脆弱性の意味を正しく理解する―種類・悪用リスク・企業が取るべき対策

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「脆弱性(ぜいじゃくせい)」という言葉を見かけても、正確な読み方や意味を知らない方も多いかもしれません。特にITやセキュリティの分野ではよく使われる専門用語ですが、近年では一般的なニュースや記事でも登場するようになってきました。本記事では、脆弱性の正しい意味、よくある誤解、攻撃との関わり、企業が取るべき対策までを体系的に整理し、分かりやすく解説します。

脆弱性とは何か?

「脆弱性(ぜいじゃくせい)」とは、システム・ソフトウェア・ネットワークなどに潜む“攻撃されやすい弱点”を指す言葉です。サイバー攻撃の多くは、この脆弱性を足がかりにして侵入や情報漏えいを引き起こします。しかし、「脆弱性 意味」「脆弱性とは何か?」と問われると、具体的に説明できない人も少なくありません。

脆弱性の読み方と語源

「脆弱性」は「ぜいじゃくせい」と読みます。

「脆」(ぜい):もろい、こわれやすいという意味
「弱」(じゃく):よわい、力が足りないという意味
「性」(せい):性質や特徴を示します

つまり、「壊れやすく弱い性質」という意味で、セキュリティ分野では“攻撃に利用される欠陥や弱点”を指す言葉として使われます。

脆弱性とは?意味をさらに深く解説

脆弱性とは、不正アクセスやコンピュータウイルスなどの攻撃により、その機能や性能を損なう原因となり得るセキュリティ上の問題箇所のことです。英語では 「vulnerability」(「攻撃を受けやすいこと」の意) と呼ばれます。

IT分野では、システムやソフトウェアに存在するセキュリティ上の弱点を意味します。たとえば、プログラムの不備や設定ミスなどにより、外部から不正アクセスを許してしまうような状態が「脆弱性」です。

脆弱性の多くは、「プログラムの設計ミスやコーディングミスなどによるバグ」になります。バグが存在せず正しく動作するプログラムやWebアプリケーションであっても、設計者が想定しないやり方で機能が悪用され、 結果としてサイバー攻撃が成立する場合には、その「悪用されうる機能設計」が脆弱性とみなされます。

脆弱性が攻撃の入口になる理由

攻撃者はまず「侵入できる弱点がないか」を探します。この弱点こそが脆弱性です。例えば、

  • 公開された脆弱性のパッチを適用していない
  • 古いプログラムを長期間放置している
  • 不要なサービスやポートを開けたまま

といった状態は、攻撃者に「ここから入れる」と示しているようなものです。実際、多くのサイバー攻撃は “脆弱性の悪用” から始まっています。

脆弱性が多く報告されるソフトウェアに共通する特徴

脆弱性が数多く報告されているのは、一体どんなソフトウェアでしょう。ひとつ共通することは「ユーザが多い」ということです。たとえば、皆さんがこのサイトをご覧になっているWebブラウザ、そのWebブラウザが動作するMicrosoft WindowsなどのOS、ビジネスでよく使われるPDFファイルを扱うAdobe Acrobat、WebサーバソフトのApache、データベースアプリケーションのMySQLなどです。いずれも、全世界に膨大な数のユーザを持つソフトウェアであり、規模のインパクトという点から、攻撃者にとって極めて魅力的、いわば人気があるのです。かつ、このようなソフトウェアでは、開発元において、脆弱性を早期に発見し、修正プログラムの公開、所定機関への報告を迅速に行う必要性が高いことから、報告件数が当然ながら多くなる傾向がみられます。

ここまでの説明でお気づきかもしれませんが、「脆弱性が多く報告されている」ことは必ずしも「品質が悪い」ことを意味するのではありません。脆弱性が存在してもそのことが報告・公表されていなければ、「脆弱性がある」とは認知されないわけです。

脆弱性を放置するとどうなる?企業への影響

脆弱性をそのままにしておくと、次のような重大なリスクがあります。

  • 重要情報(顧客情報・社員情報・機密情報等)の漏えい
  • サイバー攻撃(ランサムウェア攻撃等)を受けるリスク
  • サービス停止や業務停止リスク

特に近年は、脆弱性を狙った攻撃が高度化し、攻撃者が自動的に弱点を探索するツールも普及しています。「気づいたら侵入されていた」というケースも少なくありません。

脆弱性を突かれた場合のリスク

悪意のある第三者によって脆弱性を突かれてしまった場合、問題箇所の悪用、コンピュータ内部データ(情報)の盗取・改竄・削除、また他のコンピュータへの同様の悪事が可能になります。その結果、不正アクセスや自動的に動作させるウイルスやボットに感染する恐れもあります。また、システムやサービス全体という視点からは、設定に関して何らかの誤りがある場合など、設定ミスが脆弱性とみなされます。たとえば、ポートの開放に関する設定、権限管理、AWSをはじめとするクラウドサービスの設定ミスがセキュリティ事故を招いた例は枚挙に暇がありません。

脆弱性を悪用したセキュリティ事故は日々発生しています。SQAT.jpでは以下の記事でも取り上げていますので、ぜひあわせてご参考ください。

● 「定期的な脆弱性診断でシステムを守ろう!-放置された脆弱性のリスクと対処方法-
● 「備えあれば憂いなし!サイバー保険の利活用

企業が実施すべき脆弱性対策

脆弱性対策の基本的な考え方としては、システムの欠陥をつぶし、脆弱性を無くすこと(「攻撃の的」を無くすこと)が最も重要です。企業での実践方法としては以下の項目があげられます。

修正パッチの適用


衣服等の破れを補修する「継ぎ当て」や傷口に貼る「絆創膏」のことを英語で「パッチ(patch)」と言いますが、脆弱性を修正するプログラムも「パッチ」と呼ばれます。修正プログラムを適用することは「パッチをあてる」と言われたりします。パッチをあてることにより、システムに影響が及ぶ場合があります。適用にあたっては事前に調査を行い、必要に応じて十分な検証を実施してください。なお、自組織で開発したシステムに関しては、必ずテスト環境を用意し、パッチ適用による整合性チェックを行いましょう。

ソフトウェアやOSの定期的なアップデート

アップデートされた最新バージョンでは既知の脆弱性や不具合が修正されていますので、後回しにせずに更新を行うようにしてください。

セキュアプログラミングで脆弱性を作りこまない体制に

自組織で開発したソフトウェアやWebアプリケーション等の場合は、サービスが稼働する前の上流工程(開発段階)から、そもそも脆弱性を作り込まない体制を構築することが大切です。

また、テレワーク環境では、以上の項目に加え、クライアントサイドでのパッチ適用が適切に行われているかをチェックする体制を構築することも重要です。また、シャドーITの状況把握も厳格に実施する必要があります。

「IT部門が知らないサービスを勝手に利用され、結果として脆弱性の有無について未検証のクライアントソフトやブラウザプラグインが使われていた」という事態は防がねばなりません。

脆弱性情報はWebサイトでチェックできる

脆弱性は、さまざまなソフトウェアやプラットフォームで日々発見されています。そうした情報は、多くの場合、ソフトウェアやプラットフォーム提供元のWebサイトに掲載されます。
少なくとも、自組織で利用している主要なプラットフォームに関しては、緊急性が高い脆弱性が出現していないかどうかを、提供元のWebサイトで定期的にチェックするとよいでしょう。

JVNを利用した脆弱性情報の正確な情報収集と活用法

一般社団法人JPCERTコーディネーションセンターとIPA(独立行政法人情報処理推進機構)では、公表された脆弱性情報を収集して公開するサービス「JVN(Japan Vulnerability Notes)」を共同運営しています。日本で利用されている大半のソフトウェアの脆弱性の情報は、このサイトでチェックできます。

脆弱性情報ソースと活用

インシデントやゼロデイの発生情報については、セキュリティ専門のニュースサイト、セキュリティエバンジェリストのSNSなどからも情報をキャッチできます。

情報の裏取りとして、セキュリティベンダからの発表やtechブログ等を参照することもと重要となります。攻撃の影響範囲や危険度を確認するには、Exploitの有無を技術者のPoC検証ブログやNVD等で確認することも有効です。

ツールを使って脆弱性を見つける

脆弱性を発見するためのソフトウェアは「チェックツール」「スキャンツール」「スキャナ」などと呼ばれます。以下に、代表的なものをご紹介しましょう。有償、無償のさまざまなツールが提供されていますので、機能や特徴を知り、ニーズに合致するものを試してみてはいかがでしょうか。

  有償ツール 無償ツール
Webアプリケーション向けAppScan、Burp Suite、WebInspect など OWASP ZAP など
サーバ、ネットワーク向け Nessus(一部無償)、nmap など Nirvana改弐、Vuls など

「脆弱性診断」サービスで自組織のソフトウェアの脆弱性を見つける

上記でご紹介したツールを使えば、脆弱性のチェックを自組織で行うことが可能です。しかし、前述の通り、「脆弱性が存在するのに報告されていない」ために情報がツールに実装されていないソフトウェアも数多くあります。また、一般に広く利用されているソフトウェアであれば次々に脆弱性が発見、公開されますが、自組織で開発したWebアプリケーションの場合は、外部に頼れる脆弱性ソースはありません。さらに、実施にあたっては相応の技術的知識が求められます。そこで検討したいのが脆弱性診断サービスの利用です。脆弱性の有無を確認するには、脆弱性診断が最も有効な手段です。

脆弱性診断サービスでは、システムを構成する多様なソフトウェアやWebアプリケーション、API、スマホアプリケーション、ネットワークなどに関し、広範な知識を持つ担当者が、セキュリティ上のベストプラクティス、システム独自の要件などを総合的に分析し、対象システムの脆弱性を評価します。組織からの依頼に応じて、「自組織で気付けていない脆弱性がないかどうか」を調べる目的のほか、「脆弱性に対して施した対策が充分に機能しているか」を検証する目的で実施することもできます。

対策が正常に機能しているかの検証を含めた確認には専門家の目線をいれることをおすすめしています。予防的にコントロールをするといった観点も含め、よりシステムを堅牢かしていくために脆弱性診断をご検討ください。

脆弱性との共存(?)を図るケースもある

最後に、診断で発見された脆弱性にパッチをあてることができないときの対処法をご紹介しましょう。

まず、「パッチを適用することで、現在稼働している重要なアプリケーションに不具合が起こることが事前検証の結果判明した」場合です。このようなケースでは、システムの安定稼働を優先し、あえてパッチをあてずに、その脆弱性への攻撃をブロックするセキュリティ機器を導入することで攻撃を防ぎます。セキュリティ機器によって「仮想的なパッチをあてる」という対策になるため、「バーチャルパッチ」とも呼ばれます。

また、脆弱性が発見されたのがミッションクリティカルなシステムではなく、ほとんど使われていない業務アプリであった場合は、脆弱性を修正するのではなく、そのアプリ自体の使用を停止することを検討できるでしょう。これは、運用によってリスクを回避する方法といえます。

なお、前項でご紹介した脆弱性診断サービスの利用は、脆弱性に対して以上のような回避策をとる場合にも、メリットがあるといえます。発見された脆弱性について、深刻度、悪用される危険性、システム全体への影響度といった、専門サービスならではのより詳細な分析結果にもとづいて、対処の意思決定を行えるためです。

