【企業のためのランサムウェア対策ガイド】ランサムウェアの仕組みとは

感染から暗号化までの動きを解説

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ランサムウェアの仕組みとは ―感染から暗号化までの動きを解説アイキャッチ画像

近年のランサムウェア攻撃は、単なるウイルス感染ではありません。VPN機器やリモートデスクトップを悪用して企業ネットワークへ侵入し、内部で横展開を行いながら、サーバや業務システム全体を停止させるケースが増えています。さらに最近では、データを暗号化するだけでなく、情報を窃取して公開を脅迫する二重脅迫型も主流となっています。本記事では、ランサムウェア攻撃の仕組みや代表的な攻撃手法、サプライチェーン攻撃や標的型攻撃との関係、近年増加している「RaaS(Ransomware as a Service)」の実態について解説します。

ランサムウェアの基本的な仕組みや全体像については、以下の記事で詳しく解説しています。
ランサムウェアとは何か ―企業が知るべき被害・仕組み・対策の基本

ランサムウェア攻撃はどのように進化してきたのか

ランサムウェア攻撃は、時間とともに大きく進化し、より複雑かつ高度になっています。初期のランサムウェアは、不特定多数へフィッシングメールを送信する「ばらまき型」が中心でした。攻撃者は大量のメールを配信し、その一部が感染することを狙う比較的単純な手法を用いていました。しかし現在では、特定の企業や組織を狙う「標的型攻撃」が主流になっています。攻撃者は事前に企業のネットワーク構成や脆弱性を調査し、侵入後は内部ネットワークを移動しながら重要なサーバや業務システムを狙います。その結果、単一端末だけでなく、企業全体の業務停止へ発展するケースが増えています。

さらに近年は、「サプライチェーン攻撃」を経由したランサムウェア感染も増えています。

サプライチェーン攻撃とランサムウェア被害

サプライチェーン攻撃とは、標的企業を直接攻撃するのではなく、取引先や委託先、関連企業などセキュリティが比較的弱い組織を踏み台にして侵入する攻撃手法です。企業が利用している外部サービスや委託先が侵害されることで、本来の標的企業へ不正アクセスが行われます。

2022年には、トヨタ自動車が取引先企業(小島プレス工業)へのサイバー攻撃の影響を受け、国内全工場の稼働停止を発表しました*1。この事例は、サプライチェーン全体を狙う攻撃のリスクを象徴するケースとして広く知られています。現在では、自社だけでなく、サプライチェーン全体を前提としたセキュリティ対策が求められています。

サプライチェーン攻撃については、以下の記事で詳しく解説しています。
サプライチェーン攻撃とは ―委託先・外注先リスクから情報漏えいを防ぐ全体像―

関連リンク:「拡大するランサムウェア攻撃! ―ビジネスの停止を防ぐために備えを―

標的型ランサムウェア攻撃とは

現在のランサムウェア攻撃の多くは、特定の企業や組織を狙った標的型攻撃です。攻撃者は、標的型メール攻撃やVPN機器の脆弱性悪用、リモートデスクトップ接続(RDP)の悪用、認証情報の窃取、水飲み場攻撃など、複数の手法を組み合わせながら侵入を試みます。特に近年は、VPN機器やリモートデスクトップ経由で侵入し、内部ネットワークへ横展開するケースが多く確認されています。また、攻撃者は事前に企業の財務状況や業務特性を調査し、支払い能力が高い企業を狙う傾向があります。

関連リンク:「標的型攻撃とは?事例や見分け方、対策をわかりやすく解説

なぜ企業全体が停止するのか

近年のランサムウェア攻撃では、個人端末だけでなく、企業のサーバや業務システム全体が標的になるケースが増えています。その背景には、企業活動全体を停止させることで、攻撃者がより高額な身代金を要求しやすくなるという事情があります。

ランサムウェア攻撃フロー図

攻撃者はまず、VPN機器やリモートデスクトップ接続(RDP)の脆弱性、あるいは窃取した認証情報を悪用して企業ネットワークへ侵入します。その後、管理者権限を取得し、内部ネットワーク内を横展開しながら、ファイルサーバやバックアップサーバなど重要システムを探索します。さらに近年では、暗号化を行う前にデータを窃取し、情報公開を脅迫材料として利用するケースも増えています。最終的には、業務システムやサーバ全体が暗号化され、企業活動そのものが停止する事態へ発展します。この結果、企業では業務停止や顧客対応の中断だけでなく、情報漏えいや生産ライン停止、医療機関における診療システム停止など、事業継続に深刻な影響が発生することがあります。

ランサムウェアによる被害や経営リスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
サイバー攻撃被害コストの真実―ランサムウェア被害は平均2億円?サイバー攻撃のリスク評価で“事業停止損害”を可視化

二重脅迫・多重脅迫の脅威

警察庁の調査「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等」によれば、令和4年上半期以降、国内ではランサムウェアによるサイバー攻撃の被害が高い水準で推移しています。近年主流となっているのが、「二重脅迫型」のランサムウェアです。これは、単にデータを暗号化するだけではなく、事前に情報を窃取し、「データの暴露(公開)をされたくなければ身代金を支払え」と脅迫する手法です。さらに最近では、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃を組み合わせたり(三重脅迫)、顧客や取引先へ直接通知したり(四重脅迫)、SNS等で情報公開を示唆したりする「多重脅迫」も確認されています。また、データを暗号化せず、情報窃取だけで脅迫する「ノーウェアランサム」と呼ばれる手法も登場しています。

Ransomware as a Service(RaaS)とは

RaaS概要図

近年、ランサムウェア攻撃が急速に拡大している背景の一つに、「RaaS(Ransomware as a Service)」と呼ばれる仕組みがあります。これは、ランサムウェアを開発するグループが攻撃ツールを“サービス”として提供し、別の攻撃者(アフィリエイト)が実際の攻撃を行うという分業型のビジネスモデルです。

従来は、高度な技術力を持つ攻撃者しかランサムウェア攻撃を実行できませんでした。しかしRaaSの登場によって、専門的な開発能力を持たない攻撃者でも、提供されたツールを利用して攻撃を行えるようになりました。その結果、攻撃者の数が増加し、攻撃の分業化や組織化も進んでいます。

現在では、ランサムウェア開発者、侵入を担当する攻撃者、情報窃取や脅迫を行うグループなどが役割を分担しながら活動しており、ランサムウェア攻撃そのものが“犯罪ビジネス”として拡大しています。これにより、攻撃件数だけでなく、攻撃手法そのものも急速に高度化・複雑化しています。

なぜ“侵入前提”で考える必要があるのか

近年のランサムウェア攻撃は、VPN機器やリモートデスクトップ接続の脆弱性、認証情報の窃取など、複数の経路を組み合わせながら侵入するケースが増えています。また、侵入後も内部ネットワークを横展開し、サーバやバックアップ環境まで攻撃対象を広げるなど、従来より高度で組織的な攻撃が主流になっています。そのため現在では、「完全に侵入を防ぐ」ことだけを前提とするのではなく、侵入される可能性を想定したうえで、被害を最小限に抑える考え方が重要になっています。特に、早期検知や初動対応、アクセス権限管理、バックアップ運用など、侵入後の被害拡大を防ぐための体制整備が、企業に求められるようになっています。

まとめ

現在のランサムウェア攻撃は、単なるマルウェア感染ではなく、企業活動全体を停止させる深刻な経営リスクへと変化しています。近年は、サプライチェーン攻撃や標的型攻撃、情報公開を伴う二重脅迫、RaaS(Ransomware as a Service)による攻撃の分業化などによって、攻撃そのものが高度化・組織化しています。

そのため、従来のように「ウイルス対策ソフトを導入していれば安心」という時代ではなくなっています。企業には、侵入経路や攻撃の流れ、被害発生の仕組みを正しく理解したうえで、平時から備える姿勢が求められています。特に、侵入を完全に防ぐことだけではなく、侵入後の被害拡大を抑える視点を持つことが、これからのランサムウェア対策では重要になります。

ランサムウェア攻撃がどのような経路で侵入するのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ランサムウェアの感染経路とは ―企業が見落としがちなVPN・RDP侵入リスクを解説


公開日:2024年2月15日
更新日:2026年5月27日

編集責任:木下


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【企業のためのランサムウェア対策ガイド】ランサムウェアとは何か ―企業が知るべき被害・仕組み・対策の基本

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【企業のためのランサムウェア対策ガイド】ランサムウェアとは何かアイキャッチ画像

