マルウェアに感染したら
-マルウェアの種類と対策、ウイルスとの違いは-

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マルウェアは、コンピューターやモバイルデバイスを標的にする悪意のあるソフトウェアの総称です。以前よく聞かれていたのは「ウイルス」ですが、いまや攻撃の手口は「ウイルス」という言葉で表せる範囲を超え、多様化・巧妙化しています。

もしもマルウェアに感染したら、どのような対処をとればよいのでしょうか。また、感染する前にできる予防策として何か有効でしょうか。
本記事を活用し、適切な対策を講じ、マルウェア攻撃のリスクを最小限に抑えましょう。

マルウェアとは

「マルウェア」とは「malicious(悪意のある)software(ソフトウェア)」の略称です。マルウェアは、コンピュータ、サーバ、クライアント、コンピュータネットワーク等に損害を与えるため、あるいはユーザの意図や利益に反する活動を行うために設計されたソフトウェアです。さまざまなタイプのマルウェアが存在します。

ウイルスとマルウェアの違い

「ウイルス」はマルウェアの一種です。インターネット黎明期、「ウイルス」と呼ばれるプログラムの多くは、コンピュータサイエンスを学ぶ学生などによって、実験やイタズラ目的で開発されていました。

諸説ありますが、実験やイタズラの範疇を超える、明確な悪意を持った犯罪者や組織によってウイルスが作られはじめた2005年頃から「マルウェア」という言葉が使われるようになりました。

こんにちマルウェアは、サイバー犯罪者や犯罪組織、各国の政府などによって開発され、個人情報や金融情報、知的財産、機密情報を盗んだり、プライバシーを侵害する意図で利用されています。

マルウェアの代表的な種類

代表的なマルウェアとしては、以下のようなものがあります。

ウイルス 多くの場合、一見無害に見えるファイルの中に隠されています。ユーザによりファイルをクリックされ実行されることで自己増殖を行い、データの破壊などの有害な動作を行います。
ワーム ワームはウイルスとは異なり、ファイルの中に隠れていることはありません。自己増殖もワームだけで行うことができます。ウイルスやワームは感染したコンピュータだけに影響を及ぼすものではなく、コンピュータネットワークを経由して他のコンピュータに拡散します。
トロイの木馬 無害なあるいは有益なプログラムに偽装してユーザを油断させ、インストールを行わせるマルウェアです。ウイルスやワームと異なり自己増殖することはありません。古代ギリシャ時代、トロイの街を攻撃するため、贈り物に見せかけた大きな木馬に兵士を潜ませて侵入を行った方法が名前の由来です。主にバックドア*1と呼ばれる不正な裏口を作ったり、オンラインバンキングなどのパスワードを盗んだり*2、別のプログラムをダウンロードするなどの動きをします。
スパイウェア 個人や組織の情報を同意なしに収集したり、その情報を攻撃者に向けて送信することを目的としたマルウェアです。
アドウェア 多くはユーザが知らないうちにインストールされ、インターネット閲覧の際にユーザが望まない広告を表示します。すべてが違法とは言えない場合もあります。
ランサムウェア ユーザのファイルやデータを勝手に暗号化し、身代金(ランサム)を支払うまで復号しないと脅すマルウェアです。身代金を払ってもデータが元に戻るとは限りません。
キーロガー コンピュータのキーボード入力を記録するソフトウェアで、本人の同意や法的根拠なく使用された場合にマルウェアとみなされます。パスワードや機密情報を盗むために使用されます。
バックドア*1 英語で「裏口」の意味で、一度侵入したシステムなどに次回以降も不正にアクセスする際、それを容易にするために設けられる通信接続手段を指します。
ボット マルウェアによって乗っ取られ、遠隔からの指示によって自由に操られるようになったコンピュータを、「ボット」または「ゾンビPC」と呼びます。複数のボットをボットネットとして制御し、DDoS攻撃等のサイバー犯罪に悪用します。
バンキングマルウェア*2 オンラインバンキングのIDやパスワード、クレジットカード情報などを盗むマルウェアです。不正送金などの被害が報告されています。
ファイルレスマルウェア 通常のマルウェアはコンピュータのハードディスク内に存在しますが、コンピュータのRAM内でしか動作しないように設計されているマルウェアです。

マルウェア感染の経路:3大感染経路は「電子メール」「Web閲覧」「記憶媒体」

マルウェアの感染経路としては、大きく「電子メール」「Web閲覧」「記憶媒体」の3つが挙げられます。

「電子メール」経由の感染 標的型攻撃メールなどで、メールの添付ファイルを開いたり、文中に記載されたURLをクリックすることでマルウェアに感染します。
「Web閲覧」経由の感染 単にWebサイトをブラウザで見るだけで感染する「水飲み場型攻撃」などが知られています。
 USBメモリなどの
「記憶媒体」経由の感染
USBメモリやCD-ROM、DVD、外付けHDDなど、各種記憶媒体などもマルウェアの感染経路として悪用されます

その他にも、ファイル共有ソフトで手に入る音楽や動画ファイルを装ったマルウェアや、ソフトウェアのニセのアップデートを装うものなど、さまざまな感染経路が存在します。

マルウェアに感染したらどうなる?:マルウェア被害と症状

実験やイタズラ目的で開発されたマルウェアの多くは、ユーザに派手なメッセージを見せたり、アドレス帳にあるメールアドレス宛に手当たり次第に勝手にメールを送ったり、あるいはPCの挙動を重くするなど、感染したことが明白である症状を呈したり挙動をするものが少なくありませんでした。

現在も、オンラインバンキングで不正送金を行うマルウェアや、重要データを暗号化して身代金要求を行うランサムウェアなどは、目に見える被害や症状を示すマルウェアといえるでしょう。

しかし、前述したようなサイバー攻撃の目的の変化によって、ユーザにまったく感染を気づかせないマルウェアも増えています。

一連の攻撃活動を行った後で、自らを消去して完全に痕跡を消す自己消滅型のマルウェアも存在しており、すべてのマルウェアに自分で気づくことはおよそ不可能といえます。

マルウェアに感染したらどう対処すべきか

もしマルウェア感染したことが明らかであるならば、Wi-Fi機能のOFFやLANケーブルを抜くなどのネットワーク切断はすぐに行った方がいいでしょう。ネットワークを経由して感染を広げるインターネットワームなどの拡大を抑えることができます。

一方でPCやサーバの電源を落とすことは避けてください。感染経緯の究明などに利用できる証拠が失われることがあり、事故調査や、その後の適切な対策実施に悪影響を及ぼします。

多くの会社で、マルウェアに感染した場合の対応手順が決められています。まずはネットワークを切断し、速やかに情報システム部門やネットワーク管理者に連絡して指示に従ってください。

マルウェアの検知・駆除ツール「ウイルス対策ソフト」

こうしたマルウェアを検知・駆除する方法として使われるのが「ウイルス対策ソフト」(「アンチウイルスソフト」)です。ウイルスの対抗手段であることから、古くは「ワクチン」とも呼ばれました。

ウイルス対策ソフトは「パターンマッチング」と呼ばれる方法でマルウェアを検知します。ウイルス対策ソフトがあらかじめ持っている「パターンファイル」「定義ファイル」と呼ばれるマルウェアの特徴に関するデータと参照することで、マルウェアを検知します。

しかしパターンマッチングでは、まだ出回っていない新しいマルウェアを検知できません。そのため、プログラムの挙動を分析してマルウェアを検知する「ヒューリスティック分析」「振る舞い検知」などの技術が開発されました。

一方で近年、膨大な数の新しいマルウェアが作られたり、ブラックマーケットにおいて主要なアンチウイルスソフトでは検知できないマルウェアが販売されるなど、ウイルス対策ソフトだけでは充分な対策とは言えなくなっています。

マルウェアに感染する前にできる「予防対策」

各ユーザのクライアントPCのマルウェア対策としては、ウイルス対策ソフトの利用がもっとも一般的な方法です。また、最近ではEDR(Endpoint Detection and Response)製品などを利用するケースも増えています。これに加えて、3大経路の1つである電子メールからの感染を防ぐ対策として、標的型攻撃メール訓練によるユーザ教育が有効でしょう。また、ランサムウェア攻撃を受けた場合の復旧に備えたデータのバックアップなども重要になります。

一方で、管理者の観点からはマルウェア感染の脅威が及ぶのはPCだけではありません。自社が提供するWebサイトにマルウェアや不正なコードを埋め込まれる「Web改ざん」にも同様の注意が必要となります。こうした攻撃を許してしまう要因はクロスサイトスクリプティング(XSS)などの脆弱性です。そのような脆弱性が存在しないかどうかは、Webアプリケーション診断などによって感染の前に明らかにすることができます。Webサイトの改ざんを検知するサービスも存在します。

また、これは感染予防対策ではありませんが、感染したことにいちはやく気づくために、SOC(Security Operation Center)サービスなどを利用して外部との不正な通信を検知したり、ログを収集して分析することも有効です。

マルウェアによる攻撃手法は常に進化しています。最新の情報を常にチェックし、適切な対策を講じることで、マルウェアのリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ

・マルウェアとは「malicious(悪意のある)software(ソフトウェア)」の略称で、ウイルスもマルウェアの一種です。
・ウイルス対策ソフトだけでは検知できないマルウェアも存在します。
・マルウェアの主な感染経路はメール・Web・USBメモリなどの記憶媒体です。
・もし感染に気づいたらネットワークを切断します。ただし電源を切ってはいけません。
・予防対策として標的型攻撃メール訓練やセキュリティ診断なども有効です。

関連情報

●標的型攻撃とは? 事例や見分け方、対策をわかりやすく解説

●セキュリティ診断の必要性とは?

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マルウェアの対策-マルウェア感染を防ぐための基本のセキュリティ対策のポイント-

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マルウェアの脅威は年々増大しており、企業・組織への影響は計り知れません。本記事では、マルウェアの具体的な被害事例を紹介し、感染時の症状や対処法について解説します。そして、セキュリティ対策の基本とマルウェア対策の基本的な考え方を押さえ、日々進化するサイバー脅威から自組織を守るために必要な知識を、わかりやすく解説していきます。

マルウェア被害事例

ウイルスの事例

マルウェア「Emotet」による感染被害

マルウェア「Emotet」は主にメールを介して広がり、その被害が深刻化しています。感染経路は、悪意のあるメールの添付ファイルやリンクを開くことにより、ユーザのPCに感染します。Emotetは巧妙な手口で、正規のメールを装うことで信頼性を高め、受信者に警戒させないようにします。感染後、企業や個人のPC内の情報が盗まれ、さらに他のマルウェアをダウンロードさせることもあります。関連企業では、業務停止やデータ流出による経済的損失が報告されています。特に日本国内の企業においても影響が広がり、国内通信事業者を含む複数の企業が注意喚起を行っています。

ワームの事例

ランサムウェアWannaCryによる感染被害

2017年に大規模な被害をもたらしたランサムウェア「WannaCry」は、Microsoft Windowsの未修正の脆弱性を悪用することで、世界中のコンピュータに急速に拡散しました。この脆弱性は、アメリカ国家安全保障局(NSA)が開発したとされるハッキングツールから漏洩したもので、WannaCryはこれを利用して無差別にシステムに侵入しました。攻撃の手口は、感染したコンピュータのファイルを暗号化し、被害者に身代金の支払いを要求するものでした。支払いはビットコインで行われることが多く、支払われない場合、ファイルは復号されずに失われると脅迫されました。社会への影響は甚大で、病院、学校、企業、政府機関など、世界中の数十万台のコンピュータが影響を受けました。特に医療機関では、患者の記録へのアクセスが妨げられ、治療に支障を来たす事態も発生しました。WannaCryは、サイバーセキュリティの重要性と、ソフトウェアの更新の必要性を広く認識させる契機となりました。

トロイの木馬の事例

GooglePlayのAndoroidアプリからマルウェア感染

2021年11月、Google Playに登録されたアプリにバンキング型トロイの木馬が含まれていることが判明しました。このマルウェアは認証情報や金融情報を盗むことを目的とし、30万台以上の端末に影響を与えました。攻撃者は、最小限のフットプリント(アプリ稼働時に要するメモリ容量)でアプリを登録し、ドロッパー(マルウェアを感染させるプログラム)の存在を隠蔽、ダウンロード後のアップデートでマルウェアを展開するという手口を用いていました。感染経路は公式ストアからのダウンロード後のアップデートであり、完全な防御は困難とされています。影響を受けたアプリはすでに削除されています。

PCがマルウェアに感染したら

マルウェアに感染したときの症状には以下のようなものがあります。

感染したときの症状

パソコンの動作が遅い

マルウェアに感染すると、システムリソースを過剰に消費するため、通常のタスクでもパソコンの動作が遅くなることがあります。これにより、プログラムの起動やファイルの読み込みが時間を要し、全体的なパフォーマンスが低下します。

