつながります。

クラウド環境の可視化不足

クラウドでは、責任分界が従来のオンプレミスとは異なり、サービス形態によって利用者側の責任範囲が変わります。そのため、「クラウド事業者が面倒を見ているはず」と誤解してしまうと、更新漏れや設定不備を放置しやすくなります。共有責任モデルを前提に、自社の管理範囲を明確にしなければ、脆弱性管理は形骸化します。

OSS利用時に重要な脆弱性管理(SBOMの活用)

OSSの活用は、開発効率や品質向上の面で大きなメリットがありますが、その一方で脆弱性管理を複雑にします。理由は明快で、企業が自分で一から書いていないコードであっても、最終的に自社サービスや製品の一部として責任を負うからです。OSS由来の脆弱性は、アプリケーション本体ではなく依存パッケージに潜んでいることも多く、目視や台帳だけで追いきるのは現実的ではありません。

ここで重要になるのがSBOMです。NTIAはSBOMを、ソフトウェアを構成する各種コンポーネントとサプライチェーン上の関係を記録する正式な記録と定義しています。これを整備しておけば、新たな脆弱性が公表された際に、「自社のどのシステムに、その部品が含まれているか」を調べやすくなります。結果として、影響調査の初動が速くなり、不要な全件調査や属人的な確認作業を減らせます。

SBOMは、単に監査対応のために作る資料ではありません。脆弱性管理の実務で使えてこそ意味があります。たとえば、SCAツールで依存関係を検出し、その情報をSBOMとして管理し、脆弱性公表時に突合するという流れが定着すれば、OSS脆弱性への対応速度と精度を高めやすくなります。今後の企業システムでは、OSS利用時の脆弱性管理をSBOM抜きで考えることは難しくなっていくでしょう。

脆弱性管理を効率化する方法

脆弱性管理を効率化する方法はいくつかあります。

資産管理の自動化

資産台帳を手作業で維持する運用では、クラウドやコンテナ、SaaSの増減に追いつけません。CMDB、クラウド資産可視化、ID管理、EDRやMDMの情報などを組み合わせて、現時点の資産情報を継続的に更新できる状態を目指す必要があります。資産情報が整えば、脆弱性情報との突合精度も上がります。

OSS脆弱性監視

OSS脆弱性監視の仕組みを作ることも重要です。開発時点だけでなく、運用中のアプリケーションについても、依存ライブラリの脆弱性を継続監視しなければなりません。脆弱性管理をインフラ部門だけの仕事にせず、開発部門やDevOps運用の中に組み込むことが、今の実務では不可欠です。

SBOMによるソフトウェア構成管理

SBOMによるソフトウェア構成管理を取り入れることで、影響調査の速度と精度をさらに高められます。SBOMが整っていれば、新たなCVEが公表された際にも、対象ソフトウェアの所在確認を短時間で進めやすくなります。加えて、KEVのような実悪用情報を監視し、CVSSだけでなく悪用実績も含めて優先順位を決める運用にすれば、限られた人員でも効果的に対応しやすくなります。脆弱性管理を効率化するとは、単にツールを増やすことではなく、「見つける」「判断する」「直す」を早く回せる仕組みへ変えることです。

まとめ

脆弱性管理とは、脆弱性を発見する作業ではなく、自社のIT資産、クラウド環境、OSSコンポーネントを継続的に把握し、影響を判断し、優先順位をつけて修正し、再確認する運用そのものです。2026年の企業環境では、オンプレミスだけを見ていては不十分で、クラウド、SaaS、コンテナ、OSSまで含めた視点が欠かせません。とくに、実際に悪用される脆弱性への対応と、SBOMを活用したソフトウェア構成の可視化は、これからの脆弱性管理の重要な柱になります。

まず取り組むべきなのは、完璧な仕組みを一気に作ることではなく、自社の資産を洗い出し、脆弱性情報を収集し、優先度を判断し、修正後に確認するという基本サイクルを止めずに回すことです。そのうえで、クラウド可視化、SCA、SBOM管理などを段階的に取り入れていけば、脆弱性管理は現場で機能する実践的な仕組みに育っていきます。

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BBSecでは以下のようなご支援が可能です。 お客様のご状況に合わせて最適なご提案をいたします。