近年、企業や組織を狙ったランサムウェア被害が国内外で急増しています。単なるウイルス感染ではなく、業務停止や情報漏えい、金銭要求へ発展するケースも多く、いまやランサムウェアは企業経営に直結するリスクの一つとなっています。

本記事では、ランサムウェアの基本的な仕組みや特徴、代表的な攻撃手法、感染経路について解説します。また、VPN機器やリモートデスクトップを悪用した近年の侵入事例にも触れながら、企業が押さえるべきリスクの全体像を整理します。

なお、本記事は「企業のためのランサムウェア対策ガイド」シリーズとして、関連する各テーマも順次解説していきます。

ランサムウェアがどのような経路で侵入するのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ランサムウェアの感染経路とは ―企業が見落としがちなVPN・RDP侵入リスクを解説

マルウェアの一種である「ランサムウェア」

ランサムウェアとは、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種で、感染したコンピュータやシステム内のデータを暗号化し、アクセスできない状態にした上で、復旧と引き換えに金銭(身代金)を要求する攻撃を指します。

マルウェアには、ウイルス、ワーム、トロイの木馬、スパイウェアなどさまざまな種類がありますが、ランサムウェアは「業務停止やデータ利用不能を引き起こし、金銭を要求する」という点が大きな特徴です。

関連リンク:「マルウェアに感染したら-マルウェアの種類と対策、ウイルスとの違いは-

近年は個人だけでなく、企業や自治体、医療機関など組織を狙った攻撃が急増しており、業務停止や情報漏えいによって大きな社会的影響が発生しています。また現在では、不特定多数を狙う「ばらまき型」だけでなく、特定の企業や組織を狙う「標的型攻撃」へと変化しています。攻撃者は事前にネットワーク構成や脆弱性を調査したうえで侵入し、内部ネットワークを横展開しながら、サーバや業務システム全体を狙うケースが増えています。

ランサムウェア攻撃がどのように侵入し、暗号化や脅迫へ発展するのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ランサムウェアの仕組みとは ―感染から暗号化までの動きを解説―

ランサムウェアの語源

ランサムウェアの語源(初心者マークに手を添えた画像)イメージ

「ランサムウェア」とは、英語の「Ransom(ランサム)」と「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語です。この名前は、この種のマルウェアが行う主な行為、すなわち被害者のコンピュータシステムやデータにアクセスを制限し、それらの解放や復元を身代金と交換するという性質に由来しています。攻撃者は感染したシステムやデータを“人質”のように利用し、復旧や公開停止と引き換えに金銭を要求します。

ランサムウェア攻撃の主な特徴は、以下のとおりです。

データの暗号化

感染した端末やサーバのデータを暗号化し、利用できない状態にします。企業では業務システムやファイルサーバが停止し、事業継続に深刻な影響が出るケースもあります。

身代金の要求

攻撃者は、データ復旧のための復号鍵と引き換えに金銭を要求します。支払いには仮想通貨など匿名性の高い手段が利用されることが多く、支払っても復旧が保証されるわけではありません。

情報公開を伴う「二重脅迫」

近年では、データを暗号化するだけでなく、事前に情報を窃取した上で「公開されたくなければ支払え」と脅迫する“二重脅迫型”が主流になっています。

主なランサムウェアグループ

LockBit2019年に初めて確認され、現在も攻撃手法を進化し続けている。長く代表的なRaaSとして知られたが、2024年のOperation Cronosで基盤を押収され、2025年にも追加制裁が行われた*2。現在は「絶対的な主役」というより、摘発を受けてもブランドや派生的影響が残る象徴的事例として扱うのが適切である。
Akira中小企業を中心に、製造、教育、IT、医療、金融、食品・農業など多様な業種を狙う代表的グループ。2025年時点でも新しいTTP(Tactics(戦術), Techniques(技術), and Procedures(手順))が継続的に確認されており、バックアップ、MFA、既知脆弱性対策の重要性が改めて指摘されている*2
Play2022年以降活動するランサムウェアグループで、2024年~2025年にかけて非常に活発。北米・南米・欧州の企業や重要インフラを標的とし、2025年5月時点で約900組織が被害を受けたとFBIは把握している*3。多要素認証の未導入や既知脆弱性の放置が侵入の足掛かりになりやすい。
Medusa2025年2月時点で300超の被害組織。IAB(Initial Access Broker)、フィッシング、未パッチ脆弱性を組み合わせる典型的な現代型RaaSが特徴*4
RansomHub2024年に台頭したRaaS型ランサムウェアグループ。重要インフラを含む幅広い業種を標的とし、データ窃取と暗号化を組み合わせた「二重恐喝」を行う。フィッシング、既知脆弱性の悪用、パスワードスプレーなどで侵入し、他の大手グループから流入したアフィリエイトの受け皿になっている点も特徴である*5

関連リンク:「【2025年版】ランサムウェアギャング大図鑑:脅威マップと攻撃の特徴 第2回:2025年注目のランサムウェアギャング徹底分析

近年のランサムウェア攻撃の流れや特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
ランサムウェアの攻撃手法とは – 侵入から暗号化までの流れを解説

ランサムウェアの感染経路

ランサムウェアを含むマルウェアの感染経路は様々ありますが、以下に主な感染経路の分類と説明をします。

マルウェア(ランサムウェア)の主な感染経路

ランサムウェアを含むマルウェアにはさまざまな感染経路があります。代表的なものとしては、以下が挙げられます。

  • フィッシングメールの添付ファイルやリンク
  • 不正サイト・改ざんサイトの閲覧
  • ソフトウェアやOSの脆弱性
  • VPN機器の脆弱性
  • リモートデスクトップ接続(RDP)の悪用
  • 認証情報の窃取・使い回し

近年のランサムウェア被害では、メール添付型だけでなく、VPN機器やリモートデスクトップ接続を悪用した侵入が増加しています。

VPN機器・リモートデスクトップ接続からの侵入

VPN機器・リモートデスクトップ接続からの侵入(セキュリティの画像)イメージ

近年、VPN機器やリモートデスクトップ経由のランサムウェア感染が増加した背景には、テレワークの普及があります。

多くの企業が外部から社内ネットワークへ接続する仕組みを導入したことで、VPN機器やリモートデスクトップが攻撃対象になりました。

攻撃者は、以下のような弱点を悪用します。

  • 未修正の脆弱性
  • 弱いパスワード
  • 認証情報の使い回し
  • 多要素認証未設定
  • 不適切なアクセス制御

特に、VPN機器やRDPに脆弱性が存在すると、攻撃者は正規ユーザになりすまして侵入し、内部ネットワークへアクセスできるようになります。

警察庁が発表した「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等」によると、令和7年に都道府県警察から警察庁に報告のあった企業・団体等のランサムウェアの被害件数は226件でした。被害に遭った企業へ行ったアンケート調査で感染経路への質問を行ったところ、約8割以上がVPN機器・リモートデスクトップ接続からの侵入であることが報告されています*6

VPN機器やリモートデスクトップを悪用した侵入経路については、以下の記事で詳しく解説しています。
ランサムウェアの感染経路とは – 企業が見落としがちな侵入ポイントと対策

ランサムウェア対策で重要な考え方

ランサムウェア対策では、「特別な対策」だけが重要なわけではありません。むしろ、以下のような基本的なセキュリティ対策を継続できているかが重要です。

  • 脆弱性管理・アップデート
  • 多要素認証(MFA)の導入
  • アクセス権限管理
  • バックアップ運用
  • EDR
  • ウイルス対策
  • 従業員教育
  • インシデント対応体制

近年の攻撃は高度化していますが、多くの侵入は基本的な対策不足を狙っています。そのため、最新の脅威情報だけでなく、「基本を継続できる運用体制」を持つことが重要です。

まとめ

ランサムウェアは、単なるマルウェア感染ではなく、企業活動そのものを停止させる深刻な経営リスクへと変化しています。特に近年は、VPN機器やリモートデスクトップを悪用した侵入、サーバや業務システムを狙う標的型攻撃、情報公開を伴う二重脅迫型など、攻撃手法が高度化しています。だからこそ、脆弱性対策や認証管理、バックアップ運用、従業員教育といった基本的なセキュリティ対策を継続的に見直すことが重要です。

ランサムウェアによって企業にどのような被害が発生するのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ランサムウェア被害の実態 – 業務停止・損害・企業が直面するリスクとは

本シリーズでは、ランサムウェアの感染経路、攻撃手法、被害リスクについても詳しく解説しています。あわせてご覧ください。


公開日:2024年2月9日
更新日:2026年5月27日

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【第2回】「OWASP API Security Top 10とは?APIの脅威と対策を知ろう」

