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はじめに
情報セキュリティにおいて“CVE”は必ずといっていいほど登場するキーワードです。本記事では「CVEとはなにか?」という基本的な疑問に答えながら、脆弱性管理の観点で知っておきたいCVE番号の仕組みや運用方法を解説します。
CVEの概要
- CVE(Common Vulnerabilities and Exposures) は、ソフトウェアやハードウェアの脆弱性に一意の識別番号を付与する仕組みです。
- 米国政府支援のMITRE社が運営し、世界中のセキュリティ関係者が共通の脆弱性情報を参照できます。 (CVE – Mitre, Common Vulnerabilities and Exposures)
- 目的:脆弱性情報の共有とトラッキングを標準化し、誤解や情報の断絶を防ぐこと。
CVE識別子の構造
CVE番号は以下のような形式を取ります。
例:CVE-2025-22457
項目 | 例 | 説明 |
プレフィックス | CVE | 一意の脆弱性識別子の接頭辞 |
発行年 | 2025 | 脆弱性が登録された西暦年 |
識別番号 | 22457 | 当該年に発行された通し番号 |
CVEの仕組みと運用フロー
- 発見・報告
セキュリティリサーチャーやベンダーが脆弱性を発見し、MITREに報告 - 分析・番号割当
MITREが報告内容を審査し、CVE番号を割り当て - 公表・共有
NVD(National Vulnerability Database)や各国CERTなどで情報公開
(Vulnerabilities – NVD – National Institute of Standards and Technology) - 対応策検討
ベンダーは修正プログラム(パッチ)を開発・公開 - 適用・監視
利用者はCVE番号を基にリスク評価し、パッチ適用や対策を実施
CVE情報の取得方法
- NVD(米国国立脆弱性データベース)
CVE番号を検索して詳細情報やCVSSスコア、攻撃ベクターを確認可能
(Vulnerabilities – NVD – National Institute of Standards and Technology) - JPCERT/CC
日本語での解説や脅威動向レポートが参照できる (JPCERT Coordination Center) - 各ベンダーのセキュリティアドバイザリ
自社製品固有の注意事項やパッチ情報をチェック
CVEを活用した脆弱性管理
- 脆弱性スキャンとの連携
スキャンツールが検出した脆弱性にCVE番号を紐付け、一覧化 - 優先順位付け(プライオリティ設定)
CVSSスコア(Common Vulnerability Scoring System)や影響範囲から対応の緊急度を判断 (Common Vulnerability Scoring System SIG) - パッチ管理プロセス
定期的にCVEリストを更新し、パッチ適用状況を追跡 - 報告・監査
CVE番号を用いたレポートでセキュリティ監査に対応
よくある質問(FAQ)
Q1. CVEとCWEの違いは?
- CVE:脆弱性そのものを識別する番号
- CWE:脆弱性の種類や原因を分類する共通項目(例:CWE-79=クロスサイトスクリプティング) (Common Weakness Enumeration: CWE – Mitre)
Q2. CVE番号はどこで確認できる?
- NVD公式サイト
- CVE公式サイト(cve.org)(CVE: Common Vulnerabilities and Exposures)
Q3. CVE情報の更新頻度は?
- NVDは原則毎日更新
- 各ベンダーは脆弱性発見後数日〜数週間でアドバイザリ公開
まとめ
CVEは、全世界で共通の脆弱性識別子として脆弱性管理の基盤を支えています。番号の仕組みや運用フローを理解し、定期的に情報を取得・対応することで、自社システムのセキュリティを大幅に向上させることが可能です。まずはNVDやJPCERT/CCを定期チェックし、CVE番号による脆弱性トラッキングを始めましょう。
【参考情報】
- CVE Program(MITRE)CVEの公式プログラム情報
CVE – Mitre - Common Vulnerabilities and Exposures(CVE.org)公開脆弱性の識別子を提供する公式サイト
CVE: Common Vulnerabilities and Exposures - National Vulnerability Database(NVD)米国政府運営の脆弱性データベース
Vulnerabilities – NVD – National Institute of Standards and Technology - JPCERT Coordination Center(JPCERT/CC)日本語での脆弱性解説やレポートを提供
JPCERT Coordination Center - Common Vulnerability Scoring System(CVSS)脆弱性の深刻度を数値化するスコアリングシステム
Common Vulnerability Scoring System SIG - Common Weakness Enumeration(CWE)脆弱性の原因や種類を分類する共通項目
Common Weakness Enumeration: CWE – Mitre
以上の参考情報を活用し、CVEを軸とした脆弱性管理を強化していきましょう。
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