安全なスマホ利用を目指して
-学生必見!8つのセキュリティ対策とは-

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画面に顔が描かれたスマホが剣と盾を持っているイラスト

スマホは私たちの日常生活に欠かせない存在になっています。SNS、友達や親との連絡、勉強、エンターテインメント、ニュースのチェック、ゲーム、さらにはショッピングや支払いまで、さまざまな活動がスマホ1台でできるようになりました。その一方で、スマホの便利さは悪意ある人々にも利用されています。そこで、セキュリティ対策が重要になってきます。ここでは、スマホのセキュリティ対策について解説します。個人情報やプライバシーの保護、オンラインの脅威から身を守る方法を学びましょう。

スマホのセキュリティ対策の必要性とは

まず、なぜスマホのセキュリティ対策が必要なのでしょう?
スマホは便利なツールですが、危険も存在します。

主に以下の3つのリスクが挙げられます。

スマホの紛失または盗まれるリスク

スマホや財布などの忘れ物の入った箱のイメージ

スマホには、持ち主やその知人の名前や住所、連絡先などの個人情報が保存されています。万が一スマホが盗まれたり、紛失したりした場合、その情報が悪意のある人の手に渡る可能性があります。そのことで、身に覚えのない買い物やプライバシーの侵害といった被害につながる可能性があります。

ウイルスが仕込まれるリスク

サイバー攻撃者などによって、ウイルスやスパイウェアといった悪意あるソフトウェア(マルウェア)が、あなたのスマホに仕込まれてしまった場合、個人情報を盗み取られたり、データを破壊されたりする可能性があります。

サイバー攻撃などによる個人情報漏洩リスク

個人情報が漏洩してしまって焦る様子の男性のイメージ

スマホを使用してネット上で買い物をする場合や、オンラインバンキングを利用する場合、サイバー攻撃によって個人情報や銀行口座の情報がハッカーによって盗まれてしまう可能性があります。

スマホには個人的な情報、例えば電話番号やメールアドレス、写真、そしてアプリのログイン情報などが保存されています。こうした情報が悪意ある人々に盗まれると、あなた自身や友人や家族を巻き込んだトラブルにつながる可能性があります。そのため、スマホのセキュリティ対策は必要です。では、情報漏洩などの被害から身を守るためには、何をすれば良いのでしょうか。

スマホに必要な8つのセキュリティ対策

1.スマホのパスワードおよびロックの設定を行う

指紋認証とスマホのイメージ

スマホのセキュリティを強化する最初のステップは、パスワードを設定することです。パスワードには、他人があなたのスマホにアクセスできないようにするために、強力なパスワードを選びましょう。また、他の人に知られないようにしましょう。それぞれのアカウントごとに違うパスワードを設定し、それらを定期的に更新することが推奨されます。パスワード管理アプリというものを利用すれば、複数のパスワードを安全に管理することが可能です。また、顔認証、指紋認証、パスコードやパターンなどのロックを設定して、自分以外の人がスマホを操作できないようにしましょう。

安全なパスワードとは、他人に推測されにくく、ツールなどの機械的な処理で割り出しにくいものを言います。安全なパスワードの作成条件としては、以下のようなものがあります。

(1) 名前などの個人情報からは推測できないこと

(2) 英単語などをそのまま使用していないこと

(3) アルファベットと数字が混在していること

(4) 適切な長さの文字列であること

(5) 類推しやすい並び方やその安易な組合せにしないこと

引用元:安全なパスワード管理(総務省)https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/business/staff/01.html

2.不審なアプリやリンクに注意する

スマホには多くのアプリがありますが、安全であると信頼できないサイトやSMSなどからのアプリをダウンロードしないようにしましょう。公式のアプリストア(Google PlayやApp Store)からのみアプリをダウンロードすることをお勧めします。また、メッセージやメールで届いたリンクを開く前に、送信元が本当に信頼できるかどうかを確認しましょう。フィッシング詐欺(※)やマルウェアから身を守るために、注意深く行動しましょう。

フィッシングサイトのイメージ(偽サイトと釣り竿)

※フィッシング詐欺とは、悪意のある攻撃者が信頼性のある組織のふりをして個人情報を盗もうとする行為です。これは普通、メールやメッセージを通じて行われます。その内容は、あなたのパスワードをリセットするためのリンクであったり、重要な通知があるので見てほしいといった内容であったりします。こうしたリンクをクリックすると、あなたの情報が盗まれる危険性があります。また、見知らぬ番号からの電話にも警戒しましょう。特に、個人情報を求めるような場合には注意が必要です。