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デジタル化が進む現代において、Webサービスやスマートフォンアプリ、IoT機器まで、あらゆるシステムがAPIを通じて連携しています。しかし、その利便性の反面、APIを標的としたサイバー攻撃も急増しています。こうした背景の中、APIに特化したセキュリティリスクをまとめたのが「OWASP API Security Top 10」です。

「OWASP Top 10」を中心に、基本的なセキュリティ知識を深め、企業での対策に活かすことを目的としたシリーズ第2回の今回は、API開発や管理に関わる企業の情報システム部門・開発担当者に向けて、OWASP API Security Top 10の概要と代表的なリスク、具体的な対策についてわかりやすく解説します。

OWASP API Security Top 10とは

OWASP API Security Top 10は、OWASP(Open Web Application Security Project)がAPIセキュリティに関する10大リスクを選定・解説したもので、Webアプリケーション版『OWASP Top 10』同様、攻撃シナリオや防御方法がTop10形式で詳しく記載されており、API固有の脆弱性やセキュリティリスクの把握と対策をするための判断材料のひとつとして捉え、活用することができます。

「API」について、SQAT.jpでは以下の記事でも解説しています。
あわせてぜひご覧ください。
APIのセキュリティ脅威とは
APIとは何か(2)~APIの脅威とリスク~

APIセキュリティ

APIは異なるソフトウェア間の通信を可能にしますが、同時に攻撃者にとっての格好の標的にもなり得ます。そのため、APIを利用する企業やアプリケーション開発者にとってAPIのセキュリティ対策は重要な課題です。セキュリティリスクは他のプログラムやサービスと機能などデータを共有しているAPI特有の仕組みから生じます。APIが不適切に設計・管理されていると、未認証のアクセス、データ漏洩、機密情報の不正取得といったリスクが高まります。以下は、APIセキュリティに関する主なリスクの例です。

  • データ漏洩:APIを通じて個人情報や機密情報が漏洩するリスク
  • 不十分な認証:認証要素が不十分なことによる不正アクセスのリスク
  • サイバー攻撃リスク:標的型攻撃インジェクション攻撃やサービス運用妨害(DoS)攻撃などのサイバー攻撃を受けてしまうリスク
  • APIキーの窃取:APIキーが盗まれることによる不正利用のリスク

OWASP API Security Top 10:2023概要

以下は、2023年に発表された最新版のOWASP API Security Top 10のリストです。

項目番号リスク名概要
API1:2023Broken Object Level Authorization
(オブジェクトレベルでの認可の不備)
オブジェクトレベルの認可が不適切で、他ユーザのIDを参照できてしまう問題。IDを任意に変更して不正取得される
API2:2023Broken Authentication
(認証の不備)
認証トークンやセッション管理の不備により、なりすましや不正アクセスが可能となる状態
API3:2023Broken Object Property Level Authorization
(オブジェクトプロパティレベルの認可の不備)
オブジェクト内の個別プロパティに対して、参照・更新権限チェックがない問題。内部値が漏洩・改ざんされる恐れがある
API4:2023Unrestricted Resource Consumption
(無制限のリソース消費)
CPU、ネットワーク、メール送信等リソース制御がなく、DoS攻撃対策やコスト対策が不十分な状態
API5:2023Broken Function Level Authorization
(機能レベルの認可の不備)
本来の権限を超えて管理機能が呼び出され、削除・変更など不正操作が可能になる
API6:2023Unrestricted Access to Sensitive Business Flows
(機密性の高いビジネスフローへの無制限のアクセス)
購入や予約など、業務フローが制限なく自動化され悪用され得る状態。API側の防御が不十分な状態
API7:2023Server Side Request Forgery
(サーバサイドリクエストフォージェリ)
外部から渡されたURLを検証せず内部リソースをリクエストし、不正アクセス・ポートスキャンを誘発する
API8:2023Security Misconfiguration
(不適切なセキュリティ設定)
セキュリティ設定ミスにより、デバッグモードや不要エンドポイントが公開されたままになっている状態
API9:2023Improper Inventory Management(不適切なインベントリ管理)バージョン管理や資産管理不備により、古いAPIやテスト系エンドポイントが放置された状態
API10:2023Unsafe Consumption of APIs
(APIの安全でない使用)
APIクライアント側の不適切な利用により、API仕様外の動作等を招くケース
出典:OWASP Top 10 API Security Risks – 2023より弊社和訳

OWASP API Security Top 10:2023の代表的なリスクとその影響

OWASP API Security Top 10では、APIに特化した攻撃手法や設計ミスを10項目に分類しています。ここでは特に影響の大きい代表的な5項目を取り上げ、それぞれの特徴と企業に与える影響を見ていきましょう。

API1: Broken Object Level Authorization

  • 概要:他人のデータにアクセスできてしまう認可チェックの不備
  • 例:/users/12345を/users/12346に変更して別ユーザの情報を取得
  • 影響:個人情報漏洩、プライバシー侵害、法令違反リスク
  • 実例:T-Mobile(2020年)でAPI経由により契約者情報が漏洩*7

API2: Broken Authentication

API3: Broken Object Property Level Authorization

API4: Unrestricted Resource Consumption

  • 概要:API利用時のリソース消費に対する制限がなく、過剰利用を許してしまう
  • 例:無制限にファイルをアップロード、高頻度でログイン試行
  • 影響:DoS攻撃によるサービスの停止、インフラコストの急増
  • 実例:なし

API6: Unrestricted Access to Sensitive Business Flows

これらのリスクは、API開発における「利便性と安全性のバランス」が崩れたときに生じやすいものです。次章では、こうしたリスクに対して開発・運用チームがどのように備えるべきか、具体的な対策を解説します。

開発・運用チームがすべき対策

OWASP API Security Top 10:2023に示されたリスクは、設計・開発・運用のあらゆる段階での対策が必要です。APIは公開範囲が広く、攻撃対象になりやすいため、企業の情報システム部門や開発チームは「守るべきポイント」を明確にし、セキュリティレベルを高めていく必要があります。以下に代表的な対策を整理します。

認証・認可の適切な管理

  • アクセストークン(OAuthトークンなど)の署名検証や有効期限管理を適切に行う
  • 多要素認証(MFA)やOAuth 2.0/OpenID Connectなどの業界標準プロトコルを採用
  • ユーザIDやオブジェクトIDに基づいたアクセス制御(認可)の一貫性を保つ

目的:適切なユーザにのみ権限を付与し、不正アクセスのリスクを軽減する

入力データのバリデーションと制御

  • ユーザから受け取るリクエストパラメータ、JSON、ヘッダー情報などに対してサーバーサイドで厳格な検証を実施
  • 過剰なフィールドの受け入れを避け、明示的に許可されたパラメータだけを処理
  • 入力サイズ、データ型、構造の制限と、想定外の入力に対する例外処理を徹底

目的:不正な値による処理改ざん(Mass Assignment、インジェクション)やサービス停止リスクを軽減

脆弱性診断・ログ監視等の定期的な実施

  • APIエンドポイントに対するセキュリティ診断(ペネトレーションテスト、動的解析)を定期的に実施
  • SwaggerやOpenAPI仕様書をもとに、未公開API・テスト用APIが本番に露出していないか確認するため、棚卸しを実施
  • APIゲートウェイやWAF(Web Application Firewall)と連携したログの収集・監視も強化

目的:潜在的な脆弱性や構成ミスを早期に発見し、攻撃の起点となる入口を閉じる

レート制限と自動化対策

  • IPアドレスやユーザごとのレートリミットを設ける(例:1分間に○回まで)
  • CAPTCHAやボット対策(Device Fingerprint等)を導入して業務APIの濫用を防止
  • クラウド利用時はコスト制御のためのクォータ設定や自動アラートも重要

目的:DoS攻撃や不正自動化による買い占め行為の防止

セキュアなAPI設計の徹底

  • 最小権限の原則に基づいたロール設計、バージョン管理の明確化
  • 非公開APIは認証必須かつアクセス制限を設け、エラーメッセージは曖昧化
  • API仕様書の公開範囲と利用契約(利用規約・SLAs)にもセキュリティ要件を記載

目的:開発段階からセキュリティを組み込む“Security by Design(セキュリティ・バイ・デザイン)”の実現

企業におけるAPI活用が進む今、セキュリティ対策もまたアプリケーションとは別軸で強化が求められます。OWASP API Security Top 10はその出発点であり、ここで挙げた対策はすべての開発・運用現場で必須です。継続的な見直しと体制整備によって、APIの安全な運用を実現しましょう。