予期しないフリーズやクラッシュ

マルウェアはシステムファイルを破壊したり、重要なプロセスを妨害したりすることで、突然のフリーズやクラッシュを引き起こします。これにより、作業中のデータが失われるリスクが高まります。

原因不明のストレージ容量の減少

マルウェアが悪意のあるプログラムをインストールし、大量のファイルをダウンロードするなど、ストレージ容量を消費します。突然、ストレージ容量が急激に減少する場合は感染が疑われます。

迷惑なポップアップ

アドウェアやスパイウェアなどのマルウェアは、感染後、ブラウザやデスクトップに不審なポップアップ広告を頻繁に表示させます。さらにブラウザを使用していない時でも突然表示されるため、ユーザの作業を妨げます。多くの場合、これらの広告は不適切な内容や詐欺的なオファーを含んでおり、クリックすると別のマルウェアに感染するリスクがあります。正規のウェブサイトを装った偽のポップアップにも注意が必要です。

ポップアップによるエラーメッセージ

マルウェアは偽のエラーメッセージを表示し、ユーザを混乱させることがあります。これらのメッセージは、実際のシステムエラーのように見えますが、偽のソフトウェアのダウンロードや個人情報の入力を促す悪意のあるプログラムを含むものです。正規のエラーメッセージとの区別が難しいため、ユーザが誤ってクリックしてしまい、別のマルウェアへの感染や情報漏洩のリスクが高まります。

偽のウイルス警告が出力される

突然、偽のウイルス警告が表示されることがあります。これらの警告は、ユーザを騙して不正なウイルス対策ソフトを購入させたり、さらなるマルウェアをインストールさせたりする目的で行われます。

セキュリティ設定が変更される

マルウェアは、システムのセキュリティ設定を無断で変更することがあります。これにより、ファイアウォールが無効化されたり、ウイルス対策ソフトが停止されたりすることで、さらに感染が拡大する恐れがあります。

不審なソーシャルメディア投稿がされる

感染した場合、マルウェアはユーザのアカウントにアクセスし、不審な投稿を自動的に行うことがあります。これにより、友人やフォロワーにウイルスが拡散されるリスクがあります。

プログラムが同意なしに実行、終了される

マルウェアは、ユーザの許可なくプログラムを起動したり、逆に正常なプログラムを強制終了させたりすることがあります。これにより、システムの安定性が損なわれます。

不審なアプリケーションが表示される

デスクトップやアプリケーションリストに見覚えのないソフトウェアが突然現れることがあります。これらはマルウェアによって密かにインストールされたものである可能性が高いです。

ファイルがランダムに消える

マルウェアはシステム内のファイルを破壊または削除することがあります。特に重要なファイルが意図せず消失する場合は、感染が疑われます。

インターネット使用量の原因不明の増加

突然のインターネット使用量の増加は、バックグラウンドでマルウェアが不正な通信を行っているサインかもしれません。これにより、インターネット速度が低下することもあります。

スマホがマルウェアに感染したら

スマホがマルウェアに感染したときの症状には以下のようなものがあります。

バッテリー消費が激しい

スマートフォンにマルウェアが感染すると、バックグラウンドで悪意のあるプロセスが常時稼働し続けるため、バッテリーの消耗が通常よりも急激に進むことがあります。頻繁な充電が必要になる場合、感染を疑うべきです。

広告や警告のポップアップ表示

感染後、ブラウザやアプリ内で不審な広告や偽の警告が頻繁に表示されることがあります。これらのポップアップは、別のマルウェアのインストールや詐欺サイトへの誘導を目的としています。

アプリが頻繁に落ちる

マルウェアは、システムリソースを過度に使用したり、アプリに悪影響を与えたりすることで、アプリが頻繁にクラッシュする原因となります。通常なら安定して動作するアプリが急に不安定になる場合、感染が疑われます。

動作が重くなる

マルウェアによるシステムリソースの過剰な消費やバックグラウンドでの不正な活動により、スマホ全体の動作が遅くなることがあります。アプリの起動や画面の切り替えが遅延する場合、注意が必要です。

データ使用量の増加

マルウェアは、不正なデータ通信をバックグラウンドで行うことがあり、その結果としてデータ使用量が急増することがあります。特にWi-Fiではなくモバイルデータを使用している場合、この症状は顕著です。

カメラが勝手に起動

スマホに感染したマルウェアは、ユーザが意図しないうちに勝手にカメラを起動し、写真や動画を撮影することがあります。この不審な動作は、プライバシーの侵害につながる重大なリスクです。

身に覚えのない支払い請求が届く

マルウェアは、ユーザの意図しないうちに高額なアプリやサービスを購入させることがあります。その結果、身に覚えのない請求が発生し、金銭的な被害が発生することがあります。

感染した場合の対処法

もしマルウェア感染したことが明らかであるならば、どのような対処をすればよいのでしょうか。速やかに対処すべきこととして以下のようなものがあげられます。

マルウェアの検出

マルウェア感染が疑われる場合、まずはウイルス対策ソフトを使用してシステム全体をスキャンし、マルウェアの存在を検出します。このスキャンは、感染の早期発見に繋がり、被害の拡大を防ぐために非常に重要です。定期的なスキャンとリアルタイムの監視が、予防と早期対応に不可欠です。

ネットワークの遮断

感染が確認された場合、まずネットワークから切り離すことが重要です。これは、マルウェアが他のデバイスに感染を広げ、外部に情報を送信したりするのを防ぐためです。ネットワークからの切断は、さらなる被害の拡大を防ぐための第一歩となります。

感染源の特定

メールの添付ファイル、ダウンロードしたアプリ、怪しいリンクなど、感染経路を突き止めることで、今後の再発を防ぐことが可能です。このプロセスは、同じ手口による再感染を防ぐために非常に重要です。

マルウェア検出ツールによる削除

検出されたマルウェアを専門の削除ツールで完全に除去します。ウイルス対策ソフトや専用のマルウェア削除ツールを使用することで、安全かつ確実にマルウェアを駆除し、システムを正常な状態に戻します。

セキュリティ対策の基本

セキュリティ対策の取り組みには、基本的なセキュリティ対策こそが効果的であるという前提に立って、今一度自組織のセキュリティを見直すことが重要です。

セキュリティ基本10項目

• 標的型攻撃メール訓練の実施

標的型攻撃メール訓練は、従業員のセキュリティ意識向上と実践的なスキル習得に効果的です。訓練では、攻撃メールを模倣したシナリオを用いて、従業員が疑わしいメールを識別し、適切に対応するスキルを養います。定期的な訓練実施により、従業員のセキュリティ意識が継続的に高まり、実際の攻撃に対する組織の耐性が強化されます。また、訓練後のフィードバックやセキュリティ教育との組み合わせにより、より効果的な対策が可能になります。

• 定期的なバックアップの実施と安全な保管(別場所での保管推奨)

ランサムウェアによる被害からデータを保護するために、オフラインバックアップ(データだけを独立して磁気テープ・ストレートなどで物理的に隔離しておくこと)をサーバに行うことがおすすめです。バックアップの頻度や保管場所を見直し、最新の情報が常に保存されるようにすることが重要です。

• バックアップ等から復旧可能であることの定期的な確認

バックアップが確実に復旧可能であることを確認するため、定期的にリカバリーテストを実施します。これにより、実際の復旧作業時に問題が発生しないことを保証し、緊急時に迅速かつ確実なデータ復旧が可能となります。また、テスト結果を文書化し、必要に応じて復旧手順の改善を図ります。このような確認作業を怠ると、いざという時にデータ復旧が困難になるリスクが高まります。

• OS、各種コンポーネントのバージョン管理、パッチ適用

システムの脆弱性を悪用する攻撃を防ぐためには、OSやソフトウェアコンポーネントの最新バージョンへの更新・パッチ適用の実施をすることが必要不可欠です。定期的なパッチ適用とバージョン管理により、サイバー攻撃のリスクを大幅に軽減できます。特にゼロデイ攻撃のリスクを軽減するためには、普段からの脆弱性関連情報収集やバージョン更新が求められます。

• 認証機構の強化(14文字以上といった長いパスフレーズの強制や、適切な多要素認証の導入など)

認証の強化は、サイバー攻撃から組織を守るための基本的な対策です。単純なパスワードではなく、長く複雑なパスワードにし、さらに多要素認証(MFA)を導入することを推奨します。多要素認証はパスワードに加え、物理トークンや生体認証などの認証要素を用いることで、不正アクセスされるリスクを低減します。これにより、アカウントのセキュリティが飛躍的に向上します。

• 適切なアクセス制御および監視、ログの取得・分析

システム内の情報やリソースへのアクセスを厳格に管理し、適切なアクセス制御を行うことは、内部からの不正行為を防ぐために重要です。また、システムの稼働状況やアクセスログを定期的に取得し分析することで、異常な挙動を早期に検知できます。

• シャドーIT(管理者が許可しない端末やソフトウェア)の有無の確認

シャドーITは、組織のセキュリティポリシーに反する可能性があり、脆弱性やデータ漏洩の原因となることがあります。定期的な監査や従業員への教育を通じて、シャドーITの存在を確認し、適切な対策を講じることが重要です。

• 攻撃を受けた場合に想定される影響範囲の把握

サイバー攻撃を受けた際に、どのような影響が組織に及ぶかを事前に把握しておくことは重要です。影響範囲を明確にすることで、インシデント発生時の対応計画を具体化し、迅速な対策を講じることが可能になります。システム全体の依存関係や業務の優先度を考慮し、被害を最小限に抑えましょう。

• システムのセキュリティ状態、および実装済みセキュリティ対策の有効性の確認

定期的にシステムのセキュリティ状態を確認し、現在のセキュリティ対策が有効に機能しているかを確認することが効果的です。脆弱性診断やペネトレーションテストを実施することで、システムの弱点を特定し、自組織の状況に適した対応の実施が可能になります。

• CSIRTの整備(全社的なインシデントレスポンス体制の構築と維持)

CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、サイバー攻撃やインシデント発生時に迅速かつ適切な対応を行うための専門チームです。CSIRTの整備は、全社的なセキュリティ体制を強化し、インシデント発生時の被害を最小限に抑えるために不可欠です。定期的な訓練とシミュレーションを通じて、CSIRTの対応力を維持し、常に最新の脅威に対応できる体制を整えます。

インシデント対応計画の策定

インシデント対応計画の策定は、企業がサイバー攻撃や情報漏洩などの緊急事態に迅速かつ効果的に対応するために不可欠です。計画には、インシデント発生時の対応手順、責任者の明確化、コミュニケーション手段の確保、影響評価、そして復旧手順が含まれます。計画は定期的に見直し、訓練を行うことで、実際のインシデント時にスムーズに対応できる体制を整えることが重要です。

マルウェア対策の基本的な考え方

不意に襲い来るマルウェアの被害を防御、あるいは最小限にとどめるためには、普段から基本的なマルウェア対策を講じることが重要です。以下のような例が挙げられます。

あらゆるマルウェアからシステムを守るために、組織内で汎用的な対策を確認しておきましょう。

まとめ

マルウェアは、Emotet、WannaCry、トロイの木馬など様々な形態で存在し、主にメールやウェブサイトを介して感染します。これらは個人情報や金融データの窃取、システムの暗号化、身代金要求などを目的としています。感染の症状には、パソコンの動作遅延、予期せぬフリーズ、ストレージ容量の減少、不審なポップアップの表示などがあります。スマートフォンでは、バッテリー消費の増加、アプリのクラッシュ、データ使用量の急増などが見られます。セキュリティ対策としてあげている基本的な10項目を組み合わせ、定期的な見直しと訓練を行うことで、セキュリティ対策の効果を高めることができます。またインシデント対応計画を策定や、マルウェア対策の基本的な取り組みを普段から実施し、サイバー攻撃のリスクに備えることが、組織全体のセキュリティを強化するために不可欠です。

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ドメイン名偽装で検知を回避するWordPressマルウェアの脅威と対策

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瓦版号外(ドメイン名偽装で検知を回避するWordPressマルウェアの脅威と対策)

2025年7月、セキュリティ企業SucuriがWordPressを狙う新たなマルウェア攻撃を発見・公表しました。今回公表された「SEOスパム型WordPressプラグイン」による攻撃は従来の攻撃と比較して手口が巧妙化しており、世界中のWebサイト管理者にとって深刻な脅威となっています。本記事では、攻撃の手口と被害の特徴、そして有効な対策について解説します。

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攻撃手法

ドメイン偽装によるマルウェア検知回避

今回発見されたマルウェアは、感染したWordPressサイトのドメイン名をそのままプラグイン名やフォルダ名に偽装して設置されます。これにより、管理者や一般ユーザーがファイル一覧を確認しても、正規のプラグインと見分けがつきにくい構造になっています。この偽プラグインは高度に難読化されたコードで構成されており、セキュリティ対策ソフトによる検知も困難です。