まとめ:脆弱性を理解することが攻撃対策の第一歩

「脆弱性とは何か?」を正しく理解することは、サイバー攻撃に備えるうえで最も基本かつ重要なステップです。脆弱性は放置すれば攻撃者にとって“格好の入口”となり、情報漏えいやサービス停止など重大な被害を招きかねません。自社システムの安全性を確保するためにも、日頃から更新・診断・運用の見直しを行い、脆弱性を適切に管理することが求められます。

関連情報

● 脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方

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2025年2Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析
-KEVカタログで振り返る2025年上半期の脆弱性動向-

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米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)から公開されている「KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)」は、実際に攻撃に悪用された脆弱性の権威あるリストとして、組織のセキュリティ対策の優先順位付けに不可欠なツールとなっています。本レポートでは、KEVカタログに2025年4月1日~6月30日に登録・公開された脆弱性をはじめとし、2025年上半期を振り返り、件数の推移や影響を受けたベンダー、脆弱性の種類や深刻度などを分析します。

本記事は2025年第1四半期~第4四半期の統計分析レポートです。以下の記事もぜひあわせてご覧ください。
2025年1Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析
2025年3Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析
2025年4Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析

記事の目的と対象範囲

本記事の目的は、KEVカタログに登録された脆弱性の傾向を把握し、組織が優先すべきセキュリティ対策の方向性を明確にすることです。対象期間は2025年4月1日から6月30日までの3か月間で、この期間に新たに登録された全59件の脆弱性を分析対象としています。

KEVカタログとは何か、1Q分析レポートとの関係

KEVカタログは、既知で悪用が確認された脆弱性をリスト化したものであり、攻撃者が現実に利用している脆弱性のみが掲載されます。1Q記事では、2025年1〜3月の動向を分析し、MicrosoftやAppleをはじめとする主要ベンダー製品のリスクの高さを指摘しました。今回の2Q分析では、その傾向が継続しているか、新たな特徴が現れたかを確認します。

2025年上半期(1月~6月)の登録件数推移

2025年2Qに新規登録された脆弱性は以下の通りです。

  • 4月:15件
  • 5月:24件
  • 6月:20件

2025年1月から6月までの登録件数推移を見ると、1Qは計65件、2Qは計59件とやや減少しました。しかし5月には前月比約60%増加しており、特定ベンダーの脆弱性修正公開が影響していると考えられます。過去の傾向を見ると、四半期内でも特定月に集中して登録されるケースが多く、特に月例アップデートや大規模製品改修の直後に件数が急増する傾向があります。

ベンダー別 登録件数ランキング

2Qで登録件数が多かったベンダーは以下のとおりです。

  1. Microsoft – 74件
  2. Apple – 27件
  3. Adobe – 26件
  4. Google – 21件
  5. Linux – 10件
  6. Oracle / D-Link / Cisco – 各9件
  7. Samsung / QNAP – 各8件

特にMicrosoftは依然として突出しており、全体の過半数近くを占めています。またApple、Adobe、Googleも上位常連であり、いずれもエンドユーザー利用率が高く、攻撃者にとって魅力的な標的であることがわかります。利用者はこれらベンダーのセキュリティ情報公開を継続的に監視する必要があります。一方で、D-LinkやQNAPなどネットワーク機器・NASベンダーの存在も目立ち、SOHOや中小企業にとっては「社内ネットワークの出入り口」への対策強化が求められます。

脆弱性タイプ別(CWE)分析

登録された脆弱性をCWE(Common Weakness Enumeration)で分類すると、次の傾向が確認されました。

  • CWE-416(解放済みメモリの使用) – 26件
  • CWE-119(メモリバッファ境界内での不適切な処理制限 / CWE-787(範囲外の書き込み) – 各24件
  • CWE-78(OSコマンドインジェクション) – 18件
  • CWE-20(不適切な入力検証) – 17件
  • CWE-264(権限・アクセス制御の不備) – 14件

特に「解放済みメモリの使用」や「範囲外の書き込み」といったメモリ安全性の欠如は、任意コード実行や権限昇格など重大な影響を引き起こす可能性が高く、依然として頻出しています。また、OSコマンドインジェクションや入力検証不備といった脆弱性も継続して悪用されており、過去に修正されたはずの問題が繰り返し登場していることがわかります。

CVSSスコア基本値分布

  • Critical(9.0〜):約55%
  • High(7.0〜8.9):約40%

攻撃者はCriticalスコアだけでなく、Highスコアの脆弱性も積極的に悪用しています。

既存の脆弱性の悪用傾向

2QのKEVデータには、直近発見の脆弱性だけでなく、数年前に公表された古い脆弱性も多く含まれています。これらはパッチ未適用や製品サポート終了に伴う放置が原因であり、攻撃者は既知の脆弱性を効率よく悪用しています。特に2010年代半ば〜後半の脆弱性が今もリストに登場しており、古いから安全という認識は極めて危険です。資産棚卸しとパッチ適用の徹底が欠かせません。

影響を受けた製品の例

今回の四半期では、以下のような広く利用される製品がKEVカタログに登録されました。

  • Microsoft Windows、Office製品群
  • Apple iOS / macOS
  • Adobe Acrobat / Reader
  • Google Chrome / Android
  • D-Linkルーター製品
  • QNAP NASシリーズ

これらはいずれも多くの組織で利用されており、脆弱性の悪用が確認された場合、組織規模を問わず被害に直結します。

企業が取るべき対応

2025年2Qの傾向から、企業や組織は以下の対応を優先すべきです。

  1. 主要ベンダーのセキュリティ情報監視 – 特にMicrosoft、Apple、Adobe、Googleは月次更新を追跡
  2. メモリ安全性対策 – CWE-416やCWE-119に該当する脆弱性のパッチを最優先で適用
  3. 古い脆弱性の棚卸し – 製品のサポート終了日とパッチ適用状況を定期確認
  4. ネットワーク機器の更新 – D-LinkやQNAPなどのファームウェア更新を怠らない
  5. 社内啓発と運用強化 – OSコマンドインジェクションなどの脆弱性対策を強化

まとめ

2025年2QのKEVカタログは、依然として主要ベンダー製品の脆弱性が大きな割合を占め、メモリ安全性の欠如や古典的なインジェクション攻撃が引き続き悪用されていることを示しています。さらに、過去の古い脆弱性が現役で攻撃対象になっている現実は、資産管理とパッチ適用の遅れが依然として大きな課題であることを物語っています。次四半期に向けては、セキュリティ更新の優先順位付けと計画的な運用の強化が求められるでしょう。

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    今すぐ対応を!Citrix Bleed2(CVE-2025-5777)の脆弱性情報まとめ

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    米サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(以下CISA)は2025年7月10日、Known Exploited Vulnerability(KEV)カタログ*1(悪用が確認された脆弱性のカタログ)にCitrix NetScaler ADCおよびNetScaler Gatewayの脆弱性であるCVE-2025-5777を追加、更新しました。本脆弱性は本年6月17日に公開されたメモリ境界外読み取りの脆弱性となり、Webセッションのトークンの奪取が可能となる脆弱性となります。

    お問い合わせ

    お問い合わせはこちらからお願いします。後ほど、担当者よりご連絡いたします。

    NetScaler ADC/NetScaler Gatewayの脆弱性

    NetScaler ADCはアプリケーションベースでの配信パフォーマンスの最適化やWAFの役割を果たすアプライアンスです。NetScaler Gatewayは社内および社内で使用しているSaaSなどへの単一のゲートウェイとして機能し、シングルサインオン(SSO)などの機能を持つものとなっています。いずれもDMZ上に存在することから外部からのアクセスが可能なアセットの代表格であり、過去にも脆弱性が悪用されてきたものとなります。このため特に悪用への対応が急がれるアセットといえます。

    CVE-2025-5777の対象バージョン

    CVE-2025-5777の対象となるバージョンは以下の通りです。いずれも更新バージョンへのアップデートが推奨されています。いずれも更新バージョンへのアップデートが推奨されています。

    製品バージョン対象のビルド
    NetScaler ADCおよびNetScaler Gateway14.114.1-43.56未満
    13.113.1.58.32未満
    NetScaler ADC13.1-FIPSおよびNDcPP13.1-37.235未満
    NetScaler ADC12.1-FIPS12.1-55.328未満

    詳細については以下をご確認ください。

    https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX693420

    CVE-2025-6543の対象バージョン

    なお、CVE-2025-5777の後に公開された、同じくKEVカタログに掲載されている脆弱性CVE-2025-6543の対象バージョンは以下の通りです。こちらも併せて対応されることをおすすめします。

    製品バージョン対象のビルド
    NetScaler ADCおよびNetScaler Gateway14.114.1-47.46未満
    13.113.1.58.32未満
    NetScaler ADC13.1-FIPSおよびNDcPP13.1-37.236未満

    詳細については以下をご確認ください。

    https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694788
    ※CVE-2025-6543はNetScaler ADC 12.1-FIPSの対象外となっています。
    ※NetScaler ADCおよびNetScaler Gatewayの12.1と13.0はEOL(End of Life、サポート終了)となっており、アプライアンスをサポートされたバージョンにアップグレードすることが推奨されています。

    なお、NetScalerを14.1 47.46または13.1 59.19にアップグレードした際に認証関連で問題が発生する可能性があることが公開されています。以下のナレッジベースの記事を参考までに掲載します。このほかにも冗長構成でのアップデートについては注意が必要となります。詳しくはご購入された販売代理店のサポート窓口やCitrixまでご相談ください。

    https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694826

    SQAT.jpではKEV Catalogについて以下の記事でも取り上げています。ぜひあわせてご参照ください。
    2024年のサイバーセキュリティ振り返り-KEVカタログが示す脆弱性の実態- | SQAT®.jp
    2025年Q1のKEVカタログ掲載CVEの統計と分析 | SQAT®.jp

    CVE-2025-5777(Citrix Bleed2)の脆弱性の概要とリスク

    • リモートから認証なしで悪用可能
    • 2023年に公開され、のちに悪用が確認された同様の脆弱性・Citrix Bleed(CVE-2023-4966)と同様にメモリ境界外読み取りの脆弱性であり、Citrix Bleed2と名付けられている
    • 複数のセキュリティ企業から脆弱性公開後、脆弱性の再現などを含む分析や侵害に関する情報が公開されている
      ただしCitrixは公に侵害事例や攻撃兆候について認めていない(日本時間2025年7月11日正午時点)

    脆弱性公開からKEVカタログ掲載までの時系列まとめ

    日付経緯
    2025年6月17日CitrixによるCVE-2025-5777の公開
    2025年6月20日Reliaquestによる侵害事例の公開
    2025年6月24日セキュリティ研究者によるCVE-2023-4966との類似性の指摘を含む注意喚起
    2025年6月25日CitrixによるCVE-2025-6543とCVE-2025-6543の悪用兆候の公開
    2025年6月26日CitrixによるCVE-2023-4966との類似性の指摘の否定・CVE-2025-5777の悪用の否定
    2025年7月4日Watchtowrによる再現と原因分析、注意喚起を含む情報の公開
    2025年7月7日Horizon3.aiによる、同時に修正・公開された脆弱性を含む分析、注意喚起を含む情報の公開
    2025年7月9日Health-ISACが公開PoCの存在を根拠とする脅威情報の注意喚起を公開
    2025年7月10日CISAがKEVカタログにCVE-2025-5777を追加