SQAT®脆弱性診断サービス

サイバー攻撃に対する備えとして、BBSecが提供する、SQAT脆弱性診断サービスでは、攻撃者の侵入を許す脆弱性の存在が見逃されていないかどうかを定期的に確認することができます。自組織の状態を知り、適切な脆弱性対策をすることが重要です。

アタックサーフェス調査サービス

インターネット上で「攻撃者にとって対象組織はどう見えているか」調査・報告するサービスです。攻撃者と同じ観点に立ち、企業ドメイン情報をはじめとする、公開情報(OSINT)を利用して攻撃可能なポイントの有無を、弊社セキュリティエンジニアが調査いたします。

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クラウドセキュリティ対策の方法とは?
クラウドサービスの不安とメリットを解説

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クラウドセキュリティ対策の方法とは?クラウドサービスの不安とメリットを解説のサムネ

クラウドサービスを利用する企業は約7割を超え、いまやITビジネス環境に欠かせない存在です。AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスの代表例と、クラウド導入のメリットと不安、クラウドセキュリティを担保する方法を解説します

日本の各企業でも、クラウドサービス(クラウド)の利用はさらに進み、オンラインによるコミュニケーションやデータ共有、迅速なシステム構築などに活用されています。 しかし、ハードウェアを自社内やデータセンター等の設備内に設置する「オンプレミス」と比べ、セキュリティに対する漠然とした不安の声もあります。導入担当者やセキュリティ担当者は、クラウドセキュリティを確保していく必要があります。

この記事では、企業で活用されているクラウドサービスを例示しながら、「クラウド」「SaaS」「PaaS」「IaaS」「オンプレミス」などクラウド関連の用語を解説します。またクラウドサービスのメリットや不安点を挙げた上で、最後にクラウドセキュリティについて論じます。

クラウドサービスとは

クラウドサービスとは、ソフトウェアやサーバ、インフラなどを製品としてではなくサービスとしてクラウド事業者が提供するものです。これまでのソフトウェアやサーバの調達と異なり、利用者はサブスクリプション形式で利用料を支払い、クラウド上にあるリソースをサービスとして利用します。

クラウド(cloud)という名称は、ネットワークの模式図上で雲のような形状で示されるところからきました。ひとつの雲で表されますが、実際には複数のサーバ機器やネットワーク機器で構成され、サーバにはサービスに必要なソフトウェアが導入されています。

サーバを事業所内に設置するような利用形態「オンプレミス」という用語は、「クラウド」の対義語のように使われていますが、英語のon-premiseの本来の意味合いは「敷地内の」というものです。

なおクラウドサービスを分類すると、3つの主要サービスがあります。具体的なイメージを掴めるよう、法人で幅広く使われているクラウドサービスを挙げながら紹介します。

SaaS(Software as a Service、サース、サーズ)

Gmail(Webメール)、Microsoft Office 365(オフィスソフト)、Dropbox(ストレージ)、Slack(チャット)などのサービスがあります。一般ユーザが使用するアプリケーションをサービスとして提供します。

IaaS(Infrastructure as a Service、アイアース、イアース)

利用者が選択したスペックやOSに合わせた、仮想的なマシン(インフラ)を提供します。利用者側で必要なアプリケーションをさらにインストールするなどして、用途に合わせてカスタマイズできます。

たとえばWebサービスを顧客に展開するときに、Webサーバとして活用するケースがあります。Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)、Azure Virtual Machines、Google Compute Engine(GCP)といったサービスがあります。

PaaS(Platform as a Service、パース)

IaaSが提供する仮想マシンに加え、上位のミドルウェアを含め提供するプラットフォームがPaaSです。さまざまなサービスがありますが、たとえばAWSのAmazon Relational Database Service(Amazon RDS)では、主要なリレーショナルデータベース(RDB)をサポートします。また、GCPのGoogle App Engine(GAE)は、JavaやPythonなどで開発したアプリケーションをGCPのインフラ上で簡単にデプロイ、管理できるようになっています。

CaaS(Container as a Service、カース)

コンテナ技術を用いると、例えば開発用、本番用といった異なるサーバやOS間で同一の環境を持ち運べるなど、効率的なアプリケーション開発が実現できますが、複数のコンテナを組み合わせた大規模な環境では、それらを運用、管理するのに手間がかかります。CaaSは、複数のコンテナ利用に必要なオーケストレーション機能(管理/サポートする機能)を多数提供し、開発業務のさらなる効率向上を可能にします。代表的な例には、Docker、GKE(Google Kubernetes Engine)、Amazon ECS(Elastic Container Service)、VMware PKSなどのサービスがあります。