検索エンジン限定のSEOスパム注入

SEOスパムの注入は、Googleなどの検索エンジンのクローラを検知した場合のみ実行されます。通常の訪問者には正規のページが表示されるため、管理者も異常に気付きにくく、発見が遅れる原因となります。検索エンジンのみにスパムコンテンツを返すことで、検索順位の操作や不正なトラフィック誘導が行われます。

C2サーバとの通信と外部指令の受信

この偽プラグインの内部には、base64で難読化されたC2(コマンド&コントロール)サーバ※ のドメイン情報が隠されています。偽プラグインは定期的にC2サーバへ外部リクエストを送り、攻撃者からの指示を受け取ります。これにより、スパム内容の動的な更新や追加のマルウェア配布など、攻撃の手口が柔軟に変化する仕組みが実装されています。

※C2(コマンド&コントロール)サーバ…サイバー攻撃者が外部から侵害システムと通信を行い、命令と制御を行う目的で用いられる。

マルウェアによる被害と影響

この種のマルウェアは、通常の利用者やサイト管理者が直接アクセスした場合には一切異常を示さないため、発見が遅れがちです。Googleなどの検索エンジン経由でのみスパムが表示されるため、被害に気付いたときにはすでに検索結果にスパムページが表示されていたり、検索順位が大幅に下落しているケースも多く、ブランドイメージや集客に深刻な影響を与えたりするおそれがあります。また今回の例は、WordPressのプラグインエコシステムを悪用したサプライチェーン攻撃の一例とも言えます。公式リポジトリを介さず、外部から導入されたプラグインやテーマを通じて感染が広がるため、信頼できる配布元からのみソフトウェアを導入することが重要です。

有効な対策と管理者が取るべき予防措置

Webサイト管理は特に以下のような対策を取り、異常が見られた場合は速やかに専門家へ相談することをおすすめします。

  • WordPressのプラグインやテーマは必ず公式リポジトリや信頼できるベンダーからのみ入手する
  • 不審なファイルや見覚えのないプラグインが存在しないか、定期的にサーバ内を確認する
  • セキュリティプラグインやWebアプリケーションファイアウォール(WAF)、管理画面への多要素認証を導入する
  • Google Search Console等で検索結果の異常を監視する

まとめ

SEOスパム型の偽装WordPressプラグインは、検索エンジンのクローラを標的にしてスパムコンテンツを注入し、通常の訪問者には正規ページを返すという極めて巧妙な手口です。攻撃者は感染サイトのドメイン名をそのままプラグイン名やフォルダ名に偽装し、管理者の目を欺きます。さらに、コード内部にはbase64で難読化されたC2サーバ情報が隠され、外部からの指令に応じて動的にスパム内容を更新できる仕組みも組み込まれています。

このような手法は、発見が遅れやすく、検索順位の下落やサイトの信頼性低下など、経営や運営に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。特に、公式リポジトリを介さないプラグインやテーマの導入が感染経路となるケースが多いため、日常的なセキュリティ意識と運用管理の徹底が不可欠です。

被害を最小限に抑えるためには、信頼できる配布元からのみソフトウェアを導入する、サーバ内の不審なファイルやプラグインを定期的に点検する、Google Search Consoleなどで検索結果の異常を監視するなど、複数の対策を組み合わせることが重要です。

BBSecでは:セキュリティソリューションの活用

高度なサプライチェーン攻撃や難読化マルウェアに対抗するため、ブロードバンドセキュリティでは多層防御の観点から次のようなソリューションを強くおすすめします。

エージェント型Webサイトコンテンツ改ざん検知サービス

WordPressサイトのファイルやディレクトリの改ざんをリアルタイムで監視し、異常があれば即座にアラートを発します。正規のプラグイン名を偽装した不審なファイルの追加や書き換えも検知しやすく、被害の早期発見に役立ちます。

https://www.bbsec.co.jp/service/vd-maintenance/manipulation.html
※外部サイトにリンクします。

脆弱性診断サービス

WordPress本体やプラグイン、テーマの設定や実装に潜む既知の脆弱性を定期的に洗い出すサービスです。悪用されやすい箇所を事前に把握し、攻撃の入り口を減らします。診断結果に基づき、不要なプラグインの削除や設定の見直しを行うことで、リスク低減につながります。

ペネトレーションテスト

実際の攻撃者の視点でお客様のシステムに実装済みのセキュリティを検証するサービスです。自動化された攻撃だけでなく、手動による高度な手法も用いるため、通常の診断では見つけにくいサプライチェーンリスクや運用上の盲点も洗い出すことが可能です。

これらのサービスを組み合わせて導入することで、巧妙化するマルウェア攻撃などへの対応力を大幅に高めることができます。BBSecとしては、エージェント型改ざん検知、脆弱性診断、ペネトレーションテストをパッケージ化した多層防御ソリューションを強くご提案いたします。これにより、WordPressサイト運営者の方が安心してビジネスを継続できる環境づくりをサポートいたします。ご希望の方には、無料相談や初回診断も承っております。お気軽にご相談ください。

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【参考情報】

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    企業のためのデジタルフォレンジック入門
    第3回:デジタルフォレンジックは誰に任せるべきか?

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    デジタルフォレンジック調査の質は「誰に任せるか」によって大きく左右されます。調査を依頼する際は、必要なスキルや資格を有する信頼できる専門家を見極めることが重要です。「企業のためのデジタルフォレンジック入門」シリーズ第3回目となる今回は、デジタルフォレンジック調査に求められるスキルや、信頼できる調査パートナーを選ぶためのポイントについて解説します。

    デジタルフォレンジック調査に求められるスキル

    デジタルフォレンジック調査は、単なる技術的作業にとどまらず、法的対応や組織内のコミュニケーションなど、多岐にわたるスキルが求められる高度な専門分野です。調査の正確性と法的証拠能力を確保するためには、以下のようなスキルが求められます。

    1.技術的スキル
    フォレンジック調査では、コンピュータやモバイルデバイス、ネットワーク機器など、さまざまなデジタルデバイスから証拠を収集・分析する高度な技術が不可欠です。具体的には、ログ解析、マルウェア解析、ネットワークトラフィックの分析、暗号化データの復号、クラウド環境やIoTデバイスからのデータ抽出など、多岐にわたる技術的知識と経験が求められます。

    2.法的知識
    デジタルフォレンジックの調査結果は、訴訟や内部処分などの法的対応に利用されるケースが多くあります。そのため、証拠保全の適切な手続きや電子データの証拠能力を担保する方法についての理解は欠かせません。調査の過程で収集したデータが、法的に無効とならないよう慎重に取り扱うことが求められます。

    3.分析力と問題解決能力
    フォレンジック調査では、大量のデータの中から関連性のある情報を特定し、攻撃の手口や経路を明らかにする必要があります。そのため、データの相関関係を見抜く分析力や、複雑な問題に対して柔軟に対応する問題解決能力が重要です。

    またフォレンジック調査は、調査担当者だけで完結するものではありません。調査を円滑に進めるためには、IT部門や法務部門、経営層との連携が不可欠です。専門的な調査結果を、非技術部門にもわかりやすく説明し、経営判断や法的対応に必要な情報を正確に伝える力も重要です。これらのスキルをバランスよく備えた人材が、企業のインシデント対応力を大きく高める鍵となります。調査を依頼する際は、こうしたスキルセットを有する専門家に依頼することが、調査の精度と効果を高めるための重要なポイントです。

    デジタルフォレンジック関連の資格

    デジタルフォレンジック調査は高度な専門知識と技術が求められる分野であり、調査を担当する人材のスキルによって調査結果の正確性や証拠能力が大きく左右されます。そのため、調査を依頼する際は、担当者がどのような資格や専門性を持っているかを必ず確認することが重要です。以下に、代表的な資格とその特徴を紹介します。

    GCFA(GIAC Certified Forensic Analyst)

    GCFAはSANS Instituteが提供するGIAC認定資格の一つで、デジタルフォレンジック調査に特化した国際資格です。データ侵害の調査、インシデント対応、脅威ハンティングなど、実践的なスキルを証明します。

    CDFP(Certified Digital Forensics Professional)

    デジタル・フォレンジック研究会が実施する資格で、基礎資格(CDFP-B)、実務者資格(CDFP-P)、管理者資格(CDFP-M)の3段階があります。日本国内でのデジタルフォレンジックに特化した資格として注目されています。

    CHFI(Computer Hacking Forensic Investigator)

    EC-Councilが提供する資格で、サイバー攻撃の痕跡を特定し、必要な証拠を適切に収集・分析するスキルを習得することを目的としています。

    またクレジットカード業界の情報漏えい事故を調査する資格にQSA(Qualified Security Assessor)があります。特に、カード情報を扱う企業にとっては、QSAの資格を持つ専門家によるフォレンジック調査が重要な意味を持ちます。

    これらの資格は単なる知識だけでなく、実務経験や倫理的な判断能力を備えていることの証明にもなります。調査を依頼する際は、「どの資格を保有しているか」「過去にどのような調査実績があるか」を確認し、信頼できる専門家に依頼することが重要です。

    インシデント対応としてのフォレンジックの重要性

    サイバー攻撃や内部不正などのインシデントが発生した際、企業に求められるのは迅速かつ的確な対応です。その中で、デジタルフォレンジック調査は、被害の拡大を防ぎ、再発防止策を講じるうえで極めて重要な役割を果たします。

    フォレンジック調査を適切に実施することで、攻撃者の侵入経路や攻撃手法、被害範囲を正確に特定できます。これにより、攻撃の拡大を防ぐために必要な対策を即座に講じることが可能となり、被害の最小化につながります。また、攻撃の原因を突き止め、脆弱性の修正や運用体制の見直しを行うことで、同様の被害が再び発生するリスクを大幅に低減できます。
    しかし、こうした迅速な対応を実現するには、事前の備えが不可欠です。経営層や管理部門は、平時からインシデント発生時の対応体制を整えておく必要があります。具体的には、以下のような準備が求められます。

    • インシデント対応ポリシーの策定:どのような事象をインシデントと定義し、発生時にどの部門がどのように対応するかを明確化します。
    • 証拠保全体制の整備:調査に必要なログやデータを適切に保存し、改ざんや消失を防ぐ体制を構築します。
    • 外部専門家との連携準備:緊急時にすぐに相談・調査を依頼できるよう、フォレンジック調査会社との連絡ルートや契約手続きを整えておきます。
    • 社内教育・訓練の実施:情報システム部門や関係者に対して、インシデント対応手順や証拠保全の重要性について定期的な教育を行います。

    インシデントは、いつ発生してもおかしくありません。被害拡大を防ぎ、企業の信用を守るためには、フォレンジック調査を中心とした実効性のあるインシデント対応体制の構築が不可欠です。経営層がリスクマネジメントの一環としてこの重要性を認識し、積極的に体制整備に取り組むことが、企業の持続的な成長と信頼維持につながります。

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    信頼できる調査会社・専門家の選び方

    デジタルフォレンジック調査を依頼する際には、調査会社や専門家の信頼性と対応力を慎重に見極めることが不可欠です。

    1.過去の調査実績・公開事例の有無
    調査会社や専門家を選ぶ際は、まず過去の調査実績や公開事例の有無を確認しましょう。実績が豊富な会社は、さまざまな業種や企業規模のインシデントに対応した経験を持っており、適切な調査手法と迅速な対応力を備えています。また、可能であれば、同業他社での対応事例や解決までのプロセスを確認することで、自社の課題に対する対応力を具体的にイメージできます。

    2.調査体制(緊急対応可能か、社内対応チームの有無)
    サイバーインシデントは突発的に発生します。万が一の際に備え、24時間365日対応可能な緊急体制を整えているかを確認することが重要です。また、外部委託だけでなく、社内に専門の調査チームを有している企業は、ノウハウの蓄積や迅速な意思決定が可能であり、調査の品質も高い傾向にあります。緊急時の連絡手段や初動対応までの所要時間も事前に確認しておくと安心です。

    3.事前相談・見積もり段階での対応姿勢
    調査を依頼する前段階の事前相談や見積もり時の対応姿勢も、信頼できる調査会社かどうかを見極めるポイントです。質問に対する回答が的確かつ分かりやすいか、専門用語をかみ砕いて説明してくれるかなど、コミュニケーションの質を重視しましょう。また、調査内容や費用の内訳について明確に説明がない場合は、後から想定外の追加費用が発生するリスクもあるため、しっかりと確認しましょう。

    このように、実績・体制・対応姿勢の3点をバランスよく確認することで、信頼できるパートナーを選定することができます。インシデント発生時に慌てることがないよう、平時から調査会社の候補をリストアップし、必要に応じて事前相談を行っておくことが理想的です。

