<インタビュー>門林 雄基 氏 / 奈良先端科学技術大学院大学 サイバーレジリエンス構成学研究室 教授【後編】

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国内外問わずセキュリティイベントに多くご登壇し、弊社で毎月1回開催している社内研修で、最新動向をレクチャーいただいている奈良先端科学技術大学院大学の門林教授。そんな門林教授に2022年のセキュリティニュースを振り返っていただき、今後の動向や予測について語っていただきました。前・後編の2回のうち、後編をお届けします。

(聞き手:BBSec SQAT.jp編集部)


サイバー攻撃の多様性

新たな攻撃の予想

━━今年はこれまでもすでに発見されていたが放置されてきた脆弱性が再発見されたり、新たに発見されたりした脆弱性を悪用したサイバー攻撃が話題になりました。それを踏まえ、今後新たな流行として予想される攻撃や今の時点で考えられる攻撃がありましたらどんなものがありますでしょうか?

門林:色々起きてますが、犯罪教唆にならない範囲で考えますと、クラウドとかでしょうか。クラウドはかなり巨大になってきていますので、問題は起きるかなとは思いますね。やはり色んな方がクラウドを使っていますよね。

━━そうですね。最近はテレワークの導入率も6割程度という調査結果も出ているという風に聞きます。

門林: 結局そのクラウドの方がちゃんとやっているから安全というように事業者の方はよくおっしゃるんですが、中小から大企業までみんながクラウドを使っているということは、当然反社もハッカー集団もクラウドを使っているわけです。だから隣のテナントは反社かもしれないという状況で、企業も何万社とあって、クラウド事業者側でもみえてないです。

門林先生インタビュー写真3

見通しが明るくない話ばかりになりますが、クラウドはほんとに色んな問題を抱えて走っています。もちろんその問題を抱えたうえでリスクを潰しながらオペレーションできればいいんですが。これもやはり10年ほどやってきている話で、進展も激しいですし、色々積み重なっています。結局古い問題がなくならないので、我々専門家も日々話題にする脆弱性で、これ10年前にも同じ話あったよねというのがもう頻繁に出てくるわけです。ですのでクラウドに関しても、おそらく5年前とか10年前にあった脆弱性のぶり返しと新しい攻撃キャンペーンが組み合わさるとなんか起こるだろうなと思います。

今できる共通の対策

━━今後もありとあらゆる攻撃が予想されるということがお話伺っていてわかりました。それぞれの攻撃に対しては、対策をとっていく、防御していくことが重要になってくることかと思いますが、今できる共通の対策として、まず何をすべきでしょうか?

門林:基本に忠実にやるということしかないです。新しいトピックだけ追いかける人が多いですが、サイバーセキュリティという領域が生まれてもう30年です。脆弱性データベースの整備も始まって30年くらいたっていると思います。で、そのなかに10年選手、5年選手あるいは15年選手の脆弱性があるわけです。マルウェアもわざわざ古いマルウェアを使うという攻撃もあるんです。古いマルウェアだと最近のアンチウィルスソフトでは検知しないからあえて使うなどという色々な話があって、結局新しいことだけに注目してニュースを追って新しい製品を買ってというようにやっていると、5年前とか10年前の脆弱性に足をすくわれると思うんです。ですのでここはもう基本に忠実にやるしかないわけです。

セキュリティ全般の話ですが、やはり30年分の蓄積があるので、それを検証できるだけのスキルを持っていなければいけないですし、なんなら製品ベンダーさんの方が基本的な話を知らなかったりしますからね。

どんな対策が有効?

━━リスク管理の原則という話も少し出ましたが、企業においては情報資産の棚卸しというところも重要になってくると思います。弊社では脆弱性診断サービスを提供していますが、こういったサイバー攻撃への対策として、脆弱性診断サービスは有効に働くでしょうか?

門林:この業界はぽっと出だと私は危ないと思っています。セキュリティ診断会社が裏で反社と繋がっていて脆弱性診断を結果流していたという話もあり得ない話ではないので、ちゃんとした会社に依頼するということが私は大事だなと思ってます。

BBSecさんはもう22年くらいやっているとのことですが、やっぱりそれくらいやってる会社じゃないとかなり重要なシステムの脆弱性診断とか任せられないんじゃないかなと思いますし、それだけやってらっしゃる会社さんだからこそ、昔の脆弱性や最近の脆弱性、あるいは5年10年前の脆弱性というところも経験があって、ある意味チェック漏れといいますか、抜け漏れみたいなのもないと思うんです。やはり脆弱性診断みたいな、セキュリティの話で”水を漏らさず”みたいなところに尽きると思うんです。水を漏らさずどういう風に検査するかというともう経験値が全てだと思うんです。色々なシステムを検査してきた経験値というのが今にいきていると思いますし、そういうの無しに最近できた会社なんですよといって診断されても、そこの製品、俺だったら簡単に迂回できるなと思ってしまいますね。

終わりに…

これからセキュリティ業界に携わりたい方に向けて

━━ありがとうございました。では最後に、これまでのトピックスを振り返りつつ、これからセキュリティ業界に携わって働いていきたいという方やすでにもう業界で経験がある方でこれからもっとステップアップしていきたいというSQAT.jp読者に対して、門林先生からのメッセージをいただければと思います。

門林:サイバーセキュリティというと、プログラミングとかそういうのに詳しい人だけと思われがちなんですが、そうではないんだということです。もう今は総力戦になってますので、プログラミングやセンサーに詳しい人も歓迎ですし、あるいは人間の心理とか社会学とかのスキルとかそういうのに詳しい人も歓迎ですし。結局人間の脆弱性、ソフトウェア・ハードウェアの脆弱性など色々なものがあるなかで、それらすべてに相対していかなければならないわけです。プログラミングやマルウェア解析がすごいという人だけではなくて、いろんな人に来ていただきたいなと思いますね。

あともう一つ大事なのは、やはり優しさです。パソコンに詳しい、俺はプログラミングがすごいだけではなくて、実際サイバー攻撃にやられてしまった現場に行っても、「大丈夫ですか?」とできる人、例えば、「ランサムウェアの現場大変ですね、何とか復号しましょう」、というように。きれいじゃない現場というのがたくさんあるように、これから人間の失敗の顛末みたいな所も目にすると思います。各社・各業界の事情もありつつ、失敗の形跡もありつつ、そういう所で火消しをする、手続きの話をするというかたちになるので、結局その現場に入る人、セキュリティの業界に入る人はやっぱり弱者の側に立たないといけないんです。

CTFとかそういうものをやってると優秀な人こそ勝つという感じの発想の人もいると思うんですが、私は、そういうゲーム的な「俺はサッカーが上手いからすごいんだ」という人が来てくれるよりは、むしろ消防あるいは看護婦・お医者さんのような弱者・敗者に寄り添うセンス、かつプログラミング・技術もできる、法律もハードウェアもできるといった、そういう人間としてのキャパシティーをもった人に来ていただきたいなと思います。「俺はこのツールが使えるんだすごいだろ」という感じの人はたくさんいる気がするので、そうではない側の人、人としての優しさを備えてかつテクノロジー・法律といった様々なスキルを研鑽していこうと思える人にきてほしいですね。

━━弊社は脆弱性診断診断サービス以外にもインシデント対応やコンサルティングの提供もしているので、そういう意味でも、技術力だけじゃなく、人間性みたいなところも比較的重要になってくるのかなと個人的にも思います。本日はありがとうございました。

ーENDー
前編はこちら


門林 雄基 氏
奈良先端科学技術大学院大学 サイバーレジリエンス構成学研究室 教授
国内外でサイバーセキュリティの標準化に取り組む。日欧国際共同研究NECOMAプロジェクトの日本研究代表、WIDEプロジェクトボードメンバーなどを歴任。


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セキュリティ診断の必要性とは?