第3回では、クラウドや自動化が進む今、ますます注目されている「Non-Human Identities(NHI)」に焦点を当てます。人ではないアカウントが引き起こす新たな課題とは何か、そして企業はどう備えるべきかを解説します。


―第3回「Non-Human Identities Top 10とは?自動化時代に求められる新しいセキュリティ視点」へ続く―

【連載一覧】

―第1回「OWASP Top 10とは?アプリケーションセキュリティの基本を押さえよう」―
―第3回「Non-Human Identities Top 10とは?自動化時代に求められる新しいセキュリティ視点」―

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情報セキュリティ10大脅威 2025
-「地政学的リスクに起因するサイバー攻撃」とは?-

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国家間の対立が深まる中、サイバー攻撃は政治・外交の手段として活用されるケースが増えています。国家支援型ハッカーグループによる標的型攻撃や、ランサムウェアを用いた攻撃が確認されており、日本もその標的となっています。本記事では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2025」の第7位『地政学的リスクに起因するサイバー攻撃』について、国家間の緊張がもたらすサイバー攻撃の実態、日本への影響を解説します。

IPA「情報セキュリティ10大脅威 2025」速報版の記事はこちらです。こちらもあわせてぜひご覧ください。『【速報版】情報セキュリティ10大脅威 2025 -脅威と対策を解説-
https://www.sqat.jp/kawaraban/34353/

【関連ウェビナー開催情報】
弊社では4月16日(水)14:00より、「知っておきたいIPA『情報セキュリティ10大脅威 2025』~セキュリティ診断による予防的コントロール~」と題したウェビナーを開催予定です。10項目の脅威とその対策例について脆弱性診断による予防的コントロールの観点から講師が解説いたします。ご関心がおありでしたらぜひお申込みください。詳細はこちら

新設された「地政学的リスクに起因するサイバー攻撃」

「地政学注 1)的リスクに起因するサイバー攻撃」は2025年に初めて選定されたものです。IPAの「情報セキュリティ10大脅威」はその年に注意すべき脅威を「10大脅威選考会」によって選定しており、通常は攻撃手法等に焦点が置かれていますが、この項は政治的・外交的理由や背景という、動機の部分に焦点が置かれたカテゴリとなります注 2)。対象となる脅威グループの中には、サブグループがランサムウェア攻撃を実行したケースも確認されており注 3)、本項とランサムウェア攻撃との関連性も指摘されています。さらに、サイバー攻撃は一方的に行われるものではなく、紛争当事国や関係国間、政治的・外交的要因で緊張関係にある国家間で実施されるため、被害側として名前が挙げられている国が、同時に加害側となっている場合も存在します。

日本を対象にした事例

地政学的リスクに起因するサイバー攻撃の脅威が新設された背景には、日本を標的としたサイバー攻撃が増加していることなどが挙げられます。例えば以下のような事例があります。

MirrorFace(Earth Kasha)による攻撃キャンペーン

概要

  • MirrorFaceは中国語を使用する APT (Advanced Persistent Threat) グループであり、日本を主なターゲットとしている組織です。多くの情報から、APT10の傘下組織の1つと考えられています*5
  • 攻撃キャンペーンの主な目的は、安全保障や先端技術に関する情報窃取とされています。

主なキャンペーン

特徴と補足:いずれのキャンペーンでもマルウェアの使用が確認されています。特に、スピアフィッシングキャンペーンではLiving off the land戦術を用いることで、通常の検出を回避する工夫が見られます。また、MirrorFaceはEU向けの攻撃も行っているとの指摘があります*5

Living off the land 戦術(通称 LOTL)とは
システムに元々存在するネイティブツール(Living off the Land バイナリ、LOLBins)を悪用します。これにより、通常のシステムアクティビティに紛れ込み、検出やブロックが難しくなるとともに、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境(Windows、Linux、macOSなど)で効果的に運用され、カスタムツールの開発投資を回避できるという利点があります。

関連の情報セキュリティ10大脅威項目

  • 3位:システムの脆弱性をついた攻撃
  • 5位:機密情報などを狙った標的型攻撃

北朝鮮の動向

北朝鮮は、国際連合安全保障理事会決議に基づく制裁措置を回避しながら外貨を獲得するため、さまざまな活動を展開しています。ここでは、人材の採用に関連する2つの事例に注目します。

暗号資産の窃取を目的とした攻撃

概要:昨年、暗号資産関連事業者から約482億円相当の暗号資産が窃取された事件が発生しました。公開されている事件の流れは以下のとおりです。注 4)

  • 暗号資産関連事業者にコールドウォレットソフトウェアを提供する企業(以下A社)の従業員Bに、ビジネス専用SNSから偽のリクルーターが接触。(Bは契約中のクラウドサービス上にあるKubernetesの本番環境にアクセスできる権限を持っていた。)
  • 偽のリクルーターは、採用プロセスの一環として、ソフトウェア開発プラットフォーム上から指定されたPythonスクリプトをBのレポジトリにコピーするよう指示。
  • コピー後、何らかの方法でBの業務用端末で当該Pythonスクリプトが実行され、本番環境へのアクセス認証情報が窃取される。
  • 不正アクセス時には、正規のトランザクションに不正なデータを追加する細工が施された。

補足:暗号資産全体の窃取額は2022年がピークでしたが、北朝鮮による攻撃は昨年がピークとなっており、攻撃成功率も上昇している*6ため、2025年も引き続き警戒が必要です。

偽IT労働者問題

  • 概要:2024年3月に、財務省、外務省、警察庁、経済産業省が発表。北朝鮮IT労働者に関する企業などに対する注意喚起により、身分を偽った北朝鮮IT労働者が海外企業で業務に従事している事例が存在することが明らかになりました。
  • 米国での事例:司法省が2025年1月23日付で訴追を公表した事例では、以下のような例が確認されています。被害企業が発送した業務用PCを協力者が受け取り、ラップトップファーム注 5)に設置
    ⇒被害企業のポリシーに反し、リモートデスクトップ接続用ソフトウェアがインストールされた。
    北朝鮮の偽IT労働者は、VPN経由で他国からアクセスして業務に従事
    ⇒一部企業ではマルウェアのインストールを試みた事例も報告されています*7
  • 日本国内の状況:日本では具体的な事例は報道されていませんが、2025年1月に発表されたアメリカ企業のレポートにより、日本企業でも偽IT労働者が雇用されている事実が明らかになりました。このレポートにある企業はスタートアップ企業が多く、中小企業における採用プロセスや業務委託プロセスでのチェック体制の確立が求められます。

関連の情報セキュリティ10大脅威項目

  • 5位:機密情報などを狙った標的型攻撃
  • 6位:リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃

SQAT.jpでは以下の記事でも解説しています。こちらもあわせてぜひご参照ください。
標的型攻撃とは?事例や見分け方、対策をわかりやすく解説
テレワーク環境に求められるセキュリティ強化

諸外国を対象にした事例

以下、各国・地域における地政学的リスクに起因するサイバー攻撃の事例を紹介します。

台湾

概要:台湾政府は、中国からのサイバー攻撃が2023年の約2倍に増加したと発表*8しています。多くの攻撃は検知・ブロックされるものの、Living off-the-landなどの手法により、検出や防御が回避されるケースが報告されています。また、フィッシングキャンペーン、DDoS攻撃、ランサムウェア攻撃など、幅広い攻撃が展開されています。

関連の情報セキュリティ10大脅威項目:

  • 1位:ランサムウェア攻撃による被害
  • 3位:システムの脆弱性をついた攻撃
  • 5位:機密情報などを狙った標的型攻撃
  • 8位:分散型サービス妨害攻撃(DDoS)

シンガポール

概要:2024年6月、シングテル(シンガポールテレコム)に対して、中国の脅威アクターVolt Typhoonによる攻撃が報じられました(2024年11月の報道*9)。シングテルおよびその親会社、さらにはシンガポール政府からの公式コメントは得られていませんが、アメリカの通信事業者への攻撃テストとして実施された可能性が指摘されています。

関連の情報セキュリティ10大脅威項目:詳細不明のため該当なし

アメリカ

アメリカに対するサイバー攻撃は、政治的・外交的背景に基づく複数の事例が報告されています。特にSalt Typhoon に関連する以下の事例を紹介します。

通信事業者に対する攻撃

米財務省に対する攻撃

概要:2024年12月30日、中国の脅威アクターによる侵害行為について、上院へ財務省が通知を行いました*14。VPNを使用しないリモートアクセスツールの脆弱性を悪用した攻撃が、同年12月上旬に発覚し、イエレン長官(当時)など高官が侵害されたとの情報*15もあります。