    まとめ:リスクに備える最善の準備とは

    サイバー攻撃や情報漏えいといったインシデントは、今やどの企業にとっても現実的なリスクとなっています。そのリスクにどう向き合い、どのように被害を最小限に抑えるかは、企業の信頼性と持続的成長を左右する重要な課題です。本シリーズでは、デジタルフォレンジック調査の基礎知識から、調査の流れや費用、そして信頼できる調査パートナーの選び方まで、実務に役立つ情報を解説してきました。これらの内容は、単にインシデント発生時の対応策としてだけではなく、経営層や管理部門が平時から備えておくべきリスクマネジメントの一環です。企業がこれから取り組むべきは、「万が一ではなく、いつ起きてもおかしくない」という前提で、適切な体制を整えておくこと」です。必要な情報を正しく理解し、信頼できる専門家とのネットワークを構築しておくことで、万が一の事態にも冷静かつ的確に対応できる企業体制を実現できるでしょう。本記事が、皆様のリスク対策とインシデント対応体制の強化に少しでも貢献できれば幸いです。

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    サイバー攻撃や情報漏えいのリスクは、企業規模を問わず現実のものとなっています。万が一の事態に備え、信頼できるパートナーと連携し、迅速かつ適切な対応体制を整えておくことが重要です。株式会社ブロードバンドセキュリティ(BBSec)では緊急対応支援サービスを提供しています。突然の大規模攻撃や情報漏えいの懸念等、緊急事態もしくはその可能性が発生した場合は、BBSecにご相談ください。セキュリティのスペシャリストが、御社システムの状況把握、防御、そして事後対策をトータルにサポートさせていただきます。詳細はこちら。

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    ―第1回「デジタルフォレンジック調査とは?企業が知っておくべき基本情報」―
    ―第2回「デジタルフォレンジック調査の流れと費用とは?」―

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    2025年1Q KEVカタログ掲載CVEの統計と分析

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    はじめに

    米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)から公開されている「KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)」は、実際に攻撃に悪用された脆弱性の権威あるリストとして、組織のセキュリティ対策の優先順位付けに不可欠なツールとなっています。本レポートでは、KEVカタログに掲載された全データのうち2025年1月1日~3月31日に登録・公開された脆弱性の統計データと分析結果を紹介し、2025年4月以降に注意すべきポイントや、組織における実践的な脆弱性管理策について考察します。

    KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)とは何か

    KEVカタログ(Known Exploited Vulnerabilities)とは、米国政府機関CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)が公開する、既に悪用が確認された脆弱性(CVE)を一元管理する公式リストです。企業や組織のセキュリティ担当者は、実際に攻撃者に狙われた脆弱性情報を優先的に把握できるため、限られたリソースでも迅速かつ効率的にパッチ適用や検知ルール整備といった対策を講じることが可能になります。カタログに登録される条件は、エクスプロイトコードやマルウェアによる実害が報告されたものに限られ、一般的な脆弱性情報よりも高い優先度で対応を進められる点が大きな特徴です。四半期ごとに更新される最新のデータを活用することで、組織はリアルタイムに変化する脅威状況に即応し、リスク低減を図ることができます。

    概要 (2025年1月~3月に登録・公開されたKEVカタログ掲載CVE)

    2025年第一四半期(1月1日~3月31日)にCISAの既知悪用脆弱性カタログ(Known Exploited Vulnerabilities, KEV)に新規追加されたCVEエントリは73件に上りました*32

    CVE-2024-20439 CVE-2025-2783 CVE-2019-9875 CVE-2019-9874
    CVE-2025-30154 CVE-2017-12637 CVE-2024-48248 CVE-2025-1316
    CVE-2025-30066 CVE-2025-24472 CVE-2025-21590 CVE-2025-24201
    CVE-2025-24993 CVE-2025-24991 CVE-2025-24985 CVE-2025-24984
    CVE-2025-24983 CVE-2025-26633 CVE-2024-13161 CVE-2024-13160
    CVE-2024-13159 CVE-2024-57968 CVE-2025-25181 CVE-2025-22226
    CVE-2025-22225 CVE-2025-22224 CVE-2024-50302 CVE-2024-4885
    CVE-2018-8639 CVE-2022-43769 CVE-2022-43939 CVE-2023-20118
    CVE-2023-34192 CVE-2024-49035 CVE-2024-20953 CVE-2017-3066
    CVE-2025-24989 CVE-2025-0111 CVE-2025-23209 CVE-2025-0108
    CVE-2024-53704 CVE-2024-57727 CVE-2025-24200 CVE-2024-41710
    CVE-2024-40891 CVE-2024-40890 CVE-2025-21418 CVE-2025-21391
    CVE-2025-0994 CVE-2020-15069 CVE-2020-29574 CVE-2024-21413
    CVE-2022-23748 CVE-2025-0411 CVE-2024-53104 CVE-2018-19410
    CVE-2018-9276 CVE-2024-29059 CVE-2024-45195 CVE-2025-24085
    CVE-2025-23006 CVE-2020-11023 CVE-2024-50603 CVE-2025-21335
    CVE-2025-21334 CVE-2025-21333 CVE-2024-55591 CVE-2023-48365
    CVE-2024-12686 CVE-2025-0282 CVE-2020-2883 CVE-2024-55550
    CVE-2024-41713

    この期間中に追加された脆弱性には、政府機関や企業に広く使われるソフトウェアやデバイスの深刻な欠陥が多数含まれています。CISAは「これらの脆弱性は悪意あるサイバー攻撃者による頻出の攻撃経路であり、連邦政府エンタープライズに重大なリスクをもたらす」と警鐘を鳴らしており*33、各組織に対し迅速な修正を促しています。KEVカタログへの追加は、実際に攻撃で悪用された証拠に基づいて行われるため、当該期間中に登録された脆弱性は現在進行形で脅威となっているものばかりです。

    2025年Q1の登録件数トレンド

    Q1単体で73件というKEV追加件数は、昨年までのペースと比べても非常に多い数字です。実際、2023年および2024年通年の追加件数は各約180件程度で推移していました*34。単純計算で1四半期あたり45件前後のペースだったものが、2025年Q1は73件と約1.6倍に跳ね上がった形です。もしこのペースが年間を通じて維持されるとすれば、年間200件超はおろか300件近くに達する可能性もあり、前年までの安定推移を大きく上回る勢いです。

    この増加傾向の背景としては、考えられる要因がいくつかあります。一つは攻撃側の活発化です。実際、別の調査では「2025年Q1に新たに公表された“悪用された脆弱性”は159件にのぼる」とする報告もあり*35、脅威アクターが引き続き多数の新旧脆弱性を素早く攻撃に利用している状況が伺えます。もう一つは検知と公表の強化です。CISAやセキュリティ各社が脆弱性悪用の検知能力を高め、迅速に公表・警告する体制が整ってきたことで、KEVへの追加報告が増えている可能性もあります。いずれにせよ、今年は昨年以上に「既知の悪用脆弱性」が頻出している兆候であり、組織としてはこのペースに備えた体制強化が求められます。

    なお、KEVの新規追加は年間を通じて均一ではなく、特定の時期に集中する場合もあります。2025年は年始こそ緩やかな増加でしたが、2月後半から3月にかけて急増した週もありました(例: 3月前半の1週間で7件追加されたとの分析もあります)。このように脆弱性の悪用動向は季節や攻撃キャンペーンの状況によって変動するため、常に最新情報をウォッチする姿勢が重要です。

    ベンダー別登録状況

    2025年Q1に新規追加されたKEV脆弱性をベンダー別に見ると、Microsoft製品の脆弱性が最も多く含まれていました。これは毎年の傾向でもあり、Windowsをはじめとする同社製品が広範に使われ攻撃対象になりやすいことを反映しています*36。実際、1月にはMicrosoft WindowsのHyper-Vに関する未修正のカーネル脆弱性(Heap OverflowおよびUse-After-Free)が3件まとめて悪用確認されKEVに追加されました*37。また3月にはAppleのWebKitブラウザエンジンに起因するiPhone/iPad向けのゼロデイ脆弱性や、Juniper Networksのネットワーク機器OSの脆弱性が追加されており*38、Appleやネットワーク機器ベンダー(JuniperやCiscoなど)も上位に顔を出しています。

    特に注目すべきはIvanti(旧Pulse Secure等を含む)とMitelの台頭です。Ivantiについては、VPNアプライアンス「Connect Secure」やエンドポイント管理製品「Endpoint Manager」など複数の製品で脆弱性が相次ぎ悪用されました。例えば1月にはIvanti Connect Secure(旧Pulse Connect Secure)の深刻なバッファオーバーフロー欠陥(CVE-2025-0282)が国家規模の攻撃で使われた可能性が浮上し、KEV入りしています*39。さらに3月にはIvanti Endpoint Manager(EPM)に存在するパストラバーサル脆弱性3件が追加されました*40。Ivantiは2024年通年でも11件とMicrosoftに次ぐ数の脆弱性がKEV入りしており*41、2025年も引き続き注意が必要なベンダーと言えます。

    Mitel(通信機器メーカー)も昨年までKEV追加はごくわずかでしたが、2025年Q1には複数の脆弱性が一気に表面化しました。1月にはMitelの企業向けコラボレーション製品「MiCollab」の脆弱性が2件(認証不要のパストラバーサル[CVE-2024-41713]と管理者認証が必要なパストラバーサル[CVE-2024-55550])追加され*42、3月にはMitel製IP電話(SIP Phone)の管理インターフェースにおけるコマンドインジェクション脆弱性[CVE-2024-41710]も加わりました*43。Mitelのような中規模ベンダー製品でも攻撃対象になる事例が増えており、「自社には関係ない」と見落とさないよう注意が必要です。

    その他、VMware(仮想化ソフト)やFortinet(ファイアウォール)、Oracle(ミドルウェア)といったベンダーの脆弱性も複数登場しました。例えばFortinetのファイアウォールOSにおける認証バイパス欠陥*44や、Oracle WebLogic Serverの過去の未修正RCE(2020年にパッチは提供済みだが未適用サーバーが狙われた)*45がKEV入りしています。このように、上位はMicrosoftやAppleといった大手ですが、それ以外にも多彩なベンダーに攻撃が及んでいる点がQ1の特徴です。自組織で利用しているソフトウェアのベンダーがリストに含まれていれば要警戒ですし、たとえ主要ベンダー以外でも油断できません。

    自動化可能性 (Automatable) の分析

    興味深いことに、2025年Q1のKEV脆弱性の多くは「Automatable(攻撃自動化の容易性)= No」と評価されていました。これは「この脆弱性の悪用には何らかの手動操作や特別な条件が必要で、スクリプトによる大規模自動攻撃には向かない」という意味です*46。実際、Q1に追加された事例を見ると、攻撃者が悪用するにはユーザーの操作や物理アクセス、事前に認証情報を得ていること等が必要なケースが多く含まれていました。
    例えばAppleのiOS/iPadOSにおけるゼロデイ脆弱性(CVE-2025-24200)は「USB制限モード」を無効化するもので、攻撃にはターゲット端末への物理的なアクセスが必要でした*47。またMitelのIP電話機器の脆弱性(CVE-2024-41710)は管理者権限でログインできる攻撃者でなければ悪用できない設計でした*48。これらはインターネット越しに無差別スキャンで即座に攻撃できるタイプの脆弱性ではなく、限定的な条件下でのみ成立するものです。したがって攻撃の自動化は難しく、「Automatable = No」と判断されたのでしょう。

    この点は2024年の傾向と対照的です。昨年追加されたKEV脆弱性の多くは遠隔からスクリプトで容易に悪用可能なもので、「Automatable = Yes」が圧倒的多数を占めていました。たとえば2024年には認証不要のリモートコード実行や初期アクセスに使える脆弱性(OSコマンドインジェクション等)が多く含まれており、攻撃者はこれらをインターネット全体にスキャンをかけて自動的に侵入試行することができました*49。一方2025年Q1は、攻撃がより標的型(ターゲットを絞った手動攻撃)の様相を帯びているとも言えます。ただし注意すべきは、「Automatableでない」=安全という意味では決してないことです。たとえば前述のMitel MiCollabのケースでは、認証不要で自動悪用可能な脆弱性(CVSS 9.1)*50と認証必須で一見自動化が難しい脆弱性(CVSS 2.7)*51が組み合わさって使われました。後者単体では被害が限定的でも、前者で侵入した攻撃者が続けて後者を利用すれば権限あるユーザーになりすまし追加攻撃が可能になる、といった具合です*52。このように自動化が難しい脆弱性も、手動操作や他の欠陥との組み合わせで十分悪用され得るため、放置は禁物です。