3.OSやアプリを定期的にアップデートする

スマホのOS(オペレーティングシステム)やアプリのアップデートは重要です。これらのアップデートは新機能の追加だけではなく、セキュリティの脆弱性を修正するためのものであることも多いため、新たな脅威から守るためにも、定期的に更新を実施することを推奨します。

4.Wi-Fiの安全性を確認する

公衆wifiを見つけた笑顔の男性のイメージ

公共のWi-Fiを利用するときには注意が必要です。公共の無料Wi-Fiは便利ですが、常に安全とは限らず、利用者の個人情報が漏洩してしまうなどの危険性があります。個人情報を送信するようなアプリやウェブサイトにアクセスする際には、自分のモバイルデータ通信を使用するか、パスワードが必要なプライベートネットワークを利用しましょう。また、公共のWi-Fiを使用する場合は、より安全なVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用することも検討してください。

5.SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でのプライバシー設定を行う

SNSは重要なコミュニケーション手段ですが、プライバシーの保護も必要です。以下のポイントに気をつけましょう。

SNSアカウントを乗っ取りされて青ざめる男性のイメージ

a. プライバシー設定の確認: プライバシー設定を確認し、プライバシーにかかわる個人情報を一般公開にせず、友達やフォロワーとの共有範囲を制限しましょう。個人情報や位置情報など、他人に知られては困る情報を公開しないようにしましょう。

b. 友達やフォロワーの選択: 友達やフォロワーを受け入れる際には、信頼できる人々に限定しましょう。知らない人や怪しいアカウントからのリクエストには注意し、受け入れないようにしましょう。

c. 投稿文の慎重な管理: 投稿には慎重になりましょう。個人情報や個人的な写真をむやみに公開しないようにし、誹謗中傷をしたり、プライベートな写真を投稿したりするのは控えましょう。一度公開した情報や写真は、後で取り消すことが難しいため、慎重な判断を行いましょう。

6.アプリの権限設定を確認する

スマホアプリのイメージ

スマホのアプリは、個人情報やデバイスへのアクセスを要求する場合があります。アプリをインストールする前に、そのアプリが何の情報にアクセスする必要があるのかを確認しましょう。例えば、料理のレシピアプリであるのに位置情報へのアクセスを要求してくるといった、必要のない権限を要求してくるアプリには注意し、不要な権限を持つアプリを削除しましょう。

7.バックアップをとる

あなたのスマホが盗まれたり、壊れたりして情報が突然失われてしまった場合でも、重要な情報を守るために、定期的にバックアップをとっておくことを推奨します。

8.アンチウィルスソフトの利用

アンチウイルスソフトを利用することで、ウイルスやスパイウェアといったマルウェアからスマホを守れます。

まとめ

スマホは便利なツールであり、私たちの日常生活では欠かせないものとなっています。だからこそ、個人情報などを狙う悪意を持った攻撃者のターゲットになる可能性があります。そのため、自分の身を守るためにも基本的なセキュリティ対策の方法を理解することが重要です。学生の皆さんは、以下のポイントを守りながらスマホのセキュリティを強化しましょう。

1. スマホのパスワードおよびロックの設定を行う
2. 不審なアプリやリンクに注意する
3. OSやアプリを定期的にアップデートする
4. Wi-Fiの安全性を確認する
5. SNSでのプライバシー設定を行う
6. アプリの権限設定を確認する
7. バックアップをとる
8. アンチウイルスソフトを利用する

これらの対策方法はあくまで例です。普段からセキュリティに注意し、安全に利用しましょう。また不安を感じたら身近な友人や保護者に相談することも大切です。本記事が、スマホを利用するすべての人々にとって、自分と自分の大切な人々を守り、より安全なスマホライフを送るために役立つ情報提供となれば幸いです。


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マルウェアに感染したら
-マルウェアの種類と対策、ウイルスとの違いは-

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マルウェアは、コンピューターやモバイルデバイスを標的にする悪意のあるソフトウェアの総称です。以前よく聞かれていたのは「ウイルス」ですが、いまや攻撃の手口は「ウイルス」という言葉で表せる範囲を超え、多様化・巧妙化しています。

もしもマルウェアに感染したら、どのような対処をとればよいのでしょうか。また、感染する前にできる予防策として何か有効でしょうか。
本記事を活用し、適切な対策を講じ、マルウェア攻撃のリスクを最小限に抑えましょう。