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「セキュリティ診断」とは何か?セキュリティ診断には脆弱性診断、ソースコード診断、ペネトレーションテストなどの方法があります。今回は、企業にセキュリティ診断が不可欠な背景を説明します。また、診断以外のセキュリティ対策にも触れます。

セキュリティ診断の必要性とはのサムネ

サイバー攻撃や組織における管理またはシステムの設定不備・不足等が原因となり、機密情報等の漏洩事故および事件が相次いで発生しています。東京商工リサーチの調べによれば、上場企業とその子会社で起きた個人情報漏洩または紛失事故・事件件数は2021年で137件となり過去最多を更新しました。*1実際に企業がデータ侵害などの被害を受けてしまい、機密情報等の漏洩が発生してしまうと、システムの復旧作業に莫大なコストがかかるほか、データ侵害によるインシデントが信用失墜につながることで、 深刻なビジネス上の被害を引き起こします。被害を最小限に抑えるために、適切な事故予防、攻撃対策をとっていくことは、企業の重要な業務のひとつとなっています。

セキュリティ対策やセキュリティ診断は、企業にとっていまや基幹業務に不可欠であり、社会的責任でもあります。この記事ではセキュリティ診断の内容と必要性などを解説します。

セキュリティ診断とは? その必要性

セキュリティ診断とは、システムのセキュリティ上の問題点を洗い出す検査のことを指します。脆弱性診断、脆弱性検知、など呼び方もさまざまで、また対象によってソースコード診断、システム診断、Webアプリケーション診断、ペネトレーションテストなどに分類されます。

なお、複数の診断方法のうち、同様の診断をセキュリティベンダーや診断ツール提供者がそれぞれ微妙に異なる名称で呼んでいるケースもあります。

「セキュリティ診断」という用語は、単に「脆弱性診断」を指すこともあれば、セキュリティに関するさまざまな診断や評価全体を包括して「セキュリティ診断」と呼ぶ広義の使い方もあります。

「セキュリティ」には、情報セキュリティだけではなく、デジタル社会へのリスク対応全般が含まれる場合もありますが、「セキュリティ診断」という用語は、企業など組織の事業における(情報)セキュリティリスクの低減を主な目的とした検査のことをいいます。

資産である情報の「機密性」「完全性」「可用性」を守るため、セキュリティ診断を行うことで、情報セキュリティの観点からみた構造上の欠陥や、組織体制、あるいは運用上の弱点を見つけることができます。発見された問題に対し優先順位をつけて対策を実施することで、より堅牢なシステム・環境・体制を構築することができます。

企業に求められる情報セキュリティ対策の例

企業が実施するセキュリティ対策のうち、よく話題にあがるものをいくつかピックアップして説明します。

不正アクセス対策

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不正アクセスとは、本来アクセス権限を持たない者が、何らかの手段を用いて第三者の情報にアクセスすることをいいます。なりすまし不正侵入といった形が一般的です。不正アクセスによって、個人情報や知的財産が奪われる、サーバやシステムが停止するなど、企業活動に影響するリスクが生じます。不正アクセスに対しては、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」によって、アクセス管理者にも次の管理策を行う義務が課されています(ただし、罰則はありません)。
・識別符号の適切な管理
・アクセス制御の強化
・その他不正アクセス行為から防御するために必要な措置
セキュリティ診断を通じてシステムに存在する弱点を洗い出し、発生箇所を特定することで、こうした不正侵入などへの対策を立てやすくする効果があります。

脆弱性対策

脆弱性とは、一つ以上の脅威によって付け込まれる可能性のある資産または管理策の弱点をいいます。脅威とは、「システム又は組織に損害を与える可能性がある、望ましくないインシデントの潜在的な原因」で、いわばシステムにおけるバグのようなものです。それらの脆弱性は、「危険度を下げる」「蔓延を防ぐ」「影響度を下げる」ことで、悪用されにくくすることができます。

脆弱性対策とは、これらの角度からシステムの欠陥をつぶしていく行為ともいえます。利用しているソフトウェアの既知の脆弱性をアップデートやパッチの適用で常に最新版に保ったりすることや、システム開発の場面でそもそも脆弱性を作りこまないように開発することなどが、その典型例です。

標的型攻撃対策

近年、「高度標的型攻撃(APT)」と呼ばれる、新しいタイプの攻撃が警戒されるようになりました。もともと、標的型攻撃とは、特定の企業や組織に狙いを定めてウイルスメールを送るなどの攻撃を仕掛けるものでしたが、高度標的型攻撃は、特定のターゲットに対して長期間の調査と準備を行い、ときには社内のネットワーク構成図や会社組織図、キーパーソンの休暇の取得状況まで調べ上げたうえで、サイバー攻撃を仕掛けてきます。

標的型攻撃対策のサムネ

従来、標的型攻撃の対策としてはセキュリティ意識を高める訓練が主でしたが、今では「侵入されること」を前提に、セキュリティ機器を使った多層防御システムを構築することの大切さが、広く認識されるようになってきました。高度標的型攻撃に特化したセキュリティ診断を受けることで、攻撃被害スコープを可視化したり、脅威リスクのシミュレーションを行うことができます。

運用を含むリスクアセスメント

システムが技術的に強固に守られていても、アクセス用のIDとパスワードを付箋紙に書いてモニターに貼り付けていたら、安全は保たれるべくもありません。

システムなど技術的側面からだけでなく、作業手順や業務フロー、作業環境、組織のルールなどの運用面も含めてリスク評価を行うことを「リスクアセスメント」と呼びます。リスクアセスメントを通じて、リスクの棚卸による現状把握ができ、優先順位をつけて改善策を講じていくことが可能になります。

セキュリティ診断の方法と種類

セキュリティ診断の分類はいくつかあります。
<診断対象による分類>
 ・Webアプリケーション脆弱性診断
 ・ネットワーク脆弱性診断
 ・ソースコード診断
 ・スマホアプリ脆弱性診断
 ・ペネトレーションテスト
 ・クラウドセキュリティ設定診断
 ・IoT診断

<ソースコードや設計書の開示の有無による分類>
 ・ホワイトボックステスト
 ・ブラックボックステスト

<診断実施時にプログラムを動かすかどうかによる分類>
 ・動的解析
 ・静的解析

ホワイトボックステスト/ブラックボックステスト、動的解析/静的解析については、SQAT.jpの以下の記事でご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。
「脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方」

Webアプリケーションセキュリティ診断

Webアプリケーションに対して行う診断です。事業活動に欠かせないWebサイトはデータの宝庫です。ハッキング対象の約7割がWebサイトであるともいわれています。ひとたびデータ侵害が起こると、事業継続に影響を与えかねないインシデントを引き起こすリスクがあります。

ネットワークセキュリティ診断

サーバ、データベース、ネットワーク機器を対象として脆弱性診断やテスト、評価を行います。搭載されているOS、ファームウェア、ミドルウェアなどのソフトウェアについて、最新版か、脆弱性がないか、設定に不備がないかなどを確認します。ネットワークの脆弱性対策をすることで、サーバの堅牢化を図る、不正アクセスを防止するなどの効果を得られます。

ソースコードセキュリティ診断

WEBアプリケーションは、プログラムの集合体であり、脆弱性はプログラム処理におけるバグであるといえます。入力チェックやロジック制御に、バグ(考慮不足)があるから、想定しない不具合が発生すると考え、プログラムコード(ソースコード)を調べていくのがソースコード診断です。ソースコード診断はプログラムに対するセキュリティ観点でのチェックであるとともに、開発工程の早い段階で、脆弱性を検出することが可能になります。

セキュリティ診断で未然に事故を防ごう

セキュリティ診断で未然に事故を防ごうのサムネ

セキュリティ診断のひとつとして挙げた脆弱性診断には、さまざまな診断ツールが存在しており、無料で入手できるものもあります。しかしツールの選定や習熟には一定の経験や知見が求められ、そもそも技術面だけでは企業のセキュリティを確保することはままなりません。セキュリティの専門会社の支援を受けて、客観的な評価やアドバイスを受けるのも有効な手段です。

セキュリティ専門会社による脆弱性診断を実施することで、日々変化する脅威に対する自システムのセキュリティ状態を確認できるため、適時・適切の対策が可能です。予防的コントロールにより自組織のシステムの堅牢化を図ることが事業活動継続のためには必須です。

まとめ

  • Webアプリケーションセキュリティ診断、ネットワークセキュリティ診断、ソースコード診断、セキュリティに関するさまざまな診断やテストが存在する
  • 不正アクセスなどの攻撃を防ぐためシステムの脆弱性を見つけて対策することが必須
  • 技術的対策だけでセキュリティを担保することは難しい
  • 人間の脆弱性や業務運用までを含む包括的な視点で組織にひそむリスクを洗い出すことも重要
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今、危険な脆弱性とその対策
―2021年上半期の診断データや攻撃事例より―

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キーボードと虫眼鏡

私たちの生活を支えるWebサイトは、攻撃者からみると、個人情報や機密情報などデータの宝庫であり、魅力的なターゲットになってしまっています。その理由は、Webサイトの多くに脆弱性が存在していることがあるためです。

本記事では、診断会社として多くの企業・組織への診断実績がある弊社の視点で、2021年上半期の診断結果、また攻撃事例などを振り返り、脆弱性対策に有効な手段を考えます。

Webサイトはなぜ狙われる?
―そこに脆弱性があるから

ハッカーがターゲットにしている対象のグラフデータ(The 2021 Hacker Reportより)

サイバー攻撃の対象は、Webサイトが最も高く、ハッカーのほとんどがWebサイトを攻撃しているといっても過言ではありません。

私たちの生活は公私共に、Webシステムに支えられており、Webサイトは個人情報や機密情報の宝庫です。そして、残念ながらWebサイトの多くには脆弱性が存在していることがあります。宝の山に脆弱性があるとなれば、悪意ある者に狙われてしまうのは当然といえます。

2021年上半期Webアプリケーション脆弱性診断結果

弊社では、様々な脆弱性診断メニューをご提供しております。その中で最もニーズの高いWebアプリケーション脆弱性診断について、2021年上半期(2021年1~6月)の結果をご紹介いたします。この半年間で14業種のべ610社、3,688システムに対して診断を行いました。