    【参考情報】

    Citrixからの情報

  • CVE-2025-5777関連:https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX693420
  • CVE-2025-6543関連:https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694788
  • アップデート時の認証関連の問題:https://support.citrix.com/support-home/kbsearch/article?articleNumber=CTX694826
  • ブログ

  • https://www.netscaler.com/blog/news/critical-security-updates-for-netscaler-netscaler-gateway-and-netscaler-console/
  • https://www.netscaler.com/blog/news/critical-severity-update-announced-for-netscaler-gateway-and-netscaler/
  • https://www.netscaler.com/blog/news/netscaler-critical-security-updates-for-cve-2025-6543-and-cve-2025-5777/
  • セキュリティ各社・研究者による分析および侵害事例報告

  • https://reliaquest.com/blog/threat-spotlight-citrix-bleed-2-vulnerability-in-netscaler-adc-gateway-devices/
  • https://doublepulsar.com/citrixbleed-2-electric-boogaloo-cve-2025-5777-c7f5e349d206
  • https://labs.watchtowr.com/how-much-more-must-we-bleed-citrix-netscaler-memory-disclosure-citrixbleed-2-cve-2025-5777/
  • https://horizon3.ai/attack-research/attack-blogs/cve-2025-5777-citrixbleed-2-write-up-maybe/
  • Health-ISACの注意喚起(American Hospital Associationから配信されたもの)

  • https://www.aha.org/system/files/media/file/2025/07/h-isac-tlp-white-threat-bulletin-poc-exploits-available-for-citrix-netscaler-adc-and-netscaler-gateway-flaw-cve-2025-5777-7-9-2025.pdf
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    ドメイン名偽装で検知を回避するWordPressマルウェアの脅威と対策

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    瓦版号外(ドメイン名偽装で検知を回避するWordPressマルウェアの脅威と対策)

    2025年7月、セキュリティ企業SucuriがWordPressを狙う新たなマルウェア攻撃を発見・公表しました。今回公表された「SEOスパム型WordPressプラグイン」による攻撃は従来の攻撃と比較して手口が巧妙化しており、世界中のWebサイト管理者にとって深刻な脅威となっています。本記事では、攻撃の手口と被害の特徴、そして有効な対策について解説します。

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    攻撃手法

    ドメイン偽装によるマルウェア検知回避

    今回発見されたマルウェアは、感染したWordPressサイトのドメイン名をそのままプラグイン名やフォルダ名に偽装して設置されます。これにより、管理者や一般ユーザーがファイル一覧を確認しても、正規のプラグインと見分けがつきにくい構造になっています。この偽プラグインは高度に難読化されたコードで構成されており、セキュリティ対策ソフトによる検知も困難です。

    検索エンジン限定のSEOスパム注入

    SEOスパムの注入は、Googleなどの検索エンジンのクローラを検知した場合のみ実行されます。通常の訪問者には正規のページが表示されるため、管理者も異常に気付きにくく、発見が遅れる原因となります。検索エンジンのみにスパムコンテンツを返すことで、検索順位の操作や不正なトラフィック誘導が行われます。

    C2サーバとの通信と外部指令の受信

    この偽プラグインの内部には、base64で難読化されたC2(コマンド&コントロール)サーバ※ のドメイン情報が隠されています。偽プラグインは定期的にC2サーバへ外部リクエストを送り、攻撃者からの指示を受け取ります。これにより、スパム内容の動的な更新や追加のマルウェア配布など、攻撃の手口が柔軟に変化する仕組みが実装されています。

    ※C2(コマンド&コントロール)サーバ…サイバー攻撃者が外部から侵害システムと通信を行い、命令と制御を行う目的で用いられる。

    マルウェアによる被害と影響

    この種のマルウェアは、通常の利用者やサイト管理者が直接アクセスした場合には一切異常を示さないため、発見が遅れがちです。Googleなどの検索エンジン経由でのみスパムが表示されるため、被害に気付いたときにはすでに検索結果にスパムページが表示されていたり、検索順位が大幅に下落しているケースも多く、ブランドイメージや集客に深刻な影響を与えたりするおそれがあります。また今回の例は、WordPressのプラグインエコシステムを悪用したサプライチェーン攻撃の一例とも言えます。公式リポジトリを介さず、外部から導入されたプラグインやテーマを通じて感染が広がるため、信頼できる配布元からのみソフトウェアを導入することが重要です。

    有効な対策と管理者が取るべき予防措置

    Webサイト管理は特に以下のような対策を取り、異常が見られた場合は速やかに専門家へ相談することをおすすめします。

    • WordPressのプラグインやテーマは必ず公式リポジトリや信頼できるベンダーからのみ入手する
    • 不審なファイルや見覚えのないプラグインが存在しないか、定期的にサーバ内を確認する
    • セキュリティプラグインやWebアプリケーションファイアウォール(WAF)、管理画面への多要素認証を導入する
    • Google Search Console等で検索結果の異常を監視する

    まとめ

    SEOスパム型の偽装WordPressプラグインは、検索エンジンのクローラを標的にしてスパムコンテンツを注入し、通常の訪問者には正規ページを返すという極めて巧妙な手口です。攻撃者は感染サイトのドメイン名をそのままプラグイン名やフォルダ名に偽装し、管理者の目を欺きます。さらに、コード内部にはbase64で難読化されたC2サーバ情報が隠され、外部からの指令に応じて動的にスパム内容を更新できる仕組みも組み込まれています。

    このような手法は、発見が遅れやすく、検索順位の下落やサイトの信頼性低下など、経営や運営に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。特に、公式リポジトリを介さないプラグインやテーマの導入が感染経路となるケースが多いため、日常的なセキュリティ意識と運用管理の徹底が不可欠です。

    被害を最小限に抑えるためには、信頼できる配布元からのみソフトウェアを導入する、サーバ内の不審なファイルやプラグインを定期的に点検する、Google Search Consoleなどで検索結果の異常を監視するなど、複数の対策を組み合わせることが重要です。

    BBSecでは:セキュリティソリューションの活用

    高度なサプライチェーン攻撃や難読化マルウェアに対抗するため、ブロードバンドセキュリティでは多層防御の観点から次のようなソリューションを強くおすすめします。

    エージェント型Webサイトコンテンツ改ざん検知サービス

    WordPressサイトのファイルやディレクトリの改ざんをリアルタイムで監視し、異常があれば即座にアラートを発します。正規のプラグイン名を偽装した不審なファイルの追加や書き換えも検知しやすく、被害の早期発見に役立ちます。

    https://www.bbsec.co.jp/service/vd-maintenance/manipulation.html
    ※外部サイトにリンクします。

    脆弱性診断サービス

    WordPress本体やプラグイン、テーマの設定や実装に潜む既知の脆弱性を定期的に洗い出すサービスです。悪用されやすい箇所を事前に把握し、攻撃の入り口を減らします。診断結果に基づき、不要なプラグインの削除や設定の見直しを行うことで、リスク低減につながります。

    ペネトレーションテスト

    実際の攻撃者の視点でお客様のシステムに実装済みのセキュリティを検証するサービスです。自動化された攻撃だけでなく、手動による高度な手法も用いるため、通常の診断では見つけにくいサプライチェーンリスクや運用上の盲点も洗い出すことが可能です。

    これらのサービスを組み合わせて導入することで、巧妙化するマルウェア攻撃などへの対応力を大幅に高めることができます。BBSecとしては、エージェント型改ざん検知、脆弱性診断、ペネトレーションテストをパッケージ化した多層防御ソリューションを強くご提案いたします。これにより、WordPressサイト運営者の方が安心してビジネスを継続できる環境づくりをサポートいたします。ご希望の方には、無料相談や初回診断も承っております。お気軽にご相談ください。

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    【2025年7月最新】主要ITベンダーのセキュリティパッチ速報

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    2025年7月第2週は、Microsoft、AMD、Cisco、Fortinet、Android(Google)、Ivanti、SAPといった主要ITベンダーが相次いで月例・臨時のセキュリティパッチを公開しました。サイバー攻撃の脅威が高まる中、これらのセキュリティパッチは被害防止の第一歩です。本記事では、各社が公開している脆弱性による影響と、脆弱性を解消するアップデートの内容について簡潔にご紹介します。

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    Microsoft:ゼロデイ2件を含む大規模パッチ公開

    Microsoftは2025年7月の月例パッチ(Patch Tuesday)で、CVE-2025-49719を含むゼロデイ2件を含め、合計73件の脆弱性を修正しました。修正対象にはWindows OS、Microsoft Officeなど幅広い製品が含まれ、リモートコード実行(RCE)や権限昇格といった深刻な問題も含まれています。特にSPNEGO Extended Negotiation(NEGOEX)におけるRCEの脆弱性CVE-2025-4798は、ユーザー操作なしで攻撃が成立し、ワーム化のリスクも指摘されています。Microsoft Defender Vulnerability Managementのゼロデイ一覧も更新されており、速やかなパッチ適用が推奨されます。

    AMD,投機実行による情報漏えい「Transient Scheduler Attacks」

    AMDは、CPUの投機実行に起因する新たな情報漏えい攻撃「Transient Scheduler Attacks」(SB-7029)への緩和策を発表しました。今回の対策パッチは、主に最新世代のEPYCサーバー向けであり、古いZen 2/3世代のデスクトップCPUは対象外となっています。この脆弱性は、SEV-SNP(Secure Encrypted Virtualization – Secure Nested Paging)環境での機密性を損なう恐れがあり、BIOSおよびファームウェアのアップデートが必要です。OEM(Original Equipment Manufacturing)各社から配布される更新プログラムの適用と、再起動による有効化が求められます。

    Cisco,Fortinet:高リスクレベルのRCE脆弱性を告知

    CiscoとFortinetは、それぞれのPSIRT(Product Security Incident Response Team)で、複数の高リスクレベルのRCE脆弱性を公表しました。Ciscoは、PSIRTの情報公開体制を強化し、重大度(SIR)を明示したアドバイザリを発行しています。Fortinetも、月例PSIRTアドバイザリで高深刻度の脆弱性を公表し、セキュリティファブリック全体の保護強化を図っています。両社とも、公開された脆弱性情報をもとに、早急なパッチ適用を推奨しています。

    Google: Security Bulletinで36件修正

    Googleは2025年7月1日付でAndroid Security Bulletinを公開し、Pixel端末向けに36件の脆弱性を修正しました。内容には、QualcommやMediaTekのチップセットに関するサードパーティ由来の脆弱性も含まれています。特に、QualcommのGPSコンポーネントにおけるCVE-2025-21450(CVSSスコア9.1)は深刻度が高く、Android端末利用者はアップデートの有無を必ず確認しましょう。

    Ivanti,SAP:業務システムの脆弱性へのパッチ

    Ivantiは7月8日にConnect SecureおよびPolicy Secure向けに複数の脆弱性修正パッチをリリースしました。主な内容は、認証バイパスやバッファオーバーフローなどで、管理者権限を持つ攻撃者によるサービス妨害や設定改ざんのリスクが指摘されています。SAPも7月9日に月例セキュリティノートを公開し、27件の新規パッチ3件の既存ノート更新を実施。中でもCVE-2025-30009ほか、CVSSスコア最大10.0のクリティカルなRCEおよびデシリアライゼーションの脆弱性が複数修正されています。ERPやS/4HANAなど基幹業務システム利用者は、速やかな適用が必須です。