関連の情報セキュリティ10大脅威項目:

  • 3位:システムの脆弱性を突いた攻撃
  • 5位:機密情報等を狙った標的型攻撃
  • 7位:リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃

中国

概要:中国も他国の脅威アクターからの侵害行為が報告されています。報道は少ないものの、ベトナム政府の支援を受けるとされるAPT32(別名 OceanLotus)が、GitHub上のオープンソースセキュリティツールプロジェクトからマルウェアを中国のサイバーセキュリティ研究者にダウンロードさせ、バックドアを形成した事例*16が確認されています。

関連の情報セキュリティ10大脅威項目:

  • 5位:機密情報等を狙った標的型攻撃

北欧・バルト三国

概要:北欧・バルト三国では、各国間をつなぐ通信用・電力用の海底ケーブルが、相次いで船舶によって破壊された事件*17が記憶に新しいでしょう。欧州委員会は12月25日に発生したケーブル破壊に関する共同声明で、ロシアの影響を指摘しています。

関連の情報セキュリティ10大脅威項目:物理破壊によるため該当なし

ポーランド

概要:大統領選挙を控えるポーランドでは、ロシアによる国民の買収に対抗するため、「選挙の傘(Parasol Wyborczy)」と呼ばれる選挙保護プログラムを立ち上げました*18。また、2024年12月には、ルーマニアの大統領選挙の第1回投票が、ロシアによる工作を理由に無効とされ、2025年に再投票が決定しています*19

関連の情報セキュリティ10大脅威項目:情報セキュリティ10大脅威 2025の「組織」向け脅威では該当なし

イスラエルとその対抗勢力

イスラエルのガザ地区侵攻に伴い、以下のようなサイバー攻撃と思われる事件が発生しています。

イスラエル側の攻撃事例

ただし、イスラエルは国内企業に対してスパイウェアの開発・運営を公認しているなど、サイバー空間における倫理観が日本とは大きく異なるため、注意が必要です。

イスラエルへの攻撃事例

関連の情報セキュリティ10大脅威項目:

  • 1位:ランサムウェア攻撃による被害
  • 5位:機密情報等を狙った標的型攻撃
  • 8位:分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)

注:
1) 本項では地政学をCritical geopolitics(批判的地政学)という地理学の一分野のうちの popular geopolitics に相当するものとして取り扱う。Popular geopoliticsについての定義は次のURLなどを参照。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7315930/
https://www.e-ir.info/2018/09/16/plotting-the-future-of-popular-geopolitics-an-introduction/
2) IPA からのプレスリリース(https://digitalpr.jp/r/103159)を参照。
3) Lazarus GroupのサブグループであるAndarielがランサムウェア「Maui」や「Play」、「Lockbit2.0」を使用した例や、イランのAPTがNoEscape、Ransomhouse、ALPHVなどのランサムウェアアフィリエイトと協業したケース、APT10との関連が疑われるDEV-0401がランサムウェア「Lockbit2.0」を実行したケース、本文にあるイラン政府をスポンサーとする脅威グループがランサムウェア攻撃を行ったケースなどが挙げられる。
https://www.cisa.gov/news-events/cybersecurity-advisories/aa23-040a
https://www.cisa.gov/news-events/cybersecurity-advisories/aa24-241a
https://jsac.jpcert.or.jp/archive/2024/pdf/JSAC2024_2_6_hayato_sasaki_jp.pdf
4) 警察庁の注意喚起、被害企業によるプレスリリースをもとに記載。
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/pdf/020241224_pa.pdf
https://www.ginco.co.jp/news/20250128_pressrelease
5) ラップトップファームは、被害企業が発送したPCをホストする設備を指す。2024年8月8日に訴追されたケースでは、自宅を協力者がラップトップファームとして提供していた。
https://www.justice.gov/usao-mdtn/pr/department-disrupts-north-korean-remote-it-worker-fraud-schemes-through-charges-and


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    脆弱性診断、やりっぱなしになっていませんか?高精度診断と充実サポートでリスクを最小化〜サイバー保険で安心 診断から守るまでを徹底解説〜
  • 2025年3月19日(水)13:00~14:00
    ランサムウェア攻撃の脅威~感染リスクを可視化する防御策の実践を紹介~
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    侵入前提でのセキュリティ対策のポイント
    -サイバー攻撃への対策3-

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    サイバー攻撃の被害から自組織を守るためにはどのような対策をとればよいのか?まずは何から実施すればよいのか?今回の記事では、基本的なセキュリティ対策の考え方から、業界別のセキュリティ対策のポイントやガイドラインを紹介しつつ、リスクを最小化するために有効なセキュリティ対策のポイントを解説いたします。

    企業のためのセキュリティ対策

    管理・経営者に向けた基本対策

    ・標的型攻撃メール訓練の実施
    ・定期的なバックアップの実施と安全な保管(別場所での保管推奨)
    ・バックアップ等から復旧可能であることの定期的な確認
    ・OS、各種コンポーネントのバージョン管理、パッチ適用
    ・認証機構の強化
     (14文字以上といった長いパスフレーズの強制や、適切な多要素認証の導入など)
    ・適切なアクセス制御および監視、ログの取得・分析
    ・シャドーIT(管理者が許可しない端末やソフトウェア)の有無の確認
    ・攻撃を受けた場合に想定される影響範囲の把握
    ・システムのセキュリティ状態、および実装済みセキュリティ対策の有効性の確認
    ・CSIRTの整備(全社的なインシデントレスポンス体制の構築と維持)

    また、セキュリティ対策の実践にはガイドラインの活用もおすすめです。ガイドラインがまとめられた背景には業界別のセキュリティ課題があることがわかります。今回いくつかガイドラインを紹介するにあたり、業界別のセキュリティ対策のポイントに触れます。

    業界別セキュリティ対策のポイント

    「自動車」「医療」「教育」の各業界に着目してみます。各業界のガイドラインがまとめられた背景および目的から、各業界のセキュリティに係る課題がわかります。

    自動車  自動車産業全体のサイバーセキュリティ対策のレベルアップや対策レベルの効率的な点検を推進
    医  療医療情報システムの安全管理や情報通信の技術の利用に関する法律等への対策
    教  育教育情報セキュリティポリシーの考え方および内容について解説

    各ガイドラインでは、それぞれの業界における以下のような業務について、外部ネットワークとの接続に言及しています。この外部ネットワークと接続するシステムが、各業界におけるセキュリティ対策のポイントといえるでしょう。

    自動車  ITインフラ環境や工場等の制御システムをはじめとして企業が管理する多くの情報システム
    医  療外部の医療機関等や患者自身などと医療情報の共有や連携、医療情報の外部保存を行うシステム
    教  育学校ホームページや教職員によるメールの活用、学習活動に使用されるシステム

    各業界のセキュリティガイドラインの紹介

    自動車

    自動車産業サイバーセキュリティガイドライン V2.0
    工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドラインVer 1.0

    医療業界

    厚⽣労働省における医療機関のサイバーセキュリティ対策にかかる取組について
    医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
    医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン

    教育業界

    教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン

    まずはリスクの可視化を

    サイバー攻撃への対策において、いまや完璧な防御を望むのは困難となっています。こうした脅威への対策における重要なポイントは3つあります。

    「攻撃・侵入される前提」で取り組む

    侵入への対策
    目的:システムへの侵入を防ぐ
      侵入後の対策
    目的:侵入された場合の被害を最小化する
    ・多要素認証の実装 ・不要なアカウント情報の削除(退職者のアカウント情報など)
    ・公開サーバ、公開アプリケーションの脆弱性を迅速に発見・解消する体制の構築
    ・VPNやリモートデスクトップサービスを用いる端末
    ・サーバのバージョン管理(常に最新バージョンを利用) ・ファイアウォールやWAFによる防御 など 
      ・社内環境におけるネットワークセグメンテーション
    ・ユーザ管理の厳格化、特権ユーザの限定・管理(特にWindowsの場合)
    ・侵入検知(IDS/IPSなど)、データバックアップといった対策の強化
    ・SIEMなどでのログ分析、イベント管理の実施
    ・不要なアプリケーションや機能の削除・無効化
    ・エンドポイントセキュリティ製品によるふるまい検知の導入
    対策の有効性の確認方法
    ・脆弱性診断
    ・ペネトレーションテスト
      ・ペネトレーションテスト

