イエローハットに不正アクセス、最大約180万人分の個人情報漏えいの可能性―企業が学ぶべき対策とは

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2026年8月、カー用品大手のイエローハットが運営する「イエローハットWEB作業予約システム」が不正アクセスを受け、最大約180万人分の個人情報が漏えいした可能性があることが公表されました。本記事では、イエローハットの公式発表をもとに事案の概要を整理するとともに、企業が同様の被害に備えるために見直しておきたいセキュリティ対策について解説します。

※本記事は2026年9月4日時点で確認できる公表資料に基づき作成しています。

イエローハットの不正アクセスで何が起きたのか

株式会社イエローハットは2026年8月28日、「イエローハットWEB作業予約システム」が不正プログラムによる攻撃を受け、一部会員の個人情報が外部へ漏えいした可能性が判明したと発表しました*1。漏えいの可能性がある対象者は最大1,801,499名で、対象情報は氏名、電話番号、メールアドレス、会員番号とされています。同社は8月18日朝に不正アクセスを検知し、直ちにシステムの外部接続を遮断するなどの緊急措置を実施しました。その後、影響範囲などの調査を進める過程で、一部の会員情報が外部へ漏えいした可能性があることが判明したとしています。

公表時点でシステム上の対策は完了しており、個人情報保護委員会への報告と警察への相談も行われました。一方、クレジットカード情報、パスワード、車両情報は当該システムで保持していないため、同社は、これらの情報の漏えいはないと説明しています。また、グループ他社は異なる独自の管理システムを利用しているため、他ブランド店舗の利用者への影響もないとしています。

現時点で原因や侵入経路は公表されていない

今回のイエローハットの不正アクセスについて、攻撃者、侵入経路、悪用された脆弱性、攻撃手法の詳細は、2026年8月28日の公式発表では明らかにされていません。「Webシステムの脆弱性が悪用された」「認証情報が突破された」「ランサムウェアによる攻撃だった」などと原因を推測することはできません。また、公表された1,801,499名は、個人情報の漏えいが確認された人数ではなく、漏えいした可能性がある対象者の最大人数です。同社は今後新たな事実が判明した場合には、ホームページで公表するとしています。

利用者が注意すべき二次被害

イエローハットは、対象となる会員に対し、電子メール、SMS、電話または書面で順次連絡するとしています。同時に、心当たりのないメールやSMSなどに注意し、メールの開封、不審なリンクへのアクセス、添付ファイルの開封を避けるよう呼びかけています。氏名や連絡先、会員番号を組み合わせると、実在する企業やサービスを装った連絡に説得力を持たせやすくなります。ただし、今回の情報が実際にフィッシング等へ悪用されたとの事実は公表されていません。利用者は不安をあおる連絡に反応せず、案内の真偽をイエローハットの公式サイトや公式窓口で確認することが重要です。

2りんかんの不正アクセスとは別事案

イエローハットグループでは、株式会社2りんかんイエローハットも2026年4月に会員専用サーバーへの不正アクセスを公表しています*2。6月19日の最終報では、アプリの仕組みであるAPIを悪用した不正アクセスにより、3,179,454名分の会員データが取得されたことが特定されました。

ただし、2りんかんの事案と今回のイエローハット本体の事案を同じ原因によるものとみなすことはできません。今回対象となった「WEB作業予約システム」はグループ他社とは異なる独自管理システムであり、攻撃者や原因の共通性も公表されていません。企業が注目すべきなのは、二つの事案を安易に結び付けることではなく、グループ内でインシデントが発生した際に、類似する公開システムや利用技術、委託先などに同様のリスクがないか横断的に点検することです。

Web予約システムがサイバー攻撃の対象になり得る理由

Web予約システムは、顧客がインターネットから利用できる利便性の高い窓口である一方、外部に常時公開されるシステムでもあります。予約受付だけでなく、会員情報との連携、通知、店舗側の管理機能など、複数のシステムや機能とつながっているケースもあります。また、氏名や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を扱うことも多いため、不正アクセスを受けた場合には情報漏えいにつながる可能性があります。そのため、公開前のセキュリティ確認だけでなく、運用開始後も継続的にリスクを管理することが重要です。

企業が見直すべき5つのセキュリティ対策

公開しているIT資産を把握し、管理責任を明確にする

最初に必要なのは、自社とグループ会社がインターネット上に公開しているWebサイト、予約システム、API、クラウド環境などを洗い出すことです。古いキャンペーンサイトや管理部門が不明確なシステムが残っていれば、脆弱性情報の確認や修正が遅れる原因になります。資産ごとに管理責任者、使用技術、保守委託先、個人データの有無を整理し、不要な公開資産は閉鎖する必要があります。