    2025年7月のセキュリティ対策まとめ

    2025年7月第2週は、主要ITベンダーから多岐にわたるセキュリティアップデートが公開され、企業・個人問わず対策の重要性が再認識される週となりました。最後に、今月の動向と実践すべきセキュリティ対策をご紹介します。

    脆弱性・攻撃動向

    • ゼロデイ脆弱性の増加
      MicrosoftやAndroidなど複数のプラットフォームで、攻撃に悪用されたゼロデイ脆弱性が報告されています。これらは攻撃者にとって格好の標的となりやすく、公開直後から実際の攻撃が観測されるケースも増えています。
    • リモートコード実行(RCE)脆弱性の深刻化
      CiscoやFortinetのネットワーク機器、SAPの基幹システムなどで、リモートから悪用可能な高深刻度RCE脆弱性が相次いで修正されています。これらの脆弱性は、ネットワーク経由で攻撃を受けるリスクが高く、企業インフラ全体の安全性に直結します。
    • サプライチェーンや業務システムへの波及
      IvantiやSAPなど、業務システムや管理ツールにも重要な脆弱性が報告されており、サプライチェーン全体のセキュリティ確保が不可欠です。

    被害を防ぐために企業・個人が取るべき実践的対策

    • 定期的なパッチ適用の徹底
      OSやアプリケーション、ネットワーク機器、業務システムなど、利用中の全てのソフトウェアについて、最新のセキュリティアップデートを速やかに適用してください。パッチ適用の遅れは、被害拡大のリスクを大きく高めます。
    • 脆弱性情報の継続的な収集と確認
      Microsoft、AMD、Cisco、Fortinet、Google(Android)、Ivanti、SAPなど、主要ベンダーの公式アドバイザリやセキュリティノートを定期的にチェックし、脆弱性情報に敏感になりましょう。
    • バックアップとインシデント対応体制の強化
      万が一の被害に備え、重要データの定期バックアップや、インシデント発生時の対応手順(CSIRT体制など)を整備しておくことも重要です。
    • ゼロトラストや多層防御の導入検討
      攻撃の高度化に備え、ゼロトラストや多層防御(Defense in Depth)など、従来型の境界防御に依存しないセキュリティ対策の導入も推奨されます。

    さいごに:2025年7月のアップデートを受け

    2025年7月は、WindowsやOffice、Androidに加え、ネットワーク機器や業務システムといった幅広い分野で深刻な脆弱性が多数公開されました。中にはゼロデイ脆弱性やリモートコード実行(RCE)など、攻撃リスクの極めて高い問題も含まれており、早期対応が求められます。これらのリスクに対処するためには、パッチの速やかな適用、最新の脆弱性情報の収集、そしてインシデント対応体制の強化という3本柱で、継続的なセキュリティ対策を講じ、被害防止に努めることが不可欠です。今後も各ベンダーから公開される最新情報を継続的にチェックし、早期の対策と体制強化を心がけてください。

    【参考情報】

  • Microsoft Defender Vulnerability Management ゼロデイ一覧
    https://learn.microsoft.com/en-us/defender-vulnerability-management/tvm-zero-day-vulnerabilities
  • Microsoft 月例パッチ詳細(例:CVE-2025-49719 など)
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49719
  • AMD セキュリティ情報(SB-7029およびSEV-SNP緩和)
    https://www.amd.com/en/resources/product-security/bulletin/amd-sb-7029.html
  • Cisco PSIRT アドバイザリ一覧
    https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/publicationListing.x
  • Fortinet PSIRT アドバイザリ一覧
    https://www.fortiguard.com/psirt
  • Android Security Bulletin(2025年7月)
    https://source.android.com/docs/security/bulletin/2025-07-01
  • Ivanti 2025年7月セキュリティアップデート
    https://www.ivanti.com/blog/july-security-update-2025
  • SAP Security Notes(2025年7月)
    https://support.sap.com/en/my-support/knowledge-base/security-notes-news/july-2025.html
  • 【2025年7月に解消された脆弱性一覧】

    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49719
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49704
    https://www.amd.com/en/resources/product-security/bulletin/amd-sb-7029.html
    https://www.microsoft.com/en-us/research/publication/enter-exit-page-fault-leak-testing-isolation-boundaries-for-microarchitectural-leaks/
    https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/publicationListing.x
    https://www.fortiguard.com/psirt
    https://source.android.com/docs/security/bulletin/2025-06-01
    https://source.android.com/docs/security/bulletin/2025-07-01
    https://www.ivanti.com/blog/july-security-update-2025
    https://support.sap.com/en/my-support/knowledge-base/security-notes-news/july-2025.html
    https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-30012
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-36357
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-36350
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47988
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49690
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48816
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49675
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49677
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49694
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49693
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47178
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49732
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49742
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49744
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49687
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47991
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47972
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48806
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48805
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47994
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49697
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49695
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49696
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49699
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49702
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48812
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49711
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49705
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49701
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49706
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49703
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49698
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49700
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47993
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49738
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49731
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49737
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49730
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49685
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49756
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48817
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-33054
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48822
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47999
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48002
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-21195
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49718
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49717
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49684
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47986
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47971
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49689
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49683
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47973
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49739
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-27614
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-27613
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-46334
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-46835
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48384
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48386
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48385
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49714
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49661
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48820
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48818
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48001
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48804
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48003
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48800
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48000
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49724
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47987
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48823
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47985
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49660
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49721
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47984
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47980
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49735
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47978
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49666
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-26636
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48809
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48808
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    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49716
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49726
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49725
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49678
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49680
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49722
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48814
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49688
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49676
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49672
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49670
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49671
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49753
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49729
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49673
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49674
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49669
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49663
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49668
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49681
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49657
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47998
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48824
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48810
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49679
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49740
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48802
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47981
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47976
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47975
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48815
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49723
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49760
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47982
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49686
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49658
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49659
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48821
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48819
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48799
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49664
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-47159
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48811
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-48803
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49727
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49733
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49667
    https://msrc.microsoft.com/update-guide/en-US/advisory/CVE-2025-49665

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  • 2025年7月30日(水)13:00~13:50
    Webサイトの脆弱性はこう狙われる!OWASP Top 10で読み解く攻撃と対策
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    【第1回】「OWASP Top 10とは?アプリケーションセキュリティの基本を押さえよう」

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    近年、Webアプリケーションを狙ったサイバー攻撃が急増しており、企業にとってWebアプリケーションのセキュリティ強化は欠かせない課題となっています。その中で、世界中のセキュリティ専門家が指標として活用しているのが「OWASP Top 10」です。

    今回は、Webアプリケーションの代表的な脆弱性をまとめた「OWASP Top 10」を通じて、基本的なセキュリティ知識を深め、企業での対策に活かすことを目的とし、背景から各脆弱性カテゴリの説明、実例、対策方法までを全3回のシリーズに分けて解説します。

    OWASPとは

    OWASP(Open Worldwide Application Security Project)は、ソフトウェアのセキュリティ向上を目的とした国際的な非営利団体です。開発者やセキュリティ専門家によって構成されており、セキュリティに関するツールやドキュメントなどを無償で提供しています。OWASPは中立かつオープンな立場から情報を発信しており、多くの企業や政府機関がそのガイドラインを信頼し、採用しています。

    OWASP Top 10とは

    OWASP Top 10は、Webアプリケーションにおける代表的なセキュリティリスクをランキング形式でまとめたもので、最も重要な10の脆弱性カテゴリを示しています。このリストはおよそ3年ごとに更新されており、業界の最新動向や実際の脅威傾向を反映しています。このTop 10は、アプリケーション開発やセキュリティ教育、脆弱性診断の指針として世界中で活用されており、情報システム部門にとってはセキュリティの共通言語ともいえる存在です。

    OWASP Top 10:2021概要

    OWASP Top 10:2021で挙げられているリスクとその概要について、SQAT.jpでは以下の記事でも取り上げています。あわせてぜひご覧ください。
    OWASP Top 10―世界が注目するWebアプリケーションの重大リスクを知る―

    以下は、2021年に発表された最新版のOWASP Top 10のリストです。

    項目番号 リスク名 概要
    A01 Broken Access Control
    (アクセス制御の不備)
    アクセス制御の不備により、本来アクセスできない情報や機能へアクセスされるリスク
    A02 Cryptographic Failures
    (暗号化の不備)
    暗号化の不備による機密情報の漏洩や改ざん
    A03 Injection
    (インジェクション)
    SQLインジェクションなど、外部から不正なコードを注入されるリスク
    A04 Insecure Design
    (セキュアでない設計)
    セキュリティを考慮しない設計により生じる構造的リスク
    A05 Security Misconfiguration
    (セキュリティ設定のミス)
    設定ミスや不要な機能の有効化に起因する脆弱性
    A06 Vulnerable and Outdated Components(脆弱かつ古いコンポーネントの使用) 脆弱性を含む古いライブラリやフレームワークの使用
    A07 Identification and Authentication Failures(識別と認証の不備) 認証処理の不備により、なりすましや権限昇格が発生する
    A08 Software and Data Integrity Failures(ソフトウェアとデータの整合性の不備) ソフトウェア更新やCI/CDの不備により改ざんを許すリスク
    A09 Security Logging and Monitoring Failures(セキュリティログとモニタリングの不備) 侵害の検知・追跡ができないログ監視体制の欠如
    A10 Server-Side Request Forgery (SSRF)(サーバサイドリクエストフォージェリ) サーバが内部リソースにアクセスしてしまうリスク
    出典:OWASP Top 10:2021より弊社和訳

    各リスク項目の代表的な脅威事例

    項目番号 実例企業・事例 概要
    A01 Facebook (2019) 他人の公開プロフィールがIDの推測とAPI操作により取得可能だった*8
    A02 Turkish Citizenship Leak(2016) 暗号化されていなかったデータベースから約5,000万人の個人情報が流出*9
    A03 Heartland Payment Systems (2008) SQLインジェクションにより1億件以上のクレジットカード情報が漏洩*10
    A04 パスワードリセットの仕様不備(複数事例) 多くの中小サイトで、トークンなしにメールアドレス入力のみでリセット可能な設計が確認されている
    A05 Kubernetes Dashboard誤設定事件(Tesla 2018) 管理用インターフェースが公開状態になっており、社内クラウドで仮想通貨マイニングに悪用された*11
    A06 Equifax (2017) 古いApache Strutsの脆弱性(CVE-2017-5638)を放置していたことで1.4億件以上の個人情報が漏洩*12
    A07 GitHub (2012) 認証処理の不備により、セッションを乗っ取られる脆弱性が悪用され、一時的にユーザが他人のリポジトリにアクセス可能に
    A08 SolarWinds サプライチェーン攻撃(2020) 正規のソフトウェアアップデートにマルウェアが仕込まれ、多数の政府機関や企業を含めた組織に影響を与えた
    A09 Capital One (2019) AWS環境の不適切なログ監視により、Web Application Firewallの設定ミスから約1億600万人分の情報が流出*13
    A10 Capital One (同上) SSRF攻撃によりAWSメタデータサービスへリクエストが可能となり、内部資格情報を窃取された*14

    企業はOWASP Top 10をどう活用すべきか

    OWASP Top 10は、単なる「参考資料」ではなく、企業が自社のセキュリティ対策を体系的に見直すための実践的な指針として活用できます。以下に、企業の情報システム部門担当者等が実際に取り入れるべき活用方法を紹介します。

    開発プロセスへの組み込み(セキュア開発)