    侵入を前提とした多層防御が重要

    「多層防御」対策を立てる前提として、情報資産の棚卸しも重要です。

    情報資産とは
    企業や組織などで保有している情報全般のこと。顧客情報や販売情報などの情報自体に加えて、ファイルやデータベースといったデータ、CD-ROMやUSBメモリなどのメディア、そして紙の資料も情報資産に含まれます。
    (総務省「安心してインターネットを使うために 国民のためのサイバーセキュリティサイト」より引用)

    組織内に存在する情報に関し、機密とするもの、公知であってよいものを分類し、それらがどこに格納されて、どのように利用されているかを可視化した上で、防御の対応をする機器・人・組織といったリソースを適切に振り分けて防御する仕組みを構築することが求められます。

    これにより、システムへのマルウェアの侵入等の早期発見にも繋がり、事業活動の継続を左右する重要情報へのアクセスを遮断することで、万一侵入を許しても被害を最小限に抑えられます。

    信頼できる第三者機関の脆弱性診断サービスを実施

    企業として実施できるサイバー攻撃への対策として、信頼できる第三者機関による脆弱性診断が挙げられます。第三者の専門家からの診断を受けることで、現状の問題点や対応の優先順位などリスクを可視化することができるため、早急に効率よく対策を実施するのに役立ちます。

    サイバー攻撃手法は日々更新されており、さらに取引先や子会社などを含むサプライチェーンを踏み台にした攻撃など、どんなにセキュリティ対策を実施していても自組織のみではインシデント発生を防ぎきれないのが実情です。脆弱性診断の定期的な実施といった基本的なセキュリティ対策を行うとともに、万が一インシデントが発生してしまった場合の備えとして信頼できる第三者の専門企業に相談することをおすすめします。

    まとめ

    管理者や経営者へ向けた基本的なセキュリティ対策の実施項目として、標的型攻撃メールの訓練実施、定期的なバックアップ及びその保管、オペレーティングシステムやアプリケーションのバージョン管理、強固な認証メカニズムの導入、適切なアクセス制御と監視、シャドーITの監査、想定される攻撃の影響範囲の理解、システムのセキュリティ状況の定期的な確認、および全社的なインシデントレスポンス計画の策定と維持等が挙げられます。

    さらに、自動車、医療、教育各業界に特有のセキュリティ課題と、それに対応するための業界別ガイドラインを紹介しています。これらのガイドラインは、特に外部ネットワークに接続されるシステムのセキュリティ強化に注目しています。

    また、サイバー攻撃への対策として、侵入を前提とした多層防御、情報資産の可視化を推奨します。これにより、万が一侵入を許してしまった場合でも、被害を最小限に留めることが可能です。また、信頼できる第三者機関による脆弱性の定期的な診断を実施することも有効です。

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    診断結果にみる情報セキュリティの現状 ~2023年上半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2023-2024年秋冬号

    2023年上半期診断結果分析サムネ画像(PCの画面イメージ)

    BBSecの脆弱性診断

    システム脆弱性診断で用いるリスクレベル基準

    BBSecのシステム脆弱性診断は、独自開発ツールによる効率的な自動診断と、セキュリティエンジニアによる高精度の手動診断を組み合わせて実施しており、高い網羅性とセキュリティ情勢を反映した診断を実現するため、セキュリティエンジニアおよびセキュリティアナリストが高頻度で診断パターンを更新し、診断品質の維持・向上に努めている。検出された脆弱性に対するリスク評価のレベル付けは、右表のとおり。

    脆弱性診断サービスの基本メニューである「Webアプリケーション脆弱性診断」・「ネットワーク脆弱性診断」の2023年上半期(1月~6月)実施結果より、セキュリティ対策の実情についてお伝えする。

    2023年上半期診断結果

    Webアプリ/NW診断実績数

    2023年上半期、当社では12業種延べ553企業・団体、3,396システムに対して、脆弱性診断を行った(Webアプリケーション/ネットワーク診断のみの総数)。

    2023年上半期システム脆弱性診断 脆弱性検出率の棒・円グラフ

    9割のシステムに脆弱性

    「Webアプリケーション診断結果」の棒グラフのとおり、Webアプリケーションに おいて、なんらかの脆弱性が存在するシステムは9割前後で推移を続けている。検出された脆弱性のうち危険度レベル「高」以上(緊急・重大・高)の割合は17.5%で、6件に1件近い割合で危険な脆弱性が検出されたことになる。

    一方、ネットワーク診断では、なんらかの脆弱性があるとされたシステムは約半数だったが、そのうちの危険度「高」レベル以上の割合は23.8%で、5件に1件以上の割合であった。

    以上のとおり、全体的な脆弱性検出率については、前期と比較して大きな変化はない。当サイトでは、「2023年上半期カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、検出された脆弱性を各カテゴリに応じて分類しグラフ化している。

    Webアプリケーション診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    長年知られた脆弱性での攻撃

    「Webアプリ編」について、1位、2位は前期同様「クロスサイトスクリプティング(以降:XSS)」と「HTMLタグインジェクション」となった。3位以下は、脆弱性項目は前期からあまり変化はないものの、「SQLインジェクション」が順位を上げた。

    3位の「サポートが終了したバージョンのPHP使用の可能性」など、サポートが終了したバージョンのコンポーネント(プログラム言語、ライブラリ等)の使用がワースト10の4項目を占めている。サポート終了とはすなわち、新たに脆弱性が発見された場合でもコンポーネントの提供元は基本的に対処しないということであり、危殆化に対する利用者側での対策が困難となるため、継続利用は危険である。例えば、サポートが終了した製品についての脆弱性情報の公開が契機になり、攻撃コードが公開され、攻撃が活発化することも考えられる。最新バージョンへのアップデートを迅速に、定期的に実施すべきである。

    ネットワーク診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    ネットワーク診断結果に関しても、リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2023年上半期)NW編の表

    アクセス制御が不適切な認証機構の検出がランクイン

    「ネットワーク編」のワースト10については、ワースト4までが前期と変わらず、5位、6位は順入れ替えという結果で、あまり大きな変動は見られなかったが、8位の「アクセス制御が不適切な認証機構の検出」が前期圏外からランクインした。「アクセス制御が不適切な認証機構」には、特権アカウントやデフォルトアカウント等を使用してログインできる脆弱性も含まれる。特権アカウントがデフォルトのまま、もしくは推測されやすい認証情報で設定されていた場合はさらに危険である。デフォルトアカウントやデフォルトパスワードを使用せず、推測されにくい複雑なパスワードを設定することや、ログイン画面に対するアクセスを強固に制御すること、特権アカウントは必要最小限のユーザにのみ付与することなどが推奨される。

    カテゴリ別の検出結果詳細についてはこちら

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    診断結果にみる情報セキュリティの現状
    ~2022年下半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2023年 春夏号

    2021年下半期診断結果分析サムネ画像(PCの画面イメージ)

    BBSecの脆弱性診断

    システム脆弱性診断で用いるリスクレベル基準

    BBSecのシステム脆弱性診断は、独自開発ツールによる効率的な自動診断と、セキュリティエンジニアによる高精度の手動診断を組み合わせて実施しており、高い網羅性とセキュリティ情勢を反映した診断を実現するため、セキュリティエンジニアおよびセキュリティアナリストが高頻度で診断パターンを更新し、診断品質の維持・向上に努めている。検出された脆弱性に対するリスク評価のレベル付けは、右表のとおり。

    脆弱性診断サービスの基本メニューである「Webアプリケーション脆弱性診断」・「ネットワーク脆弱性診断」の2022年下半期(7月~12月)実施結果より、セキュリティ対策の実情についてお伝えする。

    2022年下半期診断結果

    Webアプリ/NW診断実績数

    2022年下半期、当社では12業種延べ510企業・団体、3,964システムに対して、脆弱性診断を行った(Webアプリケーション/ネットワーク診断のみの総数)。

    2022年下半期システム脆弱性診断 脆弱性検出率の棒・円グラフ

    9割のシステムに脆弱性

    「Webアプリケーション診断結果」の棒グラフのとおり、Webアプリケーションに おいて、なんらかの脆弱性が存在するシステムは9割前後で推移を続けている。検出された脆弱性のうち危険度レベル「高」以上(緊急・重大・高)の割合は19.0%で、5件に 1件近い割合で危険な脆弱性が検出されたことになる。

    一方、ネットワーク診断では、なんらかの脆弱性があるとされたシステムは約半数だったが、そのうちの危険度「高」レベル以上の割合は23.3%で、5件に1件以上の割合であった。