WebアプリケーションとAPIを継続的に点検する

Webシステムは公開前に確認して終わりではありません。機能追加、設定変更、ミドルウェアやライブラリの更新によってリスクは変化します。IPAは、Webサイトの新規公開前や既存ページの変更時の確認に加え、構成するソフトウェアやCMSを把握し、最新状態を保つことを推奨しています。システムの重要度や変更頻度に応じて、定期的な脆弱性診断やセキュリティ点検を実施することが有効です。

ログを『保存するだけ』にせず、検知と調査に使える状態にする

不正アクセスを早期に捉え、発生後に原因や影響範囲を調べるには、アクセスログや認証ログなどが欠かせません。ただし、ログが分散したまま、確認する担当者やルールが決まっていなければ、異常の発見につながりません。監視対象、検知条件、通知先、保管期間、時刻同期、改ざん防止を定め、異常を検知した際に調査へ移れる運用を整備することが重要です。

保有する個人データを最小化し、アクセスを必要な範囲に絞る

攻撃を完全に防ぐことは困難ですが、侵害された場合の影響を抑えることはできます。予約や会員サービスに本当に必要なデータだけを取得し、保存期限を過ぎた情報を削除し、業務上必要な担当者だけがアクセスできるようにします。決済情報を外部の専用システムで扱うなど、重要な情報を分離する設計も被害範囲を限定するうえで有効です。なお、これは一般的な推奨策であり、今回の事案に過剰保有やアクセス制御の不備があったことを示すものではありません。

インシデント対応手順を整え、グループ横断で訓練する

不正アクセスを検知した直後は、遮断、証拠保全、影響範囲の特定、経営層への報告、外部専門家や関係機関との連携、顧客への説明を並行して進めなければなりません。平時から責任者と連絡網を決め、初動手順を文書化し、机上演習で判断の遅れや役割の抜けを確認しておくことが重要です。グループ企業で事案が発生した場合は、当該システムの復旧だけで終わらせず、他社・他サービスへ横展開して点検する仕組みも必要です。

公開システムのセキュリティ対策を見直すには

Web予約システムのセキュリティ対策では、脆弱性を見つけて修正する予防策、攻撃の兆候を早期に捉える監視、被害が疑われた際の初動対応を分断しないことが重要です。どれか一つを導入するだけでは、継続的に変化する公開システムのリスクには対応しきれません。

BBSecでは、公開システムの脆弱性診断から、セキュリティログの分析・監視、インシデント発生時の緊急対応・フォレンジック調査までと、「予防」・「検知」・「対応」の各段階を支援しています。自社やグループ会社の公開システムをどこから見直すべきか判断に迷う場合は、現在の対策状況を整理したうえで、各段階での不足部分を補うことが有効です。

まとめ

イエローハットの不正アクセスでは、WEB作業予約システムに保存されていた最大約180万人分の個人情報が漏えいした可能性が公表されました。現時点では侵入経路や具体的な攻撃手法は明らかにされていないため、今後の調査結果や追加発表を確認する必要があります。企業にとって重要なのは、こうした事案を一過性のニュースとして捉えるのではなく、自社の対策を見直す機会とすることです。公開IT資産の把握、WebアプリケーションやAPIの継続的な点検、ログ監視、個人データの適切な管理、インシデント対応体制の整備を一連の取り組みとして進めることが、被害の予防と早期収束につながります。

【参考情報】

編集責任:木下


BBSecの脆弱性診断・セキュリティ対策支援サービス

BBSec(ブロードバンドセキュリティ)では、WebアプリケーションやAPIの脆弱性診断をはじめ、セキュリティログの分析・監視、インシデント発生時の緊急対応・フォレンジック調査など、予防・検知・対応の各段階を支援しています。公開システムのセキュリティ対策や、情報漏えい・不正アクセスへの備えを見直したい場合は、お気軽にご相談ください。


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【企業のためのランサムウェア対策ガイド】ランサムウェアの感染経路とは ―企業が見落としがちなVPN・RDP侵入リスクを解説

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ランサムウェア対策を考えるうえで重要なのが、「どこから侵入されるのか」を理解することです。近年の企業向けランサムウェア攻撃では、メールだけでなく、VPN機器やリモートデスクトップ(RDP)の脆弱性、認証情報の悪用、サプライチェーン経由の侵入など、多様な経路が利用されています。本記事では、企業が見落としがちな代表的な感染経路と、その対策の考え方について解説します。

ランサムウェアの基本的な仕組みや全体像については、以下の記事で整理しています。
ランサムウェアとは何か ―企業が知るべき被害・仕組み・対策の基本―

ランサムウェアは、ある日突然社内のパソコンやサーバ上で実行されるように見えます。しかし実際には、その前段階で攻撃者が企業ネットワークへ侵入しています。メール、VPN機器、リモートデスクトップ、ソフトウェアの脆弱性、外部委託先など、侵入経路はさまざまです。特に近年は、単に添付ファイルを開かせる攻撃だけでなく、インターネットに公開されたVPN機器やリモートアクセス環境の脆弱性、認証情報の悪用、委託先や外部サービスを踏み台にした侵入が問題になっています。警察庁やIPAの資料でも、国内のランサムウェア被害ではVPN機器やリモートデスクトップなど、テレワーク環境に関連する経路が多く確認されています。