    アプリケーション開発において、設計段階からOWASP Top 10を参考にすることで、設計段階から脆弱性を防ぐ「セキュア・バイ・デザイン(Secure by Design)」の思想を組み込むことが可能です。とくにA04「Insecure Design」などはアプリケーション開発の初期段階での対策が鍵となります。

    脆弱性診断の評価基準として

    外部のセキュリティ診断会社や自社診断の基準としてOWASP Top 10を採用することで、リスクの見落としを防ぎつつ、業界標準の診断を実現できます。

    セキュリティ教育・啓発資料として

    企業の社員のセキュリティリテラシーを高めるため、開発者・インフラ管理者・経営層を含めたセキュリティ教育プログラムにOWASP Top 10を取り入れることも有効です。定期的な研修やハンズオン形式での演習と組み合わせることで、具体的な攻撃手法や防御策を理解しやすいため、セキュリティ意識の向上につながります。

    OWASP Top 10はセキュリティ対策の出発点

    OWASP Top 10は、Webアプリケーションの開発やセキュリティ対策に取り組む企業にとって、最も基本かつ重要な指標です。サイバー攻撃の多くは、実はこうした「基本的な脆弱性」から発生しており、OWASP Top 10で挙げられているリスクを理解することがリスク低減の第一歩になります。特に情報システム部門や開発チームは、OWASP Top 10を設計・開発・テスト・運用の各フェーズに取り入れ、継続的なセキュリティ対策を行う必要があります。また、社員へのセキュリティ教育や脆弱性診断サービスの評価基準としても有効活用することで、より実効性の高いセキュリティ体制を構築できるでしょう。

    第2回では、API特有の脅威にフォーカスした「OWASP API Security Top 10」をご紹介します。APIを活用している企業にとって、見逃せない内容となっていますので、ぜひあわせてご覧ください。


    ―第2回「OWASP API Security Top 10とは?APIの脅威と対策を知ろう」へ続く―

    【連載一覧】

    ―第2回「OWASP API Security Top 10とは?APIの脅威と対策を知ろう」―
    ―第3回「Non-Human Identities Top 10とは?自動化時代に求められる新しいセキュリティ視点」―

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    Qilinランサムウェア攻撃の実態と対策:Fortinet脆弱性の悪用を解説

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    【関連ウェビナー開催情報】
    弊社では10月22日(水)14:00より、「ランサムウェア対策セミナー2025 ~被害を防ぐための実践的アプローチ~」と題したウェビナーを開催予定です。最新のランサムウェア攻撃手口と国内外の被害事例を解説するとともに、企業が取るべき実践的な「防御の仕組み」を具体的に紹介します。ご関心がおありでしたらぜひお申込みください。

    昨今、Qilin(キリン)ランサムウェアによる攻撃が世界中で大きな話題となっています。特にFortinet製のネットワーク機器を標的とした攻撃は、企業や公共機関に甚大な被害をもたらしており、セキュリティ業界では警戒感が高まっています。本記事では、Qilinの攻撃手法や被害事例、そして企業が今すぐ取り組むべき対策について、詳しく解説します。

    お問い合わせ

    お問い合わせはこちらからお願いします。後ほど、担当者よりご連絡いたします。


    世界中で猛威を振るうランサムウェアグループQilinの概要と被害事例

    Qilinは2022年8月ごろから活動を開始したとされる脅威グループで、Fortinet製品の複数の重大な脆弱性を悪用して侵入を試みます。Bleeping Computerの最新報道によれば、2025年6月時点で310件以上の被害がダークウェブ上のリークサイトで公表されているとのことです。被害を受けた組織の中には、中国の自動車部品大手や米国の出版大手、豪州の裁判所サービス局など、グローバルに名だたる企業や機関が名を連ねています。

    英国における医療機関への攻撃と社会的影響

    特に注目すべきは、英国の病理検査機関への攻撃でしょう。この事件では、ロンドンの主要なNHS病院にも影響が及び、数百件の診療や手術が中止に追い込まれました。医療現場が機能不全に陥る事態は社会全体に大きな衝撃を与え、ランサムウェア攻撃が単なるIT問題ではなく、人命や社会インフラにも直結する深刻な脅威であることを改めて浮き彫りにしました。

    Qilinが悪用するFortinet脆弱性の詳細

    PRODAFT Flash Alertの報告によれば、主にCVE-2024-21762およびCVE-2024-55591というFortiOSやFortiProxyの重大な脆弱性が悪用されています。これらの脆弱性は、CVSSスコアが9.6と極めて高く、米国CISAも「既知の悪用された脆弱性カタログ(KEV)」に追加し、連邦機関に対策を義務付けています。CVE-2024-21762は2025年2月に修正パッチが提供されていますが、The Shadowserver Foundationの調査によれば、未だに約15万台のデバイスが脆弱なまま運用されているという現状があります。

    Qilinの攻撃手法と特徴

    攻撃手法としては、FortiGateファイアウォールの脆弱性を突いて侵入し、部分的に自動化されたランサムウェア攻撃を展開するのが特徴です。Bleeping Computerの記事によれば、Qilinはスペイン語圏の組織を中心に攻撃を仕掛けているものの、今後は地域を問わず拡大する可能性が高いとされています。

    日本国内での動向と匿名化された被害事例

    日本国内でもQilinグループが、ある医療機関や製造業企業への攻撃をダークウェブ上で主張しているとの情報があります。公式な被害報告は現時点で確認されていませんが、今後も注意が必要です。なお、当該企業名はプライバシー保護の観点から匿名とさせていただきます。

    企業が今すぐ取り組むべき対策

    こうした状況を踏まえ、企業や組織が今すぐ取り組むべき対策について考えてみましょう。まずは、既知の脆弱性に対するパッチ適用を徹底することが最優先です。パッチ適用が遅れるほど、攻撃リスクが高まることは言うまでもありません。さらに、定期的なセキュリティ評価やネットワークの見直し、サプライチェーン全体のセキュリティ強化も欠かせません。CISAやThe Shadowserver Foundationが警告しているように、最新の脅威情報の収集と共有も重要です。

    まとめ:Qilinランサムウェア攻撃の教訓と今後の展望

    最後に、Qilinランサムウェア攻撃の教訓として、「パッチ適用の徹底」「セキュリティ評価の定期的な実施」「サプライチェーン全体のセキュリティ強化」の3つが企業にとって不可欠な対策であることを強調しておきます。AIや自動化技術の進化によって攻撃手法も高度化している今、企業は常に最新の脅威情報をキャッチアップし、自社のセキュリティ体制を見直す姿勢が求められています。

    【参考情報】

  • Bleeping Computer
    https://www.bleepingcomputer.com/news/security/critical-fortinet-flaws-now-exploited-in-qilin-ransomware-attacks/
    https://www.bleepingcomputer.com/tag/fortinet/
  • PRODAFT Flash Alert
    https://industrialcyber.co/ransomware/forescout-details-superblack-ransomware-exploiting-critical-fortinet-vulnerabilities/
    https://www.cybersecuritydive.com/news/superblack-ransomware-used-to-exploit-fortinet-vulnerabilities/742578/
  • CISA(既知の悪用された脆弱性カタログ)
    https://www.cisa.gov/known-exploited-vulnerabilities-catalog
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    ソーシャルエンジニアリング最前線
    【第1回】ソーシャルエンジニアリングの定義と人という脆弱性

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    本シリーズでは、「ソーシャルエンジニアリング最前線」として、2025年6月現在のフィッシングに代表されるソーシャルエンジニアリングに関する動向と企業・個人が取れる対策をまとめます。第1回はソーシャルエンジニアリングの簡単な定義と、ソーシャルエンジニアリングで悪用される「人」にまつわる脆弱性をご紹介します。

    関連記事はSQAT.jpで公開中!こちらからご覧ください。
    ソーシャルエンジニアリングとは?その手法と対策

    ソーシャルエンジニアリングの定義

    ソーシャルエンジニアリングは人間の心理や認知機能を悪用したハッキングの技法を指します。よく知られている手法にはフィッシングがありますが、このほかにも様々な手法があります(第3回で詳述します)。

    人という脆弱性

    ソーシャルエンジニアリングが成立する背景には人間の心理や認知機能の問題や属性による前提知識といった人間固有の脆弱性があります。

    認知機能に関連する脆弱性

    皆さんはこんな状態になったことはありませんか?

    • 一点に注意が集中してしまい、周囲の情報を見落とす状態
      多くの人がいる中で待ち合わせをしていて、待ち合わせの相手を探すことに集中した結果、別の知り合いから声を掛けられたことに気付かなかったことはないでしょうか。こういった状態はほかのときでも起こる可能性があります
    • 複雑な作業を行う、大量の情報を処理するといったときについうっかり何かを見逃してしまう状態
      一点集中の場合と似ていますが、処理の複雑性や情報の量との因果関係もあります
    • 過大なストレスがかかったときに注意が緩んでしまう状態
      例えば身内の不幸や自身の病気の発覚など、心的ストレスがかかる状態のときに注意が緩んでしまうことはあるのではないでしょうか

    こういったときにソーシャルエンジニアリング攻撃の犠牲になりやすいといわれています。

    「認知バイアス」という脆弱性

    認知バイアスは人間が判断を行う際に、判断のプロセスを省略し、簡略的な手段で結論を導き出すことが原因で起こります。プログラミング言語でもそうですが、簡略的な手段で得る結果には一定のエラーが混在します。エラーを前提としたフォローアップの行動やエラーを前提とした安全策、対策が用意されていればよいですが、そのままの結果を用いることで大きなミスを生むことがあります。つまり認知バイアスはソーシャルエンジニアリング攻撃に対する脆弱性なのです。

    認知バイアスにはソーシャルエンジニアリングに関連するものに限定しても以下のようなものがあります。

    認知バイアスの種類 概要
    フレーミング効果 情報の提示方法で判断がゆがめられる傾向
    アンカリング効果 最初に提示された情報に強く影響され、その後の判断がゆがめられる傾向
    確認バイアス 自身の信念・期待・希望を支持する情報を優先的に探し、解釈する傾向
    自己奉仕バイアス 成功を自身の能力などの内的要因に、失敗を状況など外的要因に帰属させる傾向
    エゴバイアス 特に経営層に見られる、自身の能力を過大評価しリスクを過小評価する傾向

    攻撃者はこのような認知バイアスを悪用して、被害者の思考プロセスや意思決定を操作しようと試みるのです。

    読者の皆さまも、普段から知識を身につけ意識を高めるために本記事を読まれているかと存じますが、残念ながら意識や一般的な技術知識のみでは必ずしも脆弱性を減少させない可能性があるともいわれています。これは実際には知識が不足しているケースが含まれるということもありますが、何よりも効果的な対策は無意識のレベルで安全な行動が習慣となっている必要があるとされているためです。

    心理的側面に関連する脆弱性

    認知機能に関連する脆弱性を踏まえたうえで、心理的側面からみた脆弱性をみてみましょう。

    説得

    • 被害者を攻撃者の意図通りに行動させるための手段で ソーシャルエンジニアリングの核心的な概念ともいえます
    • 権威性、信憑性しんぴょうせい、メッセージの質やアピール(文脈化、パーソナライゼーション、視覚的欺瞞ぎまん)によって被害者が説得されてしまうものです
    • なんらかの権限を持つ人や著名な企業に成りすますことで説得できることがわかっています