    Technical Impact(技術的影響範囲)の傾向

    Technical Impactは「その脆弱性が与えるシステムへの影響範囲」の大きさを指し、CISAの基準では完全なシステム乗っ取りに至るものを“Total”(全面的影響)、情報漏えいや一部機能停止に留まるものを“Partial”(部分的影響)と分類しています*53。2025年Q1に追加された脆弱性のTechnical Impactをみると、“Total”が大半を占めていました。これは2024年通年の傾向とも一致しており、攻撃者が狙う脆弱性は基本的に「悪用すればシステムを完全制御できる」類のものが多いことを意味します。実際、Q1のKEVにはリモートコード実行(RCE)や認証回避による管理者権限奪取、任意コード実行といった致命的な影響をもたらす脆弱性が多数含まれました。例えばMicrosoft Hyper-Vのカーネル脆弱性は悪用によりホストOSを乗っ取れる(=Total)ものですし、FortinetやCiscoの認証バイパス欠陥も攻撃者にシステム完全制御を許します。

    一方で一部には“Partial”に分類される例も存在します。典型は情報漏えい型やサービス妨害型の脆弱性です。Q1では、例えばIvanti EPMのパストラバーサル脆弱性3件がSensitive情報の読み取りに利用できる(設定ファイル等の漏えい)ものでした*54。これらは直接コード実行はできないため影響範囲は限定的ですが、漏えいした情報(例えばパスワードハッシュ等)を足掛かりに別の攻撃を仕掛けられる可能性があります。また前述のMitelの例のように、一見Partialな脆弱性も他のTotalな脆弱性と組み合わせて利用され、結果的に全面的な被害に繋がるケースもあります*55。総じて、2025年Q1も“Total”な影響を与える脆弱性が主流ではありますが、Partialであっても油断はできません。影響範囲が限定的でもKEVに載るということは「現実に悪用された」ことを意味し、攻撃者にとって十分利用価値があるからです。

    CVSSスコア分布

    脆弱性の深刻度を表す指標として知られるCVSSスコア(基本値)について、2025年Q1のKEV追加分の分布を見てみましょう。CVSSでは一般にスコア7.0以上を“High”(高)、9.0以上を“Critical”(深刻)と分類します。Q1の73件を大まかに俯瞰すると、High帯(7.0–8.9)の脆弱性が相当数を占め、Critical帯(9.0以上)も一定数存在するといったバランスでした。つまり「深刻度がとても高いものばかり」ではなく、「高めだがCritical未満」の脆弱性も多数悪用されている状況です。

    実例を挙げると、Mitel MiCollabの2件の脆弱性はCVSSスコアが9.1(Critical)と2.7(Low相当)という極端な差がありながら、双方とも実際に攻撃に利用されています*56。Lowの方は「スコア2.7だから安全」では決してなく、前述のように他の脆弱性と組み合わされて攻撃チェーンの一部として悪用されました。加えて、2024年のKEV全体でも、CVSSスコアと実被害リスクが必ずしも比例しないことが指摘されています。たとえば2024年にKEV入りしたVersa社の脆弱性はCVSS7.2(High)の中程度スコアでしたが、実際にはISPやMSPに対する深刻なサプライチェーン攻撃に使われ得るものでした*57。このようにCVSSがCriticalでなくとも攻撃者にとって価値があれば悪用されること、逆にCriticalスコアでも条件付きでしか攻撃できないものもあることに留意が必要です。

    2024年通年と比べると、2025年Q1はCriticalの占める割合がやや低めだった可能性があります。2024年はLog4Shell(CVSS10.0)やProxyShell/ProxyLogon(9点台後半)など極めて高スコアの脆弱性が脚光を浴びましたが、2025年Q1はそれらに匹敵するような10.0満点のものは新規には見られませんでした(既存ではあるものの、新規追加分としてはなかった)。むしろCVSS7~8台の“High”クラスの脆弱性が広く悪用されていた印象です。これは、「攻撃者はCritical評価の脆弱性だけを狙うわけではない」ことの表れとも言えます。日々の運用ではどうしてもCVSSに目が行きがちですが、たとえCritical未満でもKEVに掲載された時点で放置すれば深刻なリスクとなるため、優先的に対策を講じるべきです。

    ランサムウェア悪用・APT攻撃の動き

    脆弱性が悪用される脅威として大きく分けると、金銭目的のランサムウェア攻撃と、スパイ活動やサイバー破壊を狙うAPT(国家・高度な持続的脅威)攻撃があります。2025年Q1のKEV脆弱性を見る限り、ランサムウェアによる悪用が判明している事例はごく少数でした。一方で、多くの脆弱性は国家主体のスパイ活動や高度な標的型攻撃(APT)での悪用、もしくはそれが強く疑われるケースが目立ちます。

    重要なのは、だからといってランサムウェア対策を後回しにしてよい訳ではないことです。脆弱性そのものにランサム攻撃の使用実績がなかったとしても、悪用方法が広まればサイバー犯罪集団が追随する可能性は十分にあります。またAPT攻撃経路として使われた脆弱性から情報を窃取され、その情報が二次被害として金銭目的に悪用されるリスクもあります。結局のところ、KEVに載るような脆弱性は攻撃者にとって価値が高いからこそ使われているのであり、それがAPT系かランサム系かを問わず、迅速な対応が必要である点に違いはありません。

    今後の展望と留意点

    (1). Q2以降で注視すべきCWE動向
    2025年Q1の時点で目立った脆弱性の種別(CWE)としては、OSコマンドインジェクション(CWE-78)やパストラバーサル(CWE-22)、不適切な認証(CWE-287)といったカテゴリが挙げられます*58。これらは2024年にも頻出した攻撃手法であり、引き続き「攻撃者が好む弱点」と言えるでしょう。特にコマンドインジェクションは遠隔から任意コード実行が可能になるため依然として人気が高く、Q2以降も各種ソフトウェアで類似の脆弱性が報告されれば迅速に悪用されるリスクがあります。同様に、パストラバーサルや認証回避の欠陥もVPN機器やWebアプリ等で報告が続くようなら注意が必要です。また、メモリ破壊系の脆弱性(Use-After-Freeやバッファオーバーフロー等)も依然無視できません。Q1にはMicrosoft Hyper-VやApple WebKitのゼロデイなどでメモリエラーに起因する脆弱性が悪用されました。これらは高度な攻撃者(APT等)がまず利用し、やがて犯罪集団にも手法が広まる傾向があるため、特にOSやブラウザ、主要ソフトのメモリ安全性に関する脆弱性情報には今後もアンテナを張っておくべきです。

    (2). 年間登録件数のペース
    すでに述べた通り、Q1の時点で昨年までの年間半分近い73件がKEV追加されています。このペースが維持・加速すれば年間200件を大幅に超える見込みで、仮に上振れすれば300件近くに達する可能性も否定できません*59。もっとも、Q2以降に減速する可能性もありますが、現状では少なくとも前年以上のハイペースであることは確かです。したがって組織としては「今年は昨年までよりも多くの緊急脆弱性が飛び出すかもしれない」という前提で計画を立てることが重要です。具体的には、増加する脆弱性通報に対応できるよう社内体制やプロセスの見直しを検討しましょう(後述の対策参照)。

    (3). 自組織での脆弱性管理に向けたポイント
    最後に、増え続けるKEVへの実践的な備えについて整理します。まず基本は、KEVカタログを自社の優先パッチ適用リストに組み込むことです。KEV掲載項目は、その脆弱性が未修正のままだと「深刻なリスクにさらされている」状態と言えます*60。自社で使っているシステムについてKEV該当の脆弱性がないか定期的にチェックし、該当があれば最優先でアップデートや緩和策適用を行う体制を整えましょう。可能であれば脆弱性管理ツールやスクリプトを用いて、KEVリストとの突合による影響調査を自動化すると効率的です。また、パッチ適用がすぐにできない事情がある場合でも、ベンダー提供の緩和策(設定変更や一時的無効化措置など)を講じる、該当システムへのアクセス経路を制限する(ネットワーク分離やWAF導入)など、被害を防ぐ工夫を行いましょう。

    加えて、脆弱性悪用の「検知」と「インシデント対応」も強化が必要です。既知悪用脆弱性は攻撃者が実際に使っているため、侵入の痕跡(IoC)がセキュリティベンダー等から提供されている場合があります。シグネチャベースの侵入検知システム(IDS)やエンドポイント検知(EDR)のルールを最新化し、該当する脆弱性攻撃の兆候を見逃さないようにしましょう。例えばCISAは悪用されたIvanti脆弱性に関してマルウェア解析レポートを公表し、YARAルールやSnortシグネチャを提示しています*61。こうした公開情報を活用し、もし自組織が既に攻撃を受けていないか(脆弱性が悪用された痕跡がないか)もチェックすることが望まれます。

    最後に、サプライチェーンや他社製品のリスクにも目配りしましょう。自社で使っていないソフトの脆弱性であっても、取引先や委託先のシステムが影響を受ければ、自社への間接的な被害につながる可能性があります*62。KEVカタログに重要取引先の製品が載った場合などは、その企業と連携して対策状況を確認するなど、協力体制を築くこともセキュリティリスク低減に有効です。

    まとめ

    2025年上半期(Q1時点)を振り返ると、脆弱性攻撃の脅威は昨年以上に増大し、多様化していることが分かります。攻撃者は依然としてシステム乗っ取り可能な深刻な欠陥(Technical Impactが“Total”のもの)を好んで悪用していますが、そのアプローチは巧妙化し、自動スキャンで一斉攻撃できないようなゼロデイも含め標的に応じて使い分けています。ランサムウェアなど金銭目的の攻撃だけでなく、国家絡みのスパイ攻撃でも新たな脆弱性が次々と悪用されました。

    こうした状況下で実務担当者が取るべき具体的アクションは、何より既知悪用脆弱性への迅速な対応です。KEVカタログは「サイバー攻撃者が現に使っている脆弱性」のリストであり、これを活用すればパッチ適用や緩和策の優先順位付けを的確に行えます。ぜひ社内の脆弱性管理プロセスにKEVチェックを組み込み、定期的に最新脆弱性情報をモニタしてください。また、開発部門にとってもKEVの傾向は示唆的です。どのような弱点(CWE)が現実に攻撃されやすいのか把握することで、ソフトウェア開発時のセキュリティ設計やテストにフィードバックできます。たとえば入力検証の不足(コマンドインジェクション)や認証周りの不備がどれほど危険か、KEV事例は警鐘を鳴らしています。

    最後に経営層の方々へ強調したいのは、脆弱性対策への投資は喫緊かつ最善のリスクヘッジであるという点です。2025年は脆弱性攻撃のペースがさらに加速する可能性があり、待ったなしの状況です。幸いKEVカタログをはじめ有益な情報源やツールも整いつつあります。これらをフル活用し、組織横断で脆弱性管理に取り組むことで、サイバー攻撃による甚大な被害を未然に防ぐことができるでしょう。「脅威のいま」を正しく把握し、迅速かつ着実な対策を講じて、2025年後半以降の更なる脅威にも備えていきましょう。

    【参考情報】

  • Known Exploited Vulnerabilities Catalog (CISA), wilderssecurity.com
  • CISA Alerts and VulnCheck Reports, channele2e/comvulncheck.com
  • Binding Operational Directive 22-01, cisa.gov
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    オンライン広告を悪用するマルバタイジング攻撃とは? -攻撃の手法や事例、基本的な対策例を解説-

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    企業の広告戦略において、オンライン広告の活用は今や不可欠です。しかし、近年ではそうしたオンライン広告の信頼性を悪用した「マルバタイジング(Malvertising)」攻撃の脅威が高まっており、企業のブランド毀損や利用ユーザへの被害が懸念されています。本記事では、企業の情報システム部門やデジタルマーケティング担当者に向けて、マルバタイジング攻撃の仕組み・手口・具体的な事例、そして取るべき対策について解説します。

    マルバタイジング攻撃とは

    マルバタイジングの概要

    「マルバタイジング」という言葉は悪意のある広告を意味します。そして「マルバタイジング攻撃」とは、正規のオンライン広告ネットワークを利用して、悪意のあるコンテンツやマルウェアを配布するサイバー攻撃です。攻撃者は主要なネットワークを通じて、広告利用者や顧客となるユーザを偽のサポートページ、フィッシングサイト、マルウェア配布ページなどに誘導します。

    主な手法・特徴

    ・検索エンジン広告の上位表示を利用し、正規サイトよりも上に悪意のある広告を掲載させる
    ・クローキング技術で、広告審査時には正常なページを見せ、ユーザには悪意あるコンテンツを表示
    ・多段階リダイレクトを通じ、攻撃の追跡や遮断を困難にする
    ・マルウェアをダウンロードするように誘導する

    さらに不正なストリーミングや違法コンテンツを利用し、ユーザの心理的なガードが下がっているタイミングを狙って攻撃者が攻撃を仕掛ける点や、偽の著名人広告を使ってリアリティを演出する点など、ソーシャルエンジニアリング攻撃としてのアプローチも確認できます。