    以上のとおり、全体的な脆弱性検出率については、前期と比較して大きな変化はない。当サイトでは、「2022年下半期カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、検出された脆弱性を各カテゴリに応じて分類しグラフ化している。

    Webアプリケーション診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2022年下半期)Webアプリ編の表

    長年知られた脆弱性での攻撃

    Webアプリ編ワースト10の上位3項目は、前期と同じで、いまだ検出数が多い。いずれもよく知られた脆弱性ばかりなため、悪用された場合、セキュリティの基本的な対策を怠っている組織と認識され、信用失墜につながる。

    「クロスサイトスクリプティング」に起因する情報漏洩は実際に報告されている。4位の「不適切な権限管理」は前期7位より順位を上げた。この脆弱性は、本来権限のない情報・機能へのアクセスや操作が可能な状態を指し、「OWASP Top 10(2021)」では、首位の「A01:2021-アクセス制御の不備」に該当する。一般ユーザであるはずが、処理されるリクエストを改竄することで管理者権限での操作が可能になる等により、個人情報や機密情報の漏洩・改竄、システムの乗っ取り、といった甚大な被害を招く恐れがある。外部から値を操作できないようにするのはもちろんのこと、各機能に対する適切なアクセス制御を実装することが推奨される。

    ネットワーク診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    ネットワーク診断結果に関しても、リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2022年下半期)NW編の表

    SNMPにおけるデフォルトのコミュニティ名の検出

    ネットワーク編のワースト10もほぼお馴染みの顔ぶれであるところ、「SNMPにおけるデフォルトのコミュニティ名の検出」が9位に初ランクインした。SNMPは、システム内 部のステータスや使用ソフトウェア等の各種情報取得に利用されるプロトコルで、管理するネットワークの範囲をグルーピングして「コミュニティ」とする。コミュニティ名に は、ネットワーク機器のメーカーごとに「public」等のデフォルト値がある。SNMPにおけるコミュニティ名はパスワードのようなものであるため、デフォルトのままだと、これ を利用して攻撃者に接続され、攻撃に有用なネットワークの内部情報を取得される恐れがある。コミュニティ名にはデフォルト値を使用しないこと、また、SNMPへの接続には強固なアクセス制御を実施することが推奨される。

    カテゴリ別の検出結果詳細についてはこちら

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    診断結果にみる情報セキュリティの現状
    ~2022年上半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2022-2023年 秋冬号

    2021年下半期診断結果分析サムネ画像(PCの画面イメージ)

    BBSecの脆弱性診断

    システム脆弱性診断で用いるリスクレベル基準

    当社のシステム脆弱性診断は、独自開発ツールによる効率的な自動診断と、セキュリティエンジニアによる高精度の手動診断を組み合わせて実施している。検出された脆弱性に対するリスク評価のレベル付けは、右表のとおり。

    脆弱性診断サービスの基本メニューである「Webアプリケーション脆弱性診断」・「ネットワーク脆弱性診断」の2022年上半期(1月~6月)実施結果より、セキュリティ対策の実情についてお伝えする。

    2022年上半期診断結果

    Webアプリ/NW診断実績数

    2022年上半期、当社では12業種延べ611企業・団体、3,448システムに対して、脆弱性診断を行った(Webアプリケーション/ネットワーク診断のみの総数)。

    システム脆弱性診断 脆弱性検出率グラフ

    9割のシステムに脆弱性

    「Webアプリケーション診断結果」の棒グラフのとおり、Webアプリケーションにおいて、なんらかの脆弱性が存在するシステムは9割前後で推移を続けている。検出された脆弱性のうち危険度レベル「高」以上(緊急・重大・高)の割合は22.3%で、5件に1件以上の割合でリスクレベルの高いものが出ていることになる。

    一方、ネットワーク診断では、脆弱性ありと評価されたシステムは半分強というところだ。ただし、検出された脆弱性に占める危険度高レベル以上の割合は22.1%にのぼり、こちらも5件に1件以上の割合となる。

    以上のとおり、全体的な脆弱性検出率については、前期と比較して大きな変化はない。当サイトでは、「2022年上半期カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、検出された脆弱性を各カテゴリに応じて分類しグラフ化している。

    Webアプリケーション診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10リスト

    長年知られた脆弱性での攻撃

    上位ワースト10はいずれも、Webアプリケーションのセキュリティ活動を行っている国際的非営利団体OWASP(Open Web Application Security Project)が発行している「OWASP Top 10(2021)」でいうところの、「A03:2021 – インジェクション」「A07:2021 – 識別と認証の失敗」「A06:2021 – 脆弱で古くなったコンポーネント」「A02:2021 – 暗号化の失敗」「A01:2021 – アクセス制御の不備」等に該当する。

    1位の「クロスサイトスクリプティング」や6位の「SQLインジェクション」は、長年知られた脆弱性である上、攻撃を受けると深刻な被害となりかねないにも関わらず、いまだ検出され続けているのが実情だ。

    攻撃者による悪意あるコードの実行を許さぬよう、開発段階において、外部からのデータに対する検証処理と出力時の適切な文字列変換処理の実装を徹底していただきたい。

    ネットワーク診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    ネットワーク診断結果に関しても、リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10リスト

    推奨されないバージョンのSSL/TLS

    1位の「推奨されないSSL/TLS」が圧倒的に多い。既知の脆弱性がある、あるいはサポートがすでに終了しているコンポーネントの使用も目立つ。このほか、特にリスクレベルが高いものとして懸念されるのが、FTP(4位)やTelnet(7位)の検出だ。これらについては、外部から実施するリモート診断よりもオンサイト診断における検出が目立つ。つまり、内部ネットワークにおいても油断は禁物ということである。FTPやTelnetのような暗号化せず通信するサービスはそもそも使用するべきでなく、業務上の理由等から利用せざるを得ない場合は強固なアクセス制御を実施するか、暗号化通信を使用する代替サービスへの移行をご検討いただきたい。

    カテゴリ別の検出結果詳細についてはこちら

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    診断結果にみる情報セキュリティの現状
    ~2021年下半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2022年 春夏号

    2021年下半期診断結果分析サムネ画像(PCの画面イメージ)

    BBSecの診断について

    当社では、Webアプリケーション、ネットワーク(プラットフォーム)に対する脆弱性診断をはじめとして、スマホアプリ、パブリッククラウド、ソースコード、IoT、ペネトレーションテスト、標的型ランサムウェア攻撃におけるリスク可視化等、様々な局面における診断サービスを提供している。こうした診断による検出・分析結果は、メリハリある的確なセキュリティ対策の実施にお役立ていただいている。

    診断品質向上のために

    システム脆弱性診断で用いるリスクレベル基準

    当社の脆弱性診断サービスは、独自開発ツールによる効率的な自動診断と、セキュリティエンジニアによる高精度の手動診断を組み合わせて実施している。検出された脆弱性に対するリスク評価のレベル付けは、右表のとおり。

    高い網羅性のある脆弱性の検出、お客様のシステム特性に応じたリスクレベル評価、個別具体的な解決策の提供が行えるよう、セキュリティエンジニアおよびセキュリティアナリストが高頻度で診断パターンを更新することで、診断品質の維持・向上に努めている。

    2021年下半期診断結果

    Webアプリ/NW診断実績数

    2021年7月から12月までの6ヶ月間に、当社では14業種延べ560企業・団体、3,949システムに対して、システム脆弱性診断を行った(Webアプリケーション/ネットワーク診断のみの総数)。前期2021年上半期(1月~6月)より、診断対象システム数は300件近く増加した。

    システム脆弱性診断 脆弱性検出率(2021年下半期)

    9割のシステムに脆弱性

    「Webアプリケーション診断結果」の棒グラフのとおり、Webアプリケーション診断では、なんらかの脆弱性が存在するシステムの割合が9割前後で推移し続けている。検出された脆弱性のうち、危険度レベル「高」以上(緊急・重大・高)の割合は21.0%で、検出された脆弱性全体のおよそ5件に1件がリスクレベルの高いもの、ということになる。前期の高レベル以上の割合は23.9%だったため今期微減だが、ほぼ横ばいと言える。

    「ネットワーク診断結果」の棒グラフでは、脆弱性なしと評価されたシステムが4割強を占めている。しかしながら、検出された脆弱性に占める危険度高レベル以上の脆弱性の割合は30.8%にのぼり、検出脆弱性のおよそ3件に1件が危険度の高い項目、ということになる。前期の高レベル以上の割合は28.3%だったため今期微増だが、ほぼ横ばいである。