    信頼と欺瞞

    • 攻撃者は対面ではなくオンライン環境であることを踏まえたうえで、オンライン環境におけるユーザーの信頼レベルを悪用します
    • 攻撃者は親しい人物や評判の高い人物を装うなどして信頼を築こうとします

    感情

    • 感情は行動変化に強い影響を与えるため、ソーシャルエンジニアリング攻撃で頻繁に悪用されます
    • 不安感をあおったり、切迫感を演出したりすることで認知機能を低下させて攻撃の成功確率を高める場合、好奇心をあおることで秘密情報を聞き出す場合などがあります

    態度と行動

    • 計画行動理論のような人間の行動を予測する心理学モデルの要素が悪用されうる側面を刺します
    • 個人の性格特性、リスク認識、自己効力感、オンライン習慣がセキュリティ行動や攻撃に対する感受性に関連する可能性があるとされています

    リスク認識と疑念

    • オンライン脅威に対するリスク認識が高いほど脆弱性が低下する可能性があります
    • 説得の兆候を検出する能力や疑念を持つ姿勢が必ずしも被害を防げない場合もあります

    属性に関連する脆弱性

    以下の2属性は、比較的他の要因との組み合わせで脆弱性に影響を与える可能性があるとされています。

    1. 年齢
    2. 文化


    ―第2回「実例で解説!フィッシングメールの手口と対策」へ続く―

    【連載一覧】

    ―第2回「実例で解説!フィッシングメールの手口と対策」―
    ―第3回「Non-Human Identities Top 10とは?自動化時代に求められる新しいセキュリティ視点」―
    ―第4回「企業が実践すべきフィッシング対策とは?」―

    【関連記事】
    【重要】楽天証券・SBI 証券をかたるフィッシングメールにご注意!
    IPA 情報セキュリティ10大脅威からみる―注目が高まる犯罪のビジネス化―
    フィッシングとは?巧妙化する手口とその対策
    「情報セキュリティ 10 大脅威」3 年連続ベスト 3 入り、ビジネスメール詐欺を防ぐ手立ては?

    【参考情報】

  • Rosana Montanez, Edward Golob,Shouhuai Xu (2022),”Human Cognition Through the Lens of Social Engineering Cyberattacks”,2025年6月5日閲覧, https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2020.01755/full
  • Murtaza Ahmed Siddiqi,Wooguil Pak, Moquddam A. Siddiqi(2022),”A Study on the Psychology of Social Engineering-Based Cyberattacks and Existing Countermeasures”,2025年6月5日閲覧, https://www.mdpi.com/2076-3417/12/12/6042
  • Udochukwu Godswill David, Ayomide Bode-Asa (2023),”An Overview of Social Engineering: The Role of Cognitive Biases Towards Social Engineering-Based Cyber-Attacks, Impacts and Countermeasures”,2025年6月5日閲覧, https://www.researchgate.net/publication/376450802_An_Overview_of_Social_Engineering_The_Role_of_Cognitive_Biases_Towards_Social_Engineering-Based_Cyber-Attacks_Impacts_and_Countermeasures
  • Martin Lee, Cisco Talos Blog: The IT help desk kindly requests you read this newsletter, May 8, 2025
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    2025年1Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析

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    本記事は2025年第1四半期~第4四半期の統計分析レポートです。以下の記事もぜひあわせてご覧ください。
    2025年2Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析
    2025年3Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析
    2025年4Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析

    はじめに

    米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)から公開されている「KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)」は、実際に攻撃に悪用された脆弱性の権威あるリストとして、組織のセキュリティ対策の優先順位付けに不可欠なツールとなっています。本レポートでは、KEVカタログに掲載された全データのうち2025年1月1日~3月31日に登録・公開された脆弱性の統計データと分析結果を紹介し、2025年4月以降に注意すべきポイントや、組織における実践的な脆弱性管理策について考察します。

    KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)とは何か

    KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)とは、米国政府機関CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)が公開する、既に悪用が確認された脆弱性(CVE)を一元管理する公式リストです。企業や組織のセキュリティ担当者は、実際に攻撃者に狙われた脆弱性情報を優先的に把握できるため、限られたリソースでも迅速かつ効率的にパッチ適用や検知ルール整備といった対策を講じることが可能になります。カタログに登録される条件は、エクスプロイトコードやマルウェアによる実害が報告されたものに限られ、一般的な脆弱性情報よりも高い優先度で対応を進められる点が大きな特徴です。四半期ごとに更新される最新のデータを活用することで、組織はリアルタイムに変化する脅威状況に即応し、リスク低減を図ることができます。

    概要 (2025年1月~3月に登録・公開されたKEVカタログ掲載CVE)

    2025年第一四半期(1月1日~3月31日)にCISAの既知悪用脆弱性カタログ(Known Exploited Vulnerabilities, KEV)に新規追加されたCVEエントリは73件に上りました*15

    CVE-2024-20439 CVE-2025-2783 CVE-2019-9875 CVE-2019-9874
    CVE-2025-30154 CVE-2017-12637 CVE-2024-48248 CVE-2025-1316
    CVE-2025-30066 CVE-2025-24472 CVE-2025-21590 CVE-2025-24201
    CVE-2025-24993 CVE-2025-24991 CVE-2025-24985 CVE-2025-24984
    CVE-2025-24983 CVE-2025-26633 CVE-2024-13161 CVE-2024-13160
    CVE-2024-13159 CVE-2024-57968 CVE-2025-25181 CVE-2025-22226
    CVE-2025-22225 CVE-2025-22224 CVE-2024-50302 CVE-2024-4885
    CVE-2018-8639 CVE-2022-43769 CVE-2022-43939 CVE-2023-20118
    CVE-2023-34192 CVE-2024-49035 CVE-2024-20953 CVE-2017-3066
    CVE-2025-24989 CVE-2025-0111 CVE-2025-23209 CVE-2025-0108
    CVE-2024-53704 CVE-2024-57727 CVE-2025-24200 CVE-2024-41710
    CVE-2024-40891 CVE-2024-40890 CVE-2025-21418 CVE-2025-21391
    CVE-2025-0994 CVE-2020-15069 CVE-2020-29574 CVE-2024-21413
    CVE-2022-23748 CVE-2025-0411 CVE-2024-53104 CVE-2018-19410
    CVE-2018-9276 CVE-2024-29059 CVE-2024-45195 CVE-2025-24085
    CVE-2025-23006 CVE-2020-11023 CVE-2024-50603 CVE-2025-21335
    CVE-2025-21334 CVE-2025-21333 CVE-2024-55591 CVE-2023-48365
    CVE-2024-12686 CVE-2025-0282 CVE-2020-2883 CVE-2024-55550
    CVE-2024-41713

    この期間中に追加された脆弱性には、政府機関や企業に広く使われるソフトウェアやデバイスの深刻な欠陥が多数含まれています。CISAは「これらの脆弱性は悪意あるサイバー攻撃者による頻出の攻撃経路であり、連邦政府エンタープライズに重大なリスクをもたらす」と警鐘を鳴らしており*2、各組織に対し迅速な修正を促しています。KEVカタログへの追加は、実際に攻撃で悪用された証拠に基づいて行われるため、当該期間中に登録された脆弱性は現在進行形で脅威となっているものばかりです。

    2025年Q1の登録件数トレンド

    Q1単体で73件というKEV追加件数は、昨年までのペースと比べても非常に多い数字です。実際、2023年および2024年通年の追加件数は各約180件程度で推移していました*3。単純計算で1四半期あたり45件前後のペースだったものが、2025年Q1は73件と約1.6倍に跳ね上がった形です。もしこのペースが年間を通じて維持されるとすれば、年間200件超はおろか300件近くに達する可能性もあり、前年までの安定推移を大きく上回る勢いです。

    この増加傾向の背景としては、考えられる要因がいくつかあります。一つは攻撃側の活発化です。実際、別の調査では「2025年Q1に新たに公表された“悪用された脆弱性”は159件にのぼる」とする報告もあり*4、脅威アクターが引き続き多数の新旧脆弱性を素早く攻撃に利用している状況が伺えます。もう一つは検知と公表の強化です。CISAやセキュリティ各社が脆弱性悪用の検知能力を高め、迅速に公表・警告する体制が整ってきたことで、KEVへの追加報告が増えている可能性もあります。いずれにせよ、今年は昨年以上に「既知の悪用脆弱性」が頻出している兆候であり、組織としてはこのペースに備えた体制強化が求められます。

    なお、KEVの新規追加は年間を通じて均一ではなく、特定の時期に集中する場合もあります。2025年は年始こそ緩やかな増加でしたが、2月後半から3月にかけて急増した週もありました(例: 3月前半の1週間で7件追加されたとの分析もあります)。このように脆弱性の悪用動向は季節や攻撃キャンペーンの状況によって変動するため、常に最新情報をウォッチする姿勢が重要です。

    ベンダー別登録状況

    2025年Q1に新規追加されたKEV脆弱性をベンダー別に見ると、Microsoft製品の脆弱性が最も多く含まれていました。これは毎年の傾向でもあり、Windowsをはじめとする同社製品が広範に使われ攻撃対象になりやすいことを反映しています*5。実際、1月にはMicrosoft WindowsのHyper-Vに関する未修正のカーネル脆弱性(Heap OverflowおよびUse-After-Free)が3件まとめて悪用確認されKEVに追加されました*6。また3月にはAppleのWebKitブラウザエンジンに起因するiPhone/iPad向けのゼロデイ脆弱性や、Juniper Networksのネットワーク機器OSの脆弱性が追加されており*7、Appleやネットワーク機器ベンダー(JuniperやCiscoなど)も上位に顔を出しています。

    特に注目すべきはIvanti(旧Pulse Secure等を含む)とMitelの台頭です。Ivantiについては、VPNアプライアンス「Connect Secure」やエンドポイント管理製品「Endpoint Manager」など複数の製品で脆弱性が相次ぎ悪用されました。例えば1月にはIvanti Connect Secure(旧Pulse Connect Secure)の深刻なバッファオーバーフロー欠陥(CVE-2025-0282)が国家規模の攻撃で使われた可能性が浮上し、KEV入りしています*8。さらに3月にはIvanti Endpoint Manager(EPM)に存在するパストラバーサル脆弱性3件が追加されました*9。Ivantiは2024年通年でも11件とMicrosoftに次ぐ数の脆弱性がKEV入りしており*10、2025年も引き続き注意が必要なベンダーと言えます。

    Mitel(通信機器メーカー)も昨年までKEV追加はごくわずかでしたが、2025年Q1には複数の脆弱性が一気に表面化しました。1月にはMitelの企業向けコラボレーション製品「MiCollab」の脆弱性が2件(認証不要のパストラバーサル[CVE-2024-41713]と管理者認証が必要なパストラバーサル[CVE-2024-55550])追加され*11、3月にはMitel製IP電話(SIP Phone)の管理インターフェースにおけるコマンドインジェクション脆弱性[CVE-2024-41710]も加わりました*12。Mitelのような中規模ベンダー製品でも攻撃対象になる事例が増えており、「自社には関係ない」と見落とさないよう注意が必要です。

    その他、VMware(仮想化ソフト)やFortinet(ファイアウォール)、Oracle(ミドルウェア)といったベンダーの脆弱性も複数登場しました。例えばFortinetのファイアウォールOSにおける認証バイパス欠陥*13や、Oracle WebLogic Serverの過去の未修正RCE(2020年にパッチは提供済みだが未適用サーバーが狙われた)*14がKEV入りしています。このように、上位はMicrosoftやAppleといった大手ですが、それ以外にも多彩なベンダーに攻撃が及んでいる点がQ1の特徴です。自組織で利用しているソフトウェアのベンダーがリストに含まれていれば要警戒ですし、たとえ主要ベンダー以外でも油断できません。