ランサムウェアはどこから侵入するのか

ランサムウェアの感染経路は、ひとつに限定されません。攻撃者は、企業の外部に開いている入口、従業員が日常的に使うメール、保守やテレワークのためのリモート接続、未修正のソフトウェア、さらには取引先や委託先との接続関係まで、複数の経路を組み合わせて侵入を試みます。従来は、ランサムウェアというと「不審なメールの添付ファイルを開いて感染する」というイメージが強くありました。もちろんメールは現在でも重要な感染経路ですが、企業におけるランサムウェア被害では、VPN機器やリモートデスクトップなど、外部から社内環境へ接続するための仕組みが狙われるケースが目立ちます。

米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)が公開している「#StopRansomware Guide」でも、ランサムウェアやデータ恐喝型攻撃の初期侵入経路として、インターネットに公開された脆弱性や設定ミス、フィッシング、認証情報の悪用、リモートアクセス環境などが重視されています。つまり、ランサムウェア対策は「端末にウイルス対策ソフトを入れる」だけでは不十分であり、外部公開資産、認証、運用設定、委託先管理まで含めて考える必要があります。

代表的な感染経路

メールによる感染

メールは、現在でもランサムウェア感染の代表的な入口です。攻撃者は、請求書、見積書、配送通知、業務連絡、採用関連の連絡などを装い、添付ファイルや本文中のリンクを開かせようとします。従業員が添付ファイルを開いたり、リンク先で認証情報を入力したりすると、マルウェア感染やアカウント窃取につながる可能性があります。ただし、近年のランサムウェア攻撃では、メールから即座に暗号化が始まるとは限りません。メールをきっかけに認証情報を盗み、その後VPNやクラウドサービスへ不正ログインする場合もあります。また、メール経由で侵入したマルウェアが端末内の情報を収集し、攻撃者が次の侵入経路を探す足がかりになることもあります。そのため、メール対策は「怪しいメールを開かないように教育する」だけでは不十分です。迷惑メール対策、添付ファイルの検査、URLフィルタリング、多要素認証、端末の挙動監視を組み合わせ、万が一クリックされても被害が広がりにくい仕組みを整える必要があります。

VPN機器の脆弱性

企業のランサムウェア対策で特に注意すべき感染経路が、VPN機器の脆弱性です。VPNは、テレワークや拠点間接続、外部からの保守作業に欠かせない仕組みですが、インターネット側に公開されているため、攻撃者にとっても狙いやすい入口になります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、ランサムウェア被害の感染経路としてVPN機器経由が大きな割合を占め、VPN機器経由とリモートデスクトップ経由を合わせると毎年高い割合を占めていることが示されています。

VPN機器に未修正の脆弱性が残っている場合、攻撃者は認証を突破したり、機器上の情報を盗んだり、社内ネットワークへ侵入したりする可能性があります。特に、サポート切れの機器、更新が滞っているファームウェア、初期設定に近いまま運用されている環境、不要なアカウントが残っている環境は危険です。VPN機器は一度導入すると、業務インフラとして長く使われがちです。そのため、導入時には問題がなかったとしても、数年後に深刻な脆弱性が公表され、攻撃対象になることがあります。ランサムウェア対策では、VPN機器のメーカー名、型番、バージョン、サポート期限、適用済みパッチを定期的に確認することが重要です。

リモートデスクトップ(RDP)の悪用

リモートデスクトップ(RDP)も、ランサムウェアの代表的な感染経路です。RDPは、離れた場所から社内のPCやサーバを操作できる便利な仕組みですが、外部から直接接続できる状態になっていると、攻撃者にとって格好の侵入口になります。CISAが公開するランサムウェア関連アドバイザリ(#StopRansomware: Akira Ransomware)でも、RDPやVPNなどのリモートアクセスサービスが初期侵入に使われる事例が継続的に示されています。

攻撃者は、単純なパスワードの総当たり攻撃、過去に漏えいした認証情報の悪用、設定不備の探索などによって、RDP接続を突破しようとします。一度RDP経由で社内端末やサーバへ入られると、攻撃者は管理者権限の取得、他端末への横展開、データの持ち出し、バックアップの削除、ランサムウェアの実行へと進む可能性があります。RDPを業務上どうしても使う場合は、インターネットへ直接公開しないことが基本です。VPNやゼロトラスト型のアクセス制御を経由させ、多要素認証を必須にし、接続元制限、ログ監視、不要アカウントの削除を徹底する必要があります。