業種やシステムの大小にかかわらず、多くのWebアプリケーションになんらかの脆弱性が存在しています。検出された脆弱性をカテゴリ分けした内訳は円グラフのとおりです。

上半期診断結果脆弱カテゴリ別の円グラフ

このうち、例として、4割近くを占める「システム情報・ポリシーに関する問題」と、1割強程度ではあるものの、危険度の高い脆弱性が目立つ「入出力制御に関する問題」に分類される脆弱性の検出数をご覧ください(下記、棒グラフ参照)。

既知の脆弱性が検出されている、あるいはすでにベンダサポートが終了しているバージョンのOSやアプリケーションソフトの使用が数多く見られます。また、Webアプリケーションにおける脆弱性の代表格ともいえる「クロスサイトスクリプティング」や「SQLインジェクション」は、いまだ検出され続けているのが現状です。こうした脆弱性を放置しておくとどうなるか、実際に発生したインシデントの例を見てみましょう。

脆弱性を悪用した攻撃事例1:
既知の脆弱性が存在するWordPress

脆弱性のあるWordPressの悪用例

Webサイトの構築を便利にするCMS(Contents Management System)のうち、WordPressは世界でダントツのシェア40%以上を誇っています(CMS不使用は約35%、その他のCMSはすべて一桁パーセント以下のシェアです)*2。CMSの代名詞といえるWordPressですが、その分サイバー攻撃者の注目度も高く、脆弱性の発見とこれに対応したアップグレードを常に繰り返しています。

2021年に入ってからも10件以上の脆弱性が報告*2されているほか、国内でもWordPressを最新バージョンにアップデートしていなかったことで不正アクセスを受けたとの報告*3が上がっています。

脆弱性を悪用した攻撃事例2:SQLインジェクション

その対策が広く知れ渡っている今でも、「SQLインジェクション」は診断結果の中に比較的検出される項目です。

出典:IPA「安全なウェブサイトの作り方 – 1.1 SQLインジェクション
SQLインジェクション攻撃による国内情報流出事例

2021年も、実際にSQLインジェクション攻撃を受けたという報告*4が複数上がっています。

「SQLインジェクション」や「クロスサイトスクリプティング」のような、比較的知られている脆弱性に起因するインシデント事例は、企業のセキュリティ対策姿勢が疑われる結果につながり、インシデントによる直接的な被害だけでは済まない、信用の失墜やブランドイメージの低下といった大きな痛手を受ける恐れがあります。

最も危険な脆弱性ランキング

最も悪用された脆弱性ワースト30

脆弱性対策は世界的な問題です。2021年7月、アメリカ、イギリス、オーストラリア各国のセキュリティ機関が、共同で「Top Routinely Exploited Vulnerabilities(最も悪用されている脆弱性)」の30件を発表しました。

出典:https://us-cert.cisa.gov/ncas/alerts/aa21-209aより弊社作成

2021年にかけてサイバー攻撃グループが悪用していることが示唆されているものが多く含まれており、いまだ世界中の多くの企業や組織では、前述の脆弱性に対して未対応であることがうかがえます。

上記一覧からおわかりのとおり、ほとんどが、業務利用されているおなじみの製品群です。リモートワークの促進やクラウドシフトといったIT環境の変化が、既知の脆弱性に悪用する価値を与えているのです。各セキュリティ機関は、特にVPN製品に関する脆弱性に警鐘を鳴らしています。

思い当たる製品がある場合は、まずは侵害の痕跡(IoC:Indicator of Compromise)があるか確認し、必要に応じて対処する必要があります。そして可能な限り早急にパッチを適用する必要があります。いずれの製品にもセキュリティパッチがリリースされています。

最も危険なソフトウェアエラー 「CWE TOP25」2021年版

危険な脆弱性に関する情報として、米MITRE社より、「2021 CWE Top 25 Most Dangerous Software Weaknesses(最も危険なソフトウェアエラーTop25 2021年版)」も発表されています。CWE(Common Weakness Enumeration)は、ソフトウェアにおける共通脆弱性分類です。脆弱性項目ごとに一意のIDが決められ、そのタイプごとに体系化されています。

出典:https://cwe.mitre.org/top25/archive/2021/2021_cwe_top25.html より弊社翻訳

前年度と比較して順位を上げている項目については、特に脅威が高まっていると言えます。自組織のセキュリティの弱点と関係しているかといった分析や優先的に対策すべき項目の検討などに役立つ情報です。

脆弱性の対策に有効な手段とは?

多くのWebサイトに脆弱性が存在していることについて述べてまいりました。脆弱性の放置は、サイバー攻撃を誘発し、事業活動に甚大な影響を及ぼしかねません。たとえサイバー攻撃をすべて防ぎきることはできないにしても、セキュリティ対策をどのように講じてきたかという姿勢が問われる時代です。基本的なセキュリティ対策を怠っていたばかりに、大きく信頼を損ねる結果とならないようにしたいものです。

Webサイトにおける脆弱性の有無を確認するには、脆弱性診断が最も有効な手段です。自組織のセキュリティ状態を把握して、リスクを可視化することが、セキュリティ対策の第一歩となります。脆弱性診断を効果的に行うコツは、「システムライフサイクルに応じて」「定期的に」です。脆弱性の状況は、新規リリース時や改修時ばかりでなく、時宜に応じて変化することに注意が必要です。

変化という意味では、脆弱性情報のトレンドを把握するのも重要です。この点、様々なセキュリティ機関やセキュリティベンダなどが情報配信を行っていますので、最新状況のキャッチアップにご活用ください。

弊社では昨年8月に「テレワーク時代のセキュリティ情報の集め方」と題したウェビナーで、情報収集の仕方やソースリストのご紹介をしておりますので、ぜひご参考にしていただければと思います。

リスク評価、セキュリティ対策検討の初動である、脆弱性診断および脆弱性情報の収集が、健全な事業活動継続の実現に寄与します。

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APT攻撃・ランサムウェア
―2021年のサイバー脅威に備えを―

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2021年の半分が終わりましたが、世界に衝撃を与えたセキュリティに関するトピックスと言えば、「APT攻撃」と「ランサムウェア」の二つが該当するでしょう。本記事ではこの二つのキーワードについて最新の攻撃事例をまとめてご紹介。被害を抑えるために有効な対策の考え方のポイントを解説していきます。

サイバー攻撃の種類

まず、意味を混同されがちな「フィッシング」「標的型攻撃」「APT攻撃」「ランサムウェア」という4つの攻撃についておさらいしましょう。また、過去記事の「サイバー攻撃を行う5つの主体と5つの目的」にも表を掲載しておりますので、あわせてご参照ください。

キーワード概要
フィッシング偽サイトやそこに誘導するメール等によって、無差別に被害者が罠にかかるのを待つサイバー攻撃
標的型攻撃特定のターゲットに的を絞り、実行されるサイバー攻撃
APT攻撃Advanced Persistent Threatの略。日本語では持続的標的型攻撃などと訳される。長い時間をかけて準備され、継続して行われる非常に高度な攻撃で、発覚に数年かかることもある
ランサムウェアファイルを暗号化することで、元に戻す復号化のための身代金を要求するマルウェア(悪質なソフトウェア)

こうしたサイバー攻撃は以前からありましたが、従来無差別に行われていたフィッシングはスピアフィッシングという高度にカスタマイズされた標的型の手法が展開されたり、ランサムウェアもばらまき型から標的型へシフトしたりするなど、近年は明確な目的を持った標的型の攻撃が増加傾向にあります。その中でも、2020年以降、特に取り沙汰されることが多くなったのが「APT攻撃」と「ランサムウェア」の二つです。

「APT攻撃」と「ランサムウェア」

脅威① APT攻撃

「APT攻撃」の最も大きなトピックスとしては2020年12月に起きたSolarWinds社のOrion Platformに端を発した史上最大規模のサプライチェーン攻撃*5があります。このサイバー攻撃については2021年6月現在でも収束に向けた努力が続けられており、先日もアメリカの政府機関が、ロシア対外情報庁(SVR)が支援する攻撃グループ、「APT29」の関与を発表*2するなどの進展を見せています。

下表は最近報告されたAPT攻撃事例の一部をまとめたものです。

APT攻撃の報告事例(2020年12月~2021年4月)
発表時期関連が疑われる攻撃者概要
2020年12月APT29およびロシア対外情報庁SolarWinds社のOrion Platformへの攻撃に端を発したサプライチェーン攻撃。悪意あるアップデートを介して行われ、多数の政府機関や企業を含めた組織に影響を与えた。
2020年12月TA453Charming Kittenなどとも呼ばれる攻撃グループによる、米国やイスラエルの医療専門家を標的にしたフィッシング攻撃*3。12月に確認されたキャンペーンは「BadBlood」という名称で知られている。
2021年1月APT34イランが関与しているとされるグループ「APT34」が偽の求人情報を用いてバックドアの新たな亜種を設置する攻撃*4を実施。
2021年3月APT10およびBlackTech日本の製造業を狙う攻撃キャンペーン「A41APT」が2019年~2020年に観測された*5。攻撃にはマルチレイヤーローダー「Ecipekac」が用いられた。
2021年3月中国政府が支援しているとされるAPTグループ米国、欧州、および東南アジアの主要通信企業をターゲットに5G技術に関連する情報を盗み取ることを目的とした攻撃*6。「オペレーション Diànxùn」と名付けられたスパイキャンペーン。
2021年4月未発表Fortinet社のネットワーク製品に組み込まれたFortiOSを狙った攻撃*7
2021年4月Tickおよび中国軍「61419部隊」JAXA(宇宙航空研究開発機構)へのサイバー攻撃および、国内約200の企業への攻撃に関与していると警察庁長官が発表*8した。