    以上のとおり、全体的な脆弱性検出率については、前期と比較して大きな変化はない。当サイトでは、「2021年下半期カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、検出された脆弱性を各カテゴリに応じて分類しグラフ化している。

    Webアプリケーション診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    5つに分類された各カテゴリの検出割合( 「2021年下半期カテゴリ別脆弱性検出状況」掲載の円グラフ参照)については、前期とほぼ変わらず、各カテゴリにおける脆弱性の検出数ごとの数量も大幅な変動はなかった。リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多かったものを順に10項目挙げてみると、下表のような結果となった。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2021年下半期)Webアプリ編

    代表的な脆弱性はいまだ健在

    上位ワースト10はいずれも、Webアプリケーションのセキュリティ活動を行っている国際的非営利団体OWASP(Open Web Application Security Project)が発行している「OWASP Top 10(2021)」に含まれていることがわかる。

    ワースト1となった「クロスサイトスクリプティング」(以下、XSS)はWebアプリケーションにおける脆弱性の代表格とも言える。認知度の高い脆弱性でありながら、いまだに根絶されていない。XSSが存在するシステムには、ワースト2の「HTMLタグインジェクション」が共に検出されることが多い。出力データの検証が適切に実施されていないことがうかがえる。

    ワースト6の「SQLインジェクション」もまた、メジャーな脆弱性の1つだ。XSSと同じく入出力制御に問題がある。昨今でもなお、SQLインジェクションによる情報漏洩事例が報告されている。データベースの不正操作を許せば、事業活動に必要なデータをすべて消去されるといった最悪の事態も発生しうるため、放置するのは非常に危険である。

    独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)に対する届出においても、XSSが58%と約6割を占め、SQLインジェクションもそれに次ぐ多さとのことだ。*24

    いずれの脆弱性も、セキュアなWebアプリケーション構築を実践できていないことを証明するものだ。開発の上流工程において、そうした脆弱性が作りこまれないような対策を行うことが大切である。

    ネットワーク診断結果

    高リスク以上の脆弱性ワースト10

    ネットワーク診断結果に関しても、5つに分類された各カテゴリの検出割合 (「2021年下半期カテゴリ別脆弱性検出状況」掲載の円グラフ参照)において、前期と比較して特段目立つような差は見られなかった。ただ、「通信の安全性に関する問題」に関しては、「推奨されない暗号化方式の受け入れ」「推奨されないSSL/TLS方式の使用」「脆弱な証明書の検出」に分類される脆弱性項目が、それぞれ200件前後ずつ増加していることがわかった。

    リスクレベル高以上の脆弱性で検出数が多い10項目は下表のとおりである。

    高リスク以上の脆弱性ワースト10(2021年下半期)NW編

    推奨されないバージョンのSSL/TLS

    先に述べた、前期より検出数が増加している「通信の安全性に関する問題」のうち、「推奨されないバージョンのSSL/TLSのサポート」はリスクレベル高以上である。これは、SSL2.0、3.0、またはTLS1.0、1.1を使用した暗号化通信が許可されている場合に指摘している項目で、今期ワースト1の検出数だ。CRYPTREC作成/IPA発行の「TLS 暗号設定ガイドライン」は、2020年7月に第3.0.1版が公開されている。こちらを参考に、SSLの全バージョンとTLS1.1以下を無効にし、もし、TLS1.2、なるべくなら1.3の実装がまだであれば、早急に対応する必要がある。

    カテゴリ別の検出結果詳細についてはこちら

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    診断結果にみる情報セキュリティの現状
    ~2020年上半期 診断結果分析~

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    SQAT® Security Report 2020-2021年 秋冬号

    BBSecの診断について

    当社では、Webアプリケーション、ネットワーク(プラットフォーム)、スマホアプリ、IoT、パブリッククラウド、ソースコード、標的型攻撃に対するリスク可視化等、様々な局面における診断サービスを提供することで、お客様のニーズにお応えしている。

    当社の脆弱性診断サービスは、専門技術者による高精度の手動診断と独自開発のツールによる効率的な自動診断とを組み合わせ、検出された脆弱性に対するリスク評価について、右表のとおりレベル付けしている。お客様のシステム特性に応じた脆弱性の検出、リスクレベルの評価、個別具体的な解決策の提供が適切に行えるよう、高い頻度で診断パターンを更新し、診断品質の維持と向上に努めている。

    2020年上半期診断結果

    当社では、2020年1月から6月までの6ヶ月間に、14業種延べ533企業・団体、4596システムに対してシステム脆弱性診断を行った。2020年上半期はコロナ禍の影響でテレワークへと移行する企業も多い中、診断のニーズは変わらず存在し、診断案件数は2019年下半期とほぼ同じであった。脆弱性の検出率は以下のとおり。

    脆弱性診断脆弱性検出率 2020年上半期

    診断の結果、Webアプリケーション診断では、脆弱性が検出されたシステムが全体の83.9%と、前年同期(2019年上半期)の88.2%に比べて微減しているものの、依然として高い割合である。ネットワーク診断においては、脆弱性検出率は減少を続けているものの、42.8%と4割ほどのシステムに何らかの脆弱性が検出されている。

    検出された脆弱性のうち、早急な対処が必要な「高」レベル以上のリスクと評価された脆弱性は、Webアプリケーションでは28.7%、ネットワーク診断では29.7%検出されている。前年同期比(2019年上半期「高」レベル検出率:Webアプリケーション27.0%/ネットワーク診断 23.6%)でいうと、Webアプリケーションはほぼ横ばいだったが、ネットワークは6.1%増えた。ネットワークに関しては、リスクレベルの高い脆弱性は増加傾向にある。 当サイトでは、「2020年上半期 カテゴリ別脆弱性検出状況」とし、当社診断で検出された脆弱性を各性質に応じてカテゴライズし、評価・分析をした結果をまとめた。以降、診断カテゴリごとに比較的検出数が多かったものの中からいくつか焦点を当ててリスクや対策を述べる。

    Webアプリケーション診断結果

    Webカテゴリ結果の36.0%を占める「システム情報・ポリシーに関する問題」のうち、「脆弱なバージョンのOS・アプリケーションの使用」についで検出数が多かった、「推奨されない情報の出力」に着目する(検出割合は以下参照)。

    推奨されない情報の出力(2020年上半期診断実績)

    システム構築時のデフォルトファイル、ディレクトリや初期画面には、攻撃者にとって有用な情報が含まれていることが多く、攻撃者にシステムへ侵入された場合、その情報をもとにした攻撃に発展し、甚大な被害につながりうる。よって、重要情報を含むファイル等には特に強固なアクセス制御をすべきであり、削除して差し支えない情報は消してしまうことが望ましい。初期画面については、表示しない設定にするのがよいだろう。

    不用意な情報の出力の例として、「推奨されない情報の出力」の内訳にある、「WordPress管理者機能へのアクセスについて」をピックアップする。WordPressの管理者機能に対するアクセスが外部から可能だと、「総当り(Brute-Force)攻撃」によって、攻撃者に管理者用の認証を奪取されることで、さまざまな情報の漏洩や改竄をされる危険性がある。そのため、外部から管理者機能へのアクセスが可能な状態にしておかないことがベストだ。業務上外部からのアクセスが必要な場合は、パケットフィルタリング等の強固なアクセス制御をすべきである。

    ネットワーク診断結果

    NWカテゴリ結果の45.8%が「通信の安全性に関する問題」であった。その中の検出数トップ「推奨されない暗号化方式の受け入れ」に続いて検出数が多かった「推奨されないSSL/TLS通信方式の使用」に焦点をあてる。

    DROWN、POODLE、BEASTといった既知の脆弱性が存在するバージョンのSSL/TLSを使用した暗号化通信を許可していると、攻撃者に脆弱性を利用され暗号化通信の内容を解読される恐れがある。推奨対策としては、SSL 2.0、SSL 3.0もしくはTLS 1.0による暗号化通信の使用を停止し、TLS 1.2以上の通信保護に移行することである。

    さらに第3位「脆弱な証明書の検出」に注目し、強度の低いハッシュアルゴリズムを使用した証明書を使っている場合について述べる。強度の低いハッシュアルゴリズムは衝突攻撃に弱く、攻撃者が衝突攻撃によって元の証明書と同じ署名の証明書を作ることができ、なりすまし等の被害に繋がる可能性がある。また、主要なブラウザでは強度の低いハッシュアルゴリズムをサポートしておらず、環境によってはユーザがサイトを利用できなくなる可能性もある。よって、本番環境での運用には信頼された認証局から発行された強度の高い証明書が利用されていることを確認すべきである。

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