ソフトウェアの脆弱性

ランサムウェアの感染経路として見落とされやすいのが、OS、ミドルウェア、業務システム、Webアプリケーション、ネットワーク機器などのソフトウェア脆弱性です。Verizon「2025 Data Breach Investigations Report」(DBIR)でも、脆弱性の悪用による初期アクセスが増加していることが示されており、境界デバイスや外部公開システムの管理が企業のセキュリティ課題として重要になっています。

攻撃者は、公開された脆弱性情報をもとに、未修正のシステムをインターネット上で探索します。特に危険なのは、外部からアクセスできるシステムに深刻な脆弱性が残っている場合です。VPN、ファイアウォール、メールサーバ、ファイル転送システム、Web管理画面、クラウド連携用の管理コンソールなどは、攻撃者から常に探索対象になっていると考えるべきです。脆弱性対策では、単にパッチを適用するだけではなく、自社がどのシステムを外部公開しているかを把握することが出発点になります。資産管理が不十分なままでは、どの機器に脆弱性があるのか、どのシステムを優先して更新すべきかを判断できません。

サプライチェーン経由の感染

ランサムウェアの感染経路は、自社のネットワークや端末だけに限られません。委託先、外部サービス、クラウドサービス、保守ベンダー、取引先との接続環境を通じて侵入されることもあります。こうした外部経由の侵入は、サプライチェーン攻撃としても知られています。Verizon「2025 Data Breach Investigations Report」でも、漏えい・侵害に第三者が関与する割合が増加していることが示されており、サプライチェーンリスクは企業規模を問わず無視できない課題になっています。

たとえば、業務委託先が利用しているアカウントが侵害され、そのアカウントを使って自社環境へ不正アクセスされるケースがあります。また、外部保守用に開放していたリモート接続が攻撃者に悪用される場合や、取引先とのファイル共有環境を通じてマルウェアが持ち込まれる場合もあります。サプライチェーン経由の感染が厄介なのは、自社だけで完全に制御しにくい点です。自社のセキュリティ対策が一定水準に達していても、接続先や委託先の管理が甘ければ、そこが攻撃者にとっての入口になります。

こうした外部経由の侵入は、サプライチェーン攻撃としても知られています。詳しくは以下の記事で解説しています。
サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

ランサムウェア対策としては、委託先との接続経路、付与している権限、共有している情報、外部アカウントの管理状況を定期的に見直す必要があります。外部委託先に対しても、多要素認証、アクセス権限の最小化、ログ取得、契約上のセキュリティ要件、インシデント発生時の連絡体制を確認しておくことが重要です。

なぜ気づかず侵入されるのか

ランサムウェア感染が深刻化する理由のひとつは、攻撃者が侵入してから暗号化を実行するまでに時間差があることです。企業側から見ると、ある日突然ファイルが暗号化されたように見えます。しかし実際には、その前に認証情報の窃取、社内探索、権限昇格、横展開、データ窃取といった活動が行われている場合があります。攻撃者が長く潜伏できる背景には、認証情報の管理不備があります。退職者や異動者のアカウントが残っている、管理者権限が過剰に付与されている、同じパスワードを複数システムで使い回している、多要素認証が導入されていない、といった状態では、攻撃者にとって侵入後の行動が容易になります。また、設定ミスも大きな問題です。RDPがインターネットに公開されている、VPN機器のファームウェアが古い、管理画面に外部からアクセスできる、不要なポートが開いている、ログが保存されていないといった状態は、攻撃者にとって有利に働きます。

NIST(米国立情報技術研究所)NIST IR 8374 Rev.1「Ransomware Risk Management: A Cybersecurity Framework 2.0 Community Profile」では、ランサムウェアへの備えとして、識別、防御、検知、対応、復旧を含めた包括的なリスク管理の重要性が示されています。これは、ランサムウェア対策が単なるマルウェア対策ではなく、資産管理、アクセス制御、バックアップ、ログ監視、インシデント対応を含む経営課題であることを意味します。

感染リスクを下げるための考え方

ランサムウェアの感染リスクを下げるには、すべての対策を一度に完璧に実施しようとするのではなく、侵入されやすい場所から優先順位をつけて対策することが重要です。特に企業では、VPN機器、リモートデスクトップ、外部公開サーバ、メール、認証情報、委託先接続の順に確認すると、自社の弱点を見つけやすくなります。