APT攻撃を行うグループは、国家規模の支援を受けるグループが多く、その手口も洗練されており、攻撃を受けたとしても気づけず、発覚までに時間がかかることもあるのが特徴の一つです。彼らの多くは、国家的利益や、標的国家に損害を与えることを目的としていますが、少数派ながら金銭目的で活動するグループも存在します。

こうしたグループの場合は、金融機関などを狙うこともあります。彼らは入念に情報を収集し、得た情報を用いてネットワーク上のみならず、人的あるいは物理的な攻撃手段までをも検討し、綿密な攻撃計画を立てたうえで攻撃を行います。そして攻撃を成功させたなら、攻撃が露見しないようにひそやかに活動を続け、長期にわたって被害組織から情報を窃取するなどの攻撃を続けます。彼らは自分たちが攻撃した痕跡を消してしまうこともあるため、一度攻撃を受ければどれだけの期間、どれだけの影響範囲で攻撃を受けていたのかを突き止めるのは困難となります。加えて、APT攻撃グループは入念な情報収集から、標的組織の脆弱な部分を割り出して狙うことが多く、その特性からサプライチェーン攻撃となることもあります。

例えば、特定の複数の金融機関をターゲットとしたものの、セキュリティ対策が強固であったために直接的な攻撃が困難なケースを想定します。しかし、情報収集の段階でそれら金融機関が共通の管理ソフトウェアを使用していることが判明したため、当該ソフトウェアの提供元を攻撃し、ソフトウェアアップデートを改竄することで、標的の金融機関を一斉にマルウェア感染させる、といったサプライチェーン攻撃が実行可能となります。

脅威② ランサムウェア

一方、「ランサムウェア」についてはアメリカの大手石油パイプライン運営企業のColonial Pipeline社が、ランサムウェアによるサイバー攻撃を受け*9、5日にわたってシステムを停止することになった事件がありました。その結果、ガソリンを求める市民がガソリンスタンドに押し寄る事態に発展し、米運輸省は混乱鎮静のために燃料輸送に関する緊急措置導入を発表*10するなどして対応しました。こうしたことからも、社会インフラを襲ったこのサイバー攻撃の影響度をはかることができます。

ランサムウェア攻撃の報告事例(2020年12月~2021年6月)
時期 被害組織 ランサムウェア 概要
2020年12月
2021年1月
教育機関や
通信企業等
Cl0p ファイル転送アプライアンスである「Accellion FTA」の脆弱性を悪用するランサムウェア*11。攻撃グループは、奪取したデータの証拠として機密情報を含むいくつかのファイルを流出させた。
2021年3月 広範囲に及ぶ DearCry 「WannaCry」に類似したランサムウェアでMicrosoft Exchange Serverの脆弱性を悪用する*12
2021年5月 Colonial Pipeline DARKSIDE 攻撃されたことによってシステムが5日間停止した。同社は東海岸へのガソリン、ディーゼル、ジェット燃料の大部分を担っており大きな問題となった。
2021年5月 アメリカ国内の医療機関や警察、自治体 Conti FBIが昨年1年間でアメリカ国内の医療機関や警察、自治体を標的としたContiによるランサムウェア攻撃を少なくとも16件確認したと発表*13している。
2021年6月 JBS REvil ブラジルの食肉加工大手企業JBSのアメリカ部門が攻撃*14された。アメリカやオーストラリアの食肉工場の操業が停止になった。
2021年6月 国内精密化学企業 未発表 同社は6月1日夜に不正アクセスを認識し、2日にランサムウェアによる攻撃であると発表*15した。


ランサムウェアは、その存在自体は前世紀から存在しており、猛威を振るうようになったのは2005年以降ですが、ここ数年で大きく変化しています。2021年現在の主流となっているランサムウェアの特徴の一つがRaaS(Ransomware-as-a-Service)であることです。

これは、ランサムウェアがダークウェブ上で利用できるサービスとして提供されているというものです。RaaSの中には、身代金要求額の算定や、標的選定の支援、提供する開発グループからカスタマーサービスを受けられるものすらあります。RaaSを利用する攻撃者は、得た身代金の何割かを開発者に取り分として渡すことになっている場合もあり、ランサムウェアがビジネスとしてサービス化されています。こうしたサービスの登場により、高度な技術的知識がなくても攻撃者がランサムウェアを扱えるようになり、ランサムウェアビジネスに参入する攻撃者が増加しているとみられています。

また、ダークウェブ上にアップローダーを持つことがトレンドとなっている点も大きな変化です。これは従来のようにただ脅迫するのではなく、攻撃した企業から窃取した情報の一部を用意したアップローダーに公開することで、「身代金の支払いをしなければ、情報を漏えいさせる」と脅し、身代金要求の圧力を強める役割を持っています。こうしたランサムウェアは「二重脅迫型」と呼ばれています。また、「身代金要求に応じなければさらにDDoS攻撃を行う」といった脅迫をするケースも現れており、こうしたものも含めて「他重脅迫型」とも呼ばれることもあります。

現在のランサムウェアは、犯罪ビジネスとして洗練されてきており、今後も攻撃は拡大すると予測されます。

「APT攻撃」と「ランサムウェア」の共通点

国家規模の支援を受けて行われるAPT攻撃と、金銭目的で行われるランサムウェアに、共通点は少ないように思えます。しかし、2021年現在、両者には非常に大きな共通点がみられます。それは資金的・人的リソースが豊富で、高度で洗練された攻撃手法を確立しているという点です。

ランサムウェア市場はRaaSによって参入障壁が下がったこともあり、これまで別の犯罪ビジネスを行っていた組織が参入していると考えられ、また高額な身代金要求によって、豊富な資金が攻撃者の手にわたっています。資金と人的リソースが確保できたことで、ランサムウェア攻撃はさらに高度化が進み、従来の単純な攻撃モデルから、今やAPT攻撃に近しいレベルにまで洗練させたビジネスモデルへと変貌を遂げています。特定の組織や企業を標的としたランサムウェア攻撃の脅威はAPT攻撃に匹敵するものとなっており、より一層の警戒が必要です。

APT攻撃・ランサムウェアに有効な対策

APT攻撃にせよ、ランサムウェアにせよ、いまや完璧な防御を望むのは困難となっています。こうした脅威への対策における重要なポイントは2つあります。

① 「攻撃・侵入される前提」で取り組む
 こちらについては、「拡大・高度化する標的型攻撃に有効な対策とは
―2020年夏版
」にある「侵入」「侵入後」の対策の確認方法もあわせてご覧ください。

侵入への対策
目的:システムへの侵入を防ぐ
  侵入後の対策
目的:侵入された場合の被害を最小化する
・多要素認証の実装 ・不要なアカウント情報の削除(退職者のアカウント情報など)
・公開サーバ、公開アプリケーションの脆弱性を迅速に発見・解消する体制の構築
・VPNやリモートデスクトップサービスを用いる端末
・サーバのバージョン管理(常に最新バージョンを利用) ・ファイアウォールやWAFによる防御 など 
  ・社内環境におけるネットワークセグメンテーション
・ユーザ管理の厳格化、特権ユーザの限定・管理(特にWindowsの場合)
・侵入検知(IDS/IPSなど)、データバックアップといった対策の強化
・SIEMなどでのログ分析、イベント管理の実施
・不要なアプリケーションや機能の削除・無効化
・エンドポイントセキュリティ製品によるふるまい検知の導入
対策の有効性の確認方法
・脆弱性診断
・ペネトレーションテスト
  ・ペネトレーションテスト

②侵入を前提とした多層防御が重要
 あらためて、多層防御の状況を点検し、攻撃耐性を高めていくことが求められています。こちらについては、「高まるAPT攻撃の脅威」もあわせてご覧ください。

・標的型攻撃メール訓練等による社員のセキュリティ
・教育インシデント時の対応フロー・ポリシー・ガイドラインの整備策定・見直し
・情報資産の棚卸

今年は1年延期されていた東京オリンピック/パラリンピックの開催が予定されています。こうした世界的イベントはサイバー攻撃の恰好の標的であり、攻撃者にとっては準備期間が1年余分に確保できていたことにもなります。セキュリティ対策が不十分な組織は、7月から8月にかけて発生が予想される様々なサイバー攻撃に対して脆弱となり得る可能性があります。攻撃・侵害されることが前提の時代において、被害を受けてから慌てて対応するのではなく、予防的対策をしっかり行い、かつセキュリティ事故発生時に影響を最小限に抑えられる体制および環境作りを心掛けましょう。