マルウェアとは

「マルウェア」とは「malicious(悪意のある)software(ソフトウェア)」の略称です。マルウェアは、コンピュータ、サーバ、クライアント、コンピュータネットワーク等に損害を与えるため、あるいはユーザの意図や利益に反する活動を行うために設計されたソフトウェアです。さまざまなタイプのマルウェアが存在します。

ウイルスとマルウェアの違い

「ウイルス」はマルウェアの一種です。インターネット黎明期、「ウイルス」と呼ばれるプログラムの多くは、コンピュータサイエンスを学ぶ学生などによって、実験やイタズラ目的で開発されていました。

諸説ありますが、実験やイタズラの範疇を超える、明確な悪意を持った犯罪者や組織によってウイルスが作られはじめた2005年頃から「マルウェア」という言葉が使われるようになりました。

こんにちマルウェアは、サイバー犯罪者や犯罪組織、各国の政府などによって開発され、個人情報や金融情報、知的財産、機密情報を盗んだり、プライバシーを侵害する意図で利用されています。

マルウェアの代表的な種類

代表的なマルウェアとしては、以下のようなものがあります。

ウイルス 多くの場合、一見無害に見えるファイルの中に隠されています。ユーザによりファイルをクリックされ実行されることで自己増殖を行い、データの破壊などの有害な動作を行います。
ワーム ワームはウイルスとは異なり、ファイルの中に隠れていることはありません。自己増殖もワームだけで行うことができます。ウイルスやワームは感染したコンピュータだけに影響を及ぼすものではなく、コンピュータネットワークを経由して他のコンピュータに拡散します。
トロイの木馬 無害なあるいは有益なプログラムに偽装してユーザを油断させ、インストールを行わせるマルウェアです。ウイルスやワームと異なり自己増殖することはありません。古代ギリシャ時代、トロイの街を攻撃するため、贈り物に見せかけた大きな木馬に兵士を潜ませて侵入を行った方法が名前の由来です。主にバックドア*1と呼ばれる不正な裏口を作ったり、オンラインバンキングなどのパスワードを盗んだり*2、別のプログラムをダウンロードするなどの動きをします。
スパイウェア 個人や組織の情報を同意なしに収集したり、その情報を攻撃者に向けて送信することを目的としたマルウェアです。
アドウェア 多くはユーザが知らないうちにインストールされ、インターネット閲覧の際にユーザが望まない広告を表示します。すべてが違法とは言えない場合もあります。
ランサムウェア ユーザのファイルやデータを勝手に暗号化し、身代金(ランサム)を支払うまで復号しないと脅すマルウェアです。身代金を払ってもデータが元に戻るとは限りません。
キーロガー コンピュータのキーボード入力を記録するソフトウェアで、本人の同意や法的根拠なく使用された場合にマルウェアとみなされます。パスワードや機密情報を盗むために使用されます。
バックドア*1 英語で「裏口」の意味で、一度侵入したシステムなどに次回以降も不正にアクセスする際、それを容易にするために設けられる通信接続手段を指します。
ボット マルウェアによって乗っ取られ、遠隔からの指示によって自由に操られるようになったコンピュータを、「ボット」または「ゾンビPC」と呼びます。複数のボットをボットネットとして制御し、DDoS攻撃等のサイバー犯罪に悪用します。
バンキングマルウェア*2 オンラインバンキングのIDやパスワード、クレジットカード情報などを盗むマルウェアです。不正送金などの被害が報告されています。
ファイルレスマルウェア 通常のマルウェアはコンピュータのハードディスク内に存在しますが、コンピュータのRAM内でしか動作しないように設計されているマルウェアです。

マルウェア感染の経路:3大感染経路は「電子メール」「Web閲覧」「記憶媒体」

マルウェアの感染経路としては、大きく「電子メール」「Web閲覧」「記憶媒体」の3つが挙げられます。

「電子メール」経由の感染 標的型攻撃メールなどで、メールの添付ファイルを開いたり、文中に記載されたURLをクリックすることでマルウェアに感染します。
「Web閲覧」経由の感染 単にWebサイトをブラウザで見るだけで感染する「水飲み場型攻撃」などが知られています。
 USBメモリなどの
「記憶媒体」経由の感染
USBメモリやCD-ROM、DVD、外付けHDDなど、各種記憶媒体などもマルウェアの感染経路として悪用されます