最初に行うべきことは、外部から見える資産の棚卸しです。どのVPN機器を使っているのか、RDPが外部公開されていないか、古いサーバや管理画面が残っていないか、クラウドサービスの管理者アカウントが適切に管理されているかを確認します。自社が把握していないシステムは、守ることも更新することもできません。次に、認証情報の保護を強化します。多要素認証の導入、不要アカウントの削除、管理者権限の最小化、パスワードの使い回し防止、ログイン試行の監視は、ランサムウェア対策の基本です。特にVPN、RDP、クラウド管理画面、メールアカウントには優先的に適用すべきです。さらに、脆弱性管理を継続的に行う必要があります。OSやソフトウェアの更新だけでなく、ネットワーク機器、VPN、ファイアウォール、NAS、ファイル転送システムなど、外部公開される可能性のある機器の脆弱性情報を確認し、リスクの高いものから修正します。バックアップも重要ですが、バックアップがあるだけでは十分ではありません。攻撃者にバックアップまで削除・暗号化されないよう、ネットワークから分離したバックアップや、復旧手順の確認が必要です。ランサムウェア対策では、感染を防ぐ対策と、感染した場合でも事業を止めない対策を組み合わせることが求められます。

まとめ

ランサムウェアの感染経路は、メールだけではありません。VPN機器の脆弱性、リモートデスクトップの悪用、ソフトウェアの未修正脆弱性、認証情報の窃取、設定ミス、委託先や外部サービスを経由したサプライチェーン攻撃など、企業のさまざまな入口が狙われています。特に近年の企業向けランサムウェア攻撃では、攻撃者が事前に社内ネットワークへ侵入し、権限を広げ、データを盗み、最後に暗号化を実行する流れが一般化しています。そのため、ランサムウェア対策は「感染後にどう復旧するか」だけでなく、「どこから入られる可能性があるか」を把握し、侵入経路を減らすことから始める必要があります。

企業がまず取り組むべきことは、自社の外部公開資産を把握し、VPNやRDPの設定を見直し、ソフトウェアの脆弱性を管理し、認証情報を守り、委託先との接続経路を確認することです。すべてを一度に完璧にする必要はありませんが、攻撃者にとって狙いやすい入口を放置し続けることは、ランサムウェア被害のリスクを高めます。ランサムウェアの感染経路を理解することは、対策の出発点です。自社のどこが侵入口になり得るのかを確認し、優先順位をつけて改善していくことが、企業のランサムウェア対策において最も現実的で効果的な第一歩になります。

万が一感染してしまった場合の具体的な対応については、以下の記事で詳しく解説しています。
セキュリティインシデントの基礎から対応・再発防止まで 第2回:セキュリティインシデント発生時の対応 ─初動から復旧まで

【参考情報】

編集責任:木下


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<インタビュー>門林 雄基 氏 / 奈良先端科学技術大学院大学 サイバーレジリエンス構成学研究室 教授【前編】

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国内外問わずセキュリティイベントに多くご登壇し、弊社で毎月1回開催している社内研修で、最新動向をレクチャーいただいている奈良先端科学技術大学院大学の門林教授。そんな門林教授に2022年のセキュリティニュースを振り返っていただき、今後の動向や予測について語っていただきました。前・後編の2回のうち、前編をお届けします。

(聞き手:BBSec SQAT.jp編集部)


はじめに…

SQAT® Security Report寄稿記事をご執筆いただいたご感想・読者へのメッセージ

━━早速ですが、弊社で半期に1回、セキュリティに関する情報をまとめてお届けしているSQAT® Security Reportの最新号(※10/26公開予定)では門林先生にご執筆を依頼していたかと存じます。まずはこちらについてご質問をさせていただければと思っております。

━━「セキュリティの現在過去未来」 ということで、専門家の知見からセキュリティの歴史を振り返っていただいています。私も先日拝読させていただいたのですが、セキュリティに対してあまり馴染みのない方でもセキュリティ意識を見直すきっかけになる大変素晴らしい記事になっているなと感じました。今回の記事について、執筆後のご感想や伝えておきたいポイントや読者へのメッセージがあればお願いいたします。

門林先生インタビュー写真1

門林:そうですね、セキュリティの記事をご依頼いただいて、振り返ってみるともう早いもので30年なんですよね。私が今53歳になりますので、それぐらいやはり時間がたってしまったということですね。このセキュリティという領域も最初は一部のマニアックな人、いわゆるハッカーのような人が騒いでいるだけという状況から始まり、今や社会問題になってもう10年、15年たちますが、一向に解決されないという状況です。この時間の流れを写し取れたらと思い今回の記事を書きました。

最近セキュリティ業界に入った方や若い世代の中には「セキュリティへの対策を考えることは重要な問題でさぞかし昔からちゃんとやっていたんだろう」と思われる方もいるかもしれませんし、あるいはまだまだ新しい領域なので「誰も何もやっていないから俺がいたら何とかなる」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は最初は「何かしないと大変だ」と考えていた人は本当に一握りでした。