参考情報:
https://www.jpcert.or.jp/research/apt-guide.html
https://www.ipa.go.jp/archive/security/security-alert/2020/ransom.html


BBSecでは

当社では以下のようなご支援が可能です。

<侵入前・侵入後の対策の有効性確認>

<APT攻撃・ランサムウェアのリスクを可視化>+
<資産管理>

<セキュリティ教育>

標的型攻撃メール訓練

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中小企業がサイバー攻撃の標的に!
Webサイトのセキュリティ対策の重要性
―個人情報保護法改正のポイント―

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2022年(令和4年)4月1日に改正個人情報保護法(令和2年改正法)の全面施行が予定されています。いま、攻撃者にとって格好のターゲットとなるWebサイトを狙ったサイバー攻撃は、大企業のみならず中小企業も狙われており、サイバーセキュリティに対する意識が低いなどセキュリティ課題が明らかになっています。本記事では、個人情報保護法改正の全面施行に向け、改正点を解説し、最新のサイバー攻撃の種類と手口、セキュリティ対策を改めて整理します。

サイバー攻撃や組織における管理またはシステムの設定不備・不足等が原因となり、個人情報を含む機密情報の漏洩事故および事件が相次いで発生しています。東京商工リサーチの調べ*3によれば、2020年に上場企業とその子会社で個人情報漏洩または紛失事故・事件を公表したのは88社、漏洩した個人情報は約2,515万人分とされています。個人情報の漏洩または紛失事故・事件は年々増加の傾向にあり、同社の調査結果を見ても2020年は社数では最多、事故・事件の件数は2013年に次いで過去2番目に多い水準となっています。

出典:東京商工リサーチ「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2020年)

改正個人情報保護法への対応

個人情報の保護においては、2022年(令和4年)4月1日に改正個人情報保護法(令和2年改正法)の全面施行が予定されています。また海外でも法の整備が進んでおり、日本企業と関連性の深いところでは、例えば8月にブラジル個人情報保護法(LGPD)、2022年6月頃にタイ個人情報保護法(PDPA)の施行があります。多くの組織にとって、自組織やサプライチェーン内の関係組織かを問わず、国内外における個人情報保護体制の整備・見直しが必要であり、改正個人情報保護法への対応は重要課題の一つといえるでしょう。

個人情報保護法改正のポイント

個人情報保護法の主な改正点は以下のとおりです。

また、これら以外ではデータの利活用が促進されることもポイントです。この観点からは「仮名加工情報」について事業者の義務が緩和されることと、情報の提供先で個人情報となることが想定される場合の確認が義務化されることが定められました。企業のWebサイトでは利用者の閲覧履歴を記録する仕組みとしてCookieを使用し、デジタルマーケティング等に活用しているところも多いでしょう。Cookieにより取得されるデータは他の情報と照合するなどして個人の特定につながり得るため、保護を強化する声が高まっていたこともあり、改正個人情報保護法では取り扱いに慎重を期するよう求めています。

中小企業を狙ったサイバー攻撃

Cookieのみならず、Webサイトでは個人情報や決済情報など、様々な機密扱いの重要情報を取り扱っていることがあります。それらが漏洩する事故・事件が発生した場合、組織は金銭的損失や信用失墜に陥るだけでなく、個人情報の所有者(本人)から利用停止・消去請求があった場合には「情報資産」も失う可能性があります。

サイバー攻撃においてWebサイトが格好のターゲットであることはご存知のことでしょう。また、攻撃者に狙われるのは大企業ばかりではありません。経済産業省からの報告資料*4によれば、全国の中小企業もサイバー攻撃を受けていることが明らかになっています。というのも、中小企業の多くは大企業に比べてサイバーセキュリティに対する意識が低く、被害者になると考えていないことから攻撃を受けていること自体に気付いていなかったり、セキュリティに対する知識や対策に必要な資源が不十分であるために原因の特定や対策の実施が困難だったりするためです。

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が2021年3月に公開した「小規模ウェブサイト運営者の脆弱性対策に関する調査報告書」では、小規模Webサイトの運営およびセキュリティ対策、さらには脆弱性対策の実態を調査したアンケート結果とそれに対する見解が述べられています。

IPAが調査の中で、サイバー攻撃の対象となり得る、脆弱性を作りこむ可能性があるWebサイトの機能・画面を選定し、それらが実装されているかを確認したところ、「ユーザによるフォームの入力(問合せ、掲示板等を含む)」が56.5%、「サイト内の検索と結果表示」が36.9%、「ユーザへのメール自動送信」が36.9%、「入力された情報の確認のための表示」が34.6%で上位を占めました。なお、これらはWebサイトの規模の大小にかかわらず多くのWebサイトに共通して実装されている機能・画面であり、当社の脆弱性診断でも検査の対象となっているものです。

Webサイトのセキュリティ対策において、脆弱性を可能な限り作りこまない設計となっているか、脆弱性を発見するための情報収集や検査は実施しているか、対応するための体制や仕組みはあるか、といった事柄はとても重要になります。

中小企業がより危険視されているのは、こうした事柄を実現するための「人員が足りない」「予算が確保できない」といった課題(下図参照)があり、さらにセキュリティ対策に関する知識不足や、意識の甘さがあることからサイバー攻撃のターゲットになりやすいことが理由に挙げられます。また、脆弱性に関する知識についても、情報漏洩につながる危険性のある「SQLインジェクション」や「OSコマンドインジェクション」等について具体的な内容を知らないという回答が約50%~60%に上りました。

出典:IPA「小規模ウェブサイト運営者の脆弱性対策に関する調査報告書

サイバー攻撃の種類と手口

サイバー攻撃は多種多様なものが存在しますが、最近では特に次のような攻撃が大きな問題となっています。

① 分散型サービス運用妨害(DDoS)攻撃
  攻撃対象に対して複数のシステムから大量の通信を行い、
  意図的に過剰な負荷を与える攻撃
② ランサムウェア攻撃
  データを暗号化したり機能を制限したりすることで使用不能な状態にした後、
  元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求するマルウェアによる攻撃
③ ビジネスメール詐欺
  従業員や取引先などになりすまして業務用とみられる不正なメールを送ることで
  受信者を欺き、金銭や情報を奪取する攻撃
④ Webサービスからの個人情報窃取
  Webサービス(自社開発のアプリケーションや一般的に使用されているフレームワーク、
  ミドルウェア等)の脆弱性を突いて、個人情報を窃取する攻撃
  ※前段で触れた、情報漏洩につながる危険性がある
  「SQLインジェクション」や「OSコマンドインジェクション」もこれに分類されます。

それぞれの攻撃の目的および手口や対策の例を以下にまとめました。金銭的利益は攻撃目的の大半を占めますが、それ以外を目的とした攻撃も多数確認されています。その他代表的な攻撃や目的については、「サイバー攻撃を行う5つの主体と5つの目的」で参照いただけます。

Webサイトの脆弱性対策

改正個人情報保護法の全面施行に向けて、組織は個人情報をさらに厳格に管理する必要があります。前述のとおり、6か月以内に消去する短期保存データも「保有個人データ」に含まれるようになるため、例えば、期間限定のキャンペーン応募サイトなども今後は適用範囲内となります。公開期間は短くとも、事前にしっかりとセキュリティ対策の有効性を確認しておく必要があるでしょう。

情報の安全な管理を怠り流出させた場合、それが個人情報であれば罰則が適用される可能性があり、取引先情報なら損害賠償を要求されることが想定されます。また、ひとたびセキュリティ事故が起これば、企業の信用問題にも陥りかねません。

2021年3月にIPAが公開した「企業ウェブサイトのための脆弱性対応ガイド」では、脆弱性対策として最低限実施しておくべき項目として以下7つのポイントを挙げています。

(1) 実施しているセキュリティ対策を把握する
(2) 脆弱性への対処をより詳しく検討する
(3) Webサイトの構築時にセキュリティに配慮する
(4) セキュリティ対策を外部に任せる
(5) セキュリティの担当者と作業を決めておく
(6) 脆弱性の報告やトラブルには適切に対処する
(7) 難しければ専門家に支援を頼む

脆弱性対策を行うためには、まずWebサイトに脆弱性が存在しているかを確認することから始めましょう。脆弱性診断を行い、Webサイトのセキュリティ状態をきちんと把握することで内包するリスクが可視化され、適切な対応を講じることが可能となります。また、Webサイトの安全性を維持するには、定期的な診断の実施が推奨されます。定期的な診断は、新たな脆弱性の発見のみならず、最新の攻撃手法に対する耐性の確認やリスク管理にも有効です。