なお企業向けのクラウドセキュリティの議論はIaaSやPaaSを対象にしたものが中心です。これは、SaaSのセキュリティ管理は、クラウド事業者とサービサーが担うため、企業側で対応する余地があまりないためです。この記事でも、特に断りのない限りIaaSやPaaSを念頭に説明を進めていきます。

日本政府もAWSを導入!クラウドを利用する日本企業は7割に

2020年2月、政府が「政府共通プラットフォーム」にAWSを利用する 方針であることを発表しました。政府が採用を決める前から、企業でもクラウド利用が広がっています。以下は、総務省の通信利用動向調査の結果です。クラウドを全社的または一部の部門で活用する日本企業は毎年増え続け、2021年では70.2%に上っています。

国内におけるクラウドサービス利用状況

国内におけるクラウドサービス利用状況のサムネ
出典:
総務省「令和3年通信利用動向調査」企業編
総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」(令和元年5月31日公表)

クラウドサービス導入のメリット

ピーク性能に合わせて購入するのが一般的なオンプレミスと比べ、クラウドでは必要な時に必要なスペックで サーバやソフトウェアの契約を行うことが可能です。

1.どこからでもアクセスできる

WebメールやオンラインストレージといったSaaSを利用している場合、どこにいてもインターネットがあればアクセスできます。

2.負荷に応じて動的にシステム変更可能

アクセスの増減に合わせて、Webの管理ツールを操作するだけで、サーバを追加したり削減したりできます。オンプレミスと比べ、変更にかかる時間を大幅に短縮できます。 TVで取り上げられた場合などに発生する、突発的なアクセス増にも柔軟に対応可能です。

3.開発者が多くどんどん便利になっている

利用が急拡大しているグローバル規模のクラウド事業者は、世界中から優秀な開発者を集めており、次々と機能追加が行われています。

クラウドサービスに対する4つの不安

クラウドサービスに対する4つの不安のサムネ

1.情報漏えいリスク

どこからでもアクセスできて便利な反面、オンプレミス環境のように手元に情報を保持していない分、漠然とした不安や、攻撃対象になりやすいのではないかといった懸念があります。こうした懸念に応えるセキュリティ対策については後述します。

2.システム稼働率や法規制対応

クリティカルなサービスを提供する企業では、稼働率などを保証するSLA(Service Level Agreement)や、冗長構成を必要とする場合があります。また、クラウドサービスの利用にあたり、社内の基準やコンプライアンス、業界基準、国内法に準拠している必要があります。

これらの不安に対応して、AWSなど大手のクラウドサービスではSLAや第三者機関から取得した認証など、各種基準への対応状況を公表しています。

3.従量課金による費用変動

クラウドサービスの課金体系には、月額・日額の固定料金制もあれば、従量課金制もあります。利用形態によっては、オンプレミス環境を用意したほうが安価な場合もあります。システム利用計画を建ててから契約しましょう。

4.カスタマイズやベンダーのサポート体制

クラウド事業者は複数の顧客に共通のサービスを提供することで。オンプレミス環境と同様のカスタマイズやサポートは望めない場合もあります。

クラウドセキュリティ要件のガイドライン

クラウドセキュリティ要件のガイドラインのサムネ

クラウドサービス提供者側のセキュリティ要件として、たとえば総務省では「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン」を提供しています。

クラウド事業者は施設の物理セキュリティや、ネットワークなどのインフラのセキュリティに責任を持ちますが、利用者側にもネットワーク周りの設定や管理アカウントの管理などの対策が求められます。

クラウドの設定ミスに起因する事故

AWSに置かれていた、米ウォールストリートジャーナル紙の購読者名簿220万人分が、第三者による閲覧が可能な状態になっているという事故がありました。これは、利用者側の設定ミスに起因するものです。

オンプレミス環境ではサーバを直接操作する人は限られており、サーバルームの入退室記録簿等々、事故が起こらないようにさまざまなルールや、それを守る体制がありました。しかしクラウドでは、前述したようにどこからでもアクセスして、Web管理ツールで簡単にシステムを変更できるという利点が、逆に事故につながる場合があります。

クラウドセキュリティ対策の方法は?