    攻撃手法(広告主のアカウントの乗っ取り)

    近年特に問題視されているのが、広告アカウント自体の乗っ取りや悪用です。Malwarebytesの報告によれば、攻撃者はまず広告主を狙い、偽のGoogle広告やフィッシングページを通じて、認証情報を詐取します。これにより、正規の広告主のアカウントが乗っ取られ、「偽の広告出稿に使われる(正規アカウントゆえ審査を通過しやすい)」や「広告費が犯罪活動に使われ、別の被害につながる」「違法な目的で利用されたことで、正規アカウントのブランド価値が毀損される」といったことに繋がります。また、広告主からすると、被害者であると同時に加害者になってしまうリスクがあるため、その点にも留意が必要です。

    攻撃手法(広告主のアカウントの乗っ取り)イメージ画像
    出典:Malwarebytes,https://www.malwarebytes.com/blog/news/2025/01/the-great-google-ads-heist-criminals-ransack-advertiser-accounts-via-fake-google-ads

    ClickFix

    マルバタイジング攻撃の中核ともいえるのが、広告から遷移した先での悪意ある操作です。最近では「ClickFix」と呼ばれる手法が注目されています。これは一見してCaptcha画面やトラフィック認証のように見えるページで、ユーザ自身に悪意あるコマンドをコピー&ペーストさせ、実行させるというものです。

    代表的な手法

    こうして細工されたページは、一見、信頼感のあるドメインやUIを装い、ユーザを安心させることで、警戒心をくぐり抜けています。企業が提供している正規ブランドやツールの名前が使われるケースも多く、こうした事情を知った上での警戒が必要です。

    マルバタイジング攻撃の事例

    2023年、米セキュリティ企業SentinelOneは、攻撃者がGoogle広告を利用して、Amazon Web Services(AWS)のログインページを模倣したフィッシングサイトへの誘導を行ったとの報告を行いました。手順は下図の通りです。

    攻撃の流れ

    フィッシングサイトには「Webページのコンテンツコピーを阻害するためにマウスクリックが無効とされている」「キーボードショートカットを無効にするために、ショートカットを押すと『#』にリダイレクトされる」「ブラジル納税者番号等を装うためにポルトガル語を使用している」といった細工が施されていました。

    その他にも様々な攻撃事例があります。その一部を参考までに以下に記載します。

    事例1:米Yahoo広告ネットワークを悪用した大規模感染(2014年)
    2014年、米Yahooの広告ネットワークを通じて配信されたマルバタイジング攻撃では、ユーザが広告をクリックしなくても、広告が表示されるだけでマルウェアが自動的にインストールされる事例が報告されました。この攻撃は、数百万人のユーザに影響を及ぼしました。*3

    事例2:日本を標的とした「Cinobi」マルバタイジングキャンペーン(2021年)
    2021年8月、トレンドマイクロは、日本のユーザを標的としたマルバタイジングキャンペーンを報告しました。この攻撃では、「Cinobi」と呼ばれるトロイの木馬型マルウェアが使用され、暗号通貨関連のWebサイトを模倣した広告を通じて感染が拡大しました。

    事例3:Google広告アカウントの乗っ取りとフィッシング(2025年)
    2025年3月、Malwarebytesにより、SEOツール「Semrush」を装ったフィッシング広告がGoogle検索結果に表示され、ユーザを偽のログインページに誘導する事例が報告されました。これらの広告は、正規のSemrushサイトを模倣し、Googleアカウントの認証情報を盗み取ることを目的としていました。*4

    マルバタイジング攻撃への対策

    マルバタイジング攻撃は、攻撃者が合法的な広告経路を悪用する、ユーザに攻撃を実行させる、という手法を取る性質上、防御が難しい面があります。しかし、基本的な対策の徹底と、いくつかの技術的および運用上の対策により、そのリスクを大きく軽減することが可能です。

    マルバタイジング攻撃対策の基本

    • すべてのソフトウェア(特にウェブブラウザとその拡張機能)を常に最新の状態に保つ
    • アンチマルウェアソリューションや広告ブロッカーの導入によって攻撃リスクを抑制
    • FlashやJavaなどのプラグインを無効化し、ウェブ上で自動実行されないようにする*5
    • WAF(Web Application Firewall)を導入し、広告を通じた外部からの侵入リスクを防ぐ
    • 多要素認証(MFA)の導入により、アカウント乗っ取り被害を防止
    • API連携部分も含めたセキュリティ設計を検討

    多層防御とインシデント対応

    ・資産管理、脆弱性管理、ネットワーク分離などの複数対策を組み合わせた「多層防御」体制の構築
    ・攻撃の「侵入を前提」とした対応方針の確立と運用(ゼロトラスト)
    ・インシデントが発生した場合の備えとして、CSIRTの整備や初動手順の明文化を推奨

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    関連記事:
    侵入前提でのセキュリティ対策のポイント-サイバー攻撃への対策3-

    企業が行うべきセキュリティ対策の実効性評価

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    「ランサムウェア対策総点検」では現状のリスクの棚卸を行うことが可能です。システム環境の確認や、環境内で検知された危険度(リスクレベル)を判定いたします。

    ランサムウェア対策総点検サービス概要図

    BBSecランサムウェア総点検サービスへのバナー

    ペネトレーションテスト

    まとめ

    広告はもはや「見せるもの」というだけでなく、「狙われるもの」である
    ――そのような認識が今、求められています。

    オンライン広告の世界における「信頼」は、もはや絶対的なものではありません。広告インフラを突いたマルバタイジング攻撃は、今後も進化を続けていくと考えられ、企業・広告主・マーケターはより一層の警戒が求められます。

    本記事で紹介した事例や対策は、すべてのWebマーケティングに関わる組織が当事者であるといえる内容となります。攻撃の侵入を前提として何も信用しない「ゼロトラスト」の思考と、多層的なセキュリティ戦略のもと、日々の業務と広告展開の両面において、安全性を担保する取り組みが不可欠です。

    BBSecでは

    サイバー保険付帯脆弱性診断サービスの紹介

    サイバー保険付帯の脆弱性診断サービスへのバナー
    ※外部サイトにリンクします。

    サイバー保険付帯の対象となる脆弱性診断

    BBSecのSQAT® 脆弱性診断サービスすべてが対象となります。また、複数回脆弱性診断を実施した場合、最新の診断結果の報告日から1年間有効となります。

    脆弱性診断とは、企業・組織のシステムに存在する既知のセキュリティ上の欠陥(=脆弱性)を検出するための検査です。情報漏洩やサービス停止などの重大なセキュリティインシデントを未然に防ぐため、システム全体の問題点を可視化します。これにより、リスクに優先順位をつけて対策を講じることが可能です。また、継続的な診断の実施により、新しい脅威や構成変更、経年による新たな脆弱性の発露といった脅威にも柔軟に対応できるため、企業のセキュリティレベルを継続的に改善する基盤として重要な役割を果たします。

    関連記事:
    脆弱性診断の必要性とは?ツールなど調査手法と進め方

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    2025年サポート終了製品リスト付!サポートが終了したソフトウェアを使い続けるリスクとその対策

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    現代のビジネス環境では、ソフトウェアやシステムのセキュリティ対策が極めて重要です。しかし、多くの企業や個人が気づかぬうちに、サポートが終了したソフトウェアを使い続けることで、深刻なサイバーセキュリティのリスクにさらされています。本記事では、サポート終了製品を利用し続けることの危険性と、その対策について詳しく解説します。

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    サポートが終了したソフトウェアとは?

    ソフトウェアベンダーは、一定の期間ソフトウェアのアップデートやセキュリティパッチを提供します。しかし、開発の継続が難しくなると、メーカーはその製品のサポートを終了し、新しいバージョンへの移行を促します。例えば、Windows 10は2025年10月にサポート終了が予定されており、企業や個人ユーザーは今後の対応を迫られています。

    表.2025年中にEOLとなる製品

    サポート終了後のソフトウェアは、新たな脆弱性が発見されても修正されず、そのまま放置されることになります。このため、サイバー攻撃の標的となるリスクが非常に高くなります。

    サポートが終了したソフトウェアを使い続けるリスク

    1. セキュリティの脆弱性が修正されない
      サポートが終了したソフトウェアには、新たに発見された脆弱性に対するセキュリティパッチが提供されません。そのため、ハッカーにとって格好の標的となり、マルウェア感染や不正アクセスのリスクが高まります。
    2. ランサムウェアやマルウェア攻撃の増加
      近年、サポート終了ソフトウェアを狙ったランサムウェア攻撃が増加しています。例えばWindows XPのサポート終了後、「WannaCry」というランサムウェアが流行し、多くの企業が被害を受けました。これと同様の攻撃が、サポート終了後のWindows 10やその他の古いソフトウェアでも発生する可能性があります。
    3. 法規制やコンプライアンス違反
      企業がサポート終了ソフトウェアを使い続けることは、法的リスクを伴います。特にGDPR(EU一般データ保護規則)や日本の個人情報保護法では、適切なセキュリティ対策を講じることが求められています。サポートが終了したソフトウェアを利用することは、これらの規制違反となる可能性があり、企業の信頼性が損なわれる要因となります。
    4. ソフトウェアの互換性問題
      古いソフトウェアを使い続けると、最新のアプリケーションやハードウェアとの互換性が失われる可能性があります。例えば、最新のクラウドサービスが利用できなかったり、新しいデバイスとの接続ができなかったりすることで、業務の効率が低下します。
    5. ITコストの増加
      一見すると、古いソフトウェアを使い続けることはコスト削減につながるように思えますが、実際にはその逆です。セキュリティの問題が発生すれば、データ漏えいやシステム停止による損害が発生し、結果的に大きなコストがかかる可能性があります。

    サポート終了ソフトウェアへの対応策

    1. 速やかなアップグレード
      最も安全な対策は、最新のソフトウェアへアップグレードすることです。例えば、Windows 10のサポート終了が迫っているため、企業や個人はWindows 11への移行を検討することが推奨されます。
    2. 仮想環境での隔離
      どうしてもサポートが終了したソフトウェアを使い続ける必要がある場合は、**仮想マシン(VM)**を利用し、ネットワークから切り離して運用する方法もあります。これにより、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。
    3. セキュリティ対策の強化
      古いソフトウェアを使用する場合、ファイアウォールの強化や最新のエンドポイントセキュリティを導入することで、攻撃のリスクを軽減できます。また、多要素認証(MFA)を導入することで、不正アクセスのリスクを低減できます。
    4. 定期的な脆弱性診断
      企業では、定期的な脆弱性診断を実施し、セキュリティの問題を早期に発見することが不可欠です。セキュリティ専門家による診断を受けることで、サイバー攻撃のリスクを軽減できます。
    5. クラウドサービスへの移行
      古いソフトウェアの代替として、クラウドベースのサービスを活用する方法もあります。例えば、Microsoft 365やGoogle Workspaceといったクラウドサービスに移行することで、常に最新のセキュリティアップデートを受けられます。

    サポート終了後に脆弱性が公表された事例と考察

    【事例1】

    サポート終了となったCisco社のVPNルータ「RV016、RV042、RV042G、RV082、RV320、RV325」は、緊急の脆弱性(CVE-2023-20025等)により任意のコマンド実行される脆弱性を公表したが更新ファームウェアを提供しないことを表明した。

    【事例2】

    GeoVision社のいくつかの機器はサポート終了となっており、緊急の脆弱性(CVE-2024-11120)により認証不要のOSコマンドインジェクションがあり、攻撃者による悪用も確認されているが修正パッチ等はない。

    上記のように、EOL後に危険な脆弱性が発見された場合でも、公式の対応はなく危険な状態が続きます。また、代替製品への移行など、アップデートだけでは解決しない修正を行う際、迅速に対応できないケースが起こりうることにも注意が必要です。

    まとめ

    サポートが終了したソフトウェアを使い続けることは、重大なセキュリティリスクを伴うだけでなく、企業の信頼性や業務効率にも影響を及ぼします。特に、サイバー攻撃の標的になりやすく、ランサムウェア被害やデータ漏えいのリスクが高まります。安全なIT環境を維持するためには、定期的なアップグレードや適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。サポート終了前に適切な対応を行い、安心して業務を継続できる環境を整えましょう。


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    サイバーインシデント緊急対応

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  • 2025年2月26日(水)13:00~14:00
    AWS/Azure/GCPユーザー必見!企業が直面するクラウドセキュリティリスク
  • 2025年3月5日(水)13:00~14:00
    ランサムウェア対策の要!ペネトレーションテストとは?-ペネトレーションテストの効果、脆弱性診断との違い-
  • 2025年3月12日(水)14:00~15:00
    サイバー攻撃に備えるために定期的な脆弱性診断の実施を!-ツール診断と手動診断の比較-
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    サイバー攻撃者は何を狙うのか?~サイバー攻撃の準備段階~
    第1回 侵入するための偵察活動