セキュリティ対策を外部の専門業者に依頼する場合に、「技術の習得や情報の入手・選別が難しい」といった課題もあります。弊社では昨年8月に「テレワーク時代のセキュリティ情報の集め方」と題したウェビナーで、情報収集の仕方やソースリストのご紹介をしておりますので、ぜひご参考にしていただければと思います。

Webサイトは、いまや企業がビジネスを行う上で不可欠なツールの一つとなっている一方で、安全に運用されていない場合、大きな弱点となり得ます。脆弱性対策を行い、セキュリティ事故を未然に防ぐ、そして万が一攻撃を受けた際にも耐え得る堅牢なWebサイトを目指しましょう。

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サイバー攻撃を行う5つの主体と5つの目的

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サイバー攻撃とは、コンピュータやネットワーク、Webアプリケーションの脆弱性などを利用し、情報の窃取やデータの改ざん、業務妨害、破壊活動などを行うことです。さまざまなサイバー攻撃の種類がありますが、個別の攻撃方法を理解すること以上に重要なのが、「誰が」「なぜ」その攻撃を行うかです。この点を理解することで、より効果的な対策を考えることが可能になります。

「サイバーテロ」「サイバー保険」そして今回のテーマである「サイバー攻撃」など、「サイバー」はコンピュータやインターネットに関連する物事を示す際の接頭辞として用いられますが、元々はアメリカの数学者ノーバート・ウィーナーが提唱した「Cybernetics:サイバネティクス(人工頭脳学)」という学問から生まれた言葉です。

サイバー攻撃は種類よりも攻撃主体と目的が重要

ひとたび「サイバー攻撃」でインターネット検索すれば、おびただしい数のサイバー攻撃の種類が一覧で表示され、詳しく解説されています。

しかし、たとえばあなたの家の窓が石を投げ込まれて割られた際に、その石の種類や名前、あるいは石を窓に投げ込む際に使用した器具のことを詳しく知りたいと思うでしょうか。まずは「誰が」「何の目的で」石を投げたのかが気になるに違いありません。

よく耳にするサイバー攻撃としては以下のようなものがあります。

APT攻撃 様々な攻撃手法を用いて、高度かつ継続的に侵入を試み、目的を達成する。
サプライチェーン攻撃 様々な攻撃手法を用いて、サプライチェーンの中の弱点を狙って、サプライチェーンの内部に侵入することを目的とする。最終的にAPT攻撃に発展することや、ランサムウェア攻撃に発展することも。
ランサムウェア あらゆるサイバー攻撃手法を用いてデータを暗号化し、身代金を要求する攻撃。APT攻撃やサプライチェーン攻撃の目的としての破壊活動につながる可能性もある。
ビジネスメール詐欺 巧妙ななりすまし、メールアドレス乗っ取りなどを中心とした各種のサイバー攻撃。

サイバー攻撃 5つの攻撃主体

サイバー攻撃は誰が行うのでしょうか。いろいろな考え方や分け方がありますが、以下では、大きく5つに分けて解説します。

1.愉快犯や悪意のある個人

このグループに分類される攻撃主体の特徴は攻撃に継続性がないことです。「愉快犯」とは、「標的型攻撃とは?」で解説したとおり、趣味や知的好奇心、技術検証など、悪意の伴わない迷惑行為が特徴です。多くは個人の趣味や研究の延長として行われます。「悪意のある個人」とは、同僚のメールを盗み読む、有名人のTwitterアカウントを乗っ取るなど、明確な悪意をもったサイバー攻撃者を指します。「愉快犯」も「悪意を持った個人」も、個別の差はあるものの攻撃の継続性や技術力・資金力に限界があるといっていいでしょう。

2.ハクティビスト

「アクティビスト(社会活動家)」という言葉と「ハッカー」を合わせた言葉である「ハクティビスト」は、サイバー攻撃を通じて社会的・政治的メッセージを表明します。

3.産業スパイ

企業が保有する各種開発情報や未登録特許など、さまざまな知的財産を盗むためにサイバー産業スパイが世界で暗躍しています。新薬研究や航空エンジン設計など、莫大な開発費を要する産業領域で先んじることが主な目的です。企業を超えたより大きな組織の支援を受けている場合には、豊富な資金を背景とした高い技術力を持ち、継続的に攻撃を行うことがあります。

4.国家支援型組織(ステートスポンサード)

国家が金銭面で下支えをしている攻撃グループを指します。主にAPT(Advanced Persistent Threat:高度で持続的な脅威)攻撃を行い、諜報活動や破壊活動を行うことが特徴です。3.の産業スパイ活動を行うこともあります。

5.サイバー犯罪組織

個人情報やクレジットカード情報などを盗み、その情報をマネタイズすることで資金を得るタイプの組織を指します。2018年のある調査では、世界全体でのサイバー犯罪による被害総額を約60兆円と見積もっています。一大「産業」となったサイバー犯罪には、多数の犯罪者が関わり、彼らは組織化・訓練され、高い技術力と豊富な資金力を持っています。「標的型攻撃」のほとんどは、国家支援型組織とサイバー犯罪組織によって行われていると考えられています。

ただし、たとえば愉快犯的なハクティビスト、知財窃取を受託する犯罪組織なども存在し、以上5つの主体は必ずしも明確に分けられるものではありません。

サイバー攻撃 5つの目的

サイバー攻撃が行われる目的は、以下のように5つにまとめることができます。

1.「趣味や知的好奇心」目的のサイバー攻撃

愉快犯が行うサイバー攻撃は、知的好奇心を満足させる、技術や理論の検証を行う等の目的で行われます。

2.「金銭」目的のサイバー攻撃

産業スパイや犯罪組織が行うサイバー攻撃は金銭を目的に行われます。彼らの活動も我々と同じく、経済合理性に基づいています。

3.「政治・社会的メッセージの発信」目的のサイバー攻撃

2010年、暴露サイトとして有名なウィキリークスの寄付受付の決済手段を提供していた決済サービス会社が、政治的判断でウィキリークスへのサービス提供を取り止めた際、決済サービス会社に対して、「アノニマス」と呼ばれるハクティビスト集団がDDoS攻撃を仕掛けました。このように、ハクティビストは、彼らが理想と考える正義を社会に対してもたらすことを目的にサイバー攻撃を行います。

4.「知的財産」目的のサイバー攻撃

産業スパイは、企業が保有するさまざまな営業秘密や開発情報、知的財産の窃取を目的にサイバー攻撃を行います。盗んだ知財をもとに事業活動等を行い、最終的に金銭的利益を得るわけです。なお、知財を目的としたサイバー攻撃は、一定期間、特定の産業を重点的に狙うなどの傾向があります。

5.「諜報」目的のサイバー攻撃

いわゆる諜報活動のために個人情報(通信履歴や渡航履歴を含む)を収集するなどの活動もあります。敵対関係にあるターゲットを標的とした破壊活動のほか、ときに自国の産業保護を目的として産業スパイ活動が行われることもあります。

なお、上記は、前項の5つの主体と同様、相互に関連し合い、はっきりと区分できるものではありません。もし知的好奇心から闇市場で販売されているランサムウェアを使ったら、その場合は金銭が目的のサイバー攻撃でもあることになります。また、犯罪組織の中には、「病院を攻撃しない」と表明することで医療従事者へのリスペクトを社会的に発信するような組織も存在します。

表で理解する、代表的なサイバー攻撃手法

最後に、代表的なサイバー攻撃手法を取り上げ、それぞれの攻撃でどのような手法が用いられ、どのような対象がターゲットになるのかを、表形式で見てみましょう。

具体的な攻撃手法の例 ターゲット
Webアプリケーションの
脆弱性を悪用する攻撃
・バッファオーバーフロー
・SQLインジェクション
・ディレクトリトラバーサル
・クロスサイトスクリプティング
 (XSS)
Webアプリケーション
不正アクセス・
不正ログイン
・Brute-Force攻撃
・パスワードリスト型攻撃
・パスワードスプレー攻撃
・内部不正
・有効なアカウントの
 窃取・売買・悪用
各種アプリケーションやシステム、ネットワーク
フィッシング ・フィッシングメール
・スミッシング(フィッシングSMS)
・フィッシングサイト
・個人
・法人内個人
DoS攻撃・DDoS攻撃 ・フラッド攻撃
・脆弱性を利用した攻撃
・ボットネット悪用
・組織・企業
・国家
・社会・重要インフラ
・個人
のWebサービスなど
ゼロデイ攻撃 修正プログラムが公開されていない
脆弱性に対する攻撃
・組織・企業
・国家
DNS攻撃 ・DoS攻撃
・DNSキャッシュポイズニング
・カミンスキー攻撃
・DNSハイジャック
 (ドメイン名ハイジャック)
・企業・組織
・国家
・個人
のWebサービスなど
ソーシャル
エンジニアリング
・会話等によるクレデンシャル
 情報等の窃取
組織・企業内の個人