    自動化可能性 (Automatable) の分析

    興味深いことに、2025年Q1のKEV脆弱性の多くは「Automatable(攻撃自動化の容易性)= No」と評価されていました。これは「この脆弱性の悪用には何らかの手動操作や特別な条件が必要で、スクリプトによる大規模自動攻撃には向かない」という意味です*15。実際、Q1に追加された事例を見ると、攻撃者が悪用するにはユーザーの操作や物理アクセス、事前に認証情報を得ていること等が必要なケースが多く含まれていました。
    例えばAppleのiOS/iPadOSにおけるゼロデイ脆弱性(CVE-2025-24200)は「USB制限モード」を無効化するもので、攻撃にはターゲット端末への物理的なアクセスが必要でした*16。またMitelのIP電話機器の脆弱性(CVE-2024-41710)は管理者権限でログインできる攻撃者でなければ悪用できない設計でした*17。これらはインターネット越しに無差別スキャンで即座に攻撃できるタイプの脆弱性ではなく、限定的な条件下でのみ成立するものです。したがって攻撃の自動化は難しく、「Automatable = No」と判断されたのでしょう。

    この点は2024年の傾向と対照的です。昨年追加されたKEV脆弱性の多くは遠隔からスクリプトで容易に悪用可能なもので、「Automatable = Yes」が圧倒的多数を占めていました。たとえば2024年には認証不要のリモートコード実行や初期アクセスに使える脆弱性(OSコマンドインジェクション等)が多く含まれており、攻撃者はこれらをインターネット全体にスキャンをかけて自動的に侵入試行することができました*18。一方2025年Q1は、攻撃がより標的型(ターゲットを絞った手動攻撃)の様相を帯びているとも言えます。ただし注意すべきは、「Automatableでない」=安全という意味では決してないことです。たとえば前述のMitel MiCollabのケースでは、認証不要で自動悪用可能な脆弱性(CVSS 9.1)*19と認証必須で一見自動化が難しい脆弱性(CVSS 2.7)*20が組み合わさって使われました。後者単体では被害が限定的でも、前者で侵入した攻撃者が続けて後者を利用すれば権限あるユーザーになりすまし追加攻撃が可能になる、といった具合です*21。このように自動化が難しい脆弱性も、手動操作や他の欠陥との組み合わせで十分悪用され得るため、放置は禁物です。

    Technical Impact(技術的影響範囲)の傾向

    Technical Impactは「その脆弱性が与えるシステムへの影響範囲」の大きさを指し、CISAの基準では完全なシステム乗っ取りに至るものを“Total”(全面的影響)、情報漏えいや一部機能停止に留まるものを“Partial”(部分的影響)と分類しています*22。2025年Q1に追加された脆弱性のTechnical Impactをみると、“Total”が大半を占めていました。これは2024年通年の傾向とも一致しており、攻撃者が狙う脆弱性は基本的に「悪用すればシステムを完全制御できる」類のものが多いことを意味します。実際、Q1のKEVにはリモートコード実行(RCE)や認証回避による管理者権限奪取、任意コード実行といった致命的な影響をもたらす脆弱性が多数含まれました。例えばMicrosoft Hyper-Vのカーネル脆弱性は悪用によりホストOSを乗っ取れる(=Total)ものですし、FortinetやCiscoの認証バイパス欠陥も攻撃者にシステム完全制御を許します。

    一方で一部には“Partial”に分類される例も存在します。典型は情報漏えい型やサービス妨害型の脆弱性です。Q1では、例えばIvanti EPMのパストラバーサル脆弱性3件がSensitive情報の読み取りに利用できる(設定ファイル等の漏えい)ものでした*23。これらは直接コード実行はできないため影響範囲は限定的ですが、漏えいした情報(例えばパスワードハッシュ等)を足掛かりに別の攻撃を仕掛けられる可能性があります。また前述のMitelの例のように、一見Partialな脆弱性も他のTotalな脆弱性と組み合わせて利用され、結果的に全面的な被害に繋がるケースもあります*24。総じて、2025年Q1も“Total”な影響を与える脆弱性が主流ではありますが、Partialであっても油断はできません。影響範囲が限定的でもKEVに載るということは「現実に悪用された」ことを意味し、攻撃者にとって十分利用価値があるからです。

    CVSSスコア分布

    脆弱性の深刻度を表す指標として知られるCVSSスコア(基本値)について、2025年Q1のKEV追加分の分布を見てみましょう。CVSSでは一般にスコア7.0以上を“High”(高)、9.0以上を“Critical”(深刻)と分類します。Q1の73件を大まかに俯瞰すると、High帯(7.0–8.9)の脆弱性が相当数を占め、Critical帯(9.0以上)も一定数存在するといったバランスでした。つまり「深刻度がとても高いものばかり」ではなく、「高めだがCritical未満」の脆弱性も多数悪用されている状況です。

    実例を挙げると、Mitel MiCollabの2件の脆弱性はCVSSスコアが9.1(Critical)と2.7(Low相当)という極端な差がありながら、双方とも実際に攻撃に利用されています*25。Lowの方は「スコア2.7だから安全」では決してなく、前述のように他の脆弱性と組み合わされて攻撃チェーンの一部として悪用されました。加えて、2024年のKEV全体でも、CVSSスコアと実被害リスクが必ずしも比例しないことが指摘されています。たとえば2024年にKEV入りしたVersa社の脆弱性はCVSS7.2(High)の中程度スコアでしたが、実際にはISPやMSPに対する深刻なサプライチェーン攻撃に使われ得るものでした*26。このようにCVSSがCriticalでなくとも攻撃者にとって価値があれば悪用されること、逆にCriticalスコアでも条件付きでしか攻撃できないものもあることに留意が必要です。

    2024年通年と比べると、2025年Q1はCriticalの占める割合がやや低めだった可能性があります。2024年はLog4Shell(CVSS10.0)やProxyShell/ProxyLogon(9点台後半)など極めて高スコアの脆弱性が脚光を浴びましたが、2025年Q1はそれらに匹敵するような10.0満点のものは新規には見られませんでした(既存ではあるものの、新規追加分としてはなかった)。むしろCVSS7~8台の“High”クラスの脆弱性が広く悪用されていた印象です。これは、「攻撃者はCritical評価の脆弱性だけを狙うわけではない」ことの表れとも言えます。日々の運用ではどうしてもCVSSに目が行きがちですが、たとえCritical未満でもKEVに掲載された時点で放置すれば深刻なリスクとなるため、優先的に対策を講じるべきです。

    ランサムウェア悪用・APT攻撃の動き

    脆弱性が悪用される脅威として大きく分けると、金銭目的のランサムウェア攻撃と、スパイ活動やサイバー破壊を狙うAPT(国家・高度な持続的脅威)攻撃があります。2025年Q1のKEV脆弱性を見る限り、ランサムウェアによる悪用が判明している事例はごく少数でした。一方で、多くの脆弱性は国家主体のスパイ活動や高度な標的型攻撃(APT)での悪用、もしくはそれが強く疑われるケースが目立ちます。

    重要なのは、だからといってランサムウェア対策を後回しにしてよい訳ではないことです。脆弱性そのものにランサム攻撃の使用実績がなかったとしても、悪用方法が広まればサイバー犯罪集団が追随する可能性は十分にあります。またAPT攻撃経路として使われた脆弱性から情報を窃取され、その情報が二次被害として金銭目的に悪用されるリスクもあります。結局のところ、KEVに載るような脆弱性は攻撃者にとって価値が高いからこそ使われているのであり、それがAPT系かランサム系かを問わず、迅速な対応が必要である点に違いはありません。

    今後の展望と留意点

    (1). Q2以降で注視すべきCWE動向
    2025年Q1の時点で目立った脆弱性の種別(CWE)としては、OSコマンドインジェクション(CWE-78)やパストラバーサル(CWE-22)、不適切な認証(CWE-287)といったカテゴリが挙げられます*27。これらは2024年にも頻出した攻撃手法であり、引き続き「攻撃者が好む弱点」と言えるでしょう。特にコマンドインジェクションは遠隔から任意コード実行が可能になるため依然として人気が高く、Q2以降も各種ソフトウェアで類似の脆弱性が報告されれば迅速に悪用されるリスクがあります。同様に、パストラバーサルや認証回避の欠陥もVPN機器やWebアプリ等で報告が続くようなら注意が必要です。また、メモリ破壊系の脆弱性(Use-After-Freeやバッファオーバーフロー等)も依然無視できません。Q1にはMicrosoft Hyper-VやApple WebKitのゼロデイなどでメモリエラーに起因する脆弱性が悪用されました。これらは高度な攻撃者(APT等)がまず利用し、やがて犯罪集団にも手法が広まる傾向があるため、特にOSやブラウザ、主要ソフトのメモリ安全性に関する脆弱性情報には今後もアンテナを張っておくべきです。

    (2). 年間登録件数のペース
    すでに述べた通り、Q1の時点で昨年までの年間半分近い73件がKEV追加されています。このペースが維持・加速すれば年間200件を大幅に超える見込みで、仮に上振れすれば300件近くに達する可能性も否定できません*28。もっとも、Q2以降に減速する可能性もありますが、現状では少なくとも前年以上のハイペースであることは確かです。したがって組織としては「今年は昨年までよりも多くの緊急脆弱性が飛び出すかもしれない」という前提で計画を立てることが重要です。具体的には、増加する脆弱性通報に対応できるよう社内体制やプロセスの見直しを検討しましょう(後述の対策参照)。

    (3). 自組織での脆弱性管理に向けたポイント
    最後に、増え続けるKEVへの実践的な備えについて整理します。まず基本は、KEVカタログを自社の優先パッチ適用リストに組み込むことです。KEV掲載項目は、その脆弱性が未修正のままだと「深刻なリスクにさらされている」状態と言えます*29。自社で使っているシステムについてKEV該当の脆弱性がないか定期的にチェックし、該当があれば最優先でアップデートや緩和策適用を行う体制を整えましょう。可能であれば脆弱性管理ツールやスクリプトを用いて、KEVリストとの突合による影響調査を自動化すると効率的です。また、パッチ適用がすぐにできない事情がある場合でも、ベンダー提供の緩和策(設定変更や一時的無効化措置など)を講じる、該当システムへのアクセス経路を制限する(ネットワーク分離やWAF導入)など、被害を防ぐ工夫を行いましょう。

    加えて、脆弱性悪用の「検知」と「インシデント対応」も強化が必要です。既知悪用脆弱性は攻撃者が実際に使っているため、侵入の痕跡(IoC)がセキュリティベンダー等から提供されている場合があります。シグネチャベースの侵入検知システム(IDS)やエンドポイント検知(EDR)のルールを最新化し、該当する脆弱性攻撃の兆候を見逃さないようにしましょう。例えばCISAは悪用されたIvanti脆弱性に関してマルウェア解析レポートを公表し、YARAルールやSnortシグネチャを提示しています*30。こうした公開情報を活用し、もし自組織が既に攻撃を受けていないか(脆弱性が悪用された痕跡がないか)もチェックすることが望まれます。