当時はインターネットバブルで、誰もがインターネットに繋ぐだけでもうかると思ってました。当然、その傍らでリスクが生まれるわけですが、昔はインターネットを作っていた人は「いや、セキュリティね、あはは、そんな問題あるよね。それ、きりないじゃん」と笑ってたわけです。しかし、実はもう30年ぐらい前から問題としては予見されていました。

例えば30年以上前の雑誌記事で、”インターネットがもし商業化されたら世界中は迷惑メールであふれかえる”という予測を立てた記事があり、当時学生だった私は アメリカのとある有名な方にその記事について質問攻めにしました。ところが、最終的な答えとしては「I don’t know(知らないよそんなこと)」 と。つまりその誰一人として問題に対して根本的な解決策を提案しないまま今に至っているわけです。

100年以上前、自動車が街を走り始めたときには、「こんなものは殺人兵器だ」といった新聞の批判的な報道もあったと聞いています。ところが当時から批判をされていたにも関わらず、ここ50年自動車はずっと人を轢き続けていたわけです。最近でこそ衝突安全装置という技術開発がされてますが、そこまで50年~70年かかっています。インターネットでも同様です。1995年あたりに商業化され、爆発的に広まり25年以上たちますが、セキュリティの問題として迷惑メール・情報漏洩・DDos攻撃など様々なものが予見されていたと思うのですが、結局そのままになってしまっているという状況です。

ですので最近セキュリティ業界に入った方や若い世代の方にもそういった流れで物事を見てほしいというのと、もしその自分の代で解決できなくても頑張るくらいの気合を持ってほしいなと思っています。私自身セキュリティの問題は5年10年すれば解決できると思っていましたが、結局そこから20年以上たって今に至るという感じです。ある意味では若い世代の方にとってはチャンスかもしれません。自動車も技術開発されるまで70年かかってるので、セキュリティも同じくらいのタイムスパンで世代を超えて頑張らないといけないかなと思います。

━━ありがとうございます。インターネットが発展するとともにサイバー犯罪も増加するという形でいたちごっこの様態を呈していますよね。しかし、自動車業界の衝突安全装置の前例から学び、世代を超えて意識を高く持ち続けることでいずれはセキュリティの問題も解決へ向かうように、私たちセキュリティベンダーも啓蒙し続けていかなければならないと感じました。

2022年のセキュリティニュースを振り返って…

━━では続いて2022年のセキュリティニュースを振り返っていきたいと思います。今年話題になったセキュリティに関するニュースとして、例えばApache Log4jの脆弱性や SolarWinds社製品の脆弱性など、脆弱性を悪用した攻撃が次々に登場しました。サイバー攻撃グループがいま狙っている業界としてはどういったところがあるのでしょうか?最近は業界の区別なく狙われているという話もあるかと思いますがいかがでしょうか?

門林:まず申し上げておきたいのはメディアで騒がれるものと、実際に犯罪やサイバー攻撃に悪用されるものは違うということです。メディアでは基本的に新しい脆弱性などの話題を取り上げますが、その前にも既知の脆弱性は3万件以上蓄積があるわけです。Log4jに関しては、確かにJavaのソフトで広く使われているため色々なシステムで対応に追われましたが、直ちに攻撃に使われるという話ではありませんでした。ですのでメディアで報道される=直ちに攻撃されるから対策しなければという話ではなく、むしろ忘れたころにやってくる、というところです。

また、SolarWindsやSpring4Shellも一時期メディアで騒がれましたが、実はSolarWindsは日本では全然使っていません。ですので影響範囲も全くなかったと私は思います。Spring4Shellに関しては、実際解析してみると特定のJavaのバージョンのみに影響があるだけで、実はそこまでSpring4Shellの脆弱性は影響がありませんでした。つまり、現場での感覚とメディアでの感覚がだいぶずれてきているなというのが特に今年の脆弱性関連での報道を見て感じるところです。

━━ありがとうございます。 最近では企業規模の大小問わず狙われていて、中小企業もターゲットになっているという話もあるかと思うのですが、こちらについてはどのような理由が考えられますでしょうか?

門林:大企業の場合はそれなりに対策をしているのでなかなか侵入しづらくなっているのではないかと思います。攻撃者側も攻撃しやすいターゲットを狙うと思いますが、中小企業の場合はセキュリティの重要性もよく分かっていないところが多く、狙いやすいのかなと思います。実際、様々な企業で泣き寝入りしてしまったという事案も聞きますが、中小企業の場合は知名度もあまりないため、被害にあっても報道もされません。無名でももうオペレーションが停止してしまったという状況になればようやく報道されるというわけです。