ここで挙げられた攻撃手法のうち特に注意が必要なものは、SQAT.jpで今後詳しく解説していきます。

まとめ

・サイバー攻撃とはWebアプリケーションの脆弱性など、さまざまなセキュリティホールを悪用して攻撃を行い、情報窃取などを行うことです。
・効果的なセキュリティ対策のためには、サイバー攻撃の種類以上に、その目的や攻撃主体について知ることが重要です。
・サイバー攻撃主体の分類にはいろいろな考え方がありますが、「愉快犯や悪意のある個人」「ハクティビスト」「産業スパイ」「国家支援型組織」「サイバー犯罪組織」の5つに整理することが可能です。
・サイバー攻撃の目的は「趣味や知的好奇心」「金銭」「政治・社会的メッセージの発信」「知的財産」「諜報」の5つに整理できます。ただしこれも諸説あります。

関連情報

●標的型攻撃とは? 事例や見分け方、対策をわかりやすく解説

●高まるAPT攻撃の脅威

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テレワーク環境に求められるセキュリティ強化

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6月21日に内閣府が公表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によれば、新型コロナ対策で外出自粛が求められた後、全国でのテレワーク実施率は全国で34.6%、首都圏では48.9%にものぼります。

また、今後もテレワークを断続的ではあっても継続したい就業者は34.6%、首都圏で48.9%と、テレワーク実施率とほぼ同数であることから、今後もテレワークは一定の割合で継続するとみて差し支えないでしょう。

しかし一方で、コロナ禍以前からテレワークを推奨して準備していた組織ばかりでなく、 急遽、テレワークに移行したという組織も少なくありません。このように急遽実施されたテレワークでは、業務自体が成立することがまず優先され、必ずしもセキュリティの配慮がなされていたとは限りません。特に、テレワークで使用するクラウドサービスの認証情報を狙うフィッシング詐欺に関する社員教育や、在宅勤務でセキュリティ強度が低いホームネットワークを経由して業務を行うことのリスク対策について準備万端であるといいきれる組織ばかりではなかったでしょう。

そうした環境下でのテレワークはサイバー攻撃の格好の対象ともいえます。政府や警視庁もテレワークのセキュリティに関する注意喚起をおこなっていますが、具体的にどのような点に気をつければよいでしょうか。

テレワークとは

総務省によれば、テレワークは「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されています。

テレワークの形態は、自宅を勤務場所とする「在宅勤務」、出先や移動中に作業する「モバイルワーク」、本社から離れた営業所やシェアオフィスなどを利用する「サテライトオフィス」の3つに分類できます。

在宅勤務によるテレワークには、子育てや介護で通勤が困難な従業員でも離職せずに済むメリットがある上、最近では、台風やコロナなど、従業員が出社できない状況でも事業を継続するBCP的側面での活用が見られます。政府も「働き方改革」の旗手として期待をよせており各省庁をはじめ、地方自治体においても、導入に対する相談窓口や助成金を用意しています。

テレワークのセキュリティの基本的考え方

テレワークを推進する総務省は、セキュリティの重要性に当初から着目し、2004年から「テレワークセキュリティガイドライン」を刊行しています。改訂が進み、最新版は2018年の第四版です。

ガイドラインでは、テレワークを実現する方法を「リモートデスクトップ」「仮想デスクトップ」「クラウド型アプリ」「セキュアブラウザ」「アプリケーションラッピング」「会社PC持ち帰り」の6つのパターンに分け、脅威を「マルウェア」「端末の紛失や盗難」「重要情報の盗聴」「不正アクセス」とし、起こりうる事故として「情報漏えい」「重要情報の消失」「作業の中断」を挙げています。

図:テレワークにおける脅威と脆弱性について

(画像出典:総務省:テレワークセキュリティガイドライン第4版より一部抜粋)

また、「経営者」「システム管理者」「実務担当者」別に、それぞれの事故やリスクへの具体的な対応策を整理し、「ルール」「人」「技術」3つの分野でそれぞれに弱点がない、バランスがとれた対策が肝要であるとしています。

テレワーク環境下の人を狙ったサイバー攻撃

総務省ガイドラインが示す「ルール」「人」「技術」の中でも、特に忘れてはならない重要ポイントは人の問題です。令和元年度の情報通信白書においても、「ソーシャルエンジニアリング」が再び攻撃の中心になるという予測を紹介しています。先の内閣府の調査でも26.7%の人がセキュリティ面での不安を抱えています。

ソーシャルエンジニアリング対策としては、警視庁が「そのテレワーク、犯罪者が狙ってる!」と題する動画や、短編アニメ「テレワーク勤務時のセキュリティ基本篇」、啓発チラシ「ちょっと待って! そのテレワーク、セキュリティは大丈夫?」などを公開配布しています。

オフィスでみんなが席を並べて仕事していたら、いつもと違うメールが着信しても「こんなメールが届いた」と、隣席の同僚や情報システム部門に気軽に相談することができます。しかしテレワークではそれが簡単ではなくなります。人間心理の隙間を衝くような標的型攻撃メールなどに今まで以上に警戒が必要です。

また、政府のセキュリティ機関である内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は2020年4月、「テレワークを実施する際にセキュリティ上留意すべき点について」と題したテレワークに関する注意喚起を行っています。

NISCの注意喚起では、「政府機関」「重要インフラ事業者」「国民一般」の3つのカテゴリー毎に、セキュリティポリシーやルール整備、ICT環境の準備、安全な接続方法であるVPNやリモートデスクトップなどの技術活用にあたっての留意事項、遠隔会議システムの安全な利活用、機器のアップデートやパスワードの複雑化など、必要なセキュリティ対策がリストアップされています。

さらに、ノートPCの支給が間に合わずに個人端末の使用を許す場合もあり、これまでのような情報システム・IT部門による一括管理は難しくなりました。情報システム部門が個人端末に対してどこまで管理できるかの法的な問題もあります。また、一般社員に向けて、テレワークのセキュリティの留意点を告知したとしても、すべての社員がその内容を理解できているとは限りません。従業員向けの通達の意味が分からない場合、そのまま放置される可能性はどの程度あるでしょうか。それがリスクにつながるのであれば、通達の方法を変更するべきです。全従業員による確実な実施を徹底するため、情報システム部門からの通達内容において、使用されているIT用語は読み手のスキルレベルに対して適切か、耳慣れないと想定される言葉やプロセスは図を使用するなどして誰にでも等しくわかるような説明がなされているか、といった観点の校閲を設けるくらいの心構えが必要です。

アフターコロナのセキュリティチェック

緊急事態宣言解除後、徐々にオフィス勤務に戻る組織も多いでしょう。先に述べたようなセキュリティ対策レベルの低い一般家庭環境で作業していた機器をいきなりオフィスの環境に戻すのは危険です。

NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が「JNSA 緊急事態宣言解除後のセキュリティ・チェックリスト解説書」を公表しています。

テレワークを継続する組織も、オフィスワークに戻す組織も非常時稼働から通常稼働に移行する前にこうしたチェックリストを参照してセキュリティ点検をするのが望ましいでしょう。

セキュリティ診断もリモートで実施可能

情報システム部門が安全のためにできることがもうひとつあります。それは、リモートワーク環境を構成するVPN機器や認証サーバ、クラウド環境の接続拠点といったアクセスの出入り口における設定不備や、不正アクセスの原因となりうるセキュリティ上の欠陥の有無について、ハードやソフト面のセキュリティ診断を行うことです。

Webアプリケーションの脆弱性診断や、脆弱性が悪用された場合のインパクトを事前に調べるペネトレーションテストといったセキュリティ診断の多くは、インターネットを介して行うことができます。今回の新型コロナ感染症対策でテレワークを経験した企業では、今後もテレワークを希望する人が少なくありません。今後もこうした働き方を継続するのであれば、一度は脆弱性の有無を確認し、安全な環境で業務を行えるよう環境を整備することをお勧めします。

まとめ

・新型コロナウイルス感染拡大にともなってテレワーク実施率は倍増した。
・多くの組織が拙速にテレワークに移行したためセキュリティの課題がある。
・まずは警視庁や内閣サイバーセキュリティセンターの注意喚起を参照。
・総務省の出している詳しいガイドラインに沿って「ルール」「人」「技術」を見直そう。
・アフターコロナに対しては通常業務に戻る前にセキュリティ点検をしよう。
・VPN機器やクラウド環境などテレワーク環境全体のセキュリティ診断を受けよう。

関連情報

●<インタビュー>上野 宣 氏 / ScanNetSecurity 編集長

●<コラム>「ゼロトラストアーキテクチャ」とは?