    最後に、サプライチェーンや他社製品のリスクにも目配りしましょう。自社で使っていないソフトの脆弱性であっても、取引先や委託先のシステムが影響を受ければ、自社への間接的な被害につながる可能性があります*31。KEVカタログに重要取引先の製品が載った場合などは、その企業と連携して対策状況を確認するなど、協力体制を築くこともセキュリティリスク低減に有効です。

    まとめ

    2025年上半期(Q1時点)を振り返ると、脆弱性攻撃の脅威は昨年以上に増大し、多様化していることが分かります。攻撃者は依然としてシステム乗っ取り可能な深刻な欠陥(Technical Impactが“Total”のもの)を好んで悪用していますが、そのアプローチは巧妙化し、自動スキャンで一斉攻撃できないようなゼロデイも含め標的に応じて使い分けています。ランサムウェアなど金銭目的の攻撃だけでなく、国家絡みのスパイ攻撃でも新たな脆弱性が次々と悪用されました。

    こうした状況下で実務担当者が取るべき具体的アクションは、何より既知悪用脆弱性への迅速な対応です。KEVカタログは「サイバー攻撃者が現に使っている脆弱性」のリストであり、これを活用すればパッチ適用や緩和策の優先順位付けを的確に行えます。ぜひ社内の脆弱性管理プロセスにKEVチェックを組み込み、定期的に最新脆弱性情報をモニタしてください。また、開発部門にとってもKEVの傾向は示唆的です。どのような弱点(CWE)が現実に攻撃されやすいのか把握することで、ソフトウェア開発時のセキュリティ設計やテストにフィードバックできます。たとえば入力検証の不足(コマンドインジェクション)や認証周りの不備がどれほど危険か、KEV事例は警鐘を鳴らしています。

    最後に経営層の方々へ強調したいのは、脆弱性対策への投資は喫緊かつ最善のリスクヘッジであるという点です。2025年は脆弱性攻撃のペースがさらに加速する可能性があり、待ったなしの状況です。幸いKEVカタログをはじめ有益な情報源やツールも整いつつあります。これらをフル活用し、組織横断で脆弱性管理に取り組むことで、サイバー攻撃による甚大な被害を未然に防ぐことができるでしょう。「脅威のいま」を正しく把握し、迅速かつ着実な対策を講じて、2025年後半以降の更なる脅威にも備えていきましょう。

    【参考情報】

  • Known Exploited Vulnerabilities Catalog (CISA), wilderssecurity.com
  • CISA Alerts and VulnCheck Reports, channele2e/comvulncheck.com
  • Binding Operational Directive 22-01, cisa.gov
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    脆弱性評価の新しい指標、LEV

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    2025年5月19日に米国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology、以下 NIST)からNIST CSWP(Cybersecurity White Paper)41として元NIST職員とサイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(Cybersecurity and Infrastracture Security Agency、以下CISA)職員の共著のホワイトペーパー、Likely Exploited Vulnerabilities(以下LEV)が公開されました*32。本記事ではLEVについて解説をし、既存の評価指標との違いを紹介します。

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    LEV が登場した背景

    LEV はその名の通り脆弱性が侵害される可能性を示したものです。ご存じの方も多いと思いますが、脆弱性のうち、いわゆるCommon Vulnerability Enemuration(CVE)と呼ばれる識別子が付与され、公開された脆弱性は2024年にNVDに登録されたものだけで39,982件に及びます*8。このため、脆弱性の管理については検出されたものの全件の一斉解消ではなく、脅威によるリスクや業務継続性・レジリエンシーなどの観点からの優先順位付けを行う方向へと北米・欧州では舵が切られています。この流れで2021年に登場した業界標準的な位置づけの脅威情報のデータセットが2つあります。1つは悪用された脆弱性をカタログ化した Known Exploited Vulnerability(侵害されたことが知られている脆弱性、略称 KEV)カタログ、もう一つがEPSSスコアです。しかしKEVカタログEPSSスコアもそれぞれ仕様に限界があります。これらの仕様を補うものとしてLEVが提示されています。

    既存の指標の解説

    既存の脆弱性の評価の指標には以下のものがあります。

    CVSS

    一般的にCVEとセットで用いられるCVSS(Common Vulnerability Scoring System)のベーススコアは、単体の脆弱性に対する静的な深刻度評価となります。CVSSバージョン4からは脅威スコアが追加されましたが、このスコアは継続して更新される必要があることから実際に利用されるケースはまれです。このため、現実的に悪用される可能性を示すものというよりは、発見された当初の静的解析の結果と見るべきでしょう。なお、CVSS は静的解析の指標となり、脅威に関する指標がベーススコアに含まれていないことなどから、LEV のホワイトペーパーでは詳細は触れられていません。

    KEVカタログ

    KEVカタログはCISAが運用している、侵害された「後」の実績があるCVEを集めたカタログです。アメリカでは拘束力のある運用指令(BOD,Binding Operational Directive)22-01*9に基づき、連邦情報および連邦情報システムを保護する目的で連邦政府機関に対して出された強制的な指示として、侵害されたことが知られている脆弱性による重大なリスクを回避することが義務付けられており、この脆弱性の周知方法としてKEVカタログが用いられています。

    なお、CISAは主に米国連邦政府機関向けに情報を収集・公開しているため、他の国での侵害情報が反映されない(または反映されるまでに時間がかかる)ことがあります。この反映されない脆弱性情報は、脅威インテリジェンスベンダが脅威インテリジェンスフィードとして顧客に提供する、アメリカ以外の国のCERTや政府機関が情報を提供する、といった方法で補完されています。

    2024年のKEVカタログ登録状況の分析記事はこちらから
    2025年Q1統計

    EPSS

    EPSSは実際の侵害活動の状況などを幅広いデータパートナーから収集したデータを用いた学習モデルにより、今後30日間の侵害の可能性をパーセンタイル値であらわしたものになります*10
    ただし、EPSSについては過去に侵害された脆弱性の評価値が低く出る傾向がEPSSのFAQで言及されている点には注意が必要でしょう*11
    。なお、EPSSは2025年5月17日にバージョン4がリリースされ、より広範なデータソースからデータを収集するなどの更新が行われています*12
    。LEVのホワイトペーパーではEPSSはプレ脅威インテリジェンスとして、「明らかに侵害されている脆弱性」の一段階下のレベルの脆弱性の補足に利用されることが望ましいとされています。

    LEV 方程式

    今回公開されたホワイトペーパーではLEV方程式として以下の2つが提示されています。

    • LEV方程式
    • LEV2方程式

    いずれもEPSSを用いて、脆弱性が過去に悪用されたことが観測された確率を算出するための方程式となります。なお、LEV方程式で使用される変数と関数は以下の通りです。

    -v: 脆弱性(例: CVE)
    -d: 時間成分のない日付(例: 2024-12-31)
    -d0: そのvに対して EPSS スコアが利用可能になった最初の日付
    -dn: 計算を実行すべき日付(通常は現在の日付)
    -epss(v,d): 日付dにおける脆弱性-vの EPSS スコア
    -dates(d0,dn,w): d0を含み、dnを超えない、wの倍数をd0に加えて形成される日付のセット
    -datediff(di,dj): didjの間の日数(両端を含む)
    -winsize(di,dn,w): datediff(di,dn)wの場合はwdatediff(di,dn) < wの場合はdatediff(di,dn)
    -weight(di,dn,w): winsize(di,dn,w)/w

    なお、EPSSやKEVカタログがそうであるように、LEVの確率が高いものはCVE全体では限定的であることも検証結果として提示されています。

    LEV方程式

    EPSSスコアを用いて、悪用確率の計算を行うもので、このホワイトペーパーでの議論などの基礎となるものです。以下は方程式の近似表現になります。オリジナルの方程式はホワイトペーパーのp.8をご参照ください。

    LEV(v, d_in, d_n) >= 1 – ∏[∀d_i∈data(v,d_in,d_n)] (1 – epss(v, d_i) × weight(d_i, d_n, 30))

    LEV2方程式

    LEV2方程式では単一のEPSS スコア(それ自体が30日間のウィンドウに対する悪用確率)をある単一の日付における悪用可能性として扱う点がLEV方程式と異なります。このため、計算期間(d_in, d_n)の期間の EPSS スコアすべてを取り込む点において大きな違いがあります。
    以下は方程式の近似表現になります。オリジナルの方程式はホワイトペーパーのp.9をご参照ください。

    LEV2(v, d_in, d_n) >= 1 – ∏[∀d_i∈data(v,d_in,d_n)] (1 – epss(v, d_i)/30)

    ホワイトペーパーで提唱されているLEVの用途

    LEVの用途は以下の4つがホワイトペーパーで提唱されています。

    • 過去に侵害された脆弱性数の推計
    • KEV カタログの包括性の測定
      ・KEV カタログはその目的も相まって、収録数に一定程度の限界があります(参考)
    • KEV カタログベースの修復優先順位付けの拡張
      LEV が示す確率の閾値しきいちを設定し、その閾値を超える脆弱性をKEVカタログの補完に用いるもの
    • EPSS ベースの修復優先順位付けの拡張
      ・EPSS は一部の脆弱性について不正確な値を出力することがわかっています(参考)
      ・本来はKEVカタログがすべての侵害された脆弱性を網羅すべきですが、KEVカタログも包括性には限界があることから、EPSSの修正をすべてKEVカタログに依存することも限界があります
      ・EPSSのスコアをKEVカタログによる実績から修正しつつ、LEVが示す確率で補完することで、過去の悪用と未来の悪用可能性の両方をカバーすることを目的としています。
      ・ただしKEVカタログの網羅性の向上はKEVカタログの運用に依存するため、この手法にも限界がある点に注意が必要です。

    脆弱性管理におけるLEV

    冒頭にもある通り悪用される脆弱性は限られている一方で脆弱性は膨大に増え続けています。このため、脆弱性に対してはすべてに対処するというアプローチから、一定の優先度を設けて順に対処していくアプローチへと変わりつつあります。ここで優先度を設けるにあたっては、以下のような指標を用いて優先順位付けすることが必要となります。

    1. 脆弱性が悪用されているかどうか
    2. 脆弱性が悪用される可能性がどの程度か
    3. 悪用される可能性がある脆弱性が外部からどの程度接続可能か
    4. 自社・組織の経営上の影響度や個別のサービスレベルに応じた優先度の定義

    このうち、2.についての情報を提供するものの一つとしてLEVを利用できる可能性があります。

    LEVの制約事項

    LEVにも制約事項が存在します。以下はホワイトペーパーが公開された2025年5月末時点での制約事項です。

    • LEVは基礎データとしてEPSSに依存しているため、EPSSの性能にその精度が大きく依存する
      ・LEVの性能検証が困難
      ・EPSSの性能検証は公開されているが、これをもってLEVの性能の計算を行うことはできない
      ・これは実際の悪用の有無や悪用の観測時期に関するデータが完全には入手できないことに起因する
    • 発見から長期間を経ている脆弱性のLEVスコアは高値になる傾向がある
    • 実証について
      ・多数のCVEと悪用の実績、悪用観測に関する経時適菜データを用いた実証テストが行われていない
      ・現時点ではLEVはEPSSバージョン3に基づく実証しか行われていない
    • KEVカタログやそれに準ずる脅威インテリジェンスフィードで侵害されたことが確認できる脆弱性は、LEVやEPSSに優先して評価されるべきである

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