ひとつは、クラウドサービスの設定に関わるベストプラクティス集を利用する方法です。各クラウドベンダーから公開されており、日本語版も用意されています。CISベンチマークという第三者機関が開発したセキュリティに関するガイドラインもあります。ただし、網羅性が高く項目も多いため、必要な項目を探すには時間がかかる場合もあります。

もうひとつは、クラウドの設定にセキュリティ上の問題がないか診断するツールを利用する方法です。実用するには一定の習熟が必要で、たとえば出力された多数の脆弱なポイントについて、どこを優先して対処していくかの判断が求められます。セキュリティ企業が提供する診断サービスを利用する方法もあります。パブリッククラウドの設定にリスクがないか専門家が診断します。

クラウドセキュリティ設定診断サービスのサムネ

まとめ

・クラウドのセキュリティは、クラウドサービスの提供側と利用者側双方で担保する
・提供側はインフラ等のセキュリティに責任を負う
・利用者側はセキュリティ、ネットワーク、アカウントなどの設定・管理を適切に行う
・利用者側の対策として、ベストプラクティスの活用、自動診断ツール、セキュリティベンダーの提供するサービスを利用するといった方法がある

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パブリッククラウド利用システムにおける
セキュリティ診断

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SQAT® Security Report 2019年9月号

雲とネットワークのイメージ図

※本記事は、SQAT®Security Report 2019年 9月号の記事、
「パブリッククラウド利用システムにおけるセキュリティ診断」の一部抜粋になります。

増えるパブリッククラウド利用とセキュリティ事情

クラウドサービスは、自社でサーバを抱える必要がないことから、導入および運用コストが大幅に削減できるため、今や企業ネットワーク環境構築における選択肢の1つとなっており、オンプレミスからクラウドに移行する企業は増えている(下グラフ参照)。その際、スケジュール等の事情によりシステムを見直す余裕がなく、そのままの状態で移行せざるを得ないケースもあるのが実情だろう。しかしながら、開発や改修後のリリース前にシステムの脆弱性診断を実施すべきであるのは、クラウドへの移行時も例外ではない。

クラウドサービスの利用状況

出典:総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」(令和元年5月31日公開)

自組織が業務用のパブリッククラウド(AWS、Microsoft Azure等)を利用している場合、ハードウェアまではクラウド事業者が管理しているが、OSおよびそれより上の層については利用企業側に責任があることを忘れてはならない。パブリッククラウド上のWebアプリケーションやECツール等で使用しているOS、ミドルウェア、アプリケーションといった各コンポーネントは、経年により脆弱性が発見される宿命だ。セキュリティ対策として、定期的にそれらを更新する必要がある。

オンプレミスと同様、パブリッククラウド上にシステムを構築している場合も、自組織のシステムが情報漏洩や改竄、DoS攻撃等の被害に遭う危険性があるかどうか、適宜把握しておく責任がある。このため、パブリッククラウド上のシステムにおいても、定期的に脆弱性診断を実施するのが望ましい。

パブリッククラウド向け脆弱性診断の必要性

パブリッククラウド向けでない一般的なリモート診断では、ファイアウォール越しで実施するため、ファイアウォールでアクセスを許可しているポートに対してしか診断できない。これに対し、パブリッククラウド向け診断では、直接アクセスできるセグメントに対して実施するため、管理用ポート等、ファイアウォールでアクセス制限されていることの多いポートに対しても診断可能だ。

インシデントのリスクは、外部に公開されたシステムにとどまらないことを忘れてはならない。例えば、AWSを社内インフラとして使用している企業があるとする。そういったシステムは (…続き)


本記事はここまでになります。

この記事の続きでは、テレワークの隙を狙った攻撃の脅威をご紹介し、それに対して企業がどのように脆弱性対策に取り組むべきかということについて解説しています。ぜひご一読ください。

※参考(続き)
contents
3.CISベンチマークを利用したセキュリティチェックの必要性
4.診断を受けるにあたっての注意点

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ニューノーマルに求められる脆弱性対策

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SQAT® Security Report 2021年春夏号

テレワークをする女性(アイキャッチ画像)

※本記事は、2021年3月公開SQAT®Security Report 2021年 春夏号の記事、
「巻頭企画:ニューノーマルに求められる脆弱性対策」の一部抜粋になります。