これも氷山の一角で、メディアが無視しているランサムウェア案件はおそらくいくらでもあると思います。中小企業は実際狙われていると思いますし、よくいうのはやられていても気がつかないのではないかということです。ランサムウェア攻撃のように分かりやすくもう全部暗号化して使えないようにしたらさすがに気付くと思います。ですが中小企業の秘密情報や個人情報・取引先の大企業の情報が狙われるという話は10年とか15年のスパンでずっと起こっていて、中小企業で働いている方々はそれに気づきもしていないのではないかと思います。

最近注目した記事や話題

━━なるほど、ありがとうございました。ではここで少し視点は変わりますが、弊社の勉強会では、先生の方からセキュリティベンダーが提供しているレポートやニュースサイトの記事を色々とご紹介いただいていると思うのですが、先生の方で最近注目している記事やトピックがもしありましたらぜひご紹介いただければと思うのですがいかがでしょうか。

門林先生インタビュー写真2

門林:最近ですとやはりサプライチェーンです。特に「ソフトウェアサプライチェーン」といって、例えば我々が使っているWebサーバをはじめ、ビットコインのウォレット等で使うライブラリあるいはソフトウェアを管理しているシステムを狙ってハッキングしてくるというのがどんどん増えています。昔でいうとソフトウェアの欠陥を狙いハッキングするというやり口が多かったのですが、もう最新のWindowsはたとえ50人くらいで寄ってたかってもハッキングできません。ハッカーもそれは諦めていて、ソフトウェアの本当の気づかないような小さなライブラリにバックドア(侵入経路の穴)を仕掛け、そこからシステムに侵入して、ビットコインの財布を狙うといった感じになってきています。ここがやはりここ1~2年の懸念すべきトレンドかなと思ってみています。

━━そういう問題でいうと国内外問わず狙われるのも時間の問題と考えられますね。

門林: そうですね。昔であれば日本語が分からないから大丈夫だなどといわれていましたが、今は日本語の自動翻訳機能はかなり精度が良いものもあるため狙われてしまいます。そのため、日本は大丈夫という感じであぐらをかかず、海外企業と同じくらい、攻撃に対して備えるということが良いのではないかと思います。

海外と比較して~日本国内のセキュリティ事情

━━先ほどのお話にも少しありましたが、日本は海外と比べるとセキュリティへの意識がまだ低いというような話もよく耳にします。この前提を踏まえまして、日本がこれから狙われるとしたらどんな攻撃が考えられますでしょうか?

門林:最近、地政学的な緊張感の高まりというのがありまして、地政学的な事案というのがどんどん増えています。 例えば皆さんがお使いのGPS(Global Positioning System)機能ですが、海外、特に紛争地域ではGPSを狙った攻撃というのもたくさん起きてきています。 日本も海運国家ですから例えばアメリカで起きているようなGPS等が攻撃されて船が通れず、資源が届かないとなると物流が停止し、産業が成り立たなくなってしまう可能性があります。こうしたサイバーでない事案も起こり得るわけです。

ですのでこの辺りは特に注目しています。また、ヨーロッパの方で起きている戦争では衛星ネットワークがハッキングされ停止していますが、日本では全く報道されていません。ハッカーがモデムをハッキングしたことで、衛星でオペレーションしていた物流のIoTが停止しビジネスも停止してしまったという事案になっているわけです。ですから、GPSであったり衛星であったり、我々からすればパソコンとは関係なさそうな世界であっても、サイバー攻撃でやられる、という視点ももっておくことはすごく大事かなと思います。

━━もはや業界も関係なく狙われてしまうというという危機意識を持つことが私たちにはまだまだ足りていないということですね。セキュリティ業界に携わっていない人に対してセキュリティに対する意識を高めていくように訴求していくという難しさを感じます。

門林:そうですね、おそらく物流をやっている人や船を運行している人からすると何のことだと思いますが、ただ彼らからするとびっくりするような話というのが海外だと起きてますし、それが日本で起きない保証はないわけです。

ランサムウェア市場の活況

━━特に、ランサムウェア攻撃に関してはビジネスとして確立しているということもあり、海外特に欧米企業などでは次々と被害報告が上がっています。今後日本にはランサムウェアギャングはどのようにして入り込んでくると考えられるでしょうか?難しいとも思うのですが。

門林:結局言葉の問題がありますからね。 犯罪者の人たちも資金回収するときには日本語を使わないといけないので、そこは確かにひとつハードルになっているとは思います。

とはいえランサムウェアでやられている日本企業もたくさんあるわけですが、アメリカの場合、上場企業は身代金の支払い要求を受けた場合に報告義務がありますが、日本の場合は上場してても報告義務がありません。この差が非常に大きくて、日本企業でもランサムウェア事案でも泣き寝入りしてごっそりお金を払ってしまうということもしているとは思いますが、法的な報告義務がないために表にならないんです。アメリカの方でランサムウェア被害がたくさん起きているという感じで他人事みたいに見えていても、実は身内で起きているインシデントが全然見えていないだけかもしれません。