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    攻撃者はターゲットの目星を付けるためや、侵入を計画・実行するために情報を収集します。この情報収集活動が偵察活動です。サイバー攻撃などが発生したとき、たいてい注目されるのはどこから入られたのか、どういった痕跡が残されているのかといった侵害行為の初動(初期アクセス)の時点からですが、攻撃者は侵害行為を始める前に偵察活動と、侵害行為のための足掛かりづくりを行います。シリーズ第1回目の今回はこの偵察活動についてお伝えします。

    偵察活動の例

    ランサムウェア攻撃グループ「LockBit」

    2024年初頭に国際法執行機関による捜査の結果、一部関係者が逮捕されたランサムウェア「LockBit」ですが、LockBitも偵察活動の一環として他の脅威アクターからフィッシングや脆弱なアプリ、ブルートフォース攻撃で取得したRDPアカウントの情報をアフィリエイト経由で入手していたといわれています*6

    Cobalt Strikeを悪用するランサムウェアグループ

    本来は正規の攻撃再現ツールであるCobalt Strikeですが、その高い機能性からランサムウェアギャングなどによる悪用が行われているソフトウェアでもあります*2。過去に行われたCobalt Strikeを悪用したキャンペーンではフィッシング手法が使われていることも周知されています*3。また、Cobalt StrikeにはBeaconという機能*4があり、この機能はターゲットのスキャンとソフトウェアの種類とバージョンの特定を行うことができます。正しく使用すればアセット管理・インベントリ管理にも使えるのですが、残念なことにこの機能が悪用されたことがあります。この悪用はフィッシング後に実行されていますが、偵察活動の一環として使用された可能性があることからこちらの項でご紹介します。

    Volt Typhoon

    ランサムウェアギャングやマルウェア以外の中でも、我々にとって比較的身近な、国家支援型の脅威アクターの中で名前が挙げられるグループの一つが「Volt Typhoon」でしょう。JPCERT/CCから詳細なレポートも出ており、その活動の特徴から侵害の痕跡をもととした対策があまり効果的でない点について指摘されています。これはVolt Typhoonがターゲットとするものがアクティブディレクトリ(AD)に限定されること、偵察活動と実際の侵害行為を時系列的に完全に切り離して実行していることの2点によります。つまり、Volt Typhoonや類似のアクターに対しては偵察行為の時点で発見するということが重要となります。

    ランサムウェアの脅威画像
    出典:JPCERT/CC「Volt Typhoonの攻撃キャンペーンにどう備えていくべきなのか ~将来の攻撃に備えるThreat Huntingのアプローチについて考える~」より引用

    JPCERT/CCは豪州通信情報局豪州サイバーセキュリティセンター(ASD’s ACSC)主導のもと各国と協力の上、2024年8月にWindowsのイベントログと脅威検出についてのベストプラクティスを発表しています*5。これはシステム内規制戦術をとる脅威アクターをターゲットとした文書ですが、Volt Typhoonもケーススタディとして取り上げられています。Windows環境、特にAD環境を運用されている組織の方はぜひこの文書を参考にログの取得方法の見直しをすることをおすすめします。

    偵察活動の一覧

    最後にMITRE ATT&CKで偵察活動として挙げられているものの一覧を掲載します。

    弊社では11月20日(水)13:50より、「中小企業に迫るランサムウェア!サプライチェーン攻撃とは -サプライチェーン攻撃から企業を守るための取り組み-」と題し、ウェビナーを開催予定です。こちらでは以下でご紹介するMITRE ATT&CKで挙げられている偵察活動の例について、講師が解説いたします。ご関心がおありでしたらぜひお申込みください。詳細はこちら

    表の見方

    • MITRE ATT&CK ID: MITRE ATT&CKで活動に対して付与されているID
    • 名称:MITRE ATT&CKが活動に対して付与した名称
    • 備考:記載があるものはよく偵察活動で実行されているものについて弊社で記載したもの

    偵察活動の一覧

    MITRE ATT&CK ID 名称 備考
    T1595 アクティブスキャン
    0.001 IPブロック(パブリックIP)のスキャン
    0.002 脆弱性スキャン
    備考

    攻撃者は悪用できそうな脆弱性を見つけるために脆弱性スキャンを実行するケースが多い。公開アセットに対する脆弱性スキャン自体を防ぐことは困難であるため、不要なアセットを公開しないことや適切なアクセス制御を行うこと、公開アセットの脆弱性を最低限に抑えること、ネットワークトラフィックの中身やフローから脅威を発見する体制を整えることがポイントとなる。

    0.003 ワードリストスキャン 注 1)
    T1592 ターゲットのホスト情報の収集
    0.001 ハードウェア
    0.002 ソフトウェア
    備考

    攻撃者は複数の手段でホスト情報を収集する。侵害したWebサイトを経由した未来のターゲット情報(Webブラウザ関連の情報)の収集、フィッシングサイトの訪問者からのユーザーエージェント情報の取得、サプライチェーン攻撃のためのソフトウェアコードの情報や特定のソフトウェアを使用しているコンピューターリストの収集などがある。

    0.003 ファームウェア
    0.004 クライアント設定 注 2)
    T1592 ターゲットの認証・個人情報の収集 注 3)
    0.001 認証情報
    備考

    攻撃者はありとあらゆる手段を用いて認証情報を収集する。単純なログイン情報の取得だけでなく、ターゲット組織内のユーザーの個人用・ビジネス用両方のアカウント同じパスワードを使い回しているケースなどを狙って認証情報を取得する。また、過去に情報漏洩の被害に遭った企業をターゲットにブルートフォース攻撃を実行したり、特定の機器やソフトウェアの認証情報を収集したり、SMS経由でスピアフィッシングメッセージを送信し認証情報を窃取することもある。偵察行為の時点では防御や検知が困難なため、実際に悪用された時点での検知が重要となる。

    0.002 メールアドレス
    備考

    攻撃者は、ソーシャルメディア、公開Webサイトの情報の検索、Microsoft 365環境用のアドレスを公開APIなどの手段を利用して入手することができる。入手した情報はフィッシングやブルートフォース攻撃に利用される可能性がある。もともとメールアドレスは外部公開を前提とした情報であるため防御は困難だが、メールアドレスやユーザー名を探索しようとする目的のトラフィックを検知することで攻撃の予兆を把握することができる。

    0.003 従業員名
    備考

    攻撃者はフィッシングなどで相手を信用させるため、アカウント侵害の際に悪用するため、従業員情報を収集する。SNSやターゲットのWebサイトの検索などで容易に収集可能なため、偵察行為の時点では防御や検知は困難である。実際に悪用された時点での検出が重要となる。

    T1592 ターゲットのネットワーク情報の収集
    0.001 ドメインプロパティ 注 4)
    0.002 DNS
    0.003 ネットワークの信頼関係 注 5)
    0.004 ネットワークトポロジー
    0.005 IPアドレス
    0.006 ネットワークセキュリティアプライアンス
    T1591 ターゲットの組織情報の収集
    0.001 物理ロケーションの推定
    0.002 取引関係の推定
    備考

    攻撃者は、ターゲティングに利用できる取引関係の情報情報(ハードウェア・ソフトウェアのサプライチェーンやセカンドパーティー・サードパーティーの組織・ドメインの情報など)を収集する。収集した情報は他の偵察行為や攻撃の足掛かりづくり、初期アクセスに展開される可能性がある。防御や検知は困難で、この段階では不正確な判定につながる可能性が高いため、悪用された時点での検出が重要となる。

    0.003 ビジネスのテンポの推定 注 6)
    0.004 役職などの推定
    備考

    攻撃者は、ターゲット設定のために、組織内の主要な人員の情報やアクセスできるデータやリソースなどの情報を収集する。フィッシングなどによる情報収集から、最も効率的にデータにアクセスできるアカウントはどれか、自分が情報をそろえているアカウントがアクセスできるデータの範囲はどこかといった情報を確認し、侵害すべき対象を見極める。収集した情報は他の偵察行為や攻撃の足掛かりづくり、初期アクセスに展開される可能性がある。偵察行為の時点では防御や検知は困難なため、悪用された時点での検出が重要となる。

    T1598 情報収集のためのフィッシング
    0.001 スピアフィッシングサービス 注 7)
    0.002 悪意のあるコードなどを含む添付ファイルによるスピアフィッシング
    備考

    スピアフィッシングでは、攻撃者がソーシャルエンジニアリングの技法を用いて、ターゲット企業のユーザーに対して悪意あるコードなどを含む添付ファイルを含んだメールを送信し、その添付ファイルを開かせ、認証情報などの悪用可能な情報を収集する。防御方法としては、SPFやDKIM、DMARCといったメールサーバの基本設定を行うことや、フィルタリング、ユーザートレーニングが推奨されている。検知方法としてはメールのモニタリングやフィルタリング、ネットワークトラフィックの監視や分析が有効。

    0.003/td>

    リンクを悪用したスピアフィッシング
    備考

    スピアフィッシングのうち、メッセージ内にリンク挿入したものやトラッキング用のタグを含むもの。リンク先自体は正規のWebサイトの場合もあれば、リンク先は悪意のあるWebサイトの場合もあり、攻撃者はサイトへ誘導したうえで認証情報を窃取する。またトラッキング用のタグを使用し、ユーザーが対象のメールを開いたかどうかを確認する。この場合も防御方法としては、SPFやDKIM、DMARCといったメールサーバの基本設定を行うことや、フィルタリング、ユーザートレーニングが推奨される。検知方法も同様で、メールのモニタリングやフィルタリング、ネットワークトラフィックの監視や分析が有効。

    0.004 音声によるスピアフィッシング
    備考

    音声通信(電話)を用いたスピアフィッシング。攻撃者は取引先やテクニカルサポートスタッフなどの信頼できる相手を装い機密情報を聞き出そうとする。また、フィッシングメッセージから電話を掛けるように誘導するパターンや別の偵察活動で得た情報を利用し、ターゲットの信頼を得ようとすることもある。実例として、認証情報の窃取、サポートデスクに連絡して権限昇格を要求する、悪意のあるWebサイトへの誘導などがある。ほかのスピアフィッシングに比べると防御・検知の手段が限られており、防御はユーザーのセキュリティ教育、検知はコールログの監視などにとどまる。

    T1597 閉鎖的・限定的な情報源からの情報収集 注 8)
    0.001 脅威インテリンジェスベンダー 注 9)
    0.002 技術データの購入 注 10)
    T1596 公開技術データベースの検索 注 11)
    0.001 DNS/Passive DNS
    0.002 WHOIS
    0.003 デジタル証明書
    0.004 CDN
    0.005 公開スキャンデータベース
    T1593 公開Webサイト・ドメインの検索
    備考

    公開Webサイトやドメインといった組織の管理外の公開資産のため、防御・検知は困難なものが多い。

    0.001 ソーシャルメディア
    備考

    攻撃者はSNSを利用してターゲット個人を特定し、フィッシングメールを送信したり、なりすましをしたり、個人情報を収集したりする。収集した情報は他の形態の偵察や攻撃の足掛かりづくり、初期アクセスに展開される可能性がある。偵察行為の時点での防御・検知は困難なため、悪用された時点での検出が重要となる。

    0.002 検索エンジン
    0.003 コードレポジトリ
    備考

    攻撃者はGitHubなどの公開コードレポジトリを検索し、ターゲット組織の情報(認証情報・ソースコード)を収集する。収集した情報は他の形態の偵察や攻撃の足掛かりづくり、初期アクセスに展開される可能性がある。防御はアプリケーション開発者向けのガイドの頒布や監査の実施が有効とされている。ただし偵察行為の時点では検知は困難なため、悪用された時点での検出が重要となる。

    T1594 ターゲット所有のWebサイトの検索
    備考

    企業は事業活動の一環として会社情報の公開が不可避ですが、攻撃者はターゲット所有のWebサイトから様々な情報の収集を試みる。収集された情報は他の形態の偵察や攻撃の足掛かりづくり、初期アクセスに展開される可能性がある。実例として、コンタクトフォームを経由したフィッシングメールの送信、ターゲット企業の情報を計画に反映する、ターゲット個人の学術的関心事の調査などが挙げられる。