株式会社ブロードバンドセキュリティ
高度情報セキュリティサービス本部 本部長 大沼 千秋

去る2020年は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のまさに世界規模なパンデミックにより、我々の生活ばかりでなくビジネスをも大きく変革させた一年だった。中でもテレワーク、リモートワークといった遠隔による勤務形態の整備は、従来様々な理由から普及が伸び悩んでいたが、ここ一年ほどの間で加速度的に普及しつつある。また、ビジネスにおけるIT環境も、クラウドシフトが一気に進行している。

従来のオンプレミス型からクラウド型へのシステム構築・運用環境の移行は、様々な企業のIT戦略において、優先度の高い課題といえるだろう。そして、テレワーク、クラウドシフトが進んでいく中で、新たなセキュリティ上の問題が顕在化してきていることも事実だ。特に、急ピッチでこれらの環境を整備し、運用開始しているケースでは、以前よりもサイバーセキュリティ脅威および危険性は増大しているといっても過言ではない。本稿では、アフターコロナにおけるニューノーマルを見据えた企業における脆弱性対策に焦点を当て、どういったことを推進していくことが必要か解説していきたい。

テレワークとクラウドシフトに伴う脅威

企業のネットワークやOAシステムといったITインフラには、既に様々なセキュリティ対策が講じられているものと思われる。このセキュリティ対策の大原則は、インターネットとの境界を防御するという考え方に基づいており、ファイアウォールによるアクセス制御、攻撃検知のための侵入検知・防御システム(IDS・IPS)、DMZ(DeMilitarized Zone:非武装地帯)を用いた公開システムの区分、安全なWeb閲覧のためのWebプロキシ、マルウェア対策ツール、EDR(Endpointo Detection and Response)による監視、といった対策を組み合わせることによるセキュリティの確保を意味する。

ところが、昨今のテレワーク、クラウドシフト(左下・右下グラフ参照)で在宅による業務環境の提供が不可欠となったことにより、社内の環境は一定のセキュリティが確保されているので安全である、という前提が崩れてきている。本来であればインターネットから接続できない各種業務システムへのアクセス許可や、業務における各種情報を共有するためのクラウドストレージサービスの利用、営業活動における情報管理のためのCRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)の導入や、グループウェア等に代表されるSaaS型クラウドサービスの活用等といった具合に、業務システムが様々な領域へと進出し、多様化してきていることから(下イメージ)、セキュリティ対策としては一箇所だけを守っていれば安全である、という常識は既に覆っていると考えて間違いない。

例えば、テレワーク導入を急ピッチで進めている中で、 (…続き)


本記事はここまでになります。

この記事の続きでは、テレワークの隙を狙った攻撃の脅威をご紹介し、それに対して企業がどのように脆弱性対策に取り組むべきかということについて解説しています。ぜひご一読ください。

※参考(続き)
contents
2.ゼロトラストによるセキュリティの確保
3.セキュリティ状態の可視化と有効性評価
4.ニューノーマルに伴うセキュリティのあり方

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クラウド環境におけるセキュリティの重要性

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SQAT® 情報セキュリティ瓦版 2019年10月号

利便性+αで求められるセキュリティ意識

その利便性の高さからクラウドが広く普及しています。いまや既存システムのクラウド環境への移転、リニューアル化は時代の潮流といって良いでしょう。一方で、サーバ運用においてインシデントが発生してしまった場合、なりすましやDDoS攻撃などによって様々な面で大きな被害を受ける恐れがあります。現実にサーバ運用のトレンドになっているクラウド環境では、その利便性に潜む罠によって、近年いくつもインシデントが発生しています。クラウド環境を利用するために重要な「リスクの可視化」についてお伝えいたします。


アメリカ金融大手で1億人を超える情報漏洩

2019年7月、米金融大手Capital Oneは、外部の第三者から不正アクセスを受け、1億件を超える大規模な個人情報漏洩があったことを公表しました。*1 ただし、流出した個人情報(右記、表1参照)を悪用した事例は、9月時点で確認されていないとのことです。

今回のインシデントはAWS(Amazon Web Services)環境下で発生しましたが、そこで同社は以下の点を主張しています。

基盤システムへの侵害はない
●クラウド特有の脆弱性ではない
●対応の早さはクラウド利用の恩恵

 