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高まるAPT攻撃の脅威

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SQAT® 情報セキュリティ瓦版 2020年1月号

あらためて、「侵入前提」の備えを

「攻撃のターゲットに定めた組織に対し、高度かつ複雑な手法を用いて長期間にわたり執拗な攻撃を行う」―「APT」と呼ばれるタイプの攻撃の矛先が、今、日本にも向けられるようになっています。従来、APTには侵入を前提とした多層防御が有効とされてきましたが、国際的に注目度の高いイベントであるオリンピック・パラリンピックが目前に迫り、日本を対象とした攻撃がこれまでになく増えると予想される中、あらためて自組織の状況を点検し、セキュリティの強化を図る必要があります。


APT28とは

「APT」とは「Advanced
Persistent Threat」(直訳すると「高度で持続的な脅威」)の略語で、日本では主に「高度標的型攻撃」という呼称が使われています。「標的型攻撃」は、文字どおり、特定の組織をターゲットにした攻撃を指します(図1参照)。この中でも高度な手法を用いた長期にわたるものが「APT」とみなされます。狙いを定めた相手に適合した方法・手段を用いて侵入・潜伏を図り、攻撃に必要な情報を入手するための予備調査も含め、執拗に活動を継続するのが特徴です。なお、セキュリティ機関や調査会社では、こうした攻撃が確認されると、攻撃の実行主体(APTグループ)を特定し、活動の分析に取り組みます。グループを追跡する際は、組織が自ら名乗る名称に加え、多くの場合、「APT+数字の連番」(例:「APT 1」「APT 2」)がグループ名として使用されています。

図1:標的型攻撃の主な手口

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R01_kami_cyber_jousei.pdf

広範かつ大規模な攻撃活動

これまでに特定されたAPTグループの数は、上記連番方式により同定されているグループだけでも約40に上ります。国家レベルの組織による支持や支援を受けているとみられるものも多く存在し、その攻撃は高度であるだけでなく、広範かつ大規模です。直近では2019年10月に、ロシアの支援を受けているとみられる「APT28」(自称「Fancy Bear」)による脅迫メールが世界的な注目を集めました。

脅迫の手口は、「攻撃対象の組織のWebサイト、外部から接続可能なサーバ・インフラに対するDDoS攻撃を予告し、それを回避するための費用として仮想通貨を期日内に支払うよう要求する」というもので、危機感を煽るため実際にDDoS攻撃を行ったケースもありました。ペイメント、エンターテインメント、小売といった業種の複数組織を対象に同グループによる脅迫メールが送付されていることを、ドイツのセキュリティベンダが特定し、その後、JPCERT/CCにより日本国内においても複数の組織が同様のメールを受け取っていることが確認され、注意喚起が出されています。なお、同グループは、2016年の米大統領選挙のほか、政治団体やスポーツ団体などをターゲットにした攻撃への関与も疑われています。

 

地域・文化を超えるサイバー攻撃

従来、APT攻撃は主に欧米の組織を標的にしており、日本語という言語の特殊性などがハードルとなり日本企業は狙われにくいとの認識がありました。しかし、近年は、巧みな日本語を使用した、明らかに日本企業を標的とする攻撃が増加傾向にあります。

たとえば、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に報告されたサイバー攻撃に関する情報(不審メール、不正通信、インシデント等)の2019年の集計結果では、9月末時点で寄せられた攻撃情報、計897件のうち235件が標的型とみなされており、直近の7月~9月でその比率が顕著に上昇しています(表1参照)。当該データ113件のほぼ9割がプラント関連事業に対する攻撃で、実在すると思われる開発プロジェクト名や事業者名を詐称し、プラントに使用する資機材の提案や見積もり等を依頼する内容の偽メールが送信されています。IPAは、「現時点では、攻撃者の目的が知財の窃取にある(産業スパイ活動)のか、あるいはビジネスメール詐欺(BEC)のような詐欺行為の準備段階のものかは不明」としつつも、特定の組織へ執拗に攻撃が繰り返されていることから、これらをAPT攻撃の可能性がある標的型メールの一種に位置づけたと説明しています。

出典:サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)運用状況[2019年1月~3月]、[2019年4月~6月]、[2019年7月~9月]より当社作成

同様の傾向は、他国のセキュリティ機関の分析からも伺えます。タイのCSIRT組織ThaiCERTによるレポート『THREAT GROUP CARDS: A THREAT ACTOR ENCYCLOPEDIA』(2019年6月公開)を見ると、日本をターゲットに含めた攻撃は、もはや少ないとは言えません。たとえば、「Blackgear」と呼ばれる攻撃グループは日本を明白なターゲットにしており、C&Cの拠点を日本に置き、日本語の文書を使って攻撃を仕掛けます。また、2018年に確認された東南アジアの自動車関連企業をターゲットとした攻撃では、タイミングを同じくして特定の日本企業への攻撃が複数回観測されています。さらに、ターゲットとされる業種や狙われる情報の種類が多様であることも目を引きます。かつては、銀行のデータや個人情報がまず標的になりましたが、ここ数年、ターゲットの業界が航空宇宙・自動車・医療・製薬へとシフトし、ブラックマーケットでの高額取引が期待できる、各業界に固有の技術情報や特許出願前情報の奪取へと、攻撃目標が変化しています(表2参照)。

出典:『THREAT GROUP CARDS: A THREAT ACTOR ENCYCLOPEDIA』より当社作成

個人情報が流出した場合の損害賠償や事態収拾のための費用などを含めた事後対策費は平均6億3,760万円 1) と言われていますが、技術情報が流出した場合の想定被害額はその数十倍、数百倍に及ぶ可能性があります。技術情報のみならず、いわゆる「営業秘密」とされる知的財産の流出は、事業活動の根幹を揺るがす事態に発展しかねない規模の損失を招く恐れがあります。近年各社により提供されるようになっているサイバーセキュリティ保険等で損害補償対策を検討するのも一案ですが、国家の関与が疑われるAPTグループの攻撃被害については保険金が支払われない可能性もあります。より甚大な被害をもたらす攻撃を行うグループが、今、日本企業を新たな標的に定めつつあるという事実は、国内のあらゆる事業者が共有すべき攻撃の傾向となっています。

 

より強靭な「多層防御」でAPT攻撃の影響を最小限に抑える

APT攻撃への対策としては、従来、侵入を前提とした多層防御が有効とされてきましたが、足元でAPTグループによる日本への攻撃が増加傾向にある中、あらためて、多層防御の状況を点検し、攻撃耐性を高めていくことが求められています。防御策としてまず思い浮かぶのは、出入口を守るファイアウォールやUTM(統合脅威管理)、既知の脆弱性への対応などですが、それだけでは十分とは言えません。

APT攻撃での代表的な手口は、ターゲットにした組織への侵入を試みる目的で使用される標的型メールです。この入口対策を考えると、疑似的な攻撃メールを用いて開封率などを可視化して「ヒト」に対する教育訓練を施す「標的型メール訓練」は検討に値する対策の1つです。留意したいのは、開封率の低減を最重要視するのではなく、「開封されても仕方なし」というスタンスで取り組むことです。訓練の目標を「開封された後の対応策の見直しと初動訓練」に設定し、定められた対応フロー通りに報告が行われるか、報告を受けて対策に着手するまでにどれくらいの時間を要するかを可視化して、インシデント時の対応フローおよびポリシーやガイドラインの有効性を評価することをお勧めします。また、従業員のセキュリティ意識を向上させるために、教育および訓練と演習を実施するのが望ましいでしょう。

また、「多層防御」対策を立てる前提として、情報資産の棚卸しも重要です。日本企業は、他国に比較して、知的財産の重要性に対する認識が低く、情報の所在や管理が徹底されていないという指摘があります 3) 。組織内に存在する情報に関し、機密とするもの、公知であってよいものを分類し、それらがどこに格納されて、どのように利用されているかを可視化した上で、防御の対応をする機器・人・組織といったリソースを適切に振り分けて防御する仕組みを構築することが求められます。こうした仕組みは、侵入の早期発見にも繋がり、事業活動の継続を左右する重要情報へのアクセスを遮断することで、万一侵入を許しても被害を最小限に抑えられます。さらに感染経路・奪取可能な情報を洗い出し、感染範囲・重要情報へのアクセス状況・流出経路などを可視化できれば、システム内部へ拡散するリスクを把握することもできます。この「標的型攻撃のリスク可視化」により、「出口」対策へ効果的にリソースを有効活用することで、実効性をさらに効果的にリスク評価することが可能になります。

2020年、オリンピック・パラリンピックがいよいよ目前に迫り、日本への攻撃がさらに激しさを増していくと予想されます。同イベントには膨大な数の事業者が関与するため、セキュリティ的に脆弱な組織がAPT攻撃を受け、サプライチェーンやIoTを通じて被害が歯止めなく広がるリスクが大いに懸念されています。既存のセキュリティ体制をあらためて点検し、強靭化を図ることで被害を最小限に食い止めましょう。


注:
1)JNSA:2018年情報セキュリティインシデントに関する調査結果より
2) 同一のグループに対し、セキュリティ機関による命名、攻撃グループによる自称などを列挙
3) コンサルティング会社PwCが2017年に実施した調査より
(https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/2018/assets/pdf/economic-crime-survey.pdf)日本における「組織がサイバー攻撃の狙いとなった不正行為」の種類を問う質問で「知的財産の盗難」と回答した比率は25%で、世界平均の12%と比べて顕著に多い数字となった。

参考情報: *1 https://www.thaicert.or.th/downloads/files/A_Threat_Actor_Encyclopedia.pdf

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