海外ではもちろんものすごいペースでランサムウェア被害が起きていますが、とはいえ結局反社会勢力にお金を払うというのは海外であっても日本であってもNGですから、身代金を支払ったらそれで終わりという話ではないですし、やはり次の脅迫が忘れたころに起きます。当然、反社会勢力と取引をしたらその企業はブラックリストに入りますし、日本企業でもランサムウェア身代金を支払うことでアメリカでブラックリストに入ってしまったために輸出ビジネスができなくなってしまったという話が実際にあります。これはビジネスが続行できなくなる、BCP(事業継続計画)リスクです。ランサムウェア被害を受けたときのリスクよりも、企業が存続できなくなるリスクを考えた方がいいかなとは思います。

ランサムウェア攻撃の手口は進化している

━━また、ランサムウェア攻撃に関しては海外の方では新しい手口が次々と登場しているかと思います。例えばマルウェア入りのUSBを送りつけるパターンやランサムウェアDDos攻撃など新たな攻撃手法がいろいろと確立していて、従来の二重の脅迫(暗号化+データの暴露)がいま三重の脅迫と、脅迫の手法も進化してきているという話も耳にしているのですが、この三重の脅迫というのは具体的にどのようなことになるのでしょうか?また日本でもすでにこういった手口は使用されているのでしょうか?

門林:はい。あまり明るくない話なのですが、一般論として申し上げると、ランサムウェアを専門にする業者は星の数ほどいるわけです。つまりランサムウェアの学校があって、毎週100人単位で卒業生を出しているので、独立したランサムウェア事業者がもう何万人といるわけです。たまたま中国語が読めるからじゃあ日本をターゲットにやりましょうという人もいるかもしれません。当然、その他のランサムウェア事業者と競争ですから、そのなかでその二重の脅迫・三重の脅迫みたいな発明がどんどんで出てくるわけです。つまり敵もかなり熾烈な生き残り競争みたいなところでやってますので、いろんな手口が出てきます。警察が逮捕したら終わりという話ではなく、じゃあ警察もその数全部捕まえてくれるんですかという話なわけです。

━━きりがないですね。

門林:そうです。で、そういうきりがないゲームを仕掛けてるんだというところまず認識しないといけません。時々、米連邦捜査局(FBI)がランサムウェアギャングを捕まえましたという報道も出てますが、あれは本当に氷山の一角でしかなくて、彼らは自分たちの味方をすでに増やしていっているので、もうエンドレスな戦いになっているわけです。結局それで生計が成り立ってしまうと、ビジネスと同じく、次はどうしようとやはり考えます。ですからそのうち全員捕まるから大丈夫という感じで変な明るい希望をもって通り過ぎるのを待つ、そういう話じゃないということです。

━━もうこれだけに限らず、これからは様々な手法、ありとあらゆるものが想定されるということですね。

ランサムウェア身代金イメージ画像

門林:そうです。結局ランサムウェアはここ数年の最近の話題だと思っている人が多いと思うんです。私は最初に聞いたのが11年前でした。その頃、まだビットコインがなかった時代に、ロシアと旧ソビエト連邦諸国(CIS)で流行っていて、ロシア・CIS特有で昔あったダイヤルQ2のような、この番号に送ると何百円チャージされますという感じの有料のSMSがあるんです。それをランサムウェア集団が集金目的で使って、「この暗号のロックを解除してほしかったら有料SMSを送れ」というと、500円・900円ぐらいが回収され、それで1か月パソコンが普通に使えるようになるという感じです。つまりCISではそういうスキームがもう10年以上前にあったわけです。そこからずっと進化して産業としても大きくなり今に至るわけです。問題はどんどん悪辣(あくらつ)になってますし、熾烈な戦いを繰り広げていて、結局10年かかってグローバルな暗黒産業を作っているわけです。いまやランサムウェア産業は事業者が学校で毎週100人単位で誕生しているようなかなりの成長産業です。これじゃあ来年なくなりますか?っていわれてもおそらく10年はなくならないと思います。ですのであと10年これが続くと覚悟してくださいという話です。

━━ランサムウェアはいつ収束するといったレベルの問題ではないのですね。

門林:サイバーセキュリティをやってない人は「そのうちなくなるんでしょ」「一過性のものでしょ」という感じですよ。でもそう思っている人にとっては最悪の事態がどんどん進行していって今に至るわけですから、やはりリスク管理の原則ですが、最悪の事態を想定してそれに備えるというところが外せないと思います。

後編へ続く


門林 雄基 氏
奈良先端科学技術大学院大学 サイバーレジリエンス構成学研究室 教授
国内外でサイバーセキュリティの標準化に取り組む。日欧国際共同研究NECOMAプロジェクトの日本研究代表、WIDEプロジェクトボードメンバーなどを歴任。


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