 

SSRF攻撃の概要

 

インシデントから浮上した問題点

Capital Oneのシステム環境における問題点は、WAFの運用上の設定ミスにより、SSRF攻撃(図1参照)を検知できなかったこと、サーバ上のデータに対するアクセス制御が不十分だったこと、データ奪取に気づけるモニタリングを実施していなかったことが主に挙げられます。AWSはリスク軽減策としてツールを提供しており(上記、表2参照)、これを活用していれば、インシデントに繋がらなかった可能性も考えられます。

 

クラウド環境の利点と危険性

クラウドサービスは、高い利便性ゆえに増加を続けています。米Ciscoはホワイトペーパー*の中で、2016年には1年あたり6.0ゼタバイト 1) だったトラフィック量が、2021年には19.5ゼタバイトまで増加し、全データセンターのトラフィックに占めるクラウドデータセンターのトラフィック比率は、88%から95%へ増加すると予想しています。こうした増加の理由は、クラウド環境が自社設備内で情報システムを管理・運用するオンプレミス環境と比べて、コスト面、運用面での利点があるためと考えられます。一方で利点に対して危険性があることも理解しなければなりません。

1. 自社内にオンプレミス環境を用意する必要がない
 →外部委託することにより、他社環境に依存することになる
2. 仮想化されたリソースの配分自由度が高い
 →従量課金のため、使いすぎると高コストになる
3. 構成するソフトウェアの独自開発が不要
 →構成するソフトウェアがオープンソースのため、攻撃者に解析されやすい

一度攻撃を許してしまえば、情報漏洩、DDoS攻撃によって、莫大な費用損失が発生し、企業のビジネス破綻を招く可能性があります。クラウドサービスの利用には、利便性と引き換えにある攻撃の可能性にも目を向ける必要があります。そもそも、基本的にクラウド環境は公開ネットワークからアクセスが可能なため、セキュリティ設定の実施は必須なのです。

では、実際にどのようにセキュリティを強化していくのか。対策の一つとして各クラウドベンダが提供しているクラウド環境上のセキュリティ関連の汎用モジュールを利用することを推奨します。例えば、AWSの場合では、インターネットセキュリティの標準化団体であるCIS(Center for Internet Security)が公表している『CIS Amazon Web Service Foundations Benchmark』というガイドラインや、第三者による評価(当社では「AWSセキュリティ設定診断」として提供)を活用し、システム環境の設定状況を把握することが望ましいでしょう。

 

独自性カスタマイズのリスク

クラウド環境は各ベンダの提供している汎用モジュールが充実していますが、実際の提供サービスの機能と合致しないことがあり、その場合、独自のカスタマイズや実装が必要になります。前述のCapital Oneのインシデントでは、このカスタマイズこそがあだとなりました。実際の運用環境では、ポリシーや他との互換性を考慮して様々なカスタマイズが行われますが、その際に設定ミスが発生することで、セキュリティホールとなる可能性があることを認識し、十分に注意しなければなりません。また、カスタマイズされたモジュールそのものに問題がなかったとしても、汎用モジュールとの連携が原因で問題が発生することもあるでしょう。クラウド環境上でWeb サービスを提供する場合には、各種設定がベストプラクティス(最善策)に適合しているかを把握し、さらに第三者の目から見た診断によって分析を行い、リスクを可視化することが重要です。

 

クラウドの時代

今後、世の中はますます利便性の高いクラウドへと傾倒し、既存システムのクラウド環境への移転、リニューアル化がもはや時代の潮流となるでしょう。それゆえに、攻撃者の格好のターゲットとならないよう、隙を与えないための定期的な診断によるリスク把握は、クラウドを用いたビジネスにおいて必要不可欠なのです。

 

※SSRF攻撃(Server Side Request Forgery)
公開サーバに攻撃コマンドを送信することで、サーバ権限を利用し、非公開の内部サーバに攻撃が実行可能になる。
クラウド環境の内部サーバに対して、メタデータ取得APIを実行させ、ユーザの認証情報(ID・パスワード)を盗み取れる。


注:
1) 6.0ゼタバイト=6.0×1021

参考情報:
*https://www.cisco.com/c/en/us/solutions/collateral/service-provider/global-cloud-index-gci/white-paper-c11-738085.html


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