その他にも、ファイル共有ソフトで手に入る音楽や動画ファイルを装ったマルウェアや、ソフトウェアのニセのアップデートを装うものなど、さまざまな感染経路が存在します。

マルウェアに感染したらどうなる?:マルウェア被害と症状

実験やイタズラ目的で開発されたマルウェアの多くは、ユーザに派手なメッセージを見せたり、アドレス帳にあるメールアドレス宛に手当たり次第に勝手にメールを送ったり、あるいはPCの挙動を重くするなど、感染したことが明白である症状を呈したり挙動をするものが少なくありませんでした。

現在も、オンラインバンキングで不正送金を行うマルウェアや、重要データを暗号化して身代金要求を行うランサムウェアなどは、目に見える被害や症状を示すマルウェアといえるでしょう。

しかし、前述したようなサイバー攻撃の目的の変化によって、ユーザにまったく感染を気づかせないマルウェアも増えています。

一連の攻撃活動を行った後で、自らを消去して完全に痕跡を消す自己消滅型のマルウェアも存在しており、すべてのマルウェアに自分で気づくことはおよそ不可能といえます。

マルウェアに感染したらどう対処すべきか

もしマルウェア感染したことが明らかであるならば、Wi-Fi機能のOFFやLANケーブルを抜くなどのネットワーク切断はすぐに行った方がいいでしょう。ネットワークを経由して感染を広げるインターネットワームなどの拡大を抑えることができます。

一方でPCやサーバの電源を落とすことは避けてください。感染経緯の究明などに利用できる証拠が失われることがあり、事故調査や、その後の適切な対策実施に悪影響を及ぼします。

多くの会社で、マルウェアに感染した場合の対応手順が決められています。まずはネットワークを切断し、速やかに情報システム部門やネットワーク管理者に連絡して指示に従ってください。

マルウェアの検知・駆除ツール「ウイルス対策ソフト」

こうしたマルウェアを検知・駆除する方法として使われるのが「ウイルス対策ソフト」(「アンチウイルスソフト」)です。ウイルスの対抗手段であることから、古くは「ワクチン」とも呼ばれました。

ウイルス対策ソフトは「パターンマッチング」と呼ばれる方法でマルウェアを検知します。ウイルス対策ソフトがあらかじめ持っている「パターンファイル」「定義ファイル」と呼ばれるマルウェアの特徴に関するデータと参照することで、マルウェアを検知します。

しかしパターンマッチングでは、まだ出回っていない新しいマルウェアを検知できません。そのため、プログラムの挙動を分析してマルウェアを検知する「ヒューリスティック分析」「振る舞い検知」などの技術が開発されました。

一方で近年、膨大な数の新しいマルウェアが作られたり、ブラックマーケットにおいて主要なアンチウイルスソフトでは検知できないマルウェアが販売されるなど、ウイルス対策ソフトだけでは充分な対策とは言えなくなっています。

マルウェアに感染する前にできる「予防対策」

各ユーザのクライアントPCのマルウェア対策としては、ウイルス対策ソフトの利用がもっとも一般的な方法です。また、最近ではEDR(Endpoint Detection and Response)製品などを利用するケースも増えています。これに加えて、3大経路の1つである電子メールからの感染を防ぐ対策として、標的型攻撃メール訓練によるユーザ教育が有効でしょう。また、ランサムウェア攻撃を受けた場合の復旧に備えたデータのバックアップなども重要になります。

一方で、管理者の観点からはマルウェア感染の脅威が及ぶのはPCだけではありません。自社が提供するWebサイトにマルウェアや不正なコードを埋め込まれる「Web改ざん」にも同様の注意が必要となります。こうした攻撃を許してしまう要因はクロスサイトスクリプティング(XSS)などの脆弱性です。そのような脆弱性が存在しないかどうかは、Webアプリケーション診断などによって感染の前に明らかにすることができます。Webサイトの改ざんを検知するサービスも存在します。

また、これは感染予防対策ではありませんが、感染したことにいちはやく気づくために、SOC(Security Operation Center)サービスなどを利用して外部との不正な通信を検知したり、ログを収集して分析することも有効です。

マルウェアによる攻撃手法は常に進化しています。最新の情報を常にチェックし、適切な対策を講じることで、マルウェアのリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ

・マルウェアとは「malicious(悪意のある)software(ソフトウェア)」の略称で、ウイルスもマルウェアの一種です。
・ウイルス対策ソフトだけでは検知できないマルウェアも存在します。
・マルウェアの主な感染経路はメール・Web・USBメモリなどの記憶媒体です。
・もし感染に気づいたらネットワークを切断します。ただし電源を切ってはいけません。
・予防対策として標的型攻撃メール訓練やセキュリティ診断なども有効です。

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