    出典:MITRE ATT&CK®https://attack.mitre.org/tactics/TA0043/)を元に弊社和訳、備考欄追記

    注:
    1) 一般的に使用されるファイル名、ファイル拡張子、特定のソフトウェア固有の用語をスキャンするもの。他の偵察技術から収集した情報をもとにカスタムしたワードリストを使う場合も。Webサイトのイースターエッグや古い脆弱性を含むページ、管理用の隠しページなどを掘り起こして悪用することを目的に総当たりでディレクトリとページの構造をスキャンすることも。
    2) Office 365のテナントからターゲットの環境情報を収集する例などがあります。
    3) 秘密の質問やMFA(多要素認証)の設定なども含まれる。
    4) ドメイン情報から読み取れる情報(氏名・電子メールアドレス・電話番号などの個人情報とネームサーバー情報やレジストラなどの情報)、クラウドプロバイダが関係する場合はその公開APIからのレスポンスなどで取得できる情報が該当する。
    5) ネットワーク間の相互信頼・依存関係などが対象。例えばAD間の相互信頼関係や、サプライチェーン内でのネットワークの相互信頼・依存関係が該当する。
    6) 営業時間、定休日、出荷サイクルなどの情報。
    7) サードパーティーのサービスを介してスピアフィッシングメッセージを送信し、機密情報(認証情報など攻撃への悪用ができる情報)を聞き出すことを指す。SNS、個人へのメール、企業が管理していない各種サービスからのメッセージなどありとあらゆる、企業よりもセキュリティポリシーが緩いサービス上で実行される。
    8) 評価の高い情報源や有料購読の情報源(有料の時点である程度の品質が期待される)、課金で情報を買うデータベースなどから情報を収集するケースが想定されている。代替手段としてダークウェブやサイバー犯罪のブラックマーケットからの情報購入も挙げられている。
    9) 脅威インテリンジェスベンダーの有償データを検索して標的設定用のデータを探すケース。通常こういったデータは社名などの機密情報を匿名化していることが大半だが、標的の業種、成功したTTP(Tactics, Techniques and Proceduresの略。戦略・技法・手順を指す)や対策などの侵害に関するトレンドが含まれているので、ターゲットに合致する情報が含まれている可能性がある。
    10) 評価の高い情報源や各種データベースからの情報の購入、代替手段としてのダークウェブやブラックマーケットからの情報購入が挙げられているが、代表例はダークウェブから認証情報が購入された事例となっている。
    11) 公開技術データベースの特性上、防御・検知が困難なものが多い。いずれも初期アクセスの時点での検知が重要となる。

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    国内大手フードデリバリーサービスを襲った暗号通貨マイニングマルウェア事件の全容~デジタル忍者の襲来:国内企業を震撼 (しんかん)させた史上最悪のサイバー攻撃~

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    突如訪れた暗黒の10月25日

    2024年秋、日本最大級のフードデリバリーサービスに前代未聞の危機が訪れた。全国の飲食店と消費者をつなぐ巨大プラットフォームが、見えない敵に攻撃されたのである。

    静かなる侵略者「RedTail」の恐怖

    その敵の名は「RedTail(レッドテイル)」。デジタル世界の暗殺者とも呼ぶべき最新のマルウェアである。RedTailはあたかも影の忍者のごとく、世界的に使用されているセキュリティシステム、Palo Alto Networks社の「PAN-OS」のわずかな隙をついて侵入を果たした。このデジタル忍者は、驚くべき潜伏能力を持っていた。システムの深部に潜み込み、暗号通貨をひそかに採掘しながら、その存在を巧妙に 隠蔽 (いんぺい) し続けたのである。まさに現代のサイバー戦争を象徴する出来事であった。

    72時間の闘い:システムを守る最後の砦

    事態が発覚した10月25日、技術者たちは直ちに非常事態体制に入った。しかし、敵はすでに複数のサーバーに潜伏しており、一つを制圧すれば別の場所で姿を現すという、まさに「もぐらたたき」のような戦いを強いられた。同月26日午後2時30分、ついに全システムの停止という苦渋の決断が下された。技術者たちは不眠不休でマルウェアの駆除と安全性の確認に従事し、72時間に及ぶ死闘の末、ようやくシステムを取り戻すことに成功したのである。

    未曾有 (みぞう) の混乱がもたらした教訓

    この事件による影響は甚大であった。数十万件に及ぶ注文のキャンセル、数千店舗の営業停止、そして配達員たちの収入機会の喪失。しかし、不幸中の幸いというべきか、個人情報の流出だけは免れた。

    新時代のデジタルセキュリティへの挑戦

    この事件を機に、企業は包括的なセキュリティ改革に着手した。システムの監視体制を強化し、従業員への教育を徹底。さらに、定期的な脆弱性診断とインシデント対応プロセスの刷新を行うことで、より強固なセキュリティ体制の構築を目指している。

    警鐘:すべてのデジタルサービスへの警告

    本事件は、現代のデジタル社会における脅威の深刻さを如実に示している。サイバーセキュリティはもはや企業の「選択肢」ではなく「生命線」である。そして、デジタル時代を生きるすべての企業への警鐘として長く記憶されることとなるだろう。


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    スマートフォンやルータを狙うマルウェア
    『Wroba(ローバ)』

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    スマホやWi-Fiルータを標的とするマルウェアをご存じでしょうか。「Wroba(ローバ)」と呼ばれるこのマルウェアは、公共のWi-Fiネットワークを通じて他のデバイスにも感染を広げ、大規模な被害を引き起こす可能性があるとされています。本記事では、Wrobaの特徴や感染経路に触れながら、企業・組織がマルウェアの被害を防御・最小限にとどめるためにどのような対策をとればよいのかについて、解説していきます。

    マルウェア「Wroba」とは

    「Wroba」は「Roaming Mantis(ローミングマンティス)」と呼ばれる攻撃キャンペーンに使用されてきたマルウェアで、2018年頃から注目されるようになりました。このキャンペーンは、主に日本を含む東アジアを中心に展開されています。攻撃者はフィッシングを通じてWrobaを広範囲に拡散させ、多数のデバイスを感染させています。このキャンペーンでは、ユーザの認証情報を盗み出し、金銭的な被害や個人情報の漏洩を引き起こします。以前は主にAndroidデバイスを標的としていましたが、近年ではiOSやルータも標的にする傾向があります。

    マルウェア「Wroba」による被害

    マルウェア「Wroba」は様々な経路からユーザのデバイスに感染します。そのため、住所や支払い情報など、デバイスに記録された多くの個人情報が攻撃者に送信されてしまうケースがあり、結果、金融詐欺や不正送金などの金銭的被害につながる可能性もあります。また、暗号資産のマイニング攻撃に悪用されるケースも過去に観測されており、これによってデバイスの動作が不安定になり、最悪の場合、デバイスが使用不能になることも考えられます。企業においては、従業員のデバイスが感染することで、機密情報の漏洩や業務の停滞を招く恐れがあります。特に、重要な機密情報や顧客情報が盗まれると、企業の信用を大きく損なう可能性があります。

    マルウェア「Wroba」の攻撃対象

    Wrobaは主にAndroidデバイスをターゲットとしていましたが、近年では亜種の登場によりWi-Fiルータにも攻撃が拡大しています。この亜種の最大の特徴は、DNSの改ざん機能が実装されている点です。感染したデバイスは、自宅はもちろん、会社や公共のWi-Fiルータに接続するだけで、ルータのDNS設定が意図的に改ざんされてしまいます。Wrobaは韓国で一般的に使用されているWi-Fiルータを主に標的にして感染を拡大させましたが、近年は日本を含む東アジアでも被害が広がっています。

    マルウェア「Wroba」の脅威

    Wi-Fiルータに侵入してDNSをハイジャック

    WrobaはWi-Fiルータに侵入し、DNS設定を変更することで、細工された悪意のあるサイトにユーザを誘導します。この手法により、ユーザは自分のデバイスが感染していることに気付かないまま、個人情報を攻撃者に盗まれてしまいます。さらに、DNS設定を改ざんされたWi-Fiルータに接続したデバイスが感染していくことで、次々にデバイスとルータに感染を広げる結果となります。

    AndroidのAPKファイルを悪用

    APKファイル(Android Package Kit)は、Androidのスマートフォン端末に対して、アプリをインストールするためのアーカイブファイルです。攻撃者は、このAPKファイルを改ざんすることで、ユーザの端末にWrobaをインストールさせます。マルウェアを含んだアプリは、正規のアプリケーションに見せかけて配布されるため、ユーザは不審に思うことなくインストールしてしまうのです。

    マルウェア「Wroba」の主な感染経路

    Wrobaの主なターゲットは韓国のWi-Fiルータですが、被害は韓国だけでなく、日本をはじめとした様々な国に被害が広がっています。韓国以外の地域では、スミッシング(SMSフィッシング)が感染手法として使用されています。スミッシングでは、ユーザが不審なSMS内のリンクをクリックすると、マルウェアがダウンロードされ、デバイスが感染します。スミッシングは、信頼できる企業やサービスを装ったSMSを利用するため、多くのユーザがだまされやすい手法です。日本では、宅配業者を装って不在連絡などを餌にフィッシングサイトへ誘導するケースが有名となりました。

    Roaming Mantisによる攻撃フロー
    – Wi-FiルータのDNS設定を改ざん、悪意のあるランディングページを使用してスマートフォンの感染を試みる

    公共のWi-Fiネットワークを通じた感染拡大のリスク

    感染したAndroidデバイスが公共のWi-Fiネットワークに接続すると、ネットワーク上の他のデバイスにもマルウェアを拡散するリスクがあります。特に、不特定多数の人が利用する公共Wi-Fiは、攻撃者にとって感染を広げる絶好のターゲットとなります。感染したデバイスが同じネットワークに接続されることで、他のデバイスも次々と感染し、被害が拡大します。これにより、一度の感染で大規模な被害が発生する可能性が高まります。

    マルウェア対策の基本的な考え

    ここまで、Wrobaの脅威と感染経路について説明してきましたが、不意に襲い来るマルウェアの被害を防御、あるいは最小限にとどめるためには、普段から基本的なマルウェア対策を講じることが重要です。以下のような例が挙げられます。

    あらゆるマルウェアからシステムを守るために、組織内で汎用的な対策を確認しておきましょう。

    マルウェア対策モデルケース

    限りある予算と時間の中で、すべての対策を講じることは困難なので、それぞれの企業・組織の現状に応じて取り組む必要があります。自企業・組織の位置づけに応じて、今取り組むべき具体的な対策を見つけるには、例えば、次のようなマルウェア対策をフェーズの視点で検討してみるとよいでしょう。

    マルウェア対策のモデルケースサイクル図画像
    マルウェア対策のモデルケースサイクル図

    スパムメールに対する従業員の知識がまったくない組織であれば、標的型メール訓練を行ってリテラシーの向上を図ることから始めるといいかもしれません。従業員教育は行っているけれども、技術的な対策はウイルス対策ソフトを導入しているだけという組織であれば、感染してしまった場合にどのくらいの被害を受けるか調査してみると、優先的に実施すべき対策を検討する糸口となることでしょう。あるいは、メールセキュリティサービスをすでに利用しており、不正アクセス対策にもある程度自信があるという組織であれば、そういったセキュリティ対策が本当に有効に機能しているか、ペネトレーションテストのようなサービスを利用して実際に確認してみることをおすすめします。

    マルウェア「Wroba」への対策方法

    Wrobaへの対策方法は以下の通りです。

    • ルータのユーザマニュアルを参照し、DNS設定が改ざんされていないことを確認する。もしくは、サービスプロバイダーに問い合わせてサポートを受ける。
    • ルータの管理用Webインターフェースの既定ログインIDとパスワードを変更する。
    • ルータの公式サイトで提供されるファームウェアの更新プログラムを使用して定期的にアップデートする。ルータのファームウェアは、必ず公式サイトにあるものを利用する。
    • 接続したWebサイトのアドレスが正規アドレスであるかどうかを常に確認する。データの入力を求められた場合、アドレスがhttpsで始まっていることを確認するなど、不正な兆候を探す。
    • モバイルデバイス用のセキュリティソリューションを利用する。

    最後に

    Wrobaは、ルータやスマートフォンを標的とする非常に危険なマルウェアであり、個人および企業に多大な被害をもたらす可能性があります。主な感染経路としては、スミッシングや不審なAPKファイルが挙げられます。結果、ユーザは自分のデバイスが感染していることに気付かずに個人情報を漏洩させ、さらにはさらなる感染のほう助をしてしまう可能性があります。対策としては、組織的対策、従業員教育、技術的対策が重要です。特に、ルータの設定を確認し、セキュリティの強化を図ることが重要です。また、公共Wi-Fiの利用時には細心の注意が必要です。最新のセキュリティ情報を常にチェックし、適切な対策を講じることで、Wrobaの脅威から身を守ることができます。セキュリティ意識を高め、包括的な対策を講じることが、被害を未然に防ぐ鍵となります。

    BBSecでは

    マルウェア対策の回答は1つではなく、多層防御がカギとなります。マルウェア課題の解消をお手伝いする、BBSecご提供サービスの一部をこちらにご紹介します。

    <セキュリティ教育>

    標的型攻撃メール訓練

    ※外部サイトにリンクします。

    <攻撃・侵入されることを前提とした多層防御>

    ※外部サイトにリンクします。

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